天聖八剣伝

2010年7月1日 演劇
銀河劇場にて、「天聖八剣伝」を観劇いたしました。


相葉弘樹くんのファンの方に誘っていただいたのですが、案外面白かったです(^ ^)。
タイトルから、「里見八犬伝」のアナザーストーリーかと思っていたのですが、全然関係なかったですね。そもそも、男8人では「里見八犬伝」は出来ない!ということに気がつきました。静姫がいないとっ話が始まらない(^ ^;ゞ



作・演出はきだつよし。私は彼の作品を観るのは初めてでしたが、思ったより正統派の舞台づくりをされるんだな、という印象ですね。もっとテレビっぽいのかと思っていたのですが。
展開は、まあ、相当にぶっ飛んでましたけどね(^ ^)。



主役の相葉くんは、ちょっとやんちゃな義賊の役。
とにかく殺陣が格好良かった!!
一昨年の「PIPIN」が観られなかったので、生で観るのは初めてだと思うのですが、とにかく動きにキレがあってよかったです。台詞もなかなか。



対抗するアキラ役は、戸谷公人。
舞台は初めてなのかな?「樅の木は残った」に出てたんですよね(^ ^)。
プログラムの写真は、プラチナブロンド(?)の巻き毛で、正直あまり似合っていないのですが、舞台はすっきりとした細面によく映える黒髪ストレートの短髪がよく似合っていて、美形でした♪
ストーリーのすべての矛盾を一人で引き受ける人なので、大変だったでしょうねぇ……。



相葉くんの相棒(?)的なポジションに馬場良馬。
とにかく動ける人みたいで、殺陣も良かったし、ダンスも良かったです。立場によってコロコロ態度を変えるその役づくりが、案外と切なくてなかなか良かったと思います。



彼らのリーダー(?)ともいうべき剣持に、黒須洋壬。
コンボイ・ショウにずっと参加している名ダンサー。今回も期待していたのに、舞台を観てみたら陰陽師役なので衣装が大きくて全然踊ってくれず、ちょっと残念だったんですよね。
でも、私が観た日は相葉くんメインのトークショーがあって、そこにゲストとして参加してくれて、ちょこっとだけ踊ってくれました♪ラッキー♪
芝居はさすがの貫録と存在感で、文句なかったです(はぁと)。



浪人者(?)の権佐に、元RED WARRIORSのダイアモンド★ユカイ。
真面目なお医者さんの健志に西ノ園達大。
どちらおあまり積極的に本筋に絡んでくるキャラではなく、ボソッとつぶやく役なんですけど、いろんな意味で流石でした。黒須さんとこの二人が芝居を支えているんだなーと思いました。



女形の兼光に、声優の森久保祥太郎。
いやー、一人で場をさらってましたね。本筋にも結構絡む重要な役でしたが、独特のキャラクターが実に似合ってて、素晴らしかったです。あんなに“ずるずる”した衣装なのに、あれだけ動けるのも凄いなあ……。



アキラに心酔し、彼を手伝うために軍隊に入った間は、大河元気。
役のキャラクターが不器用で口下手、みたいな感じだったせいか、ちょっとぎこちない感じでしたが、和若いゆえの青さがあって、良かったと思います。
もう少し軍服の着こなしを考えてほしい……みたいなのは、宝絵じゃないんだから言っても仕方ないのかな(T T)。



話がもう少し人間の心理として整理されていたら、もっと面白くなっただろうに、と思いましたが、
演出面はなかなか迫力があって面白かったです。

アンサンブルも含めて全員が男性で、女性が一人もでていない舞台でしたが、森久保さんの存在感が大きいせいか(^ ^)、観終わった後で『あれっ?女性いなかったっけ?』って思ってしまいました(^ ^)。



東京宝塚劇場にて、月組公演「スカーレット・ピンパーネル」を観劇してまいりました。

えっと、何回目だ?みりおくんのショーヴランは三回目か。もうちょっと観たかったなー。
っていうか、最後にみりおくんのショーヴランで終わった今、とってもとってもまさおショーヴラン(+みりおアルマン)が観たい!!(切実)。もうDVDを買うしかないか、と考えはじめた今日この頃。




と、いうわけで。

役替りばっかりやっているという印象の、まさお(龍真咲)とみりお(明日海りお)。
実際に役替りが多いのはみりおくんで、まさおは今のところ、みりおとの役替り(博多座のジェラルド/ジャッキーと今回のショーヴラン/アルマン)だけ、ですよね?まあ、宝塚においては役替り自体が珍しいことなのですが、祐飛さんだって特出のオスカルのほかに、鎌足/石川麻呂をやっているし。

みりおは、「ホフマン物語」を別にしても、「ME AND MY GIRL」本公演と「エリザベート」があって……出演した海外ミュージカルですべて役替りしているという珍しい人。
そして、彼女の凄いところは、それらのすべてで確実に一定の基準を越えてきている、という事実。それは、彼女の卓越した安定感と勘の良さ、舞台センスの良さのおかげだと思うんですよね。決して美貌だけの人じゃない。とにかく相手の呼吸を読んで芝居を合わせる巧さは、天才的だと思うのです。

そんな彼女のショーヴランは、先日も書きましたが、とっても正統派、でした。
革命に「正義」を求めた真面目な青年、という役作りで、ヒーローのままショーヴランをやっていたんですよね。
しかも、みりおくんの一番の美点は、愛情深いところ。地に足のついた「愛する」芝居がちゃんとできるひとなんです。だから、アルマンがマリーやマルグリットを愛するのと同じレベルで、ショーヴランでも本気でマルグリットを愛していた。

ショーヴラン⇒マルグリットの愛を本気で表現するのって、難しいと思うんですよね。だって、マルグリットは絶対に返してくれないんだもん。
それでも、ひたすらに愛したみりおくんのショーヴランは、すごく「ヒーロー」だった。「君はどこに?」で思い出の愛に酔うショーヴランは、たぶん、マルグリットという一人の女をちゃんと愛していたんだと思う。



みりおのショーヴランが「正統派」なら、まさおのショーヴランは何だろう?
ここに名前をつけることがひどく難しくて、今まであまり正面からまさおのショーヴランについて書けずにいたのですが。
ただ。
その名付けの難しさが、イコールまさおショーヴランの個性だった、と思います。

一言でいえば、面白かった。
面白くて、そしてひどく興味深いショーヴラン、でした。

ただ。東京にきて、声がちゃんと出るようになって、すこーしだけ、その「面白さ」がトーンダウンしていたことは否めないんですけどね。
なんていうのかな。声が出なくてもがき苦しんでいるまさおが、行き詰った革命の中で、変節してしまったロベスピエールの許で、光を見失ってもがいているショーヴランと重なって見えたんです。前奏を聴くだけで体温のあがるワイルドホーンの名曲に触れていながら、その音楽を表現しきれない自分への怒りや不満。それでも、今できることがあるなら全部やり抜こう、という強い意志。

大劇場のまさおは、相手の呼吸を読むとか、相手に合わせるとか、そういうことを全部放棄した役作りだった、と思う。ただ、ショーヴランであること、それだけに集中して、閉じこもった役づくり。
そして、そんなまさおを、きりやんをはじめとする実力派の上級生たちと、下級生ながらしっかりもののまりもちゃんたちが、すごく守ってあげていた。
まさおの芝居のすべてを受け止めて、ちゃんと返してあげて。
「愛する」ことに不器用なまさおを、周りのメンバーが本当に愛して、守っていた。

それこそが今の、きりやん率いる月組なんだ、と思ったんです。



東京に来て、やっとまともな状態でのまさおの歌を聴いて、一番印象に残ったのは「栄光の日々」。泣きそうな貌で「俺は革命の夢を信じている」と歌われるたびに、胸キュンでした(^ ^;。

ちなみに、みりおのショーヴランで一番印象的だったのは、愛と切なさにあふれた「君はどこに」ですね。いや、全編好きなんですけど。
そして、ゆりやんのショーヴランの場合は、二幕の「鷹のように」でした。あの「強いものこそが正義のハズだ」ってところ。直前のロベスピエール様との会話があまりにも苦しいので、ここでついホロッと……。





まあ、新公のことは置いといて、本公演の話。

二人のショーヴランは、どちらも個性的で、とても面白かったです。少なくとも私は、どちらが良かった、というのは無かったですね。
どっちも好き。

ショーヴランクラスの役が替ると、必然的に回りも変わらざるを得なくて、結果的に違う芝居になるんですけど、、、でも、きりやんがナウオンで話していたとおり、パーシーとショーヴランって、あんまり深い意志の疎通はないんですね。ショーヴランからパーシーへは、嫉妬だの侮蔑だの、いろんな感情があるけど、パーシーからショーヴランに向かうモノは「排除すべき邪魔者」という感覚のみであって、ショーヴラン個人には全く興味がない。だから、ショーヴランが変わっても、パーシーの役作りは変わらない。
顔を合わせて会話する場面の芝居は変わるけど、それは物語全体に影響するような変化では、ない。

マルグリットは、ショーヴランとの関係が深い分大変だったと思うんですけど、まりもちゃんは大劇場の時からすごく安定していて、マリーのすずなと二人、突っ走りがちな役替わり組の二人をよくフォローしていたと思います。メインとなる娘役二人の包容力も、月組「スカーレット・ピンパーネル」の特徴だったと思う。
うん。そういうのもあって、力を出し切れたんだろうな、二人とも。




アルマンは……どちらも良かったし好きなんですけど、ごくごく個人的に、まさおのアルマンが印象に残ったなあ。いろんな意味で。
一つの役としてどちらがどう、というのは、それぞれ個性的で良かったよね、の一言なんですが、それぞれの役者個人で言ったばあい、龍真咲というキャラクターには、ショーヴランよりアルマンの方がずっと似合うな、とは思いました。
とにかくまさおは、タイプで分けるなら典型的な総受けタイプの役者なんだってば!!わがままで自己中心的で、唯我独尊なヘタレ受け。……ジャッキーがどれだけ嵌り役で魅力的だったことか!!(力説)

……みりおくんを分類するのはやめておきます。怖いから(^ ^;ゞ。

でも、みりおは間違いなく、ジャッキーよりジェラルドがニンだったなー。「愛する」ことが魅力の人だから。アルマンとショーヴランは、どっちも良かったけど。





なんだか、全然「ショーヴラン」という人物について語っていないなー。

みりおくんのショーヴランは、マルグリットを愛していて、忘れられなくて……たぶん、ちゃんとマルグリットの恋人だった時期があったんだろうな、と思いました。
だから、ブレイクニー邸の庭でショーヴランに腕を掴まれたマルグリットは、一瞬、フリーズする。
そして、パーシーに気付いた瞬間に、慌てふためくんですよね。ちょっと前から様子をうかがっていたパーシーが、平然と二人の方に歩いてくるのが、なんか怖かった。


まさおのショーヴランは、たぶん、女性への愛と革命思想への共感をごっちゃにしているだけで、マルグリットとのつきあいも、ただの「同志」に毛が生えた程度のものだったんじゃないか、と思う。
だから、同じ場面でショーヴランに腕を掴まれたマルグリットは、ごく邪険にその手を振り払う。ショーヴランが変わってしまったから嫌いになったのではなく、根本的に勘違いだったのよ、と。
そして、パーシーに気付いたとき、マルグリットは一瞬押し黙る。今までの会話を、どこまで聞いていたのか探るかのように。
パーシーが平然と二人の方に歩いてくるのは同じだけれども、マルグリットの態度は、みりおショーヴランの時より平静だった……ような気がしました。(もう一度観て確認したい……!!)


そして、新公のゆりやんショーヴラン。
ゆりやんのショーヴランは、「共に闘った日々」を取り戻したい気持ちが強すぎるんですよね。
マルグリット自身を愛しているというよりも、マルグリットと共に走った日々に帰りたいのだろうな、と。
そういうところが、まさおくんの解釈に近かった、と思いました。アルマンを打つ前の逡巡も、倒れたアルマンを急いで別室に下がらせようとするところも、まさおと共通の痛みがあって。
その「共に闘った日々」の中には、アルマンも居たんだろうな、と。だから、打ちたくなかったんだろう、と。

ただ、そういう痛みに対して、あまりにも耐性がないショーヴランだったのが、ひどく痛々しかった。
優しすぎて、こんなに優しくて革命に飛び込むなんて無理だよ(T T)というか。
サン・シール侯爵を処刑する場面でさえどこか辛そうな……全篇とおして、とにかく胸が痛むほど自虐的なショーヴラン。
受けタイプの役者がショーヴランみたいな役をすると、必然的にこういう構成になるのかもしれないな、と思いました。



まさおは、さすがにいろいろな経験もあり(^ ^)新公ほど心弱い感じはしなかったんですけど、逆に、弱みを見せるまいと突っ張っていたのが余計痛々しく、そして、色っぽく見えました。
その突っ張り感と、痛々しさと、、、そして、それを庇おうと勝手に動いては自爆していたメルシエ(美翔かずき)との関係性が、あの面白さを生んでいたような気がします。
うん、ショーヴランによるメルシエの変化は、今回すごくツボでした(^ ^)。みっしょん、好きだー!!


