【4】で終わりにしようと思っていたのに終わらなかった(涙)「まほろば」感想文の、今度こそ最終回(のハズ…)。



【吹雪】

「鬼」の首領(越乃リュウ)が。

小碓尊に敗れ、最期に呪言を残す。

「この地に生きて、この地に死ぬ、踏みにじられし我らの…」


> 滅んだもの。
> 滅ぼしたもの。

> 残ったものが背負う義務。
> 死者の物語を紡ぎつづける、苦しい責務。

> それでも。
> 国を作る人柱になれるなら、



ということを、最初の日記には書きましたが。



小碓尊は「ヤマト」であり、「征服者」ではあるのですが。

熊襲、そして出雲、「西征」の時は、常に彼は倒したものに賞賛され、「ヤマトタケル」という御名を捧げてられてさえいます。
…どちらも、物凄く卑怯な手を使って倒したにもかかわらず(汗)。

「西征」での彼は、英雄だから。

でも。
「東征」は、常に裏切られるのは彼であり、さまざまな陰謀が小碓尊一行を襲う。(この作品中では語られませんが)

そして。
陸奥を、東を征した時、もはや彼を称えるものはないのです。


彼自身が捧げてきた犠牲(オトタチバナ姫、サルメ・サダルらの随身たち)を顧みるものもなく。

傷つき疲れ果てた小碓尊は、この後も旅を続けてヤマトを目指し、途中で力尽きるのですが。
この作品では、むしろ陸奥の雪の中に倒れたかのようにも見えます。

「この地に生きて、この地に死ぬ」

その呪のとおりに、「この地で」命を落とす。
この地に生まれたわけではない尊、「還るところ」を持たない皇子を、「この地」に死なせる。


本来は。
滅ぼしたモノは、滅ぼされたものをいつまでも背負っていかなくてはならないのです。

でも。尊は力尽きてしまった…。




「この地に生きて、この地に死ぬ」

この時代。
それが当たり前で、ヤマトを起点に熊襲から奥羽までを駆け抜けた小碓尊が例外なのでしょう。

「鬼」たちは、「まつろわぬもの」。
まつろわぬものが居ては、まつりごとは行えない。
まつりごとは、当時の人々にとっては「祀りごと」でもあったはず。

「鬼」たちが居ては、「政治」も「祭祀」も正常に回らない。
まつりごとが正常に回らなければ、人々は安心して収穫の祭をすることができない。

…だから。



滅ぼされた「鬼」たちもまた、神となる。
八百万の神々の席は、まだまだ空きがある。

まだまだ滅ぼさなくてはならないモノたちがいるのだから…。






話が少し戻りますが。
まさお(龍真咲)くんの行動について。

やっぱり、彼は「草薙剣を奪った」=「小碓尊の死」を表現しているんだろうなぁ、と思うのですが…
草薙剣の神剣ぶりを表す示すがないから、余計に意味不明な気がしてしまうんじゃないか、と(涙)なにしてんのアイツ?って思ったのは私だけ……?(泣)

やっぱり焼津の火攻めは入れた方が良かったのではないでしょうか。
そうすれば、草薙剣の真価も表現できるし、小碓とオトタチバナ姫のラブラブ場面も入れられただろうし。

今の構成だと、ヤマトヒメが「草薙剣」をオトタチバナ姫に持たせたばっかりに嵐に遭って、それでおしまい、って感じだし(T T)…くすん。





【椿】

まだまだ、大八嶋には“まつろわぬもの”がたくさん居たはずですが。

でも。
小碓尊は、もう眠りにつこうとしている。



尊が倒れた時。

ぽとり、と椿が落ちる。




まほろばの春に生まれた小碓尊が、
夏の熊襲を征し、
秋祭を経てヤマトに帰還し、

そして、冬を迎える奥羽を目指して死出の旅に出て−−−−


今、力尽きた尊の上に、降り積もるのは
雪ではなく。

純白の雪ではなくて、深紅の椿が降り積もる。




「神々の末裔 ヤマトタケルノミコト」

尊を惜しむアマテラス大御神の葬送唄に、スサノオとツクヨミが和して。

父に疎まれた皇子を見守ってきた三貴神の想いと、
紅い衣装の下級生たちのシンプルで明解な動きの和合。



日本の踊りは、どれもごくシンプルなものですが、
繰り返す時の負荷は意外と高いものなのだそうです。
「同じ動き」をトレースするのが難しいんでしょうね。

紅い着物の下級生が、いっせいに動き、腰を曲げた姿勢でずっと踊る。
ここの振り(音楽も)を、越中のおわらに似ている、というご意見を某巨大掲示板で拝見しましたが。
残念ながらおわら風の盆は、帝国劇場の「風の盆恋歌」を観たことがあるくらいで実地体験したことがないのでよくわかりませんが、なるほどなー、という感じです。謝さんのトークショーとかでそのあたりも種明かしされたのかなあ?

…ついつい小ネタに走ってしまうのは悪い癖です。すみません。





閑話休題。

ここは、男役も化粧を直す時間がないので、アップで観るとちょっと怖い椿がいっぱいます…。

世界に浸りきるのに飽きたら(←普通は飽きないよ)、上手前列あたりオペラグラスでガン観してみると、かなり目が離せない、と、思う…。
(周りの迷惑にならないようにお願いします←お前が一番迷惑だっつーの)

そして。そういうのとはちょっと違うのですが。

全国ツアーで覚えた篁(祐希)くん。
この場面でニコニコ笑うのは、解釈間違ってるから!!(←でも可愛い)




【白鷺】

すべてを浄化する白い光と、
白い鳥。

飛びたたんとする「鳥」の振りというのは、「ノバ・ボサ・ノバ」でもラストに使われていましたが、ショーのラストに持ってくる場面としては最高に盛り上がるものの一つだと思います。

この後にパレードのないショーなので、一番盛り上がる形で終わらせる方策だったのかな、と思いつつ。



なんで幕が降りるのあんなに早いのっ!?(怒)
あとほんの7、8拍も待てばきちんと終わるじゃん!!


ラストの「ア、ア、アアア、ア、ア、アアア、ア−−−−−」に
入ったあたりで降ろし始めて、「ア−−−−−」のロングトーンになったあたりで顔にかかりかけて(拍手が入って)、一番最後のドラムに合わせてぴったり降りきる、くらいでいいじゃないですか。
ほんの10秒かそこらの違いでしょう?
だったら、オープニングの無音の時間を10秒削ってもいいから。


せっかく、鳥さんたちが皆一生懸命踊ってるのにー(涙)。
なんか尻切れトンボ感が残るのが哀しくてなりません。
謝さん、ぜひ緞帳を降ろすタイミングだけはご再考くださいませ!



この場面についてはもう、「大好きで、素晴らしい!」という以外に語ることもないので。

だって。誰もご存じないかもしれないかもしれませんが、祐飛さんって実は鳥振りは結構得意なんですよ(←自慢げ)、ノバ・ボサ・ノバの時もがんばってたし(←頑張るのは当たり前だ)♪、なーんてことを語っても誰も喜ばなさそうなので。



伝説が終わり、歴史がはじまる。

という至言をもう一度繰り返して、「まほろば」についてはいったん終わりにしたいと思います。



また下級生チェックをしたら、あらためて♪(←多分誰も待ってないよ)





「まほろば」についての(現段階での)感想をやっと書き終わって、ちょっと腑抜けているねこです。

えーっと。

とりあえず「まほろば」終わってから書こう、と思ってとっておいた小ネタがいくつかあったはずなのですが…
ねこには、記憶力もなければ、メモしておく習慣もないので…(だって筆無精なんだもん/涙)、

小ネタについては、思い出したら書く、ってことにして。

今日は、落ち穂拾いの日、ってことにさせていただきます。



…えーっと、まずは。

この日記を書き始めてから、観劇した舞台で何も書いていないのは…

○月組バウ「ハロー!ダンシング」
○中日劇場「ジキル&ハイド」
○USJ「ウィケッド」
○宙組東宝「バレンシアの熱い花/FANTASISTA」
○シアターコクーン「ドラクル」

…くらい、かな?


ハロダン〜!!
そっか、そういえば書いてないや何にも。みんなごめんよ!(←誰に言ってる)
本当に良かったよ!感動したわ!!(←だから誰に)

……すっごく今更ですが、CSで流れる前に書かせていただきたいと思います………(反省っ)


で、次。

「ジキル&ハイド」については、日生劇場公演の時にかなり書きましたので。5月の梅田公演から参加された、香寿たつきさんのルーシィについて、ちょっとだけ(←絶対嘘)。

ルーシィは、ハイド氏の相手役、というより、事実上の主役の片割れともいうべき大役ですが。
日本では初演からマルシアが演じ、ルーシィ=マルシア、というイメージを持っておられる方も多いと思います。

マルシアの“哀れな娼婦”という表現。
「店の売れっ子」としてのプライドと、
それ故にこそ、「性的な目で自分を見ない男」=「王子さま」という単純な思いこみ、
そこへ向けられる真っ直ぐな憧憬、

…それらが紡ぎ出す、“切ない女心”の発露としての「A New Life」。

マルシアのルーシィは、「子供のような純粋さ」を残した大人の女で、私もとても好きになりました。

でも。

タータンさんのルーシィは、少女そのものだった。



声の違いは大きいですね。
マルシアの声は、ご存じのとおり絶妙に掠れた、味のある艶声。
この声は、どうしたって少女の声にはなりません。

でも。
タータンさんは、男役時代は声が高すぎることで随分苦労なさっていましたが、女優として活動する上ではかなりお得な声質。
退団後の活動を見据えて、声を保っていらっしゃったのかと納得してしまったくらい、見事に「少女」の声、でした。

