月組青年館公演「Hollywood Lover」も、まもなく初日の幕があがります。

同時に、月組バウホール「ホフマン物語」もCパターンの初日を迎え、

そして、トップトリオはただいまイギリス&アイルランドツアー中♪♪

……月組生、みんなみんながんばってます!



そんな中でも。
「Hollywood Lover」の下級生たちについて、ちょっとレポートしておきたいと思います。
青年館公演で変更されるところがあるかもしれませんが、いちおう、せっかくバウでも観てきたので、青年館で初めてご覧になる方に、少しでも見逃しのないように(^ ^)情報提供を♪



「実在の人物」「イタリア人」のくくりは書いたので、次は撮影所のスタッフを。
「ハリウッド映画」の黄金期を支えた(支える?)スタッフたちの、熱意と技術を表現しようとあれこれ工夫してくれている月組っ子たちが、可愛くて可愛くて……。
ステファーノ監督の期待にこたえようと真剣なスタッフたち。
ウォルターとリチャードが経営する会社は、うまくいっているんだなーと思いました。リチャード自身も、今まで(ステファーノとの確執まで)は有能なプロデューサーとして、スタッフの羨望と信頼を浴びていたんだろうなぁ、、と…。

彼らの働く「現場」が、明るく熱気に溢れれば溢れるほどに、
しみじみとリチャードの孤独が身に凍みてくるんですよね……(T T)。



○えりおっと(姿樹えり緒)
スタイリスト?ヘアデザイナー?の、ベン。

おかまちゃんです。見事なキャラクター造形と芝居力。
忘れられない強烈な印象を与えますよね、この役。休憩時間なんかに、「あのおかまちゃんは誰?」って声をよく聴きます。
…“えりおっとですよ”、と振り返って教えたいのを我慢するのも、結構大変だった(苦笑)。
ぜひぜひ、みなさんも注目してあげてください。

一番の見せ場は、サラ・ベルナールの鬘を金髪にしろ、という無理難題に「よよよ…」と泣き崩れてしまうあたりのやりとりの緒面白さと、
2幕、「ダニエルの店」での打ち上げ会場でのステファーノとのやりとり。「いやぁん、なんてステキ☆」とか、ステファーノにサインをもらいながら呟いているエリオットが真剣にキュートで、ちょっと惚れそうでした。
良い役でしたねぇ〜。

ただ、彼のデザインした鬘が、あいちゃんローズに『ものすごく似合っている』かどうか、というと……
微妙、なのかもしれないなー……(←そこがいいと思います!)



○りこ(麻月れんか)ちゃん
ADのサム・ブライトン。

この役、本当においしい良い役なんですけど。りこちゃんの『高すぎる声』という欠点にもうまく宛てられていて、いい感じに“ちょっとウザいけど憎めない”というキャラクターができていたと思います。

いやー、良くがんばったよね、りこちゃん♪
出番も多いし、やることも多いし、しかも幕開きと閉幕どちらもサムだし……大変なプレッシャーだったと思うのですが。
また青年館で、一回り成長したサムに会えるのを楽しみにしています♪

ラストの空港での名台詞。へんにヒネらないでストレートに言ったのが良かったんでしょうかねぇ…。
バウでは観るたびに泣いていたこの場面、組替えが発表された今観たら、どんな精神状態になるのやら…自分でも予想ができません(^ ^;;;。



○なっつ(夏月都)
サムの恋人、ナンシー・ベネット    

とにかく可愛い、ひたすら可愛い、
何はともあれ、ものすごく可愛い!
それが、なっつなんだなーと思いました。

普通なら絶対ウザくなるはずの役を、りこちゃんと二人で『爽やかにウザく』、ステファーノの郷愁を呼び起こすキーパーソンとして、話を引っ掻き回すトリックスター、道化者として場面場面にちょっかいをかけてくる存在。

一番可愛かったのは、「サラ・ベルナール」の試写会が終わるのを会場の外で待っているナンシー。
小さく丸くなってしゃがみこんだ、まるで見捨てられた子供のような姿勢のナンシーが切なくて可愛くて。「皆早く出てきてあげなよ!」っていうか、「ナンシーも入れてあげなよ!」っていうか……そんな気持ちにさせられましたね。

なっつがいなくても、この物語はこのとおり進行させることができますけれども。なっつがいなかったら、観客の気持ちが動く場面はもっと少なくなってしまったんじゃないかなーと思います。
そういう意味で、ナンシーという役は「観客」と「舞台」をつなぐ役でしたし、なっつは下級生の頃からそういう役が巧かったっけなあ、と思ったりしたのでした。



○とーやん(榎登也)
俳優のフィリップ・ディオン。映画「サラ・ベルナール」では、ヒロインの相手役を務めます。
イタリアンなスタッフからは「使えないアメ公」的な評価を受けるフィリップさんですが、私は結構あのキャラクターが好きだったりします。
きっしーに「頭悪そうだよなあ…(溜息)」とかぼやかれたその脇で気障っちく髪をかきあげる仕草とか、最高にステキでした。

それにしても87期はみんな声が高いなあ(苦笑)。
りこちゃんも高いけど、とーやんも負けじと高い。あの声では芝居の幅がどうしても狭くなってしまうから、ステファーノ監督の求める演技ができない、っていうのは解るのですが。

しかし、なんで「テキサス訛」なんだろう?
訛のためにトーキーで苦労する、っていうと、「雨に唄えば」のリナを思い出すのですが。
…サイレント映画の黄金期が「遠い昔に終わった時代」として語られる「サンセット大通り」が1950年の作品であることを考えると、フィリップは最初から“トーキーのスター”だったはずですよね…?