みりおくんは、あまりそういう自虐的な痛みを見せません。それが、彼女のヒーロータイプたる由縁、なのかも。
ヒーローは前向きなものですから。

後ろ向きな痛々しさを個性の中に持っていると、ヒーローにはなりにくい。どうしてもアンチヒーローになるんですよね。まさおは、今までその美貌と実力でど真ん中を歩いてきた人ですけど、役者としての本質はヒーローじゃないんじゃないかな、と。
ただ、本人がそれを自覚していないというか、違う方向を目指しているので、その矛盾が毎回「面白いこと」になっているんですけど(^ ^;ゞ。

色んな意味で、まさおはちょっと頭で考えすぎているんじゃないか、と思いました。理想の形がすでにあって、その枠に填ろうと苦心惨憺している感じ。無我夢中だったであろう大劇場の方が、芝居としては良かったのをみて、余計にそんな気がします。
一度立ち止まって、「今の自分」をじっくりと見てみてみるべきだと思うんだけどなあ……。



ちなみに。
初演の礼音くんのショーヴランは、(あまりよく覚えていないのですが)ヒーロータイプのショーヴランで、分類するならみりおくんと同じ方向性だった、と思います。
ただ、組んだパーシーが違う。月組のパーシーは根っからの熱血ヒーロータイプ(^ ^)なので、ショーヴランがヒーローでもアンチヒーローでも、どちらでも作品としては成立するんですけど、星組さんはパーシーがアンチヒーロータイプだったために、ショーヴランがヒーロータイプだと、宝塚的には若干難しかったんだな、と、今になって思います。

ただ、まあ、ヒーロータイプって往々にして色気が足りないことが多いので(←後ろ向きな痛々しさと色気には、通じるものがあると思う)、パーシーとショーヴランが両方ヒーロータイプになると、すごく元気な冒険活劇になるんですけどね(^ ^)。
でも、それはそれで宝塚らしくて楽しかったしなー(^ ^)。
「紅はこべ」という物語に、「やっちゃおやっちゃお!」的な冒険活劇を求めるか、大人の三角関係を求めるか……どっちもありなんだと思います。ワイルドホーンの名曲は、どちらにも対応しているんだから、その音楽を表現できる人がそろいさえすれば。


宝塚化された「スカーレット・ピンパーネル」。
またいずれ、どこかの組で再演される日がくるんだろうなーと思いますが。

……すっごく個人的に、だいもん(望海風斗)のショーヴランを観てみたいです(^ ^)(←言い逃げ)


月組&月組ファンのみなさま、千秋楽おめでとうございます!
そして、紗蘭えりかさん. 鼓英夏さん. 愛那結梨ちゃん、ご卒業おめでとうございます(T T)。
千秋楽は観られなかったけど、パレードだけ行きました。みんな笑顔で、キレイだった……涙。

これからの人生に、幸多かれと祈りつつ。



月組はまたすぐに大劇場公演ですね。集合日はいつなのでしょうか。
今の月組はすごく良い雰囲気なので、誰も辞めないでほしいなー。






すごくどうでもいい呟き。

今年のTakarazuka Specialは、今まで通り年末に梅田でやるんでしょうか。
去年はドラマシティ組が出なかったんだよね(涙)。ああ、きりやんと祐飛さんが同じ舞台に並ぶ最後のチャンスなのに!!お願いだから、一昨年の水さんたちみたいに、特出扱いでもいいから出てほしい!!



で。
そんなことから、ふと思ったのですが。
祐飛さんって、今トップになった人たち全員と縁があるんですね。
真飛さんとは花組で一緒、きりやんと水さんは月組で一緒、礼音くんとはアランとオスカルの仲(←どんな仲だ)。

今のトップさんは組替えも特出もてんこ盛りな人たちなので、全く縁がないのはまとぶんときりやん・水さんくらい?きりやんと水さんは一緒に「La Esperansa」に出ていたし、礼音くんはアランで祐飛さん・水さん・きりやんと共演しているし、まとぶんと礼音くんは星組で一緒だったし……まとぶんときりやん、まとぶんと水さんって、結構ニアミスしているけど、共演経験は無いんだなあ。意外。






昨日、まさおくんとみりおくんの役替り経験をリストアップしてみて思ったんですが、今のトップさんくらいの学年だと、役替り経験のある人ってそんなに多くないんですね。ベルばらを除いたら、「飛鳥夕映え」の祐飛さんと……ん?それだけかな?
その下のバウ・ワークショップ世代になると、結構役替りが多くなる印象。その中でもみりおくんの経験値はダントツかなという気がしますが、全般的に増えている気がします。
特に最近は、中小劇場公演での役替りが多いんですよねー。役者として刺激的だろうし成長も著しくなるんだろうけど、遠征組は観に行くのが大変です(涙)。星組バウ、どうしよ~~~~。






宙組がもうすぐ東京に来る、というタイミングなんですから当たり前なんですけど(^ ^;ゞ、雪組公演がとっくに始まっているんですね。
まだCSで観ただけですが、水さん、みなこちゃんはじめ、みなさん舞台を楽しんでいらっしゃるのかな。

大劇場公演が続いたせいか、水さんもみなこちゃんも、何もイベント無しで卒業されるんでしょうか。水さんがディナーショーされないのは意外だったなー。トウコさんみたいに、卒業されてから何か企画があるんでしょうか。
みなこちゃんも、写真集くらい出してほしい(涙)。せっかくBriliant Dreamでいろんな写真を撮影していたんだから、あれを出してくれれば良いんだけど。
……旅美写美のDVDを買え、って話かな………?



2011年の、タカラヅカ公演スケジュールが発表されました。


……今まで、こんなタイミングでスケジュールだけ先に出たりなんてことありましたっけ??
海馬が旅立ってしまっているので全く思い出せないのですが、ここ数年はいつも、お盆明けくらいに年間スケジュールと前半数カ月分の演目が出る、っていう感じだったと思うんだけどなー。



とりあえず、来援の宙組のスケジュールが判って嬉しいです。祐飛さんがいようといまいと(←こら)、スケジュールはおさえておきたい。
春はドラマシティとバウに別れるんですね。ここまでは、盆明けに演目も発表されますように(祈)。



それにしても、月組の正月のバウホール公演は誰がやるんでしょうか? 東上なしのバウホールのみ、今年の「Bund Neon」枠なんですけど、、、本公演で半分とはいえショーヴランをやったみりおくんが、今更バウだけ?それとも、今年のまぁくん(朝夏まなと)と同じで、正月にバウやって、年末に青年館付きをやるところまでセットなんでしょうか。……お願いだから、それだけは勘弁してほしい……正月はもりえちゃんとか、そのあたりってことはないのでしょうか?
あ。そういえば、年末は久しぶりの全ツですね♪麻子さん祐飛さんで回った「あかねさす…」以来?懐かしすぎる……。



しかし、あらゆる意味で、星組さんのスケジュールは変則ですね。
今年が全ツ⇒梅田⇒博多と半年以上も大劇場公演から遠ざかったかと思えば、来年は二年連続の博多座公演に、一年に二回の中日公演!博多座は、礼音くんが二回連続で行くっていうのは考えにくいけど、、、あ、轟さんがまた特出するとか??いやいや、まさかですよね…?
秋の中日は約一週間という変則スケジュールですが、何をやるんでしょうね。博多座と同じ演目をやるにしてはちょっと間があきすぎだし、バウ作品をやるというのもちょっと考えにくい。



雪組さんは、正月大劇場公演でキムちゃんのお披露目。そのあと、全ツと梅田芸術劇場をはさんで大劇場公演が9月、っていうのは、去年の花組と同じスケジュールですね。あのときは、梅芸「ME AND MY GIRL」の裏で「フィフティ・フィフティ」が追加になったんですよね……懐かしい。ホントに良い作品だったなあ……。



花組さんは、今年バウ公演が二回あったせいか、来年はバウ無しでドラマシティと全ツのみ。っていうか、真飛さん率いる花組は、ホントに全ツが多いなー。確実に毎年一回行ってますよね。ついに水さんに並ぶか?(^ ^)



なにはともあれ。
2010年も半分が過ぎ、2011年の計画もはじまったところ。

今年も、来年も、楽しい作品に巡り合えますように(^ ^)。


四季劇場「海」にて、ディズニーミュージカル「アイーダ」を観劇いたしました。


観劇したのは先週なので、今はもうキャストが変わってしまいましたが、いちおう観劇した日のキャストを残しておきます。

アイーダ  秋 夢子
アムネリス 鈴木ほのか
ラダメス  渡辺 正
メレブ   吉賀陶馬ワイス
ゾーザー  田中廣臣
アモナスロ 川原洋一郎
ファラオ  石原義文
ネヘブカ  小笠真紀

男性アンサンブル
大塚俊、品川芳晃、田井啓、中村巌、深堀拓也、大森瑞樹、森健太郎、小野巧司

女性アンサンブル
大石眞由、杏奈、長島祥、大村奈央、小島光葉、濱田恵里子、岡本有里加




久しぶりの四季だったので、なんだかすごく新鮮でした。イロんな意味で。
っていうか、知っている劇団員がほとんどいない(汗)。名前と顔がちゃんとわかるのって、川原さんと大塚さんだけじゃないか?(泣)メインキャストが誰もわからないって、、、凄いな、私。

逆に「なぜあなたがこんなところに?」って人が何人もいて、そちらに驚きました。ほのかさんが四季に出ていることは知っていたのですが、アムネリスとは思わなかったし、渡辺正さんは全くの予想外。一幕の間中、どこかで観たことがある人だなーと思っていたので、幕間にキャストを確認して驚愕しました(@ @)。
いろんなことが起こるなあ……。




とりあえず、一番印象に残ったことから書きます。

ほのかさんのアムネリス、素晴らしかった!!
誰よりも美しくて華やかで、女王の風格があって(^ ^)。
どうしようもないおバカさんなのに、気が小さくてすぐ後悔する、可愛い可愛い女の子。

中でも素晴らしかった「何をみたの」。
二幕後半の、アイーダとラダメスの逢い引きを目撃したあとのソロですが、否応なく白い衣装に包まれていくアムネリスが、ぽろぽろと涙をこぼしながら、それでもまっすぐ前を視すえて感情を吐露するさまに、本当に感動しました。
あの絶唱を聴けただけで、チケット代のもとはとれた、と思いました。


歌も芝居も、そして美貌も(^ ^)完璧で♪
今まで四季キャストでは森川美穂さんのアムネリスが一番好きだったんですが、今回のほのかさんは、私の中で森川さんを超えました(*^ ^*)。
ほのかさん、ありがとう!!






私は、「アイーダ」は、ブロードウェイで二回(オリジナルキャストと、二年後かな?)観ておりまして。
とにかく、音楽にもストーリーにも惚れこんでいたので、日本公演をものすごく待ちわびていたんですよね。たしかアイーダって大阪初演だったと思うんですが(大阪で「アイーダ」、京都で「美女と野獣」を上演して、『ディズニーのUSJ包囲戦』と言われていたような)、東京まで待ち切れず、その時点で何回か遠征したくらいファンでした。
しかも、濱田めぐみさんのアイーダが本当に素晴らしくて、オリジナルのヘザー・ヘドリーには敵わないとしても、ロングランキャストならブロードウェイにも十分勝ってる、と思いました。
力強い声、観客の感情まで引き摺りこむ強烈なテンション、そして、溢れんばかりの感情表現!
本当に素晴らしかった。


アムネリスは佐渡寧子さんと森川美穂さんを観ていたんですが、お二人とも歌はさすが。キャラクターの魅力で森川さんがお気に入りでした。
ラダメスは阿久津さんしか観ていない……のかな?(記憶曖昧) 高音部が若干不安定なのが残念でしたが、見た目はぴったりで格好良かったなあ。
メレブは何人か観ているはずですが、最後に観た有賀くんのメレブがすごく印象に残っています。
ゾーザーは飯野さんしか覚えてないや。他の方は観ているんだろうか……?

……すみません。濱田さんがあまりにも圧倒的に素晴らしくて、他のキャストは細かいことを覚えていないかも(汗)。調べれば分かるはずなんだけど。






今回は、東京公演が9月で終わってしまうことを知って、今のうちに観ておこう!と思い立って、急遽チケットを取ったのですが。
……正直、集客に苦戦するのも仕方がないな、と思ってしまいました(T T)。好きな作品なので悲しいのですが。


いきなり何を言い出すのか、と思われそうですが(^ ^;ゞ、私は、「作品主義」という考え方そのものには賛成なんです。
ただ、その言葉を「スター制度」と対立する軸だとは思っていないのですが。

作品が先にあるのであれば、その役にあった役者が演じるのが一番いい。それは当たり前のことであって、「スター制度」の反語として使うべきじゃない。
だって。今の四季は、「作品主義」じゃなくて「場当たり主義」ですよ、どう考えても。

濱田さんのアイーダが好きなので、それを観たかった!という気持ちがあることは確かですが、まあ、それはどこの劇団でもよくあることで、そういう問題ではないんです。
たとえば樋口さんとか、そういう人だったら全然不満は無かったと思う。
でも。「作品主義」というんだったら、最低線、観客に対する礼義は守ってほしい。
口先だけでも「作品主義」を標榜するなら、日本語をきちんと喋れない役者を台詞のある作品の主役級に使うなんてありえないと思います




秋さんは、これだけの大役を演じているのを観るのは初めてだと思うのですが、素晴らしい女優だと思いました。
なんたって美人だし、歌も巧くて、魅力的。
アイーダを歌いこなすには声質が軽くて浅いのが残念ですが、少なくとも宝塚でいろんな歌を聴いている私には十分許容範囲でした(^ ^)。

でも!!あの台詞のレベルでは、アイーダの気持ちが全然伝わってこない!(T T)
いっそのこと、秋さんだけ中国語で演じていただいて、字幕にしていただいた方が私は幸せだったと思います。一言一言の違和感にいちいち引っ掛かるより、言葉がわからなくても伝わるものがあることを信じたい。

……私みたいな舞台フリークは四季の客として対象外だというなら、それはそれで納得ですが。



いや、秋さんは十分日本語も巧いんだろうな、と思うんですよ。
普通に会話しているんだったら、何の問題もないのではないか、と。

でも、微妙な発音の違いでも、四季独特の母音発声法によって増幅されている気がします。
日本語を母国語とする人でさえ、最初はなんの感情もないロボットが喋っているようにしかならないのに、もともと母国語が違うひとにおいておや、という感じ。
……そういえば、ラダメスの渡辺さんも典型的な母音発声で、秋さんと芝居のレベルは大して変わらなかったなあ(泣)。母国語の問題ではないのか……。





話は違いますが。
渡辺さんといえば、日本版「RENT」初演のロジャー役を、宇都宮隆さんとWで演じたひと。
まさかと思うんですが、ラダメスオリジナルのアダム・パスカルが、ロジャーのオリジナルでもあるからって、それだけでキャスティングしたんじゃあるまいな?声質も全然違うし、なにより音域がだいぶ違う。アダム・パスカルの高音部の響き、金管楽器系の力強いファンファーレは、アダムの個性であって、ロジャーの個性じゃないんだけどなあ…。
渡辺さんって、ラダメスの前にも何かの作品に参加していらしたのでしょううか?

ディズニー版「アイーダ」のラダメスは、「カルメン」のホセに近い、脳みそまで筋肉系の、心優しいマッチョ系。
頭のいい自立した女が母性本能的に負けて愛してしまうような、子供みたいに可愛いタイプだと思うんですよね。
でも、渡辺さんはどちらかというと策士っぽく見えるので、キャラクター的にもちょっと疑問。
むしろ、渡辺さんのゾーザーが観たいです。(結論)






今週はもうキャストが替って、アムネリスは五東由衣さん。
うー、残念だ。せっかくほのかさんが素晴らしかったのに!