その声に合わせて、動作もキャラも子供っぽく作りこんでいて。
「A New Life」の可愛らしさといったらもう!(^ ^)、この顔文字のとおり、目尻をさげてニコニコしてしまいたくなるくらい可愛かったです。


個人的な感想ですが、初演時のマルシアと比べれば雲泥の差と言いたいくらい、タータンさんのルーシィは良かったです。
今後回を重ねられるのかどうか不明ですが、再演を重ねたタータンルーシィも観てみたいなーと思いました。
(しかし、タータンさんのルーシィでOKな新ジキル役者…心当たりがいないぞオイ…)


あとは、「Dangerous Game」での表現がもう少し…、ねぇ。

あ、いえ、あの。
決して、タータンさんに色気やエロさが足りないって言いたいんじゃないんです。
あの曲に必要なのは、シンプルな色気やエロさじゃないから。

でも、単純なマゾヒズムでもない。
あれはね、もっと微妙な空気がほしいんです。
虐待を諦めを持って受け入れ、それに微かに快感を覚える、という、空気。

その、微かな「悦び」を、理性が強く否定する。
拒否する。

理性は拒否しているのに、忘れられない。求めずにはいられない、
この二重構造がなくては、「Dangerous Game」という曲のエロティックな美しさは表現できない。


タータンさんのルーシィは、詳細な演技プランとそれを実現する「声と仕草の技術」で作りあげられた、ある意味「つくりものの少女」であるだけに、そういう微妙な揺れはすっ飛ばされてしまって…。
ああいうものが、回数を重ねることで表現できるようになるものなのか、天性のものなのか、それはわかりませんが。

とりあえず、今回の梅田・中日合わせて1ヶ月の公演では、そこには届かなかったな、という印象でした。

でも、ね。
いいのかもしれない。そのままでも。
だって、すごーーーーく可愛いルーシィだったんだもん(はぁと)。

大人っぽい女優、年上の「豊かな女」を得意とする女優になるんだろう、と思っていたタータンさんが、あんなに可愛らしくコケティッシュな「子供」を体当たりで演じていらっしゃったことに、ちょっと感動しました☆


タータンさん、次は「モーツァルト!」、ですよね?
前回観られなかったので、今度こそ!の男爵夫人、楽しみにしています♪♪





…落ち穂は全然拾えていませんが。
この内容で3000字とかになるのもどうかと思うので(汗)、このへんで。



本日のニュースは二つ。

宙組バウ公演のポスターと、花組大劇場公演新人公演配役。



まずは。

だいもん(望海風斗)、2番手役おめでとう!!

しっかし、朝夏まなとくんセンターに、相手役野々すみ花ちゃん、2番手だいもんって…両側ちっさすぎじゃあ(←失礼)



この公演を最後に退団される立さんの役に、祐澄しゅん様、
この公演を最後に専科へ異動されるみとさんの役は、初姫さあやちゃん、
星原さんの役がマメ(日向燦)ちゃん、
そして、組長さんの役が夕霧らいちゃん。

うーん、舞台観てみないと何とも言えませんが、この4人はおいしそうですねぇ〜☆



扇めぐむくんがまっつ(未涼亜希)。これはまっつに歌があるって期待してもいいのかしらっっっっ!?



ちあき(白鳥かすが)は、黒蜥蜴に引き続き壮さんの役。浪越くんはだいぶ苦労していましたが、今回はどんな役でしょうね。
声のいい人なのでがんばってほしいなあ。

「血と砂」で最下だったちあきも、これで卒業か〜〜〜(シミジミ)。
月日のたつのは早いものですね。



そして。
ねこ的今回の新公の目玉は、なんたって華月由舞ちゃん♪
みわっち(愛音羽麗)の女役ですよ〜〜!これは楽しみ!

衣装はどんなでしょうかね〜♪(←まずそれなのかっ!?)

だいもんが2番手、由舞ちゃんがみわっち(多分女役二番手だよね?)。89期がんばってますね〜〜♪嬉しいな♪



なーんて盛り上がっておいて、観られるかどうか全然わからないんですけどね(汗)。今回はさすがに無理かなー…。
とりあえず、CSに期待っ(^ ^)。



そして、二つ目。
宙組バウポスター画像。


みっちゃん(北翔海莉)&たっちん(和音美桜)、という、
デュエットの美しさは宝塚でも有数のコンビだけど、ビジュアルはてんてんてん、なんぞと、とっても失礼なことを考えていた私。


…ごめんなさいm(_ _)m。


みっちゃん、かっこいいじゃんか(*^ ^*)。
たっちんも可愛いぞっ!!


好きな人がかっこいい。
好きな娘が可愛い。

なんてしあわせな気分♪




…先日、宙組公演(本公演)を観まして。

最後のエトワールにお二人が出てきた途端、ものすごーーーく幸せ〜〜♪な気分になったんですよね♪♪


正直、それまでは何度か、“みっちゃん………”、
と思ったりしていたのですが。

そうだよ!次はこの二人でバウなんだよ!!絶対行くぞ!、と、
ちょっと気合いが入ったりして(笑)。



みっちゃん。

なぜあなたはみっちゃんなの、と思うことも多々ありますが。


それでも、みっちゃん。

みっちゃんがみっちゃんだからこそ、皆貴方が好きなんだよね…。

月組の頃から、みっちゃんは気になる人でした。
声と姿はちゃーんと釣り合っているのに、キャラとのギャップが激しすぎて。
しかも、そのギャップが舞台に出すぎ(滝汗)

宙組に異動して、みっちゃんは何の波動を受け取っているんだ!?と思うことが増えたのも事実ではありますが。

でも、やっぱりみっちゃんはみっちゃんで。
声も姿もとっても素敵だけど、どっか一本ぶっ飛んでる、
それが、みっちゃんだから。



……ああ、なんとなーく出待ちしてみて、本当に良かった、と。
そう思った9月1日。

そう。

9月1日は、防災の日。
みっちゃんは、防火服を着て出てきて、パフォーマンスしてくださいました……。


銀色の防火服が似合うジェンヌってどうなの!?と思いつつ。
ニコニコ笑うみっちゃんは本当に可愛くて。

オレンジ色のライフジャケットを着てきゃいきゃい騒いでいるみっちゃん会の皆さんも、本当に可愛くて。


…ここはどこだよ?(←日比谷だよ)と思いながら立ち尽くし。



みー(春風弥里)ちゃんが途中で出てきたので、慌ててみっちゃんから目を逸らしてそっちを見たら。


みーちゃんも、みっちゃんに夢中でしばらく止まってた(死)。
っつーか、参加したそうだった(←え?)



ああ、みっちゃん。
あなたは、何故みっちゃんなの…。




宙組東宝劇場公演「バレンシアの熱い花」を観て参りました。
大劇場公演を観劇した時の日記はこちら。
 http://diarynote.jp/d/80646/20070701.html



まずは、タニ(大和悠河)ちゃんのフェルナンド。

大劇場で1ヶ月半、東宝で半月。
それだけの時間をかけて、タニちゃんの芝居もものすごく変わっていました。
特に、印象的に変わったなーと思ったのは、ラストの決め台詞。

「私のイサベラも、死んだ…」

これを、タニちゃんは、自分に言い聞かせるように言うようになったんですね。



…なるほど。そういう解釈があったのか、と、目から鱗でした。


私が期待していた、というか勝手に想像していたラストは、ちょっと違うものだったのですが(私の想像には、新公の春風弥里さんの役づくりの方がフィットしていました/汗)、

『タニちゃんの』フェルナンドは、確かにここで自分にそう言い聞かせてしまうキャラかもしれません。そういう意味で、一人のキャラクターとして矛盾のない役作りにはなっていたような気がします。



最初の、レオン将軍を訪ねて来た時から、キラキラソラソラどうして…じゃない、キラキラした瞳の「美青年」。
ちょっとヤンチャで、レオン将軍にそそのかされて始めた「黒い天使」ゲームを、すごく楽しんでいる、少年。
そういう役づくりでしたよね?


そして。
イサベラとの恋は、遊びの恋だった。
そのはず、だった。


…タニちゃんのフェルナンドは、自分がイサベラに本気であったことに気づくのは、ラストですよね?

台詞の上では、マルガリータのことを打ち明ける時に「でも、君を本気で愛している」と言いますが…、タニフェルナンドもそのつもりなのかもしれませんが、本当の本気とはちょっと違う。


で。
ラスト、イサベラに別れを告げられた時。

“あれ?なんで俺、こんなに落ち込んでるんだ…?”