うーむ。

いくら当時の「ハリウッド映画」というか「大衆娯楽映画」に演技力が必要とされていなかったとしても、言葉の訛は難しい問題だと思うんだけどなあ…。
今までテキサス人の役を専門にやっていた売れっ子俳優だった、っていう可能性もありますが(西部劇は人気分野だし)、リチャードはどんな理由で彼を、ヨーロッパ色が濃厚になることがわかりきっている「サラ・ベルナール」のメインキャストに登用したんしょうねぇ…?

フィリップ以外の役では、最初と最後の空港の場面での旅行者の役がありますが。
…あのド金髪に派手な顔立ちはとっても目立つので、帽子を被って髪を隠すとか、サングラスをかけるとか、何か工夫してくださらないと『あれ?なんでフィリップがここに?』と思ってしまう私のような観客が…(←お前だけだ)



○みっしょん(美翔かずき)    
俳優のハロルド。映画「サラ・ベルナール」では、挿入芝居である椿姫の場面でアルフレッドを演じています。

とにかく美しい人(惚)。
ジャーナリストと木っ端役者を交互に演じていますが、姿が美しいのでどこにいても目立ちます(^ ^)。

個人的には、最初と最後の空港の場面で、メインの芝居とは関係のない“通行人”として、咲希あかねちゃんと遠距離恋愛中の恋人(夫婦?)の芝居(幕開き:遠くから帰ってきて久しぶりに出会う、ラスト:再びの別れ)を万感をこめて、アツアツで演じているのが楽しそうで楽しそうで(笑)。

ハリウッドの大物たちが集まる、シーラ・グレアム主催のパーティーでは、プログラムによるとプロデューサーのアーサー・フリード役らしい。もちろん、映画「雨に唄えば」や「巴里のアメリカ人」などで有名な、あのアーサー・フリードですよね…?
ヒゲがものすごく良く似合って、ダンディで素敵なおじさまでした。うっとり…。

あと、ハリウッドに来たばかりのステファーノが園加ビリーに再会する「ダニエルの店」の客。咲希あかねちゃん・真凜カンナちゃんがステファーノにサインをもらいに行くのを“憮然”として嫌そうに眺めているのがとても楽しい。
で、サインをもらって戻ってきた女の子二人がきゃいきゃい盛り上がっているのを、話にのってあげてサインブックをのぞきこんだりしながら、時々「けっ」って顔までしているのも芸が細かくて大好きです♪♪
「あかねさす紫の花」での有間皇子でも思いましたが、本当にお芝居好きなんでしょうねぇ……。もう少し役がつくといいんですけどね(涙)。



○(彩星)りおんくん
フィリップの付き人、チャールズ。実は俳優志望らしい♪

私は、この人の芝居は割と以前から面白くて好きなのですが、
今回は「わがままなスターに振り回される俳優志望の付き人」という役をとても手堅く演じていて、良かったと思います。
キビキビとした動きとか、呼ばれたときの返事の歯切れよさとかが、現場の緊張感を伝えてくれたと思います。

でも。
今回のりおんくんの一番大事な仕事は、ラジオの声と、フィナーレの影ソロ。
ラジオの淡々とした柔らかな声と、いかにもアナウンサーらしい明確な発音。台詞の歯切れのよさっていうのは、大事なことなんだけど、やりすぎると劇団四季の若手みたいに芝居のニュアンスがゼロになってしまって意味がなくなってしまうものですが。
りおんくんの台詞は、滑舌がよくて解りやすいけど、カチカチしてない、いい台詞だなあ、と思います。
一度、本格的な古典劇に挑戦してみてほしい人です。

そして、主演コンビのデュエットダンスの、影ソロ。
いつまでも聴いていたい、何度でも聴きたい、素晴らしい歌でした。
踊れて、歌えて、喋れる。更なるご活躍を、楽しみにしています♪



長くなってきたので、可愛い可愛い娘役さんたちについてはまた後日。
…っていうか、この公演、祐飛さん好みの可愛子ちゃんたちが多すぎですよね…。共演者を顔で選んだのか、大空…。







「ホフマン物語」については、みっぽー(美鳳あや)ちゃんのインタビューが日刊スポーツに載っているとの情報をいただきましたのでご紹介させていただきます♪
http://osaka.nikkansports.com/entertainment/takarazuka/top-takarazuka.html

ワークショップの組長も2度目のみっぽー、しっかりモノらしいコメントで男前です♪
芝居巧者だから、ジュリエッタもさぞ良いだろうなあ…観たいなあ……(Bパターンのオランピアは、信じられないほど可愛らしくてキュートでした。詳しくはまた後日)
しっかし、もっと良い写真撮れなかったんかい…(涙)。ファンの贔屓目で見ても「美形」かどうかは…、とはいえ、普段はホントに可愛いのに…


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