でも。
やっぱり作品は素晴らしいし、五東さんのアムネリスも観たことがないので、アイーダとラダメスとゾーザーのキャストが変わったら、また観たいと思っています♪
キャストホンは無くなったけど、いちおう「今週の予定キャスト」は発表はされるんですね。信じて待ってみます(T T)。


.
柊巴さま、お誕生日おめでとうございます★


先月は、舞台に立ったらぎちゃんに1年半ぶりにお会いできて、とても幸せでした。
これからも、「やりたいこと」目指して、がんばってくださいね♪


あなたの健康と幸福を、祈っています。






今日のCSニュースで、宙組東宝と星組梅芸の稽古場風景が流れました。
まずは宙組。とりあえず映像に流れた範囲では、変更は無し……かな?
【コメントで情報をいただきました。お芝居でネルソンが腕を落とされる場面、センターに変更になったそうです(@ @)】

ショーのアリスちゃんが大劇場より更に弾けていて、可愛かったーっ♪
早いもので、もう明後日には初日なんですね。早く梅雨明けないかなあ。あのショーは、まさに「ピーカン!」な太陽の下で観たい(^ ^)。

そして、星組。これはどこでお稽古しているんですか…?梅芸の稽古場?なんだかライティングが違いすぎて、みなさん別人みたい(^ ^;ゞ。音響もなんだか体育館かなにかみたいだし。いろいろ大変だろうなあ。
ラストシーン(映像の。舞台のラストは流れてません)のねねちゃんが、珍しく包容力をみせていたのが嬉しかったです。やっぱり、ジュリエットは純真無垢だけど包容力がある、っていうタイプが好きだ(^ ^)。
音楽も本当に素晴らしいので、生で観るのがとても楽しみです!!……といっても、私が行くのは博多なので、だいぶ先なんですけどね(涙)。CSさん、初日映像、期待してますよ!



そして、今月から始まった新企画「あの日、あの時タカラヅカ」は、4年前の月組「暁のローマ/レ・ビジュー・ブリアン」大劇場千秋楽風景。大きな白羽がこれでもかとばかりに並ぶ光景が、なんだかすごく懐かしいです。
祐飛さんが15年を過ごした月組。霧矢さん中心に、これからもご活躍を楽しみにしています!


TRAFALGAR♪

2010年7月10日 宝塚(宙)
東京宝塚劇場にて、「TRAFALGAR/ファンキー・サンシャイン」を観劇してまいりました!



細かいことはおいといて、まずは変更点を。


一番目立つのは、やはり(先日ikkiさまにも教えていただきましたが)右腕を斬られた後がセリ下がりになったことと、それに合わせて、大劇場では舞台上手のセットの上だったナポレオン陣営(ナポレオン/蘭寿とむ、タレーラン/風羽玲亜、フーシェ/光海舞人)の会話が、上手花道になったことでしょうか。ネルソンがジョサイア(愛月ひかる)を助ける場面自体の位置は舞台奥の下手よりで、場所がそんなに大きく変ったわけではないのですが、その後少し戦いながら場所を移動して、セリの上で斬られる、、、という感じでした。
本舞台での劇的なクライマックス⇒暗転を待たず、花道ですぐに会話が始まる、というわけでテンポが更に良くなり、場面の迫力が増したと思います。


それと、観ていて驚いたのが、銀橋でのネルソンとエマの会話に続けて登場するマリア・カロリーナ王妃(鈴奈沙也)と侍女(琴羽桜子)が、上手からの登場に変ったこと。
これは「何故わざわざ?」と思いながら観ていたのですが、最後に王妃たちがハケるときに上手にハケることで、下手に向かうネルソンとエマの会話にスムーズに入れるんだな、と納得しました。



どっちも場面のテンポが良くなって良い変更だなーと思いました。



あとは箇条書きに。


・ラストシーンの海底の場面、ネルソンの右腕が復活していて、ホレイシア(すみれ乃麗)のこともエマのことも、最期にしっかり抱きしめることができました(^ ^)。
良かったね、ネルソン♪


・せーこちゃん(純矢ちとせ)たちのオペラの場面のあと、銀橋から呼ばれたオーレリー・バイロン(蓮水せいや)に、リュシアン(春風弥里)がなんか話しかけてたんですが、、、あのリュシアンとの会話でオーレリーの様子がおかしくなったような気がするのは考えすぎ?


・トラファルガー海戦のラスト、ネルソンの帽子が脱げるのは決まりになったのでしょうか?大劇場では被ったまま「神よ、I have done my duty.....」と言ってたと思うのですが。
とりあえず、落ちた帽子をジョサイアが拾って、場面の最後まで父親の替りに抱きしめていたのが印象的でした(^ ^)。


・その後、エマに会いに来たファニー(花影アリス)たちがハケた後、本舞台に残ってエマとホレイシアを見凝めるジョサイアが、ラストに敬礼していったのも、たぶん大劇場ではやってなかったと思う……(やってたらすみません)


・パレルモでの世紀をまたぐラヴシーンの場面、幕が降りる前に鐘の音が変ったんですけど、あれが「新世紀を報せる鐘」(?)大劇場でも変りましたっけ?
ちなみに、18世紀の鐘は何回鳴ると終わるんだろう。……意外とあそこの会話は長くて、相当な回数が鳴ってるんですけど。
イタリアの年末って除夜の鐘みたいに108回とか鳴ったりするものなの?(←そんな馬鹿な)



あと、字幕・映像関係では……

・「獅子の時代」と歌う場面で背後のセットに映写される“咆哮せる獅子”像が、ちょっと小さくなって、ちゃんと形がはっきりと見えるようになったのは気のせいでしょうか?
(友人には気のせいだと言われましたが)

・デンマーク戦の場面の前に、「Copenhagen」って字幕が出てました。

他にも映像関係はけっこう細かく変っていて、オープニングのトップセール(一番上の小さい帆)の海軍旗にハヤブサ(?)の絵が加わったり、結構いろいろありました(^ ^)。



芝居として大きく変更になったところは無いのですが、全体にネルソンとジョサイアのエピソードが、ネルソンとエマのエピソードに対抗する一方の筋として見えるようになってきたな、と思いました。
愛月くん、二か月で成長したなあ(感心)。

父と息子のラヴシーン(ラヴ言うな)の新密度がアップしていて、史実にいわれる「ジョサイアの義父になるためにファニーと結婚した」というエピソードが頭を過ぎりました……(大間違い)。いや、でも、そう考えるといろいろと辻褄が(黙)。




ショーは、特に変更点というほどのものは無かったと思います。
みんなが(特にアリスちゃん)とても元気に弾けていて、どの場面もすごく良くなっていましたが、、、ひまわりの女の子たちの配置も同じだったし、ロケットの七瀬りりこちゃんの衣装も変ってなかったし(←チェック項目はそこですか?)(どうよそれ)


……何かあったら、ぜひ教えてください(^ ^)。



あらためて、楽しいショーだなあ、と感じ入りました(^ ^)。
ゴキゲンなショーで、梅雨なんて吹っ飛ばせ!!って感じです。はい。


細かいところはまだまだ全然チェック出来ていませんが、取り急ぎ、初見の覚書は以上です♪



つかこうへい様

  心より、ご冥福をお祈り申し上げます。





いよいよ具合が良くないらしい、という噂も耳にしてはいましたが、心のどこかでまさか、と思っていたようで、衝撃が収まりません。

対馬海峡で散骨を、というご遺言も、いかにも故郷を離れて芸術に生きた人らしい気概を感じます。


昭和の演劇界を引っ張ってきた、巨匠たちの一人。
とはいえ、まだたったの62歳!!こんなにお若かったのか……と、驚きました。
戦後生まれなんですね。井上さんが75歳だったんだから、一回り以上も違うのか(@ @)。
言われてみれば、髪も黒々として、まだまだ現役!って感じですよね。「飛龍伝」のプログラムの写真だって同じ顔で写ってたはずなんですけど、見てないんだなあ、私って。




私が初めて観たつか作品は、「広島に原爆を落とす日」だった、と思います。
あの衝撃は結構大きくて。その後しばらく、つか作品が上演されれば必ず観る、という日々が続きましたね。

つか作品に共通のキーワードは、「痛み」。
心の傷をすべてさらけ出して、剥き出し心がぶつかりあって、余計に大きな傷を生む。
相手の心を知ろうともせず、ただ自分の心を、過去を、傷を、汚濁を、惜しみなくさらけ出して。

それでも、傷つけ合うことでしか関係性を確認できない、心弱き男たちと、女たち。



つか作品に関しては、「好き」とか「嫌い」とかを超えるものがあったような気がします。
楽しいからもっと観たい、じゃなくて、もう義務というか…(汗)、観たら絶対痛いし辛いに決まっているんだけど、でも観なくてはならない、という感じでした。

まあ、あの痛み、心をキリキリと突かれるようなあの痛みが、限りなく快感に近いものであったことは、否定しませんが(あっ言っちゃった)。







病床でも新作(「新・蒲田行進曲」)を執筆されていたようですが、その作品はいつか上演される日がくるのでしょうか。
今のところ、北区つかこうへい劇団は「今後の予定はすべて未定」とされていますが、、、脚本の完成度にもよるんでしょうけど、もしある程度の形ができているなら、いつか是非上演してほしい!と祈る思いです。

しかし、基本的に『口立て』で知られた方なのに、稽古場に行けるかどうかもわからない、俳優たちと対面できるかどうかさえ分からない状態での執筆、さぞもどかしかったことでしょう。
満足のいく作品になっていればいいのですが。




そういえば、直近でのつか作品の上演予定は、シアターコクーンの「広島に原爆を落とす日」……だけ、かな?これから追悼公演の企画もいろいろ立ち上がってくるでしょうけれども、現時点では他には無いですよね…?

あ、もちろん、「蒲田行進曲」を原作とした「銀ちゃんの恋」がありますけど(^ ^;ゞ




このタイミングで「銀ちゃんの恋」が再演されるのも運命、というか。
プレッシャーも大きいかと思いますが、祐飛さんもすみ花ちゃんも、石田さんも、つかさんの思いをしっかと受け止めて、前よりもさらに良い舞台にしてくれるだろう、と信じています。

宙から見守ってくださるであろう、つかさんの為にも。





そして、最後に。
みなこちゃん、、、(T T)。


あなたの悲しみを心から悼みつつ、
宝塚最後の日まで、どうぞ後悔のないように、と、

……祈っています。




今週はいろいろと忙しかったので、今日やっと、CSニュースで流れていた梅田芸術劇場公演「ロミオとジュリエット」の初日映像と、舞台レポートと、プロダクションノートをまとめて視ることができました(^ ^)。


いやー、眩しいな(^ ^)キラキラしてる☆
月組・星組の「ウェストサイド物語」を観た時に(←だいぶ前ですが)しみじみと思ったのですが。
タカラジェンヌが演じる「若者」の、まごうことなき若さと輝きは、おそらく、本物の年若き少年が演じたよりもリアルで美しいんだろうなあ……。


歌については色々言われているようですが、とりあえず映像で流れた部分についてはあまり気にならなかったような。
良いところだけ流してくれたのかな?
まあ、歌いこめば皆さん良くなると思うので、博多で観劇する予定の私はあまり心配していません(^ ^)。

礼音くんもねねちゃんも、テルくんもすずみんもベニーも、主要人物全員がビジュアル最高!なところは、素直に凄いな、と思いました(^ ^)。


ねねちゃんのジュリエットは、大丈夫かなあ……?と思っていたのですが、月娘らしい男前さが良い方向に出そうな感じですね。「ロミオとジュリエット」は本当にいろんな解釈や潤色がありますが、私は基本的に、ジュリエットが主導権を握る解釈の演出が好きなので、余計に楽しみです。
2008年の「ウィーン・ミュージカル コンサート」でジュリエット役を歌ってくれたマジャーン・シャキ(ウィーン版ジュリエットオリジナルキャスト)もすごくステキで格好良かったので、ねねちゃんも頑張ってほしいです♪



それにしても、れみちゃん(白華れみ)の乳母、良さそうだなあ(感心)
乳母のソロは、良い歌なだけにすごく難しいので、若干心配していたのですが、れみちゃんって、今まで聴いていた細いソプラノよりも、ああいう太い胸声の方がよく響いてて表現力があるんですね!!
そういえば、もともと素で喋るときの声はそこらの男役さんより低めな感じですもんね。いやあ、本当に良い役者になってくれそうで、なんだかすごく嬉しい。




どいちゃん(鶴美舞夕)とキトリちゃん(稀鳥まりや)の鳩コンビは、映像にはあまり映ってなかったけど、アンサンブルシーンではいいところで踊っているみたいですね♪ 生舞台ではがっつり観るぞーー!(←真ん中もちゃんと観てね>自分)


パリスの天寿光希さんがあまり映らなくて残念ですが、まあ、パリスの分までティボルトがフィーチャーされた演出みたいだから仕方ないかな。
キャピュレットの男としてたくさん踊っていらっしゃるそうなので、生舞台を楽しみにしています。


大人たちはみんな良いですね!大公の水輝くん、キャピュレット家のヒロさん(一樹千尋)とコロちゃん(音花ゆり)、モンタギュー家のにしき愛さん、花愛瑞穂さん、ロレンス神父の組長。達者な人をきちんとあててきたことに感心します。
「ウェストサイド物語」と「ロミオとジュリエット」の一番の違いは、「若者たちの物語」と「大人たちの物語」が平行して進むことだと思うんですよね(ラストの違いは別として、ですが)。「ウェストサイド物語」は、物語としてはほぼ100%、若者たちだけの物語ですが、「ロミオとジュリエット」は、むしろ若者たちに振り回される大人たちをメインに追ったほうがわかりやすいくらい、彼らの心情がしっかりと描きこまれているので、その辺の役は凄く重要。

で、ヒロさんファンの猫としては、キャピュレット家のプロダクションノートでヒロさんさんがしっかり特集されていたので、とても嬉しい。いつ観ても素敵だなあ、ヒロさん(はぁと)。



「死」の真風くん、「水さんのトートが出現!」という噂(^ ^;)は聞いていましたが、本当にそっくりだ………(@ @)。
テレビの前でちょっと呆然としてしまいました。
私が真風くんを最初に覚えたのは「ハロー!ダンシング」で長い手足をいっぱいに伸ばして踊る姿だったので、歌や芝居に惑わされずにのびのびと踊る姿が観られそうで、なんだか嬉しいです。
……いつまでもそれじゃ困るんですけど、でもやっぱり、あの柔らかいダンスが好きなんですよね……。