っていう顔をしているんですよね、タニちゃん(T T)。


ああ、こういう解釈があったのか…、と。本当に驚いたのです。
なんだか、驚愕のうちに幕が降りた、というかんじで。



「酸いも甘いも知り尽くした大人の恋の物語」が、

…キラキラしたソラの国の王子さまと、リアルに“生活”をしている“夢見がちな”女の、夢の恋物語になっている。



正直なところ。
「若さ」「純粋さ」を最大の魅力としているタニちゃんに、どうして劇団はこんな複雑微妙な大人の役をふったんだろう?という疑問は、どうしても消すことができません。

ドラマシティ公演「A/L」を観た時に抱いた疑問…「本公演のお披露目前に、ココまで宛書の作品をやってしまって、次からいったい何をするんだろう?」が、現実になってしまったような気がして………(涙)。

大劇場で観た時は、まだ始まったばかりで周りも手探りだったこともあって「ま、これからに期待♪」と思っていたのですが。

今回東宝で観て。

…ああ、やっぱりな、と。


あのフェルナンドと、マルガリータの未来が、私には全く想像できないんです。
「私のイサベラも、死んだ」この台詞と共に幕は降り、物語世界は消滅する。
崩壊するんじゃないんです。消滅するんです。
元々そこには、何も無かったかのように。


新公フェルナンドとマルガリータの、おままごとのような、けれども穏やかで暖かな日々は、なんとなく想像が出来たのですが。
物語世界は幕を閉じるだけで、崩壊も消滅もしなかったんですよ、新公では。

でも。
よーく考えてみると、そういう解釈もありなんだな、と思うのです。幕が降りた後のことなど、想像する必要はないのですから。



タニちゃんの個性は、「リアル」を完全に飛び越えたところにあるんですね、今は。

月組時代は、「長い春の果てに」のブリスとか、結構「リアル」な役も多かったし、それが魅力だったと思うのですが…
「今のタニちゃん」は、あんなにキラキラソラソラしているのね!!凄い!!あの輝きで組から浮き上がってしまうのではなく、「宙組」という新しい若い組をさらに輝かせることができれば。

今はまだ、地平線の向こうは見えないけれども、

…次の作品も、とっても楽しみです。




ウメちゃんのイサベラは、大劇場でもとっても良かったのですが、今回はまた、大劇場で足りなかった『大人の』色っぽさがあって、脆さのない、しなやかな強さを得て、さらにさらに、とても良くなっていました。

別れを告げたあと、立ち去りながらフェルナンドの心を表現する音楽に翻弄されるイサベラの、哀しい美しさ。
花道の壁にすがりついて、意地でも振り返るまい、振り返ったらまた駆け寄ってしまう、それは地獄へ堕ちるのと同じこと、と自分に言い聞かせて、でも身体は振り向いてしまう、止められない、留められない………どうすればいいの、どうすれば!?
…万感の思いをこめて一瞬だけ背後に視線を投げて、握っていたショールを抱きしめてまた向き直る。その…長い一瞬。

観ているこっちが胸を締め付けられて苦しくて、切なくて…
本気で泣けました。
台詞なんて一言もないのに、あれだけの表現をしてのける…ダンサー・ウメちゃんの身体表現力というのは凄いなあ、と。

歌さえ………、とは思いますが、でも、イサベラの歌は私はOKでした(^ ^;。ショーは……(無言/怒)って感じでしたけどねっ(苦笑)。




(蘭寿)トムくんのロドリーゴ。

…さすがは“男役の”と枕詞のつく花組で育っただけのことはあるな、と。
衣装の着こなしも、立ち居振舞いも、見事に「貴族」そのもので。

そういえば私、蘭トムくんの「身分の高い」「傲岸な」などの形容詞がつくような役を観るの、初めてかもしれないなー。どちらかというとわんころ系の役しか観てないような…
あ、慶喜があったか!あれもまさに、「身分の高い」「傲岸な」でも「真摯な」キャラクターだったな。そして、私は蘭トムの慶喜がとってもとってもダイスキだったのでした。

大劇場で観た時は、あまりにもラモンが嵌り役で、この人にロドリーゴをやらせるなんてなんて不憫な……と思ったりしたものですが。
なんのこたーない、ロドリーゴも負けず劣らず素敵でした(*^ ^*)♪


そして、前回観た時の「ロドリーゴが2番手の方が、芝居として良いような気がする」という感想が、裏付けられたなー、と。
フェルナンドとロドリーゴは、同格じゃないとやっぱり話が合わないんですよ!フェルナンドとロドリーゴが物語の2本柱で、同格で存在して、そこに物語を掻き回す役としてラモンが絡む。

別に、ロドリーゴが蘭トムになったからと言って台詞が増えたり出番が増えたりしたわけじゃないですし、蘭トムとみっちゃんでそんなに実力的に差があるわけではないのですが、
フェルナンドとロドリーゴが並んだ時、タニちゃんと蘭トムだと「同格」に見えるのに、タニちゃんとみっちゃんだと「弟分」に見えてしまうのは…

…こちらが学年差やら月組時代の関係を知っていて、先入観をもって観ている、のかもしれませんね………。ごめんね、みっちゃん。




という訳で、ラモンはみっちゃん(北翔海莉)。

いやー、良かった。びっくりするほど良かったです!
ラモン役単体で、と思うと微妙ですが、フェルナンド&ロドリーゴ&ラモンという3役のバランスで考えたら、私は蘭トムロドリーゴ、みっちゃんラモンの役替りバージョンの方が好きかも、です。

…歌も多いしな、ラモンは。


いや、本当に良かったです、みっちゃん。
色気はないけど、ラモンって別に色気がなくても大丈夫な役だったんだな、と。
イサベラを想う気持が真っ直ぐで、気恥ずかしいほど本当に真っ直ぐで。ラスト、フェルナンドが「イサベラを頼む」と言った時の反応の初々しさに感動してしまった私。

フェルナンド邸の前でのイサベラとの場面も全然違ってましたね。蘭トムくんは確か、しーっかりと(片手で)イサベラを抱きしめてしまって、イサベラにかなり強く突き放されていたと思うのですが、みっちゃんは抱きしめようとしてなかなかできなくて(←クラリスに抱きつかれてジタバタしているルパン三世みたい)、「よし行くぞ!」と思った瞬間に逃げられる…まさに、腕の間をすり抜けるようにイサベラが離れていく感じ。

しかも、離れたイサベラに向かって腕を伸ばすこともせず、俯いて歩き去るイサベラを背中で送る。拳を握りしめて、

…男泣きに。



いや、本当に(←しつこい)良かったんですよ、みっちゃんラモン。化粧以外は。いや、化粧と衣装以外は、な…

…みっちゃん、何故あなたはみっちゃんなの………(泣)。


どうしてみっちゃんだけ、黒塗りの額がまだらになったり、登場した時はそこそこ白かったハズのシャツの襟が、祭の頃にはまっ茶っ茶になるなんてことが起こり得るんですか?
みっちゃんって、もしかして戸井勝海さんレベルの汗かき(←失礼な。泉見洋平くんレベルと言ってくれ)(←もっと失礼)なの?それとも、肌が弱いとか何かの事情があって、皆が使っている落ちないつかないファンデ(←そんなものあるの?)が使えないとかなの…?

少なくとも、蘭トムのラモンはあんなことにはなっていなかったと思うのですが(泣)。


ああ、どうしてあなたはみっちゃんなのっ!?
そう、襟首掴んで問いつめたい気持でいっぱいです……。



ああ、(毎度のことながら)思いもよらず長くなっちゃった(涙)。
……ルカノール公爵については、次回また(←いつだ)




この週末は、「専科エンカレッジコンサート」で思いっきりオジサマ落ちしてました…という話はまた後日。まずは、先日書きかけて途中で終わってしまった、宙組公演のお話の続きを。



まずはちょっと、ロドリーゴについて追記をさせてくださいませ。
なんか、ちょっとバウのポスターが出たりして頭がみっちゃんしていたせいで、蘭トムくんのロドリーゴについてはとおりいっぺんのことしか書かなかったような気がするのですが。


シルヴィアさんとの激しいラブシーン、本当に凄かっ、いやえっと、素晴らしかったです(*^ ^*)

いやー、それまでずっとクールに冷めた瞳で、苦しむシルヴィアを無感動に眺めているだけに見えたのに。ふいに燃え上がった激情にかられて、“ぐいっ”と効果音が入りそうな勢いで引き寄せ、力づくで抱き寄せて、くちづける、その激しさといったら!!
…思わず見ていられなくて目を逸らしてしまったくらい、本当にドキっとしてしまいました…。



こういう激しさというか、恋の「抑圧」と激情の「解放」の落差の大きさ、それががロドリーゴのドラマなんですね…。そう、この熱がドラマを動かすのよ。やっぱり、脚本的に準主役になるのはどうしたってロドリーゴなんだな、と実感した瞬間でした。

…この役を、まぁキャラ宛とはいえ、役替わりするとはいえ、スターシステムで動く宝塚において、明らかに組内2番手である蘭トムくんに振らなかったのは……
演出の中村暁さんは、この脚本をどう理解して演出したのか、あらためて話を聞いてみたいわっ!

そういえば。
月組、花組、星組、と、第三回まで連続で宝塚を取り上げてくださった日本演劇協会の演劇フォーラム。
第4回のテーマは、朗読劇「女の一生」だったんですね(涙)。
もう宝塚は取り上げてくれないのかなー。この「バレンシアの熱い花」も、次の月組の「まほろば」も、いろんな切り口で分析できる、しっかりした良い作品だと思うのですが。
……演出家の話を聞く機会って意外とないものなので、楽しみにしていたのに、残念だー。





と、いうわけで、
ともちん(悠未ひろ)のルカノール公爵について(ぽっ)。

…そんなに格好良くてどうするんだ?としか言いようがないくらい、本当にカッコイイんだよ〜〜!!(壊)(←おい)



この「バレンシアの熱い花」には、脚本上、大きな穴がいくつかありますが。

そのうちの一つが、「何故ルカノールはシルヴィアを奪ったのか」だと思うんですよね。
わざわざ自分の後継者として指名した男の恋人を、何故?というのは、この作品を観劇した人なら誰もが抱く疑問だと思う。

ま、穴は他にもたくさんありますけど(苦笑)、
私の個人的な解釈ですが、これについては、一つの怪盗じゃなくて回答が与えられていると思っています。


シルヴィアの気持、という回答が。


…シルヴィアは、ルカノールとの結婚について、「父の命を救うために、嫌だったけど仕方なく」とロドリーゴに語っていますが。


絶対違うと思うのっ!!
シルヴィアは、一瞬かもしれませんが、ルカノールに恋をしたの。ロドリーゴを忘れて。
だから結婚を承諾した。それが、すべての始まり。



ルカノールは、甥の恋人が心変わりして自分を撰んだことを知っていた。
だから、甥の機嫌を取るためにわざわざ後継者に指名したの。自分の甥に叛旗を翻させるために、わざわざその恋人を奪ったのではないし、後継者指名したんでもない。
「今後私とシルヴィアの間に子供が生まれても、シルヴィアを奪った替わりに、私の全ての財産はお前に贈ろう」と。




年甲斐もなく若い娘(シルヴィア)に恋をした中年男(ルカノール)が、娘の方もその気になってくれたことに狂喜し、妻に迎え、…そして。

妻の昔の恋人(自分の甥)の帰還に不安を抱く。

…妻は弱い女だ、と………。



ロドリーゴと再会したシルヴィアは、目を逸らし続けてきた自分の罪と向き合う。
父を庇ってくれたルカノールに対して抱いた思慕が、今の自分を責め苛む。弱い彼女は、それに耐えられない。

だから咄嗟に、嘘を吐く。
「父を救いたいなら妻になれ、と…」

すべては、シルヴィアの、哀しい嘘。
自分の罪を認められない弱さゆえ、に。



だから、シルヴィアは死ななくてはならない。

気の迷いだったにせよ、一度は本気で慕った男を殺して、恋しい男と結ばれる…そこまで悪女になれない。なりきれない。

だから。

夫を殺す手引きをすることで、自分の罪を許してもらおう。
そうして、全てをなかったことにしたい、と。

そう願って、死を撰ぶ。




…「ともちん素敵っ♪♪」と舞い上がった大劇場の時から、漠然と、そんなことを考えていた(らしい)のですが。

確信を抱いたのは。
「甥を後継者に」と宣言したあのパーティーで、ロドリーゴに「美しい奥方をしばしお借りします」と言われ、踊る二人を見守るルカノールの、表情でした。

昏い、顔。
この世の全てを憎んでいるかのような。



ルカノールについては、もっとイロイロ語られているような気がしていたのですが、あらためて観てみると、彼の人格や人生についての説明って全く無いんですね。
っていうか、あれっ?と思ったくらい出番も少なかった(涙)。

セレスティーナを愛していたこと、フェルナンドの父を殺してボナパルトについたこと、パーティはいつも盛会なこと…それくらい?軍人としてはレオン将軍の方が上っぽい(ルカノールの部下は、すっしーさんのバルカはじめ、駄目なのばっかりだから)けど、ナポレオンについたってことはそれなりに政治力はあったんでしょうか…?
ホルヘたちの調査報告に対して「放っておけ」と言い放つ感覚がちょっと謎なのですが。でも、レオン将軍のことは信じている?それとも、老いぼれとみて「何もできるまい」と蔑んでいるのでしょうか?

いや、単に“時代を見る目”が弱かったのかもしれませんね。領民たちの不満にも気づいていないっぽいし。


…まぁ、そういう意味では時代劇にありがちな「悪代官」設定だと思えばいろんなことがすっきりするんですけど。
あえてこの役をともちんに振ってくれたので、イロイロ想像をめぐらせてしまいます(^ ^)。

ともちんの芝居って面白いですよね♪その人の人生をしっかり考えさせてくれます。裏と表があってこその人間、っていう気がするの。私はああいう、深みのある芝居をする人が好きです♪♪(←ファン丸出し)


ルカノールは若い頃、セレスティーナに恋をしていた。
この設定を勝手に拡げると、面白い設定が作れます。

フェルナンドの父親とセレスティーナが、歳の離れた夫婦だったとする。
例えば、デルバレス侯爵35歳、セレスティーナ24歳、とか。
そして、ルカノールはセレスティーナより少し年下。たとえば、20歳。(年齢設定はてきとーです)

これって、そっくりルカノール、シルヴィア、ロドリーゴの年齢として設定可能なんですよね。
少し年上の従姉妹(?)に憧れる若者、って感じになりますが。
実際、美羽あさひちゃんのシルヴィアはちょっと年齢も上めに作っていらっしゃるみたいだし。

ルカノールは、シルヴィアを妻に迎えた時、甥の気持ちを想像して、自分が若い頃の絶望を思い出す。
それでも、今更手放せないくらいにはシルヴィアを愛していた。もしかしたら、彼女にはセレスティーナの面影があったのかもしれない。

そして、前領主の暗殺も、半分はセレスティーナを手に入れるためだったかもしれない(…邦さんじゃそれは無理?←失礼な)。

おお。そう思うと、この作品って元ネタはハムレットなんですね!!

デルバレス侯爵=ハムレット王(王子ハムレットの父王)
ルカノール=クローディアス
セレスティーナ=ガートルード


…ハムレットではガートルード一人だった「女」が、セレスティーナとシルヴィアに分裂しているのは、王子ハムレットがフェルナンドとロドリーゴに分裂しているせいだと思うんですよね。オフィーリアはマルガリータに微かに面影を残すのみ、という感じですが。
そして、なぜそんな風に分裂させることになったか、といえば、やっぱり当時の月組の状況に合わせて役を増やす必要があったから…、ということではないか、と。

それにしても、なんかハムレットネタ多くないですか?最近。月組の「マジシャンの憂鬱」も、墓守だのなんだの、キャラ設定がハムレットのパロディっぽいし…




で。

この「バレンシアの熱い花」という作品が、ハムレットを本歌取りして説明を省略しているのだとすれば。

デルバレス侯爵とルカノールは、兄弟ではないにせよ、兄弟のような関係だったのではないか?
そうなると、年下(と思われる)のルカノールが、デルバレス侯爵を兄と慕い、憧れを抱いていた、という可能性が高い。


そしてある時、
…憧れが殺意に変わった、としたら。


憧れの人を殺した時、彼は平静でいられるだろうか?
この手で死の使者を送った時、彼は自分の心の平安を替りに差し出したのではないか、と。



クローディアスが罪の意識に苛まれ、必死で神に祈っていたように、
ラストシーンでは自らも崩壊してデンマークを滅ぼしてしまったように、

ルカノールもまた、自分の作った「世界」を食い荒らす白蟻たち(レオン将軍とその一味)の存在からあえて目を逸らし、部下たちの諫言に耳を貸さず、「世界」が崩壊するのを待っている。



「黒い天使」なんていう意味のないパフォーマンスが中心になってしまうところが、宝塚らしいショーアップの仕方というか、中村暁さんの勘違いというか…。
その表現の仕方には不満はありますが。

「黒い天使」が現れても、何の手も打たないルカノールには、そういう彼自身の鬱屈があったんじゃないか、と。

憧れの人、尊敬する先輩、いやもしかしたら、“恋しいひと”に暗殺者を差し向けたならば、
そりゃー、壊れちゃうよね、と…




……そういう、腐女子にピンポイントヒットな脚本だ、っていう解釈はいかがなもんでしょうか、柴田さん?
(←腐猫め〜〜っ!!)


そういう妄想をかきたててくれたともちんの芝居は、ホントに面白かったです。っていうか、すいません、一から十まで全部妄想ですってばっ!!赦してっ(涙)



…っていうか、新公の暁郷くんのルカノールは、最初のパーティの時、どんな顔してたんだろうか〜〜(涙)。観てなかった(フェルナンドに一点集中していた)ことが悔やまれます……。





話は変わって。
七帆くんのドン・ファン・カルデロ。

今更ですけど、復帰おめでとうございます。
やっぱり華やかですね、彼は。
CSのインタビューで言っていた「いつも上手から出てくるから、左側の顔しか見せないんですね…」という話から、左側だけイヤリングを着けることにしたのでしょうか?確か大劇場ではしてなかったと思うんだけど。
気障度があがってて、なかなか良かったです(はぁと)。


全国ツアーは、ロドリーゴでしょうか。それとも、ドン・ファンのまま?どちらもありそうですが、どちらにしても楽しみです♪いや、個人的にはサドな七帆くんも好きなので、ルカノールも観てみたいなあ(←眼鏡はかけないと思うけど?)(←要するになんでもいいんだなお前?)




今週はバタバタしていて、蘭トムロドリーゴ版はもう観られなさそうですが。最後にもう一度、みっちゃんのロドリーゴを観たいなー、と思っています。
…ともちんのルカノールは、みっちゃんのロドリーゴにはどんな芝居をするんだろう…(←そこか)



絶対長くなる、と解っている文章を書く時間は、当分作れない。
でも、鉄は熱いうちに!
舞台の感想は忘れないうちに!、、書いておきたい、

…だから。
回数をかけて、ちびちび書いていきたいと思います。



というわけで、「第二回 専科エンカレッジ・スペシャル」。

私は、5年前の専科エンカレも勿論!観ました。
ちょうど月組が「長い春の果てに/With a Song in my Heart」を上演していた時で。当たり前のようにチケットを探したんですよね♪

いそいそと、
ものすごーーーーくわくわくしながら。



今回も、大事なチケットを握りしめて座席に座り、
2階のてっぺんで観た“TCAスペシャル”の様子を思い出しながら開幕を待っていました。

そしたら。

幕開き早々のMCだったかな?どこかで言われていたとおり、
「お隣で上演中のより、ずーっと“スペシャル”」な2時間でした♪るん♪(爆)。





今回の出演者は、立ともみ・矢代鴻・萬あきら・京三紗・一樹千尋・磯野千尋・箙かおるの7名。
5年前は磯野さんがいらっしゃらなくて、その替わりに汝鳥さんと邦さんが入ってらしたんですよね。…懐かしい……。



しかし。観劇しながらシミジミ考えてしまったのは。
“また5年後に「第三回」があったとして”

“誰が出てくれるんだろう…?”