プロダクションノートは、大人たちを特集してくれたのは嬉しかったけど、、、時間が短くてびっくりしました。
ほんの二ヶ月前に「スカーレット・ピンパーネル」のプロダクションノートに嵌ったばかりなので、あっさりした構成にかえって驚いてしまいました(^ ^)。
もう少し振付の風景とか駄目だしとかも映してくれたらよかったのになー。



なんて。
映像でわかることなんてごくごく僅か、なんですけど。
生の舞台をご覧になった方を羨みつつ、博多に行ける日を楽しみにしています(^ ^)。



2011年に100周年を迎える帝国劇場の、来年の演目とキャストが一部発表されました。


記念年には絶対やるだろうと思っていた「レ・ミゼラブル」ですが、思ったより期間が短いんですね。半年くらいやるのかと思ってましたが、二ヶ月ですか。
相変わらずキャストが多すぎ(涙)。二ヶ月間のイベント期間、って感じですねコレは。スペシャルメンバーも多いし。
……せっかく今井清隆さんが出演されるなら、ぜひジャベールも演じてほしい……絶対ジャベールの方がステキなのにぃ(T T)。



でもまあ、キャストが多いことには一面の美点もあります♪ いろんな人で観ることができるから、どの役も一人くらいはあたりが見つけられる(^ ^)。
とりあえず、たっちん(和音美桜)のファンテーヌ のために久しぶりに観劇することが決定(^ ^)したので、どの組み合わせを観るか、ちょっとワクワクしてみました。
……原田優一さんがマリウスなことにちょっとびっくり。アンジョルラス、良かったのになー。あれ?前回ってどうでしたっけ。出てた?(←チェックさえしてないことが判明)




そして!!
アンサンブルの画像が小さすぎてあまりよく見えないのですが………、

この、二段目の左から二人目の「絵理」って、もしかして嘉月絵理さんっ!?
うっそーーーー!!ファクトリーガール?ジベロット?まさかマダム??名前の順に並んでいるから役の予想は出来ないけど、絵理ちゃんならどれでも出来そうだし観てみたい♪♪
ああ、でもやっぱり、ファクトリーガールが観たいかなあ。……「共に飲もう」リプライズの泣き芝居をどうアプローチしてくるかが楽しみ、、、、などと、モノスゴくマニアックなところを楽しみにしてみたりして。

いやいや、何の役でも嬉しいです。ああ、でもこれって本当に絵理ちゃん?顔が見えないからあまり自信がない……。



あと、男性アンサンブルの2番目って、StudioLifeの石飛幸治さん…ですよね?
うわーーーーー。何をやるんだろう。コンブフェール(=工場長)とか、何気に似合いそうだけど。あるいは、歌唱力がよくわからないけど、キャラだけならバベも似合うかな?元々美声のダンサーが演じる役だけど(汗)。

なんて色々考えていますが、そういえば、2003年以降に上演されている短縮版ではアンサンブルの立ち位置とか変っているかもしれなんだな……(←短縮版になってからは、あまり回数を観ていないので)
とりあえず、がんばります(なにを)(^ ^)。





その後は、「風と共に去りぬ」を一か月。
寺脇康文さんのバトラーに、岡田浩暉さんのアシュレ!!
……絶対、観に行きます(^ ^)。



そして、7月後半から8月末まで、オランダミュージカル「三銃士」の日本初演。
これは、去年韓国で上演された作品とは別物ですよね?あれは韓国ミュージカルですもんね。

こちらも、たっちんがコンスタンス役にキャスティングされているので絶対観なきゃ(^ ^)。ここ数年、帝国劇場に入るのは年に二回もあるかどうか?という感じでしたが、2011年は結構通うことになりそうですね、私(^ ^)。
っていうか、来年の5月~8月は忙しくなる予定なんだけど、大丈夫なのかしら。

それにしてもコンスタンスって、王妃アンヌ・ドートリッシュ(シルヴィア・グラブ)の侍女で、ダルタニアン(井上芳雄)の恋人、ですよね?うっそー、たっちん、ファンテーヌの次は井上くんの恋人かよっ!?(@ @)
そこも楽しみですが、それ以上に楽しみなのはアンヌ王妃とコンスタンスのデュエットですね(はぁと)。一曲で良いからありますように!!

山田和也さんお得意の、軽やかで楽しいミュージカルでありますように♪




あ。
東宝さんのスタッフさんがこんなちっぽけな日記を読んでいらっしゃるはずはないと思いますが……
「三銃士」の紹介ページ、Titleが「風と共に去りぬ」になってますよ(^ ^)とひっそり書いておきます(^ ^)。




珍しく、発売日より前にGraphをゲットしました。


いつもはだいたい、半月から三週間くらい遅れて買うので、コメントしたい記事があっても今更書けないことが多いのですが、今回はOKですよねっ!?


と、いうわけで、気になった順に。



「波乱爆笑わが人生」、今月のテーマは鳳翔大くん。
予想以上のぶっ飛んだ波乱爆笑っぷりに、感動のあまり言葉が出ません。こんなに感動したのは、ベニー(紅ゆずる)の回以来です……(真顔)。
………88期って。



「Especial Time」は、ひろみちゃん(彩那音)⇒ 祐飛さん。相変わらずのラブラブっぷりで、3ページ目の写真とか、見た瞬間にちょっと照れてしまいました(^ ^;。
いやー、さえちゃんもまぜて、三人でトークしてほしい!



サヨナラポートのアリスがめっちゃ可愛い。
そして、並んでいる舞台写真、「雨に唄えば」のキャシー以外の三枚は祐飛さんがトップになった後なのがなんとなく感慨深い。本当に、この一年間のアリスちゃんの「役者としての」変貌ぶりは、特筆するべきものだったと思います。
何度か書いていますが、もっと早くからこういう役が与えられていたならば、と思うんですけどね……(T T)。



「組子全員キメ顔特集」は、雪組さん。
すいません、非常に個人的な感想ですが、大湖せしるの写真に見惚れました。隣の大凪真生さんの写真とセットなんですが、、、、誰が考えたんだろう、このネタ。
先月の宙組くらいから、同期でネタを合せることが多くなってきた気がするんですけど、雪組さんのは色んな意味で完成度が高い、、、、かも(?)

せしるの迷作がなければ、文句なく喝采(私の)を浴びるのはキムちゃんなのかなあ。ああ、でも、水さんのもすげー。

そして、写真自体はごくごくふつーでまっとうな真那春人くん。でもあなた、「ONE PEACE」のルフィに……たしかに似てるわ(真顔)。……その邪気のない笑顔、大事にしてください(^ ^)。




表紙はねねちゃん(夢咲ねね)&みっちゃん(北翔海莉)。
「バーボンストリート」の後半チームでしたよね(^ ^)。私は残念ながらみっちゃんバージョンは観られなかったのですが、楽しそうだったなー。
みっちゃんのお化粧がいつもと違って、ややフェミニン(?)な感じ。もう少し眉を太く描いても良いんじゃないかな、と思ったりもしましたが、まあ良いのかな。ねねちゃんはホントに可愛い(はぁと)。
中のポートの最初の一枚は、「ロミオとジュリエット」のチラシ画像のパクリですか?(^ ^)。可愛いなあ~~♪

宙組公演「トラファルガー/ファンキー・サンシャインの舞台写真。
ひまわりの可愛い女の子たちが写っていなくてとも残念(T T)。でも、まあ、可愛い可愛い祐飛さんとすみ花ちゃんを大きく写すためには仕方ないのかな?(^ ^)
個人的には、YUKO(アリス/ショー)の後ろ姿がめっちゃ可愛くてツボです。あと、トラファルガーの写真はどれもいいなあ。ネルソンさん、カッコいい♪

「The 5Senses」は、柚希礼音くん。五感に関する質問への答えも面白いんですけど、ラストのページでスーパーボールと戯れている礼音くんがめっちゃ可愛い。

稽古場風景は、月組「スカ-レット・ピンパーネル」。
どれも良いけど、ガチャ(一色瑠加)、ナホちゃん(越乃リュウ)、きりやんの三人で他のひとたちの稽古を凝っと視ている写真がとても印象的。

「The Costume」は宙組大空祐飛&野々すみ花。
何度も観ているし、フィナーレの衣装なんて散々観ているつもりだったのに、細かいところが全然見えていないことが判明。明日観るので、しっかりチェックしたいと思います(^ ^)。

「カルトップクイズ」はきりやん。なかなか難しい!でも、読者向けの質問はどっちも答えが判ったような気がする……応募してみるか(^ ^)。



すべての記事についてコメントするのは無理なので、とりあえずはこんなところで。
祐飛さん&宙組&月組ファン的には、大変美味しい号でした(^ ^)。



2010/07/19

月組 退団者のお知らせ
下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。

(月組) 
美鳳 あや
天野 ほたる

     2010年11月21日(月組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団





私がはじめて観た「初舞台生」たち。
本当にみんな可愛くて、祐飛さんとも仲良しな期。

あの85期生の中で、最後に月組に残るのがもりえちゃん(青樹泉)になろうとは、、、、
本当に、思ってもいませんでした。



可愛い可愛いフランチェスカ(by「血と砂」)と、麗しのヒポリタ(by「二人の貴公子」)。

いつの間にか、すっかり上級生になって、場面をまとめる役割を果たしてくれていたお二人。

いままで月組に居てくれて、ありがとう。
11月まで、精一杯応援します。
だから。

「ジプシー男爵」と「ラプソディック・ムーン」が、素敵な作品でありますように(祈)。



ただいま絶賛上演中(^ ^)の宙組東宝劇場公演「トラファルガー/ファンキー・サンシャイン」より、お芝居の「トラファルガー」について。



ここ数日、若干いろいろあって少し落ちていたのですが、公演も中盤に入りましたので元気に盛り上げていきたいと思います!!
と、いうわけで、作品について語ろうかな、と思ったのですが。


んー、作品論で語ってしまうとちょっと身も蓋もなくなる可能性があるので、まずは場面ごとに、かるく私のツボ話でも聞いてください(^ ^)。
あ、場面タイトルはかなり適当です。



■序 ツーロン陥落

砲兵士官ナポレオン・ボナパルト(蘭寿とむ)の出世の糸口となった、1793年秋のツーロン攻囲戦を題材にした場面。
パリを脱出した王党派がイギリスやスペインと手を結び、地中海に面した港町ツーロンに立て篭もる。共和派の軍隊は街を包囲し、港を見下ろす高地(アレーナの丘?)を奪って大砲で狙い撃ちする……。
イメージで言うなら、鉄砲の導入によって無敵の武田騎馬隊を打ち破った長篠の戦いみたいなものだったんでしょうか?ナポレオンの玲名を轟かせた戦争ですね。

このときフランスを率いてきたロベスピエール(越乃リュウ)は、1793年6月にジロンド派を追い出して権力を握ったばかり。彼が失脚したテルミドールは1794年7月ですから、ナポレオンを引き立てた彼が権力の座に居たのは、わずか一年ちょっとなんですね。
ナポレオンが、その短期間にしっかりと地歩を固め、ロベスピエール失脚後も順調に出世していったのは、彼の卓越した戦術と指揮能力によるものなんだろうな、と思います。



対するネルソンも大活躍……なのは、史実なんでしょうか?(^ ^;ゞ 私がざっと調べた程度では、ツーロン攻囲戦にネルソンが参加していた証拠は見つけられなかったのですが。
でもまあ、条件としてはありそうな話ですね。
銀橋で兵士(月映樹茉)がナポレオンに問われて答えるネルソンの乗艦は、「64門艦アガメムノン号」。ちなみに64門艦は、当時の戦艦としては大きな方だったらしい。
ネルソンがアガメムノンの艦長になったのは1793年のことらしいので、そのままフッド提督と共にツーロンに入ったのかな?と。

そんなことを考えながら、いざ舞台へ~♪



上手から銀橋を駆け抜けて行く兵士たち(国民公会軍)は、さすがに区別がつきません(T T)。……一瞬でいいから、銀橋に立ち止まって客席に顔を向けてくれればいいのになー。
何度も観ているのに、あっきー(澄輝さやと)やらモンチ(星吹彩翔)やらがいることにさえ気づいてませんでした。プログラムって大事だなあ。


その後を追うように出てくる兵士A(蒼羽りく)。いや、ル・サンクによると、この場面のりっくんは部隊の副官だそうですね。そういえば「撃て!」って言ってたな(^ ^;

そこに駆け込んでくる兵士の台詞については、上でも書いたので省略。
この場面って、大劇場ではとにかく全員が何を言っているんだかさっぱり分からない場面だったのですが、東宝に来たらりっくんの台詞は随分聞きとれるようになってました!新スカイフェアリーズとして、滑舌の訓練でも受けた成果かしら?(^ ^)
ただ、その台詞を言うときの彼の気持ちや、戦いの高揚感みたいなモノは、大劇場の時の方が伝わってきていたような気がするんですよね。何を言っているのかは判らなくても、伝わってくるものがあった。
劇団四季の母音発声じゃないけど、滑舌を良くすると、一時的に芝居としては駄目になることが多いので、早くその発声を自分のものにしてほしいなと思います。

でもやっぱり、えなちゃん(月映樹茉)の台詞はもう少し聞きとれるように喋らないとまずいと思うなあ……。


水の上を滑るように自由に動き回るネルソンの操艦術は、陸戦を主体としたナポレオンには信じられないものだったんでしょうね。
その感動を、「黄金のハヤブサ」という、(宝塚においては若干ありふれているけれども)判りやすい称賛の言葉として表現するあたりが齋藤作品の判りやすいところでもあり、底の浅さや若干の安っぽさを感じるところでもあります。
うーん、やっぱり齋藤さんにはゴーストライターが必要なんじゃないかなあ、と思ったりする。彼の萌えを理解して美しい日本語に起こす作業ができる人っていないのかなー。なんだったら私とかど(黙)。



■第1場A VICTORY

ナポレオンの「ホレイシオ・ネルソン!」という感嘆で暗転し、紗幕に映像が流れる。
「黄金のハヤブサ」が、ナポレオン⇒ハミルトン⇒エマ⇒ネルソンと渡っていくオープニング画像で、なかなか良く出来ています。
音楽は「威風堂々」。影ソロはもちろん、宙組の誇る歌姫・七瀬りりこ嬢。


舞台にライトが入る。
紗幕の向こうに透けて見える、板付きのイギリス海軍士官たちと、セリ上がってくるネルソン。この場面が一番テンションがあがるかも。


齋藤さんの書く日本語にいちいち引っ掛かりたくはないのですが。
……でもでも!!「白いマストがひるがえり」は、無い。エマ、それはない!
東京で修正されるといいなーと思っていたのに、ここに限らず、台詞や歌詞の変更がほとんど無かったのは結構ショックだった……。



回り盆がくるりと回ると、フランス海軍とナポレオンが登場。
ナポレオンの歌う歌詞で好きなのは「黄金のハヤブサをこの手で堕とすまで」。私、実はこの歌詞をずっと「この手堕とすまで」だと思っておりまして(^ ^;ゞ かなりヤバい目の片思い設定だとばかり………。
意外にまともな歌詞だったんだなー(意外とか言うな)


この場面のチェック項目は、「波」役の娘役さんたちでしょうか。最初のネルソンの場面にしかいない藤咲えりちゃんとか、結構入れ替わりがあるので忙しいです。個人的には、(琴羽)桜子と(美影)凛さんがラインが綺麗だなーと思って見惚れてます。
それにしてもえりちゃん可愛いーっ♪(でれでれ)。すぐ次の場面に着替えて出なくてはならないので、本当に短い時間しか居られないのですが、出してくれてありがとう!! >齋藤さん
さすが、判ってるなー♪
【追記。えりちゃん、ハミルトンさんが出てきて歌う場面までは波にいますね。最初のネルソンのところしかいないかと思っていましたが、案外長い時間出ていました。短いのは召使いさんたちですね】


兵士たちは皆さまそれぞれにチェック項目があると思いますが、何度か観ていると、「あ、父上(エドマンド/風莉じん)がフランス軍に!」とか、そういうアルバイトさんたちへの突っ込みが自然と出てきます(^ ^)。
この場面は、次の場面に出ない人はほとんど出てるのでしょうか…?誰か出てない人いるのかしら。



舞台奥からウィリアム・ハミルトン(北翔海莉)登場。
曲調もかわり、ガラッと空気が変るのはさすがですね♪
その調子で、ヤスのソロもよろしくお願いしまーす!!