立さんは、次の花組公演を最後にご卒業(涙)。
矢代さんは立さんと同期。萬さんは2年下、京さん汝鳥さんが3年下。
ずーっと降りてって、最下の箙さんでさえ、立さんたちと7年しか違わない。

…5年後、今の専科は何人になっているのでしょうね。

現在は各組で組長をしておられる方々の中から専科に戻られる方は、梨花さん以外にもいらっしゃるでしょうけれども。
月組だけかもしれませんが、実力も実績も人望もある上級生が次々と退団している今日この頃。専科のおじさま・おばさまが居なくなったら、ショーはともかく芝居は本当に薄っぺらくて詰まらないものしかやれなくなってしまいそうで。5年後の宝塚はどうなってしまうのかなあ、と危機感を覚えつつ…




まぁでも、専科エンカレをやっている限り、宝塚は大丈夫かもな、と、ちょい前向きになってみる(笑)。






歌は人生。
歌は芝居。

専科の皆さまの歌は、一曲一曲がそのまんま一本の芝居として上演できそうなほど、ドラマに溢れていました。


巧いか下手か、でいえば全員巧いけど、その中でも「特別巧い人」と「普通の人」がいるのは事実ですけれども、
歌手として歌うのではなく、一人の役者として何かを表現するために数分の時間を与えられた、一つのパフォーマンスとしての、歌。


歌をただ“歌”として歌うならば、もっと巧い人は下級生にも何人かいるかもしれません。

でも。

あれだけの重みを持って表現することができるのは、やはり専科という立場で活躍されている方々ならでは、なんだろうなあ、と。


積み重ねてきた時間、
捧げてきた犠牲、
それらのすべてが、バウホールという、小さいけれども奥深い空間を埋め尽くして、

そして、音楽がはじまる。


これが音楽だというのなら、わたしがいつも聴いているものは何だったのだろう。
これが芝居だというのなら、わたしがいつも観ているものは何だったのだろう。

これが人生だ、と?

数分の中に凝縮された、「人生」というもの。
若いジェンヌには決して表現できそうもない、痛くて苦しい、切ない想い。

そして、そんな“想い”に振り回される、しあわせなしあわせな、宝物のような2時間。




うちのDVDはここのところずーーーっと調子が悪くて、9月の頭にCSで流れた「専科エンカレッジ・スペシャル」も録画しそこねてしまい、猫はものすごーーーーく落ち込んでいたのですが(T T)。

…5年前に聴いて、衝撃のあまりしばらく呆然としていた「想い出のサントロペ」。
もう一度生で聴くことが出来て、幸せでした。
録画できなかったショックもちょっと飛びました(笑)。

そして、立さんの「見果てぬ夢」。
滂沱の涙は、止まりませんでした…。




で。

5年前、
立さんとチャルさんに落ちた私。

今回は、このお二人が居るから他に落ちる暇はないだろう、と思っていたのですが。

…また新たな人に落ちてしまった………(←何人目だよ)



[続く].

つぶやき

2007年9月14日 宝塚(月)
専科エンカレッジスペシャル(好評連載中♪…嘘つけ)も書き終わる気配がないのに、猫はまた旅に出ます。
…また3日間更新できないのか。8月は結構更新がんばったのになぁ。…9月もがんばってるつもりなんだけどなぁ………(T T)。


今回の旅の主目的は、柊巴さんの桂小五郎じゃなくて
嘉月絵理さん&瀧川末子姐&草風ななちゃんのラスト・デイ

「チェーザレ・ボルジア」の時から注目していた絵理さん。最初は容姿と声が印象に残っただけでしたが、次に観た時に芝居の巧さに気づき、さらにダンス、殺陣の美しさ、そして歌、と、観るたびに新しい一面を発見し、その一面にまた惚れる、その繰り返しでした。

長いこと月組を支えて続けてきた、お茶目な人。
下級生を見守っていてくれた、可愛い人。

管理職なんて似合わない泣き虫さんなのに、今まで良く踏ん張ってくれたと思います。ありがとう。最後まで応援しています!


うーさんが抜け、ゆらさんのぞみちゃんが抜け、そして今回で絵理さんと末子姐。管理職も管理職候補も次々に抜けていく月組。どうしたって、次の公演ではまたがらっと雰囲気が変わってしまうんでしょうねぇ…。いたづらに懐古しても仕方がないし、良い方向へ変わっていくのだということはよーく解っているのですが。
でも、「変化」することにはやはり一抹の寂しさはあるもので。

ななちゃんも勿論寂しいけれども、

絵理さんと、末子姐。
…心が引きちぎられるようです。


月組は、これからどんな組になっていくのでしょうか。
いつまでも、月組が月組らしい月組でいてくれるように祈っています。

下級生までお芝居が大好きで、舞台の一番端奥まで小芝居の嵐で、でも芝居を壊さないバランス感覚があって。
群舞が揃わなくても(←せめて揃えようという気持だけでも…)(一番揃える気がないのが次期副組長だから無理)、コーラスが弱くても(エリザベートで良くなったと思ったのに元の木阿弥…何故だ?)、娘役がカッコイイ(←男役はいいのか?)、
…それが、「私の好きな」月組。


そんな地味地味な組が、一つくらいあってもいいよね?


出雲組長、次期副組長のナホちゃん、
これからの月組を、どうかよろしくお願いいたします……。
(でも群舞は揃えてほしいなぁ〜)(泣)




昨夜はああ呟いてみましたが。
旅の空の下、ホテルに入ってみたらちゃーんとパソコンがありました(笑)。

という訳で、まずは“水もしたたる”いい男の話から。



雪組全国ツアー公演「星影の人」を観に、梅田芸術劇場に行ってきました。

2月の中日以来の沖田総司。
いやあ〜〜〜〜、いい男だ〜っ!!



中日を観たときにどうもすっきりしなかったのは、
「新撰組」の話なのに、「幕末」を描いていないところ、だったんですよね、一言で言うと。

でも、なぜか。
何が違うのか自分でもよくわからないのですが、

今回は、「沖田の物語」として、話がしっかりとまとまっている、と思うことができました…。


…私自身、2回目の観劇である、ということが大きいのかもしれません。「幕末」を描いた話じゃないんだ、ということが、私自身にもよーく分かっているから。
「幕末」とい時代ではなく、「新撰組」という世界設定からインスパイアされた、明るくて寂しがりやの青年の青春物語なんだ、ということがはっきり分かっているから。

余計なことを考えないで観ていられるから、すんなり流れてくれるのかも。



もちろん、沖田と玉勇のお二人がしっくり馴染んで、佇まいがとてもキレイになった効果もあると思います。こうしてみると、中日はやっぱりお披露目で、きちんと芝居で組むのも初めてに近くて、(特に、私が観たのは初日開けてすぐでしたので)まだまだお二人とも、距離感が掴めなくて手探りだったんだな、と、今ならわかります。
なんとなく不安定な距離感。どこまで踏み込んでいいのかわからない戸惑い。そういったものは、物語の前半には相応しいのでしょうけれども。
後半の、命の砂時計を数え始めた沖田と、それを見守る玉勇、という「運命共同体」的な関係の二人にはふさわしくなかったのではないでしょうか。
そこに距離感があったから、ラストの玉勇の「2年後にあなたが逝ってしまったら、どうしたらいいのかわからなかった」という告白が、今ひとつ心に響かなかったのかなー?なーんて。


それにしても。
あらためて観ると、ラストの総司は切ないですね(涙)。
ある意味、自分が先に逝くものと思い込んで、玉勇が見送ってくれると信じ切っていて、玉勇にはかわいそうなことをするけれども、申し訳ないとも思っているけれども、でも仕方ないよね、と割り切って笑顔で砂時計を見守っていたというのに、

…玉勇さんが逝っちまったよ………。

これからどうするんでしょうね、総司は。
いや、もちろん史実の総司のその後は知っているのですが、「星影の人」の後の総司は、どんな思いでその時間を過ごすのだろうか、と。

絶望と、

悲哀と、

諦めと、

思い出と。

それでもきっと、水くんの沖田は真直ぐに生きていくのだろうな、と。
鬼として、ただひたすらに生きていこうとするのだろう、と。

そんな哀しい情景が、すとん、と落ちてくる沖田でした…。



土方さんの、キム(音月桂)。

玉勇が死んだ後も、新撰組の鬼の一人として生き続ける総司を見ていて、一番辛かったのは土方さんだったんだろうな、と、そんなことを思わせる土方でした。

見た目では沖田と土方は逆だろう〜!?とも思いましたが。
ナマで観ると、声は明らかに水=沖田、キム=土方、なんですね。柴田さん、今回の配役に疑問はないんだろうな、きっと(笑)。
「俺は経験豊富だから(?)、女のことはよくわかっているが、お前はあぶない」とかって水くんに諭すのも、聞いてるぶんには違和感なかったです。
まぁ、オペラグラスで観てても、水くんは真直ぐで清純な笑顔だし、キムは一癖も二癖もありそうなニヤリ笑いなので、想像していたほどの違和感ではなかったですしね。

…CSで稽古場風景を見たときは、どうなることかと思いましたが(汗)。


そして、
キムちゃんブラボー!だったのは、たまんなく色っぽかったこと。
花帆杏奈ちゃんを抱き寄せる時の激しさには、鳥肌たちました。あれじゃー女は迷うよね………(涙)。屯所での総司との会話で「俺には女のことはわかっている」という認識を言わせておいて、ここで女に裏切らせる。
それでも、彼には“それは女の本心ではない”という確信がある。

…柴田さんの描く土方は、ぞっとするほどいい男ですね……。



山南さんの、ひろみ(彩那音)ちゃん。

いやはや。月組時代の「かわいい」ひろみちゃんはもういないのね…。
なんて格好良いんでしょう(*^ ^*)。
なんて凛々しいんでしょう(*^ ^*)。
そして、なんという貫禄でしょう………。

中日では着られてしまっていた羽織もしっかり着こなされて。
本当に格好良かったです。

(涼花)リサちゃんの明里が飛び込んできた場面での、「よく来てくれたね…」で私は号泣モードに入りました(^ ^;
なんて顔するのアナタ。なんでそんなに嬉しそうな、幸せそうな、
…切ない瞳で。


自分は良いよ。自分の信念に殉じるなら、本望だろうさ。
でも、残されるリサリサはどうするのさ……

って、

襟首つかんで言ってやりたい感じ(←やめとけ、な?)



井上先生の、コマ(沙央くらま)ちゃん。

私はやっぱり井上源三郎、というキャラクターが好きなので、ついつい観てしまうんだなー、ということに気づいたりしたのですが。

でもコマちゃん、シュテファンのヘタレっぷりを思えば別人のようにカッコよかったです♪
声も響くし、日本物の化粧がよく似合う。ちょっと黒めの肌にして、精悍なイメージをよくだしてました。「先生」感があってカッコよかったです。谷みずせさんの「佐藤」くんをビシバシしごく場面も、なんか良い感じ。中日のらぎちゃんは、可愛くて「厳しい先輩」って感じでしたけど、コマちゃんは「厳しい先生」だったような。(←意味不明)


でも、一箇所だけ。
中日の井上らぎちゃんで、すごいっ!と思ったのが、山南さんの切腹を見守っている時の背中と、佐藤くんに「井上先生!」と声をかけられて振り向いた時の表情と声、だったのですが。
コマちゃん…あそこだけは、もうちょっとがんばってほしいかも……。

「法度は変えられない。山南さんには、切腹を申し付ける」と近藤さんが告げた時。
莞爾と笑って受ける山南と、ほんの一瞬、目を伏せる土方。
「介添えは、沖田総司」と、空に目を据えて告げる土方と、ほんの一瞬、神妙な視線を隣の沖田に投げる山南。

…そうだよ、あんたが悪いんだよ!
沖田も土方も、これから深い傷を背負っていかなくちゃいけないんだよ。可哀想だと思わないのかよ。

…井上さんの背中は、そう叫んでいてほしいの……(泣)。

声を強く出すと、ちょっと上ずっちゃうのかな?それとも、まだ初日だから緊張していらしたのでしょうか。声はいいと思うので、がんばってほしいです。あと、剣さばきは全体的にまだまだだな…。



で。
えーっと。
……桂小五郎の、らぎ(柊巴)。


っていうか。
プロローグで、「ここには桂さんはいないはずー♪」とか油断して、ひろみちゃんかっこいい!キム色っぽい!と一人で盛り上がってたんですけど。

ふ、と視線がそれる。
ん?なんかかっこいい人がいる。

…なんからぎちゃんに似てるなー、雪組さん美形多いよなー、

……なんかほんとにかっこいいけど、誰、あれ………?

らぎ本人でした。
↑気づけよ、自分。



らぎちゃんの桂については、いくらなんでもソレはファンモードすぎ、ってことになりそうなので、もうちょっとほとぼりが(自分の中で)冷めてから書かせていただきます。

が。

ひろみちゃんにも感じますが、水くんの沖田に向かって「あの時の少年か…あの突きは鋭かった」と述懐してもおかしくない年輪を感じさせたのはすごいなあ、と。
もちろん、水くんが若く作りこんでいるからこそ出来たことなんですけど、でも、二人ともまだ85期なのにすごいなあ〜〜。


そして。
そっか、桂って「逃げの小五郎」と言われた神出鬼没の逃げの名手だったんだよね、と、

そういう、基本的なところですごく納得できる役作りだったんじゃないかと思います。


藩医の家柄らしい育ちのよさと、剣士としての訓練、そして、長い隠密生活で身に付いたやさぐれ感。それらが場面ごとにいろんな色で出ていて、「桂」という人間の焦点をつかませない。
ただ、彼の人生の多彩さ、経験の豊富さを感じさせて。

「俺には裏があるんだ」と宣言するのではなく、ただ、武士としての会話の中にふと入るやさぐれた言い方や語尾の雰囲気で、彼の人生の多面性を現してしまう。
柴田さんの脚本自体がそうなっているのももちろんですが、なかなかそれを表現するのは難しいだろうになあ、と、

…結局語っちゃったよ(汗)それも、超ファンモードで(滝汗)。
ごめんなさいごめんなさい、見逃してください………。



.
月組大劇場公演 千秋楽を観て参りました。


…嘉月絵理さん、瀧川末子さん、草風ななさん、
大劇場のご卒業、おめでとうございます。

まだ東宝がありますけれども(私にとってはこっちが本番)、
まずは一区切り、ということで。


素晴らしい千秋楽で、
素晴らしい卒業式でした。
終始暖かな笑顔に包まれて、
止まらない涙も暖かくて。


いつまでも忘れられない3時間でした。




「まほろば」

幕開きの天女、末子姐が銀橋に出てきたとき、小さく拍手してしまいました(笑)。
いつもは他のメンバーも観ていたので忙しかった場面ですが、今日はもう末子姐に一点集中!いつもはみっぽー(美鳳あや)ちゃんと等分くらいに観ていたのですが、末子姐にはみっぽーにちょっとだけ足りない“丸み”と“嫋かさ”があって美しいんですよね(T T)。ラストに沢山踊ってくださってとても嬉しいです。
観ていることが幸せ。

天女Bのななちゃん。今日は本当に、「パッと花が咲いたような」笑顔でした…うーん、本当に可愛い〜(うるうる)。
ちょっと丸っこいけど、本当に美人さんなんですよねー。美人というか、本当に本当に可愛らしい♪最後の挨拶でタキさんが「マシュマロのようなひと」と表現していましたが、言い得て妙でした。
可愛いのに笑顔が硬いのがなんとも残念、とずーーーーーっと長いこと思い続けていたのですが、今日の笑顔でやっと希みが叶ったような気がしました。東宝でも、その笑顔を忘れないでね。


オオワダツミの誕生で拍手が入りました。
私は…つい、オペラグラスで凝視していたのでちょっと遅れてしまいましたが(涙)。ライトと歌い出しのタイミングが微妙で拍手の入れにくいところなんですよね(涙)。

いつにも増して…ってことはなかったかな。末子姐やななちゃんは「今日が最後」という気負いをちょっと感じましたが、絵理さんはなんていうか。「いつも通り」迫力満点で、出番一分一分が惜しいみたいにガツガツ踊って……
毎日毎日、一公演一公演のその全てを、「これが最後」っていうテンションで臨んでいらしたんだな、ということがよーくわかったような気がします。

本当に物凄い人だったんだと思う。
素晴らしい舞台莫迦。

こんな人が若くして卒業してしまう宝塚ってどうなの、と思いつつ、
こんな人が追い求める「新しい人生」とはどんなものなのだろうか、とも思ってしまったのでした…。



ニライカナイで、あいあいと対で踊る末子姐のかっこよさ。

麻子さんに小太鼓を渡しに出てきて、かなみちゃんと一緒にハケる、ななちゃんの可愛らしさ。

走水の海でせり上がるオオワダツミノカミの、海の支配者の貫禄と威厳。



謝さんの、退団者への愛をひしひしと感じて。


大和へ向けて飛び去る鳥たちの中に、
3羽だけ、違う世界へ飛び去る鳥がいる。


鳥籠に閉じこめてずっと手元においておきたい気持は捨てられませんが、
幸せを祈って大空に解き放つことが本当の愛なのだから、と、
言い聞かせて。

…まだ東宝があるからね(*^ ^*)



「マジシャンの憂鬱」

そういえば、まだお芝居については細かいところは語っていませんね私。
突っ込みどころが多すぎるんで、妄想設定が多くなりすぎちゃって…書くのがホント大変なんですよ(苦笑)。
ま、東宝が始まる前に書きたいと思ってはいます…((^ ^;ゞ


残念ながら、退団者関係のアドリブは無し、でした。
イローナ様が「愛犬のフィンチが…」と言い出すこともなく、
シャンドールがイローナ様からのプレゼントの時計を探偵に渡すこともなく。

唯一のアドリブは、園加ちゃんが墓堀夫婦に「早く行きなさいっ!」と命じた時のシビさん。「…えらそうに」だったかな?
爆笑でした。

あまりにも客席が湧きすぎて、残された面々が次のきっかけが掴めなくて苦しんでいたのが、気の毒だけど余計おかしかった(笑)。



フィナーレの末子姐の登場で大拍手!
美しい場面ですよね。
ダンサー・末子姐のラストダンスになるんですね、あの場面が…。

絵理さんも最後に黒燕尾が2回も着れて幸せ、ということを仰っていましたが。
ななちゃんも前列で踊らせてもらっているし、本当に正塚さんも退団者への愛は深いですね(シミジミ)。



タキさんの挨拶は、ちょっと涙声な感じ。
ななちゃんのところは立派に話されていましたが、末子姐でちょっとほろっときて、絵理さんのはかなりキてましたね。
たった2作でしたけれども、組長&副組長で組んで、いろいろあったんでしょうね。深い愛情と惜念に満ちた「贈る言葉」でした(涙)。
……客席の身にもなってくれよ……。



ななちゃんは可愛らしく元気いっぱいに。



末子姐はしっとりと美しく、
「祖母が93年前(だったっけ?)に制服と決めたこの緑の袴を、孫の私が着て大階段を降ります」で始まる挨拶は、しっかり者の姐さんらしく、しっかりと締めて。




絵理さんは。
…絵理さんだった!

同期のお花を、雪組の美穂圭子さんが持ってきてくれたのですが、組からの花の上に載せる形に作られたその花が、なかなかうまく持てなくて……。1,2分くらいかかったのかな?最後に残った75期の二人が、「あれ?」「え?」みたいな感じで顔を見合わせながらアセアセしてました。超可愛かったです♪
絵理さんが「やっと持てた!」みたいな笑顔を見せて、美穂さんと頬を合わせて挨拶して、可愛らしく見送ってました。

泣き虫絵理さんらしくもなく、終始笑顔で。
ほんとーにほんとーに、可愛かったです。


3人とも生粋の月組ッ子。
宝塚への、そして、月組への愛を語って、関係者すべてへの感謝を捧げて、

終始笑顔で、緞帳を降ろして。




鳴りやまない拍手。

緞帳が上がって、もう一度笑顔に……
と思ったら、絵理さんは目の下びっしょりだった(笑)。


「大劇場が大好きなんです」

…そんな告白を、今するなよっ!!
観客にどうしろっていうんだ!
嘉月絵理っっ!!そういうのを、卑怯っていうんだーーー!