もとい。
ウィリアムがセンター奥、本舞台客席側の上手にネルソン、下手にナポレオンという配置が、なかなかうまいな、と思いました。祐飛さんと蘭トムさんは若干音程のピッチが違うので二人で声を合わせると結構苦戦するんですが、拡がりのあるみっちゃんの声を真ん中に置くと合わせやすそう。まあ、ここではそんなに難しい音程でハモるわけではないんですけどね。
「今、物語は始まった!」という言い切りが気持ちよくて、大好きです(*^ ^*)



■第1場B 一人の美女

「VICTORY」の音楽が終わって幕が降りると、下手の花道にキャドガン夫人(美風舞良)が登場。美風さん、軽やかな中にも毒があって、すごく良い。当たり役だなあ~~~(*^ ^*)
ママに呼ばれて登場したエマ。幸せいっぱいに婚約者への愛を歌いながら、ちょっと“浮かれた”感じで銀橋を渡ります。
この場面のエマは、髪型なんかも結構日によって違ったりして、すみ花ちゃんの努力がうかがえます。それにしてもすみ花ちゃん、この時代の衣装は本当によく似合いますね! 胴が短くて腰が豊かなので、「カサブランカ」で着ていたようなシンプルなワンピースより、こういう作りこんだラインのドレスの方がが映えるんだなあ♪

本舞台のメイドさんたちが、これまた皆可愛い(はぁと)
衣装の色は、千鈴まゆちゃんが薄紫、百千糸さんがサーモンピンク、七瀬りりこ嬢が薄いピンク、背音リサちゃんが水色、夢涼りあんちゃんが黄色、桜音れいちゃんが緑……であっているかしら?

でも、最後にウィリアムと一緒に登場するジゼラ(藤咲えり)の可愛らしさは、さらに格別、です!(*^ ^*)



史実らしきものをあたってみると、エマが「公娼」で、ウィリアムは60歳をすぎた「おじいちゃん」であったことは、どうやら事実であるらしい。
日本でいえば、芸者さんを身請けしたような感じだったのかなあ……?
むしろ、正式に妻にしたことで驚かれたみたいですし、ウィリアムさんは実は真面目な人だったのかもしれないな、と思ったりします。
ホレイシオとエマと三人で暮らしていた事実があったり、本当に色んな意味で事実は小説より奇なりという格言を思い出さずにはいられません。


こんな突拍子もない物語を、よく宝塚で上演したなあ、と思うのですが。
齋藤さんは、ウィリアムを40代の男ざかりに、エマを「初めての恋にワクワクしてたのに、5000ポンドで売られてしまった哀れな娘」に変更しましたが……
うーん、ウィリアムの年齢は宝塚的に当然だけど、エマのキャラは芸者のままでも良かったのでは?と思うんだけどなー。「心中・恋の大和路」みたいな作品もあることだし、職業に貴賤は無いはずなので。

エマを純真な娘にして、エマとネルソンの恋を純愛にしたかったのは判るのですが。
うーん、祐飛さんもすみ花ちゃんもどっぷり恋愛体質なので、設定的にちょっと中途半端になっちゃったんじゃないかな、と。
っていうか、齋藤さんって、祐飛さんにどんな夢を視ているんだろうか……?



ウィリアムが勝手なことを言って去ったあと、暗転する銀橋の上に立ち尽くしたエマ。
「私は、五千ポンドで婚約者に伯父に売られた」から「レディ・ハミルトンになった」までの録音のナレーションの間、という短い時間で、がらりと表情が変っていくすみ花ちゃんは、根っから女優なんだなあと思います。
表情の変化にあわせて、周囲の空気の色まで変っていく。
……お見事!



ここまでがプロローグなんですね。
また続きは近いうちに♪



今後の雪組に関係する人事が、一気に発表された本日。
カテゴリーを「雪組」にするか「宝塚全体」にするか若干悩みつつ、まずは私にとって一番衝撃だったニュースから。



まっつ(未涼亜希)、組替えですか!!!


前回公演でユミコさん(彩吹真央)が抜けて、今公演で水さんが卒業。
次期トップのキムちゃんは(一応)順当だとしても、その両脇をいったいどうするつもりなんだろう?と思っていたのですが。



まさかのまっつ投入(@ @)。



同期の名歌手ということなら、みっちゃん(北翔海莉)という手もあったと思うのですが、そこはあえてまっつなんですね……。
うーん、微妙だ。でも、まっつというキャラクターには案外雪が合いそうなので、かなり期待しています。
しかも、キムちゃんのお披露目大劇場公演は「ロミオとジュリエット」!!
まっつはベンヴォーリオかしら、ティボルトかしら、マキューシオかしら(^ ^)。
いやもう、あの美声を響かせてくださるなら大公でも嬉しいし、、、なんでもいいです。歌ってくれれば♪♪
キムちゃんトップにまっつ、コマって、耳には良い布陣だなあ~~。これはチギちゃんにも歌をがんばっていただかねばっ!!(^ ^)。



しかし、それと同時に発表になったトップ娘役不在………(T T)。
月組にまりもちゃんがきりやんの相手役として就任したとき、皆が(ファンは勿論だけど、組の上級生も)あんなに喜んでいたのにねぇ………。




私は、一般的な(?)宝塚ファンの中では、トップ娘役不在だとか、スター専科だとか、そういう『異例の人事』に抵抗の少ない方だと思います。問題なのは人事ではなく作品であって、異例人事をするなら異例人事をしなくてはやれない作品をやってね、とは思いますが、人事そのものについてはあまり悲観的にならないようにしているので。

ただ、宝塚は残念ながらそういう「異常事態」を生かすことはあまり得意ではなくて、轟さんがいなければやれなかった「暁のローマ」と、お芝居とショーのヒロインをわけた「夢の浮橋/Apassionado!」くらいだと思うんですよね、成功事例は。


で、今度の雪組はどうなるか……?
観てみなくてはわかりませんが、今までに観てきた印象で言うと、キムちゃんは相手役を固定してあげた方が良かったんじゃないかな、、と思うんですよね。
キムちゃんは非常に熱量の大きい芝居をする人なので、それをちゃんと受け止める器(包容力)のある娘役さんと組ませてあげたいんですが、今の宝塚にはそういうタイプの娘役が少ないので、固定して普段から呼吸を合わせていったほうが良いと思うんですよね。
どうしても一人に絞れないというなら、Wトップ娘役でもいいから、固定してあげたかったなあ。

みみちゃんは可愛いと思うし、雪組のトップ娘役になる人として何ら不足は無いと思うのですが、ただ、キムちゃんの相手役として100%かというと、ちょっと違うかも、とは思っていました。
みみちゃんも自分から押していくタイプなので、キムちゃんとだとぶつかってしまうんですよね。テルくんだったらちょうど良いんだけど。個人的には、キムちゃんの相手役には宙組の藤咲えりちゃんとか、ちょっと大柄だけど花組の天咲千華ちゃんとか、そのあたりが相手の芝居を受けることのできる包容力のあって良いんじゃないかなーと思っていました。

そういう意味では、お披露目のドラマシティ公演「はじめて愛した」のヒロインがみみちゃんではなく愛加あゆちゃんだというのは納得でした。
そして、みみちゃんが轟さんの「オネーギン」のヒロイン、というのも、納得。華やかなみみちゃん、すごく楽しみ。



しかーし。
だったら何故、ジュリエットはみみちゃんと夢華あみさんなんだろう(T T)
夢華さんは歌えるみたいだけど、歌をメインで選ぶならかおりちゃん(晴華みどり)は??と。


これだけ熱心な「宝塚ファン」をしていて、雪組も毎公演必ず二回以上観ている私でさえ、はっきり言って「観たことがない」娘役。
そりゃあそうですよ。彼女が配属されてからまだ東宝公演に来たことが無いんだから。

唯一、大劇場の「スカーレットピンパーネル」新公で観ているはずですが、まさかこんなことになるとは思わなかったからノーマークでした。僅かなソロフレーズについて「力強い良い声」と日記に書いている自分をちょっと褒めたい感じ(^ ^)。



露出しすぎると飽きられてしまいますが、ここまで全く露出の無い人では興味を持つことが難しい。
せめてもう少し、本公演で目立つ役をやってから評価してくれれば良かったのになあ。




非常に個人的な話なんですが。
実は、今現在が私の宝塚ファン生活で最大の“トップ娘役黄金期”なんですよね(^ ^;ゞ。
蘭ちゃん、まりもちゃん、みなこちゃん、ねねちゃん、すみ花ちゃん………全員芝居とスタイルがよくて、踊れて、情があって声が可愛い!!ああ、蘭ちゃんが就任してからみなこちゃんが卒業するまでの間に、ぜひとも5組がそろうイベントをやってほしかった!!!(涙)

なので、みなこちゃんが抜けた後は誰が来るんだろう?というのは非常に気になっていたのですが…………

誰も埋めないのか。そうか。
……それはそれで、納得かも(^ ^;



秋のドラマシティ(「はじめて愛した」)とバウ(「オネーギン」)の振り分けも発表になりましたが。
……新生雪組は、ドラマシティのメンバーを中心に進むんでしょうねぇ。・

なんだか、いろいろ切ないなあ………。




まっつの組替発表から、一日が過ぎました。
何事もなかったかのように、今日も東京はピーカンで。

あのときは、もう少し沈鬱な天気だったような気がする。
2007年12月26日、祐飛さんの花組への組替発表があったあの日、は。




生粋の組子として育ち、
その組に無くてはならない人になって、
今後もこの組を支えていってくれるんだろう、と安心しつつ、
……だけど、いったいいつまで支えてくれるんだろう……?という不安は、いつでも胸の地番奥にひっそりと納まっていて。

そんな思いで過ごしていた、あの頃。


異動についていくしかないまっつファンの皆様も、
見送ることしかできない花組ファンの皆様も、さぞ不安なことでしょうね。
花組を出ることなんて、考えてもいなかっただろうし、「花組の未涼亜希」でないまっつを想像することも、当分はできないでしょう。

でも、タカラヅカは一つだから。
祐飛さんを、ありえないほど温かく迎えてくれた花組。
たぶん雪組も、同じ温かさでまっつを包んでくれると思うから。

だから、信じています。

宝塚は一つだから。
そして、まっつは強い人だから。


まっつが、そして、まっつを迎える雪組とまっつを喪う花組が、
みんな素敵な作品に恵まれますように。
もちろん、宙組も月組も星組も、ね!!



宙組東宝劇場公演「トラファルガー」。


■第2場 ロンドン帰還
銀橋に残ったエマ(野々すみ花)の独白で暗転。本舞台に光が入ると、そこはロンドン。
ナイルの海戦でフランス軍を破ったネルソン艦隊を歓呼して迎える市民たち。

壇上で大きな旗をぶんぶん振り回している二人は、下手がモンチ(星吹彩翔)、上手がえなちゃん(月映樹茉)。まずモンチが歌いだすんですが、相変わらず良い声で良い度胸だ♪
続けて上手側で花露すみかちゃん、平場で美月遥くん、花音舞さん、美影凛ちゃんと歌い継いで、その時点での世界情勢を簡単に説明する。
「市民革命の波を恐れたのだ」とかっちり締めるさっつん(風羽玲亜)がステキ♪金髪が似合うなあ(*^ ^*)。


この辺は「カサブランカ」でリックのカフェの最初の歌と同じようなメンバーが多い印象。
場面的には、下級生~中堅の歌手にワンフレーズづつ歌わせて歴史的背景を状況を手際よく説明する、非常によく出来た場面ではあるのですが。
でも!!もうちょっと人数を増やしてもいいんじゃないの?>齋藤さん。ロンドン市民が男女8人づつの16人なんて、少なすぎる(涙)。前場のメイドさんたち以外は全員出られると思うんですが。
下級生にもっと出番を~~っ!!