絵理さんのファンの方も、本当に素晴らしいセンスですね…。
最後の出での「贈る言葉」。
「落とし物はありませんか?忘れ物はありませんか?」で始まる、愛情に溢れた言葉たち。
絵理さん自身が言葉を、コミュニケーションを大切にされる方だからこそ、ファンの方もああいうセンスが身に付くんでしょうか。

最後の日に皆さんがお揃いで着ていたTシャツの柄にひっかけて、
「全部ちゃんとトランクに詰めましたか?」と続くあのメッセージには、ギャラリーが皆泣いてましたよ…。



清々しい、愛情に満ちた、いい千秋楽でした。
CSでの放送が楽しみです♪




完全に呟きでごめんなさい、なのですが。

雪組の柊巴さんが、17日の日刊スポーツ紙大阪版に掲載されていた、らしいですね。
http://osaka.nikkansports.com/entertainment/takarazuka/p-on-tp5-20070921-257481.html


…17日だったら、私も大阪に(正確には兵庫県ですが^ ^)いたのに〜〜〜(T T)

スポーツ新聞社に電話して「宝塚歌劇団の、○○さんが掲載されているのは何日の新聞ですか…?」と聞くのって、今までにも何度かやってますけど(汗)、すっごい勇気がいるんですよ〜〜(しょぼん)。

8月にもサンケイ新聞にらぎちゃんが載ってたことをネットで知って、1週間くらい逡巡した末に電話して、やっとの思いで手にいれたばかりなのにぃ、またかよ…(哀)。


しかも、色紙プレゼント「一名一枚」って書いてあるし…(涙)。

ここを読んでくださっている心優しい、そして、らぎちゃんに興味のないあなた。ぜひぜひ、ねこの為にハガキを一枚送ってあげていただけませんか(涙)。あなたのご贔屓の時には私が送りますので♪(←いいのかそれで)



…えーっと。
らぎちゃんって、案外メディアとかに出る人なんですね。
たまたまなんでしょうか?サンスポ、Duet、日刊スポーツ…ここのところ結構立て続けな気が。
(他にもあるようでしたらコメントででも教えていただけると、ねこはとっても幸せです!)

そんなに目立つ人ではないという印象だったのですが…、桂さんが決まったから、なのでしょうか?
私が落ちたのに扱いがあがるなんて、なんて不思議な人なんだ…(←もしかして初めてじゃないか?…あ、大空さんもそうだったか…)


コホン。

雪組全国ツアー組は、昨日までの梅田公演を終えて前橋へ異動中。
…東京を通り過ぎてしまうのねっ。関東に来るのは10月か〜〜。月組公演始まってしまうではないか(泣)。

月組さんは、千秋楽を終えて、今日はお休み、かな?
組旅行にでも行っていらっしゃるのでしょうか。

ネットではスマスマに宙組さんと一緒に麻子さん・かなみちゃんが出演されると語られていますね。しかーし、月ファンとしてはちょっと嬉しいけど、大劇場公演と東宝の間の短い期間にそんな仕事いれんでも…という気もしました。
麻子さん、かなみちゃん、身体を大切にしてくださいね。
東宝でお待ちしています♪

専科エンカレの話を書くつもりだったのに、また後回しにしてしまった(汗)、ごめんなさい。
なんか、感動が大きすぎて文字にまとめられないんです〜〜。

本当に素晴らしかった!またやってほしいです♪
以上、って感じで。

専科だけじゃなくて、各組エンカレも続けてほしいなー。なかなか全組行くのは難しいですけど、最初の時はCDが出たし、前回のはCSで流れたし…。真ん中じゃなくても良い仕事してくれている人を、大事にしてほしいんです。

だって、みんな舞台が大好きで、私たちに感動を与えるために日々がんばってくれているんですもの!

エンカレッジ・コンサート、

ハロー!ダンシング、

どちらもこれから育てていくべき若手が中心になるのは仕方のないことですが、
中堅や上級生にも、いろんなチャンスが与えられる宝塚であってほしいなあ、と、

…らぎちゃんを観ていると思います(*^ ^*)。(←結局そこか)


センターに立って欲しいとは思わないけど(←ごめんなさい)、
源さんも良かったし、桂もステキだったらぎちゃん。

…毎回毎回は無理でも、時々はこんなことがある宝塚って、いいなあ☆と思うのでした♪

すっごくどうでもいい話なのですが。
ちょっと前に、某巨大掲示板で「らぎちゃんは俳優の藤原竜也に似ている」、という話が出ていたのですが…似てますかねぇ?

竜也くんといえば、昔、「輪郭が祐飛さんに似てる」って言われていたんだよね。私は彼の最初の写真集を持っていますが…確かに角度によっては間違えそうな写真もあるんだよ……
それでらぎなの?自分?…いやあの、祐飛さんとらぎちゃんには全く共通点はないと思うんですが……ごめんなさいごめんなさい(←どっちに謝っているんだオイ)




【1】を書いてから、一週間後に【2】を書く。
…週刊連載ですか、そうですか…。

というわけで。
「専科エンカレッジ・スペシャル」のおもいで、です。



幕開きのアナウンスは立ともみさんでした。
…っていうか、全編これ立さんのサヨナラショー?って感じの公演だったんですけどね(泣)。



最初の曲は「ラ・ノスタルジー」。
黒燕尾のオジサマ方が、渋く美しく踊りながらメドレーで歌い継ぐ。
立→萬あきら→一樹千尋→磯野千尋→箙かおる、
で、間奏を挟んで、
矢代鴻→京三紗→全員…って感じだったのかな?確か、香盤順に並んで順番に歌っていたと思います。

月組大劇場ではちょこっとしか歌われない萬さんが、ここぞとばかり美声を聴かせてくださってちょっと嬉しかった♪



「ラ・ノスタルジー」。
本公演は観たことないんですが、この曲は結構いろんなところで歌われますよね。
私の一番印象に残っているのは月組の「エンカレッジコンサート」。色っぽくていい歌なんですけど、さすがに下級生が歌うのは難しいよなー、と思ったことを覚えています。

お姉さま方が歌うこの歌は、また全然違う魅力に満ちていました。
…美しいなあ、皆……(感)。



勢揃いして名前を名乗って、さて本番。

ここで、「隣の大劇場ではTCAスペシャルを上演中なのにもかかわらず、バウホールへようこそ。こちらが本当のスペシャルですっ♪」って挨拶をしたのは、さて誰だったかな…(汗)。客席も爆笑でしたが。



最初は箙さんで、「カタリ・カタリ」。

この曲、割と最近ショーで使われましたよね?ものすごく好きな曲なのに思い出せない……情景はうっすら浮かぶのになぁ…(T T)、、、と思いながら聞き惚れていたのですが。…もしかして、リカさんのサヨナラ公演「薔薇の封印」のフィナーレですか…?
…と思ったのですが。違いましたね(汗)、「シニョール・ドン・ファン」のフィナーレですね。(コメントありがとうございました!)

前回の専科エンカレで、まず最初に落ちたのが箙さん。
いやー、相変わらず素晴らしい声ですね♪♪
立さんとか汝鳥さんは、各組公演でも結構歌ってくださるのですが、箙さんって滅多に歌わないんですよね。「リボンの騎士」を観にいく暇は残念ながら無かった(というか、時間はあってもチケットが無かった)ので、なんだかすっごく久しぶりの“箙さんの歌声”でした。

続けて、箙さんでもう一曲。「ニューヨーク・ニューヨーク」
…すみません。私にとってはこの曲=樹里ちゃん、なので…。
あの、パワフルで高音が伸びきった声に慣れているため、箙さんの渋い渋い、いぶし銀の「ニューヨーーーーーーーク♪」は……、とってもステキだったんですけど、なんだかとっても不思議な感じでした…(ごめんなさい)




そして、2番目にいきなり「最終兵器投入」な感じで登場する立さん。

スパニッシュなリズムが響いて、盛り上がったところでライトが点いて、
一曲目は「フラメンコ・ロック」。
立さんにしては珍しく、少し強めに張った声で、それこそ樹里ちゃんを彷彿とさせる響きでしたが。巻き舌の入れ方とか、語尾の抜きようがさすがベテラン、って感じで、ノリノリで、すごかった〜〜!!