イギリス軍のメンバーが少ないのは、新調のお衣装の都合があるのかな、と推察しているんですが(^ ^;、市民の衣装なんていくらでもあるでしょうに!!
……と思ったところでふと気付く。この公演が大劇場で幕を開けたときって、東宝ではスカーレット・ピンパーネル絶賛上演中だったっけな、そういえば。そっちに全部取られたてたのか、民衆の衣装が……?(←まさか)



1793年秋のツーロン陥落が「スカーレット・ピンパーネル」のちょっと(半年くらい?)前の話なら、ナイルの海戦は1798年8月、ロベスピエールの失脚から4年後。ツーロン攻略戦で名をあげたナポレオンは、ウィーン攻略とイタリア遠征の勝利によって『フランスの英雄』となっていた、んですよね。


広大な国土を持った豊かな農業国フランスは、伝統的に軍隊はあまり強くなく、長らく傭兵に頼って国を守っていました。
しかし、革命によってフランスが全ヨーロッパの台風の目となったとき、傭兵たちは当然、支払い能力の高い貴族側につくわけで。
共和政府は新しい軍隊のありかたを模索し、「国民のための共和フランスなのだから、国民が守るべきだ」と、事実上の徴兵による「国民軍」を作り上げる。その中心になったのがナポレオン。
徴兵による圧倒的な兵数にものを言わせて、革命政府をぶっつぶそうと襲ってくる各国の包囲網と手当たり次第に闘ってきたのが、この10年間のフランス。
最初はただの農民兵だった彼らも、ナポレオンをはじめとる有能な指揮官に恵まれて、陸戦に関しては連戦連勝。向かうところ敵なし、だった。

そんなフランスの前に、唯一立ちふさがったのが、海運と海軍にすべてをつぎ込んだイギリス。地味の乏しい、貧しい島国に暮らす彼らには、海しか無いんです。制海権を握り、貿易による富を獲得する以外に、生きるすべがない。
そして、当時のイギリスとフランスは、今私たちが日本で想像する以上に、心情的に近い関係にあったはず。ギロチンにかけられるフランス貴族たちは、イギリス貴族たちの知り合いで、友達で、もしかしたら親戚、いや従兄弟くらいの関係だったかもしれないのですから。



ナポレオンのエジプト攻略にはいろいろな理由や目的があったのでしょうけれども、その一つに、「敵対するイギリスの国力を削ぐために、イギリスとインドの連絡を絶つ」というものがあったのは間違いない。
インドとの貿易は、イギリス経済の生命線。そこを断てばイギリスの国力は一気におちる。そうでなくても、エジプトからトルコを攻略すれば、地中海の南東部はフランスのものです。イギリス艦隊の制海権さえ奪うことができれば、フランス陸軍は補給線の心配もなく、もっと自由に動けるようになる。
最終的にはイギリス本土攻略、というところまで視野にいれて、ナポレオンはエジプト遠征に出発。アレクサンドリアに上陸してカイロへ攻めのぼり、あっという間に陥としてしまう。

しかし、ナイル河口でベース(補給基地)となっていたフランス艦隊を発見したイギリス海軍は、わずか一晩の戦闘でこれを殲滅。これが、ここで称えられる「ナイルの海戦大勝利!」
この戦いは直接ナポレオンと闘ったわけではなく、彼の補給路を断っただけだし、この戦いの後もエジプト遠征は続くので、凱旋した彼らがどのくらい歓呼されたのかは良く分かりませんが(^ ^)、フランス艦はほぼ全滅、イギリス艦はほぼ無傷という、滅多にない大勝利ではあったようですね♪


「我がイギリスの危機♪」と歌うせーこちゃん(純矢ちとせ)、朗々と響く拡がりのある美声が、すごく嬉しそうで巧いなあ、と思います。
そして「ネルソン!ネルソン!」という歓呼の歌は、この後も繰り返し出てくる印象的なフレーズ。このあたりの場面の音楽は太田健さんですが、盛り上がりのある良い曲ですね。
楽しそうに小旗を振っているみーちゃん(春風弥里)やあっきー(澄輝さやと)のアルバイトっぷりがとても可愛い。みーちゃんはその後もずーっと壇上で見物していて、とても可愛いです。今回みーちゃんの本役であるルシアンは相当邪気のある役なので、あんなに可愛い笑顔は、お芝居の中ではここでしか見られません(^ ^)。

上手奥から入ってくる兵士たち。ここのメンバーが、この後もずっとイギリス兵ですね。基本的にイギリス兵になったりフランス兵になったり、という水増しをしていないのも、全体に舞台上に居る人数が少なめになっている理由でしょうか。「虞美人」はその点凄かったもんなあ(^ ^)。


市民たちの歓呼に応えて、破顔一笑、ものすごく嬉しそうに手を振り返すハーディー(悠未ひろ)。その笑顔、可愛いからっっ!! ネルソンに「まだ戦いは終わっていない!」と窘められて、「あちゃっ」という顔をするところもめちゃめちゃ可愛いです。
それにしても。一段下に立っているはずなのに、どーしてネルソンと目線が合うの?>ハーディー

金髪ロン毛を強調した大くん(鳳翔大)と、すっきり後ろにまとめたカイちゃん(七海ひろき)の美形コンビと、眼帯をしたネルソン、そしてひたすら可愛い笑顔のともちん。このイギリス海軍、美形率が高すぎてちょっと目眩がします。ナイルの海戦大勝利!でなくても、市民は集まってきそうなメンバーだわ(真顔)。


朗らかに温かいフッド提督(寿つかさ)と、奥歯にものが挟まったような嫌味っぽいジャービス提督(珠洲春希)の掛け合いが結構好きです。なんだかんだ意地悪を言ってるけど、ジャービス提督は結局はネルソンが大好きだよね、という感じが漂っていて、男の嫉妬は醜いけど可愛いなあ、と思ってしまいます(^ ^)。
そして、後から颯爽と登場して、「Welcome home、ホレイシオ!」と場をさらってしまうヘンリー王子(十輝いりす)の格好良さにくらくらします。ええ。彼の登場と同時にスッと片膝をつくネルソン以下の士官たちの動きも素晴らしい。きれいだなあ(*^ ^*)。


「実は、再びナポリに向かってほしいのだ」
と告げるヘンリー王子の、温かな声。盟友ホレイシオを心配しつつ、国のためにはそれが必要なのだとちゃんと判らせる言い方がとてもいいです。あまり台詞術に長けた人ではないのですが、心のある芝居をする人だな、と、こういう時に強く思います。


この辺りまでは、市民たちが若干名舞台に残っているんですよね。
下手の壇上に居たのは千紗れいなちゃんと愛咲まりあちゃんかな?
舞台中央の奥に真みや涼子ちゃんとえなちゃんが並び、上手の壇上にみーちゃんと花音さんが仲良く並んでいたような。なんだか嬉しそうに将軍たちのやり取りを眺めている様子が楽しげで皆可愛い♪


ナポリへの出航を命じられたネルソンに、つと寄り沿うハーディー。
ハケていく兵士たちにネルソンが呼びかける。
「ジョサイア」
兵士たちの一人(愛月ひかる)が、つと立ち止まって振り返る。ここは、照明さんがさりげなーく良い仕事をしています♪
ネルソンがちょっと後ろめたい感じで続ける。
「手紙を。……ノーフォークの、お前の母上に」
「アイアイサー、キャプテン・ネルソン」

さりげない会話ですが、手紙を自分で書く気もなく「お前の母上に」と言うところとか、「父親」への返事ではなく、上官に対する「アイアイサー」という返事であるところに微妙な家族関係を匂わせているあたり、その直前の会話の中でハーディーに「まだ妻と娘にもあっていないのに…」と嘆かせているコトも含めて、齋藤さんもだいぶ大人になったんだな、と思ったりしました(^ ^)。


この辺りで音楽が入り、トム・アレン(凪七瑠海)が荷物を持って登場。
「目指すはナポリ♪」と歌いだします。
ここで「風向き良好!」と歌う前に、ハーディーがちゃんと指を舐めて風向きを確かめているところが笑える(^ ^)。ちなみに、アーサー・ランサムの「ツバメ号」シリーズの中で、「指を舐めたって風向きなんてわからない」という台詞があったような気がするんですが(^ ^)。

ともちんと祐飛さんの声は案外合うなあ、とこのナンバーを聴くたびに思います。
そして、カチャの声はまた一段と癖が強くなったような?ちょっと気になる感じですね。今回はトム・アレンという役で、喋り方もちょっと乱暴な感じにしているので、その流れなのかな?とも思うのですが、曲調や一緒に歌う二人に合わないのは問題だと思うので、ちょっと考えてほしいような。



……なんだか、余計なことを書いて文字数を稼いでしまったような気が(^ ^;ゞ
この調子だといつまでたっても終わらないので、次からはもう少しスピードアップしたいと思います……。



雪組&雪組ファンのみなさま、千秋楽おめでとうございます!!
……まだ全く実感が持てない(T T)なにはともあれ、当分はゆっくりとお休みくださいませ。暑い夏、消耗も激しかったことでしょうから、とにかくリフレッシュしてくださいね。
暑い暑い東京で、お待ちしております。




さて、宙組東宝劇場公演「トラファルガー」。


■第3場 ナポリ ~導火線~
銀橋のトリオ(ネルソン・ハーディー・トム)の歌が終わって暗転すると、本舞台の紗幕ごしにナポリでの華やかなパーティー風景が浮かび上がる。

下手で歌いだす妃宮さくらちゃん、豊満な美女ぶりと豊かな声が素敵。
上手側でコーラスを合わせる天輝トニカちゃん、下級生だけどさりげなく巧い♪
トニカちゃんと踊る黄色いドレスの美女(伶美うらら)の美しさは他を圧しますね。あんなに目立つポジションでありながら、全く歌わないところが微妙だけど(^ ^)。長身かつ抜群のスタイル、細面のちょっとキツめの美貌。大劇場では男役としてちょっと小柄なトニカちゃんが大変そうだなーと思いながら観ていたのですが、東宝では優しい包容力が出てきて、格好よかったです(感心)。
さくらちゃんの後を受けて歌う、花里まなちゃん。こちらは少し痩せたのかな?キレイになりましたねー♪祐飛さんが就任したこの一年で、“綺麗なお姉さん”が激増したような気がするのはファンの贔屓目でしょうか(^ ^)。娘役が可愛くてこその宝塚。みんな頑張ってね♪


ナポリ駐在イギリス大使夫妻(北翔海莉・野々すみ花)が登場。
「みなさま今宵はようこそ♪」
と歌うウィリアム(みっちゃん)の声は、ひどく柔らかくて軽やか。もっと力強い声でも歌える人なのに、今回公演は芝居もショーも柔らかい部分を担当しているんですよね(力強い唄は、基本的に悠未ひろさんが担当)。たまには違う声も聴いてみたいな、と、ちょっと我がままになってみたりする。


上手奥から、ネルソンとハーディーが登場。大使ウィリアムとのさりげない挨拶が大人です(^ ^)。
演目が発表された頃に出ていたあらすじだと、ウィリアムとネルソンの関係がかなり濃く描かれそうな雰囲気だったのに、ナポレオン=蘭寿とむ、ウィリアム=北翔海莉の配役が発表されたあたりで変っちゃったんですよねー。残念だ!!怒りと嫉妬にかられて、ネルソンを危険な戦場へ送り込むウィリアムな蘭トムさん、すっげー観たかったのに!(T T)。齋藤さんなら、ちゃんとウィリアムの嫉妬はエマに向けられたものなのか、それともネルソンなのかとゆーあたりを外さずに萌えさせてくれただろうにーーーーー!!(←こら)
二番手と三番手、という脚本的な役割以上に、キャラ的にみっちゃんでソレは無い(T T)のがざんね(←そのへんにしておきなさい)



現実の芝居では、何度かパーティーで顔を合わせたことがある上流階級同士、という程度の関係になってましたよね、ネルソンとウィリアム。改まって「5年前のツーロン戦」での支援の礼を言うところをみると、直接会うのはそれ以来なんだろうし。
ヘンリー王子の「君(ネルソン)はナポリでは人気者だ」なんて台詞があるんだから、ネルソンはナポリにしょっちゅう行ってたんじゃないの?と思うのですが、まあ、ナポリ国王夫妻(特にハプスブルク家出身の王妃マリア・カロリーナ)は反革命意識の非常に強い人なので、フランスと闘って勝利を重ねている唯一の将軍であるネルソンのファン(^ ^)だった、という設定なんでしょうか。

ただ、この時点でネルソンはハミルトン夫人エマに初対面というのが若干意外な印象を受けました。
齋藤さんの脚本的にはウィリアムがエマを買ったのはツーロン戦の後だし、戦いの最中に援軍を要請しにくることはあっても、パーティーに出たり大使館に招かれたりするような仲ではなかった、というだけのことなのでしょうか?



ところで。
初めてネルソンに出会ったエマの振舞が、なんというか、少し奇矯な感じに見えるのは、わざとなんでしょうか。
最初のうちは、コケティッシュで可愛らしい、ちょっと仇っぽい女性、というイメージで観ていたんですが、だんだん違うモノになっていったような。なんというか、妖精じみた浮世離れした存在に見えるんですよね。その非現実感は「五千ポンドのミューズ」という称号にふさわしいような気もするし、何かが違うような気もする。
ただの、婚約者に捨てられただけの若いお嬢さんが、こういう一種異様な魅力を放つようになるまでに、いったい何があったのか……と下世話な興味を抱いてしまうような、すみ花ちゃんの芝居でした。

対するネルソンは、生真面目で武骨な海の男。……あれっ?ネルソンってそういう人だったの?いろんなエピソードを積み重ねると、女好きで惚れっぽくて、戦場では優秀だけど平時は下半身に無責任なタイプかと思っていたんですが。そうでもなければ、補給のために立ち寄った植民地で未亡人(ファニー)を拾って帰ったりしないよね。いくら息子が可愛かったとはいえ。
斎藤さん、祐飛さんにいったいどんな夢をみているんですか?


このダンスシーンの目玉は、なんといっても祐飛さんたちの上手隣で踊るハーディーとちっすー(千鈴まゆ)。ハーディーは、登場してウィリアムに挨拶するとすぐに、舞台奥に立っている天風いぶきさんののところに嬉しそうに駆け寄っていって挨拶し、天風さんの連れであるちっすーや、さっつん(風羽玲亜)たちと談笑を始めるんですよね。観るたびに、ハーディーと天風さんの関係は?と思うのですが(^ ^)。とりあえず、ダンスの音楽が始まると、ちっすーはハーディーを連れて舞台前に出てきます。で、おとめの身長差20㎝(たぶん、実際はもっと違う)の二人のダンスは………もう、こればっかりは文字では説明できません(^ ^)。ぜひご覧ください。祐飛さんたちの隣ですよー。
ともちんは、その後の国王夫妻が登場した後も、王子様たち(綾瀬あきな、夢涼りあん)に遊ばれていました(^ ^)。本当に眼が離せない人だ……可愛いったらない(*^ ^*)。


一方、ダンスは何とかこなしたネルソン。こういうところで恥をかくことのないよう、士官学校ではダンスも教えるんだそうですね。きっとネルソンには、ジャービス先輩が懇切丁寧に教えてくれたに違いないわ!(それ妄想だから!)
エマの思わせぶりな会話に対応しきれず焦っているうちに、国王夫妻が登場。
瞬時に「お仕事」モードに切り替わって、膝をつくまでの動きがとても滑らかです♪


気弱な国王フェルディナンド(天羽珠紀)。一時期割と強い(悪い?)役が続いていたたまちゃんですが、こういう役も結構な嵌りようですよね。根本的に巧いというか、役柄が広い人だな、と思います。やわらかな口調がいかにもそれっぽい。
フェルディナンドについてはいろいろな説がありますが、斎藤さんは「あまり有能ではないけれども、愛情深く子煩悩な優しい男」という解釈で作っているんだろうなあ、と思いました。乱世を生き抜くには向かないけれども、平和な時代であれば名君と呼ばれたかもしれない、その柔らかさと優しさ。宝塚的には面白い造形だな、と思いました。

そして、気丈な王妃カロリーナ(鈴奈沙也)。マリア・テレジアの娘である彼女は、気弱な夫を叱咤激励して反革命運動を援助し続ける。海も陸も弱兵しかいないナポリは、しかしイタリアを代表する農業国の一つであり、金がある、という点ではフランスに似ています。彼らにとってイギリス海軍は、自分たちにはとても出来ない戦いを遂行してくれる、ありがたい傭兵のようなものだったのではないでしょうか。


フェルディナンドがナポレオンへの恐怖から、イギリスへの助力を断って逃げるように退室した後。
ぶつぶつと愚痴をこぼしながら外へ出ていくネルソンを、追いかけてくるエマ。
「国王陛下がダメなら、お妃さまにお願いすればいいじゃない?」
「…どういうことだ?」
さらっと言ってのけたエマに問い返すネルソン。と同時に、銀橋へ登場してくるマリア・カロリーナとその侍女(琴羽桜子)

「ナポリは地中海のイギリス軍に援助を約束しましょう♪」
柔らかくひろがる鈴奈さんの声がとても気持ちいい。鈴奈さん、今回はこれといい、ショーのアマテラスオオミカミといい、いい仕事をしているなあとしみじみ思います。歌姫と呼ぶには若干音域による差の大きい人ですが、この曲はすごく合ってるなあ、と感心しました。
『母親』の強さ、『国母』としての誇りと義務。
「愛するものたちのために 正義を貫く勇気を胸に♪」
さらっと歌われますが、このあたりはこの作品全体にかかるテーマなんだな、と思いました。

明日にでも物資の輸送を、と約束して立ち去る王妃さま。
いつも男前に踊っている印象しかなかった桜子が、淡いピンクのふわふわしたドレスに身を包んで、、優しい声で「お妃さま」と呼びかけたりしているのがすごく意外で、そして、大変に可愛かったです♪あんな可愛い声でも喋れたのねっ(はぁと)。


王妃たちを見送って、あらためてエマに礼を言うネルソン。
「貴女ほどの参謀は、我が海軍のどこを探してもいない!」
……堅物ネルソンにとっては最大級の褒め言葉なんだろうけど、ちょっとばかりどうかと思う……(^^;ゞ でも、エマが嬉しそうだから良いのかな、それで。
「伊語に仏語、歌に踊りに絵画まで習ったけど」
戦争だけは勉強したことがないわ、と言うエマの手を握って、ネルソンが言う。
「あなたが一緒なら、あのナポレオンにだって勝てる……!」

握られた手をきっかけに、「今まで知らなかった」あるいは「忘れていた」感情に気付くエマ。
今の自分の感情を、美しく頭の良い、蠱惑的な美女への純粋な賞賛だと思って疑わないネルソン。
義理の息子にハーディーへの伝言を頼みつつ、頭も心も完全に戦場に向かっている彼の、他意のない「息子ですよ、義理のですが」という台詞のさりげなさは、さすが祐飛さん、と思います(*^ ^*)。

二人の感情は一瞬ふれあい、けれども何事もなかったように離れていく。
「再会」を待ち遠しく思いながらも。




■第4場 パリ
とりあえず、長くなってきたので、時代背景だけ先に書きますね。

前場のナポリでのパーティーは、おそらく1798年8月末か9月頃に開催されていたはず。8月初のナイルの海戦から、イギリス経由でナポリへ直行したんだから……そんなものだと思うんですよね。

で。
このパリの場面は、バラスが失脚したブリュメールのクーデターなので、1799年11月9日ということになります。
アブキール湾の海戦で補給のベースを喪ってからも約一年間、上陸済みのフランス陸軍は遠征を継続しますが、なかなか狙ったとおりには進展しない。しかも、最大の軍事勢力がエジプトに取られている間に、各国がフランスへの攻勢を強めていく。そんな情勢の中、ナポレオンが事実上の『敵前逃亡』でエジプトを脱出したのが8月下旬。アレクサンドリアに上陸してから、1年と2ヶ月弱が過ぎていました。

しかーし!少数の精鋭だけを連れてエジプトを脱出したナポレオンは、フランスに帰るまでに2ヶ月半もかかったんですかねえ……。リュシアン(春風弥里)に「よく間に合いましたね」と言われてたけど、そんなにかかるものなの?
まあ、ろくな船も装備もなく、敵の領土を突破したんだから、そのくらいはかかるか……。


ブリュメールのクーデターの首謀者は、シェイエス(天玲美音)。ナポレオンは、シェイエスが使った剣にすぎません。
でも、ナポレオンにはナポレオンの計画があったことも事実でしょうね。とりあえずはシェイエスの話に乗るけど、とにかく力(軍隊)を握っているのは自分なのだから、という圧倒的な自信が、彼の行動原理なのだな、と思いました。
斎藤さんが、こんなに真面目に歴史的事実を積み上げるような作劇法をとるとは思いませんでした。びっくり(@ @)。



こんなところでしょうか。
ううう、こんなに書きたいことがたくさんあるなんて自分でも思いもよらず(凹)
新公前には終わりそうにないな、これは…。



宙組東宝劇場公演「トラファルガー」続き。


■第4場 パリ(1799年11月9日)
本舞台の幕があがると、そこはパリ議会の会場。
議長バラス(鳳樹いち)がセンターの議長席に立ち、その周りを議員たちが囲む。

上手側が反バラス派、下手側がバラス派というくくりになっていたのかな。バラス派に鳳翔大くん、あっきー(澄輝さやと)、実羚絢くんあたりが下手側、カイちゃん(七海ひろき)、えなちゃん(月映樹茉)、ふーま(風馬翔)あたりが上手側にいたのは覚えています。……他のメンバーはどっちにいたっけなーーー(^ ^;
バラスと議員たちの掛け合いの歌がとても好きです。「革命から10年」で始まるこのナンバーは、この時代の混沌とした政治情勢を実に的確に処理していると思う。
バラスが権力を握った時期を、ロベスピエールが失脚した1794年だと定義するならば、約5年間。当時のめまぐるしい政治情勢の変化の中で、彼はフランスの政治の中心に立ち続け、愛人ジョゼフィーヌを与えたナポレオンと、テルミドール以来の協力者である秘密警察のフーシェ(光海舞人)を懐に、権力を思いのままにしていました。

そんな彼の追い落としをはかるベテラン政治家、シェイエス(天玲美音)。
「今こそ化けの皮を剥いでやる♪」と、難しい半音階の歌を歌いきってニヤリと黒く笑い、「その汚職政治とも今日でおさらばだ~!!」と、うっとりと呟く彼のアブナさ、たまりません。その真っ黒いオーラに比べたら、いちくんのバラスなんて真っ白で天使のようだと思ってしまった(^ ^;ゞ



ファンファーレが鳴り響き、上手花道にナポレオン・ボナパルトが登場。
彼の姿を認めたときのバラス以下、特にバラス派の議員たちの表情が結構見ものです。ここは忙しくてあまり一人一人をじっくり見ていられないのですが、それでも大くんとか、結構大げさに嫌そうな顔をしていて面白いです。反バラス派のメンバーがあまり嬉しそうじゃないのもツボ。この時点では彼らは「反バラス」なんであって「ナポレオン派」ではないんですよね……。

「バラスと議員たちを捕えろ!」
味方だったはずのフーシェの声と、乱入してくる軍人たち。衝撃を受けるバラスと議員たち。バラス派の議員たちは全員逮捕されて室外へ連れ出され、反バラス派のメンバーも、強引なやりくちに反感を隠さない。
それでも、ナポレオンの弟リュシアン(春風弥里)が提案した「バラスに変わる新しい第一執政」の選挙は、フーシェの恫喝を背景に順調に進む。第二執政であるシェイエスの推薦を受けたナポレオンを、残った議員たちは全員で承認するしか、ない。

一人ひとりの役作りの考え方を尋ねて歩きたいくらい、この場面で挙手するまでの彼らの逡巡と戸惑いは、個性的で面白いです。比較的早い段階でさっさと手を挙げる者、きょろきょろと両脇の動きをみてこっそりと手を挙げる者、下を向いて考え込んで、周りの様子は窺わずに適当なタイミングで挙げる者、などなど。
大くんカイちゃん意外はほとんどが下級生なのに、皆ちゃんと色々考えて芝居をしているんだなあ、というのが見えて、嬉しかったです。
ただ、決まったらすぐに、残った議員全員でのコーラス(「おーナポレオン、革命の獅子よ!」)を笑顔で歌わなくてはいけないので、ギリギリまで迷っている人はいかにも蝙蝠に見えてしまったりとか、いろいろ難しいんだなあと思いましたけどね(^ ^)。



ナポレオンとリュシアンを残して議員たちが退場。
「すぐにリーダーを求めるフランス国民」
と、彼らを馬鹿にしたように嘲笑うナポレオン。彼は、この後のミラノ歌劇場での場面でも説明されるとおり、もともとはイタリア人なので、フランスやフランス人に対してポジティヴな感情ばかりではないんですよね。
それを、リュシアンがさりげなく抑えるように言葉をかけるのに感心しました。斎藤さん、やるなあ。
妹たち(大海亜呼、愛花ちさき)とジョゼフィーヌ(五峰亜季)も登場し、一通り嫌みの応酬をしてから、ナポレオンを中心とした「獅子の時代」の大コーラスへ。
ジョゼフィーヌの五峰さん、大劇場では無理してる感が満載で違和感があったのですが、大劇場の後半から一気に良くなってきましたね。『年下の夫を舐めきって、留守中は遊び歩き、帰ってきたら小姑に苛められる哀れな妻を装う』女、という二面性が見えてきたと思います。今回ジョゼフィーヌの出番はすべてナポレオンと一緒で、ナポレオンに見せる貌しか観客にも見せないんですが、その裏に違う貌があることをうっすらと感じさせるキャラクターの強さが斎藤さんの意図だったのか(@ @)、と、その人選に納得しました。
何をしても、『善良でわかりやすい娘』には見えないのがまゆみさんの美点ですからね。さすがだわ、いろんな意味で。



「獅子の時代」が終わって、弟妹たちがはけると、入れ替わりに忍び込んできたオーレリー・バイロン(蓮水ゆうや)と、彼を取り押さえた警官(星吹彩翔)が登場。
ツーロン戦で死んだ兄の仇を討つためにナポレオンに仕え、来るイギリス戦で役に立ちたいと主張するオーレリー。
……この役は明らかに、青池保子さんの漫画「トラファルガー」のマスケティアからインスパイアされたものだと思うのですが、、、、観れば観るほど、原作どおりの設定(誰かに使ってもらわなくてはいけない「装填された銃」として生きてきた男)の方がいいと思うんだけどなあ……。斎藤くんがどうしても仇討ち要素をいれたいのは感情としては判るんですが、他の部分は相当に厳密な歴史劇として作りこんでいるだけに、こういう飛び道具を一つ放り込んだだけでこんなにリアリティがなくなるのか、と驚いてしまうのです。……不意打ちでも裏切りでもなんでもない、作法にのっとった国と国との戦争で死んだからといって、敵国の総司令官を仇と狙い、自国の総裁に自分を雇えと売り込みに行く。………なまじ、他の部分がリアルに描かれているだけに、訳がわからない気分になるんだってばー(涙)。



■第5場A ノーフォーク
ってなところで、暗転して舞台はノーフォークのネルソン邸へ。

ノーフォーク、と言われて私が最初に思い浮かべたのは、アーサー・ランサム著「ツバメ号」シリーズの中のオオバンクラブ連中が活躍する巻でした(^ ^)。ちょっと時代が違うんですけど、ネルソンの少年時代ってティットマウス号を操るトム少年みたいな感じだったのかも?なんて想像したりすると楽しいです。ジョンよりトム、と思うんだけど、どうでしょう。……なんて、ランサムサガをご存じない大多数の方には判らない話ですみません。

ジョサイア(愛月ひかる)が母ファニー(花影アリス)への手紙を朗読して、それにアリスちゃんの声がかぶっていく演出は、よくある演出の割に音響のフェードイン/アウトのタイミングが難しく、初日あいた直後はなかなか巧く行かなかったりもしましたが、だいぶ落ち着いてきましたね。音響さんの腕なのか、役者二人の技なのか、そのあたりがよくわかりませんが(^ ^)。

ナポリから帰国してはいるものの、ノーフォークの邸には一向に帰ってこない夫を苛々と待つファニー。
「ホレイシオがまた手柄を立てたと?」と喜ぶ義父エドマンド(風莉じん)に
「ええ、ナポリで男爵の称号をいただいたそうよ」と歌うように告げるファニー。
息子の手柄を素直に喜ぶ父親がとても可愛くて、それに対するファニーの怒りが強い、うまい場面ですよね。
そして、今までずっと舞台の上では隠して見せないようにしていたクールな強さを全開にしているアリスちゃんが美しくて、こんなに良い役者になれる人だったのに、どうして今まで隠していたんだろうかと惜しむ気持ちでいっぱいです。
そして、同期でネルソン家の侍女の綾音らいらちゃんが、控え目な存在感でファニーに従っているのも良かったです。ショーの毒々しい女役も良いけど、こういうのも案外似合うんですね。


この場面、フッド提督(寿つかさ)がネルソン邸を訪ねてくるんですが、この訪問の目的は何だったんでしょうね?ホレイシオがノーフォークに帰っていないことを知って驚いて(焦って?)いるところを見ると、ホレイシオから頼まれて様子を見にきた、とかではないし、単純にホレイシオを迎えに来たのかなあ。でも、この時点ではまだホレイシオには後ろめたいことはないから、別にみを隠しているつもりは無いと思うんだけど……ぶつぶつ。
単純に「あんな気の強い妻が待っている家には、私も帰りたくないのう……」と、ホレイシオへの共感の言葉を言わせたかっただけなんじゃないだろうか。でも斎藤さん、宝塚の観客は、9割以上が女性なんだからねっ!!その述懐には残念ながら納得できないわ……(T T)。



■第5場B ロンドン ~決意~
フッド提督だけを残してノーフォークのネルソン邸が幕の裏にしまわれると、そのままロンドンの海軍省の一室へ。
ヘンリー王子(十輝いりす)やジャービス提督(珠洲春希)も登場し、ネルソンの意見に真っ向から反対する。
盟友ナポリの危機。足元(国民)に火がついてしまったナポリを、放置してはおけない。そう主張するネルソン。しかし、国家中枢は出動を許可しない。
「ナポリへの援軍は、出さない!」そう宣言して出ていくヘンリー王子は、つい見惚れてしまうほど格好良いです。

イギリスは小国。資源もなく国土も狭く、技術と貿易に頼った経済状態です。
そんなイギリスに、他国を真っ向から支援するだけの体力はないんですよね。ナポレオンがいつエジプトから帰還するかわからない今、ヘンリーたちの立場では、艦隊の温存を選択するしかない。
でも、ネルソンは自分が勝てることを知っている。艦隊を損なうことなく、国王や王妃、そしてイギリス大使を救出するための算段がちゃんとある。
だから、彼は言う。
「これは国務ではない」
と。


「行きましょう!ナポリへ」
と明るく笑うハーディーが、とても好きです。大好きです(告白)。ここでネルソンを救うために、この役はあるんだと思っています。
アルバート(鳳翔大)とジュリアン(七海ひろき)を呼んで、兵士たちの招集を命ずるハーディー。


こうして、ネルソン軍は、イギリス国旗を降ろして、ナポリ動乱の真っただ中に飛び込んでいく。
ちなみに、ナポリの最初の革命は1799年1月。ナポリでのパーティーの4ヶ月後、第4場のクーデターより半年以上前の事件です。この事件そのものは半年程度でいったん終息し、フェルディナンドたちも国に帰るんですよね。だってナポレオンがエジプトへ行ったっきりなんだもん(^ ^)。

フェルディナンドが本格的にナポリを追われるのは、トラファルガーの海戦も終わった後の1806年。結局、トラファルガーの海戦はイギリス本土へのフランス軍の上陸を防ぎ、国家防衛の役割は果たしたけれども、ナポレオンの体面に傷をつけるところまではいかなかったんですね。補給基地はぶっつぶしたけど、エジプト征服は止められなかったナイルの海戦と同じような結果ということか……(しみじみ)。




話は違いますが。

祐飛さん、ともちん、大くん、カイちゃん………
イギリス海軍には容姿のオーディションがあるとしか思えんな(^ ^;ゞ



宙組公演……というよりも、猫の頭の中では「齋藤吉正脚本・演出」というジャンルに分類されているらしい、「Trafalgar ~ネルソン、その愛と奇跡~」。


ちゃんと真面目に、場面を追っていろいろ書くつもりだったのですが、思いのほか書きたいことがたくさんあることに気づきまして(汗)。
こ、こ、これは終わらないかも……という気がしてきたので、先に大事なこと(?)を書いておきたいと思います。



とりあえず。
大劇場でこの作品を観たとき、、、たぶん、二度目の観劇あたりでしみじみと思ったこと。

齋藤さんが「銀河英雄伝説」を舞台化するとしたら、祐飛さんに振る役は、もしかしてヤン・ウェンリーなんでしょうか(@ @)

あ。
著作:田中芳樹氏の「銀河英雄伝説」全十巻をご存知ない方は、今スグ図書館へGO!! (←おい)




もとい。

私は長いこと、宝塚で「銀河英雄伝説」を(イベントでもいいから)上演することがあるならば、祐飛さんにはぜひオスカー・フォン・ロイエンタールを!!と思っておりました。
ちなみに、猫のお気に入りキャラクターの一人はロイエンタールの「親友」ウォルフガング・ミッターマイヤーでして(^ ^)、月組時代は霧矢さんのミッターマイヤーが観たい!と思い、祐飛さんが花組に異動した直後はみわっち(愛音羽麗)のミッターマイヤーは素敵だろうなあ……と想像し、、、なんとなく、常に祐飛さんの近くにミッターマイヤーキャラを探していたのでした。



でも。
そういえば私、宙組に異動してきて以来、その手のことを考えることがなくなったんですよね。
そもそも宙組では祐飛さんはあまり「長身」ではない、という物理的な理由もあるのですが、やっぱり、存在する位置が、もうロイエンタールではなくなっていたのだと思います。


そして、この「Trafalgar」という舞台「を観たとき。
ああ、祐飛さんって、宙組ではヤンなんだ!!と納得したのでした。


昨年、宙組っ子の印象について問われて、ものすごい愛情をこめて「子供のように素直で可愛い(←意訳)」と答えた祐飛さん。
その、組子みんなの「一生懸命」で「純粋」で「純真」なところが、すごく同盟軍のイメージにかぶるんですよね。で、考え始めたら驚くほどすんなりと、宙組で同盟編を上演するなら、というキャスティングも出来たりして(^ ^)(どんな配役かはご想像にお任せしますが)

そして、初見のときに非常に謎だと思ったトム・アレン(カチャ)という役が、これは本来ユリアン・ミンツになるはずの役だったのかもしれない!と気付いた途端に、すごく存在の意味が納得できたりしたのでした(^ ^)。



もちろん、ネルソンの性格はヤン・ウェンリーとは全く違いますし、設定も物語も何もかも関係ありません。
トム・アレンはユリアンではないし、ハーディーはキャゼルヌでもシェーンコップでもないし、ナポレオンはラインハルトではない。
人間関係全般に不器用なヤンと、惚れっぽくて手が早いネルソンは、物語の軸になる恋愛観からして全然違いますし、なにより、ヤンに無かった「国家からの信頼」と「国家への信頼」が、ネルソンとイングランドには確かにあった。それは軍人として最大の喜びであり、幸せでもあったのだろう、と思います。

ネルソンは軍人としては幸せでした。
それに対して、ヤンは、軍人としては幸せとは言い難い。
だけど、二人とも最初から軍人志望ではなかったところも似ているし、どちらも少数精鋭の特攻をきっかけにした集中攻撃によって大軍を分断し、各個撃破する、という戦法が得意で、そのために必要な情報収集力と機動力(操船技術)を磨くことによって何度も奇跡を起こした、という共通点があります。


というか、この舞台のために色々と資料を読んてみたら、あきらかに田中氏がヤンの戦法を考える上で下敷きにした戦法はこれなんだな、というのがいくつも出てきたので、そもそもヤンの一部はネルソンがモデルになっていたのでは?という気がしていたり(^ ^)。



齋藤さんがどこまで意識して「Trafalgar」を書かれたのかは判りませんが、いろいろと想像の翼が広がる設定でございました(^ ^)。

うん。齋藤さんには、これからも色んな意味で期待していますわ♪





なお。
この『銀河英雄伝説』妄想配役というのは、私の頭の中で常にぽこぽこと沸いている妄想でして。

たとえば、まさおとみりおだったら(背が合わないのが残念だけど)まさおがラインハルトでみりおがキルヒアイスだよね、とか、
84期だったら、まっつはミュラーでキムちゃんはビッテンフェルトでみっちゃんはレンネンカンプかな、とか、

……あまり人には賛同してもらえそうにないことばかり、色々と考えているわけなんですが。



とりあえず、先週末に観劇しながらふと浮かんだ、大ちゃんのポプランとちーちゃんのイワン・コーネフという設定が自分の中でヒットしすぎて、王さまのみみはろばのみみーっ!!と叫びたいキモチが抑えられず、ここに書いてしまったのでした……。


すみません。舞台とは全く何の関係もない話に、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございましたm(_ _)m。








これだけでは何なので、齋藤くんの日本語への突っ込みを箇条書きで。


■白いマストをひるがえし 
 翻るのは旗だろう、普通。っていうか、マストがひるがえったら怖いってば。

■貴女の望むすべての女性の幸せが手に入りますよ【さくら貝さま より】
「女性の幸せの全て」か、あるいは「貴女の望むすべて」か、どっちかじゃないの?

■汚職を犯している 
 えーっと、、、おかしいですよね?でも何が正しいんだろう。「汚職の罪を犯している」は正しい?

■おたけぶ
 ……ふつーは「雄叫びをあげる」と言います。でも、何年かしたら辞書に載るようになるかもね。

■あんな気丈な妻が待っている家には
 待っていて欲しくないのは「気丈な妻」ではなくて「気の強い妻」なんじゃありませんか?>フッド提督

■士官・海軍の招集を実行してもらいたい
 召集するのはこの場合、「士官・兵士」じゃないんでしょうか?
 そもそも、国務じゃないんだから厳密な意味では「軍」ではないはずだし。

■母上は離婚しませんよ
 自分のことを「母上」って言わないよ……なぜ「母」じゃダメなんですか?

■姉上は本当に意地悪なお方
 ……せめて「本当にお口がお悪い」くらいにしてこうよ、カロリーヌ。「悪気はない」んなら余計に。



あれ?こんなものでしたっけ
もっとあるような気がしていたんですが。なんだか残念だ……(齋藤さんを何だとおもっているんですか>自分)


あ。
日本語としておかしいわけではないんですが、コペンハーゲンの前から、ジョサイアが母との会話の中でホレイシオを「父上」と呼ぶことに、芝居として違和感を感じておりました。
そこは官職名で呼ぶべきだろう!!
「父上」って呼ばないとファニーが哀しむ、とか、そういう萌設定があるんでしょうか…(考えすぎ)



宙組東宝新人公演「Trafalgar」を観劇してまいりました!


一言でまとめるならば、非常に新人公演らしい、フレッシュな新人公演だったな、と思いました。
技術的なことをいえば、というか、ぶっちゃけ歌について書いてしまうなら、主要三人(ホレイシオ/蒼羽りく、エマ/すみれ乃麗、ナポレオン/愛月ひかる)ともに音を外しまくりで、耳にはなかなか厳しい公演でした(^ ^;ゞ
ここしばらく、かなり歌える人がメインに入った新公が続いていたので、かえって新鮮だったくらいには(汗)。


でも、芝居はなかなか良かった!

りくくんのホレイシオ。
私は、もともとりくくんの芝居は役づくりの方向性も声もひっくるめて好きなのですが、今回は本当に良かったなあ。
祐飛さんの役づくりを踏襲しつつ、若さで押し切るところは押し切って。好戦的で前向きな、そして、とても優しいネルソンでした。
個人的には、トム・アレンと喧嘩をする執務室の場面が、本公演とは全く違うイメージですごく良かったなあ(*^ ^*)。



れーれのエマは、「大理石の女神像」というよりは「翡翠から彫りだした小鳥の置物」みたいな印象でした。
飛び方を知らない小鳥、海を知らないイルカ、走ったことのない仔馬、、、そんな、自分のいるべき場所を知らない生き物みたいな感じ。これはこれで、ありな解釈なのかもしれないな、と。少なくとも、私は結構好きです。「一人では生きていけない」的な弱さ(幼さ?)が全身から溢れているので、男が「俺が守らなくちゃ」と思うのはこういう女なんだな、と納得できたし。

ただ、それだけ特異なキャラクターに説得力を持たせるには、ある程度の技術的な裏付けが必要なのだな、ということもよくわかりました。……れーれは、もっと「今の自分」に出来ることを直視して、その中で勝負をしてみても良かったんじゃないか、と思いました。……うーん、でもこれは新公なんだから、そこは冒険してみて正解だったのかなあ……。

りくくんとれーれのコンビは、ビジュアルもなかなかお似合い♪
役づくりも、りくくんが結構真面目で一途で一生懸命な感じなので、ああいう生真面目なタイプが、浮世離れした可愛らしさに魅かれてしまった時の一直線ぶりが理解できたし、良かったと思います。ただ、デュエットはちょっと耐え難かったけど(- -;



愛月くんのナポレオンは、本公演で演じているジョサイアよりも、愛月くんのキャラクターに合っていたような気がしました。声も姿もどちらかというと硬いタイプなので、ああいう、常にファンファーレが鳴っている中登場してくるような大芝居系の役の方が得意なのではないか、と思います。
歌は高音部で若干苦戦していましたが、三人の中ではマシな方だったかな(^ ^)というか、蘭トムさんって声が高いんだなあ(感心)。




ウィリアムの鳳樹いちくんがいかに渋くて素敵だったか、
ファニーの藤咲えりちゃんがどれほど素晴らしかったか、、、については、長くなりそうなのでまた後日ゆっくりと。
特にファニーは、本役のアリスちゃんとはまったく違うアプローチで、ものすごくリアルに女らしい、大人っぽい役づくりだったのが印象的。ロンドンでの会食のラスト、ネルソンを追っていくエマの背中に「あ」という形にくちをあけて、でも何もいえずに…という芝居がすごく切なくて忘れらなくて。
CSニュースのトークで話していた「忘れられない人」のラストは、本当に良かったです。ちょっと泣けました。そしてラストも(^ ^)。アリスちゃんの演じるファニーとは全く違う、「ネルソンの妻」として銃後を守る、実にリアルな存在感のある女性像でした(*^ ^*)。


あと驚いたのは、、、、
ジャービスのえなちゃん(月映樹茉)があまりにも美しくて仰天したことと、
エドマンド・ネルソンの光海舞人さんの芝居が素晴らしかったことと、
キャドガン夫人のちっすー(千鈴まゆ)が、すごく可愛くて、すごく抱擁力があってそして、とても素敵だったことと、
トム・アレンの桜木みなとくん、ジョサイアの七生眞希くん、そして、ナポリ市民の場面で歌っていた彩花まりちゃんなど、まだ研2の95期がしっかりと実力を発揮して、良い仕事をしていたこと、でしょうか。

彩花まりちゃん、大劇場の新公で評判になっていたので楽しみにしていたのですが、艶と迫力のある良い声で、あの場面をよく表現できていたと思います。美人だしスタイル良いし芝居できるし歌えるし♪♪これからが楽しみ♪♪


……伶美うららさんは、美人なのに役がつかないなあ(T T)。今回はハミルトン家のメイドさんくらいかな、目立っていたのは。いつになったら声がきけるのでしょうか……。
(兵士の出番が多くて、しかも違和感とか全くなく、普通に美形なイケメンだった……汗)



あ、あと、プロローグの「波」に最後までえりちゃんがいました!!可愛かった~~~♪
ロンドン市民にも居たんですよ♪ソロは無かったけど、可愛かったなー。

プロローグといえば、「威風堂々」影ソロは花音舞さんでした。
本役の七瀬りりこ嬢とは違う、やわらかな含みのある声がとても良かったです♪


えーっと。
きりがないので、とりあえず、今日のところはここまで。


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