スパニッシュをこの上もなくスパニッシュらしく歌う。
それが出来る人って、少ないですよね。
ある程度の年輪が必要な音楽ですから、宝塚だと結構難しい、んでしょうね…。

次の曲は、但馬久美さんが最後に歌われたという「マイ・ラスト・ダンス」。

「ダンスシューズを履いたその日から、踊ることだけだった(←ちょっと違うかも)」で始まるこの曲。サビの「なにもいらない」で既に私はボロ泣きでした…(涙)。
…今思い出しても泣ける。

立さんの過ごしてきた、数十年の重み。
私なんかにとっての立さんは、ひたすらに優しいパパで、素晴らしい声の歌手、だったのですけれども。
立さんご自身にとっての自分は、あくまでも一人のダンサーであり続けたんですね……。

…立さんの歌う、「Mr.Bojangles」を、一度聴いてみたかったなぁ、と、泣きながら、聴きながら、思っていました。
“Please, please, Mr. Bojangles, Mr. Bojangles, Mr. Bojangles, dance..."  そう呼びかけたいのは、私です…。




次は、京さんで、中村中(あたる)さんのアルバムから2曲。

…中村中さん。私は昨年、初めてこのお名前を見た時、「山本山みたいですね」と放言して会社の先輩に大変に怒られたのですが(滝汗)、CDを聴かせていただいて大変感動し、強く記憶に留まるアーティストの一人です。

しかし。
京さんの声は、びょうびょうと洞を通り抜ける風の声のような、心の空洞が鳴っているような、ものすごく不可思議な響きのある声で。中村さん自身が歌うのとはまた違う、引き込まれる魅力がありました。

彼女(彼?)のバックボーンについて訥々と語る京さんの真摯な語り口といい、どこかふわふわとした現実離れした表情といい、何か別の世界に連れていかれたような気がする一時でした。

立さんが、普通に「宝塚」という世界のど真ん中で、「退団者の一閃」を放ったのだとしたら。
京さんは、最初から「宝塚」という枠に囚われたことのない、無垢な光に包まれているような感じ


…とでも言えばいいのでしょうか。



そして、次の磯野さんがまた、コッテコテの宝塚、これぞザ・男役!で(^ ^)。

構成・演出の岡田さんが、そこまで考えてこの順番を決められたのかはわかりませんが、なんかジェットコースターにでも乗っているように、終始心が揺すぶられっぱなしの時間でした…。

ホントに。


…で。
まだ一幕も終わらないけど(涙)、
とりあえず、また来週お会いしましょう…(←おい)


日生劇場「キーン」を観てまいりました。

「轟悠と愉快な仲間たち」、じゃないですけど。
ほとんど轟さんの一人舞台に、星組の若手が色を添えている、的な作品でしたが。

脚本はすっげー面白かった!です。

役者キーン(轟悠)が、自らの力で勝ち得た「KING OF LONDON」という称号と、
英国皇太子(柚希礼音)が、生来与えられた「PRINCE OF WALES」の称号の対比。

キーンの称号はいつ奪われる(飽きられる)ともわからず、
皇太子の称号は外すことができない。

前者は「権利」であり、後者は「義務(noblesse oblige)」の象徴であるのだから。

この二つの称号を対比させつつ、
貴族社会と下層階級、そして、下層階級の徒花としての「役者」を描きだす物語。

下層階級出身のエドモンド・キーンは、シェイクスピア役者としてスターダムにのしあがり、今は皇太子にも対等の友人であるかのように扱われる身分。
貴族のマダムたちも当たり前のように彼に「恋」をしかけてくる。

しかし。
それは、シェイクスピアの描いた『ロミオ』が、『オテロ』が、『シーザー』が「貴族社会」において憧れられているというだけのことで、エドモンド・キーンという一人の男は、あくまでも「下層階級の星」であるにすぎない
キーンが、自分自身が貴族社会に受け入れられたかように感じるのは、幻想的な思いこみ、いやむしろ、妄想に過ぎないのだ、と、皇太子は言う。


エキセントリックなスター役者と、デンマーク大使の年若い妻との恋も、ただの火遊びにすぎない。
貴族社会のゲームのルールにのっとって取り交わされる手紙。会話。そして、視線。

それを。
何もかもをぶち壊すエネルギーを持って現れる、年若い『聞く耳を持たない』娘、アンナ。
貰った遺産の使い途として、憧れのスターに貢ぐことを思いついて、楽屋まで押しかけてくるその行動力たるや。キーンの恋人と勘違いした番人に「秘密の扉」を案内されて首尾よく楽屋へ入り込み、それまで危ういバランスで保たれていた「キーン」と「貴族社会」の関係を、崩してしまう…。

その、ひどく脆く不安定な世界を。
谷さんの演出が実に奇麗にまとめてみせてくれました。

…谷さんって、海外ミュージカルの演出は、初めてでしょうか?
「心中・恋の大和路」とかはやられているけど。

「ミー&マイガール」「ガイズ」「コパカバーナ」の三木さん、「ファントム」「オクラホマ」の中村一徳さん…このお二人は、申し訳ないですけど海外ミュージカルの翻案・演出にはとことん向いてないし、「エリザベート」は、事実上小池さんのオリジナル作品だし…
今後の海外ミュージカル上演は、谷さんか、百歩譲って木村さん(…ホントはイヤだけど)にお願いしたいなあ…。具体的には、来年のミーマイとか………(←とっくに三木さんで発表済だってば/嘆)


キーンの轟悠。

まさにタイトルロールの貫禄。
「ジュリアス・シーザー」での、「タイトルロールだけど主役じゃない」という珍しい立ち位置がとても似合っていた人ですが、さすがに85期以下を中心とする今回のメンバーだとタイトルロールで主役、という立場が当たり前な感じです。
役への理解もさすがで、素晴らしかったです。

ただ。

…この台詞劇で、台詞が聞き取れない(何を言っているのかわからない)のはちょっと………(涙)。
もともと滑舌の良い人ではないし、声もそんなに美声というわけではないので、あんなものなのかもしれませんが…でも、CSの初日映像なんかはあんなに酷くはなかったはずなので。この出突っ張り喋りっぱなしの公演で喉でも悪くなさったんじゃないかと少し心配になってしまったほどでした。

ま、私の席も悪かったのでしょう、多分。
皆さんの声、どれもなんか変な感じがしましたから(涙)。

それにしても。
本当に何を言っているのかさっぱりわからなかった…。脚本的にシェイクスピアの台詞をそのまま使っている部分も多くて、そこはわかるんですけどね。うーん、脚本読みたいなー。

プリンス・オブ・ウェールズの柚希礼音。

クールで嫌味な(←失礼)英国紳士、そのものでした。
いつもの「チンピラ」っぽさは影を潜め、声の出し方、姿勢、しゃべり方、何もかもにすごーく気をつけていたのがわかります。衣装もよくお似合いで、落ち着いた紳士っぷりがイタについていて、すごーくカッコよかった♪
ただ、燕尾のテールをそんなに跳ね上げなくてもいいだろう(涙)とか、細かいところで気になったところはいくつかありましたが。あと、「ああレオンくん気をつけてるなー」と観客に思わせてしまったのがちょっと残念。このあたりはやはり経験というか訓練なんでしょうね〜。自然に、当たり前に、すっ、と動く、というのは。
でも、やっぱりそれが出来ないと「貴族らしさ」、ましてや「王族らしさ」を出すのは難しいと思うので…。
がんばっていただきたいです。

しかし、今までずーっと明るい元気なやんちゃ坊主ばかりやっているような気がしていたレオンくんが、いつの間にか、こんなにちゃんと「紳士」がやれる役者になっていたことは嬉しい驚きでした。これを糧に、芸幅をもっともっと拡げて、素敵なスターさんになってください☆

エレナの南海まり。

美声を堪能できて幸せです♪
「龍星」の頃は、あの可愛らしい容貌に「キツい顔」「嫌味な演技」をさせるのはやめてくれ〜〜!!と児玉さんを恨んだものですが。
あれから2年?
さすがの演技力でした。感心。怒った顔をしても、嫌味を言っても、いつもコケティッシュで魅力的。ステキだ!しかも、歌も素晴らしいぞ!なんてステキなんだみなみちゃん♪♪(*^ ^*)。

それにしても難しい役ですよね〜、エレナ。
「恋」を語り、「愛」を囁きながら、そこに一欠片の真実も誠意もないことをわからせる。最大のスターであるキーンを“素敵なアクセサリー”としてとらえ、逃がすまいとして。

イギリス貴族社会のルールをしっかりと覚えて、その中を泳ぎ抜こうとする美しい魚。みなみちゃん、大人になったなあ…と感慨深かったです。
他にこの役が似合いそうな人も思いつかないくらい、ハマってました(はぁと)。

アンナの蒼乃夕紀。

見事な存在感と芝居でした。後半、オテロの舞台上での「デズデモーナ」として喋る時と「アンナ」として喋る時の声の使い分けが巧かった!感心しました。
表情があまり動かないのは役づくりなのかしら…?

バウ「Hallelujah Go! Go!」でも準ヒロイン格でいい芝居をしていましたが、これからが本当に楽しみな人です。
サービスショット(脚見せ)があったのが嬉しい♪(←それは違う!)

今回の目玉!キーンの付き人・ソロモンの紫蘭ますみ。

いやー良かったです。間の取り方といい、声のかけ方といい、どの台詞もひとつひとつがぜーんぶ秀逸!って感じ。エキセントリックすぎて何を言っているのかわからないキーンを、この世に連れ戻してくれる人なんですよね。

…祐飛さんと同じ78期かー、今まであまり注目したことありませんでしたけど、ホントに巧い人なんだなーーーーー(溜息)。

役者たちは彩海早矢、鶴美舞夕、真風涼帆。
3人ともハロー!ダンシングで注目した人たち♪キャスト表をみて、もっとこの3人のダンスシーンがあるのだとばかり思っていたのでちょっと拍子抜けでしたが、元気の出る役で良かったと思います。
ミス・スパローの百花沙里と共に、下層階級の代表としてキーンを称え、支える立場の人たち。彼らが明るく挫けず、畏れを知らずに輝いているからこそ、ラストのキーンが観客に響くんですよね。
だから、もっともっとパワフルに、もっともっと舞台を楽しんでくれますように、と…。

っていうか、百花姐さんの歌って意外と味があっていいですね。場面によく似合っていて、いい配役だったと思います。

ネヴィル卿の一輝慎さんは、86期かー!吃驚。もっと上級生かと…でも、「嫌味な中年男」は、さすがにちょっと苦戦してたかな。
後ろをついて歩く水輝涼くんが88期。ああ、このへんがもう中堅なんですねぇ…(シミジミ)。水輝くんは普通の“若い青年貴族”って感じで、そんなに嫌味な感じには作っていなかったせいか、良く似合ってましたね。ただ、歌も台詞もあんまり無かったのが残念(涙)。群舞やコーラスでちびちびソロ歌ってたけど、もっともっと気合い入れて芝居しながら歌えるような役がほしい〜〜〜!(本当に良い声なんですよ♪♪)

しかも。私は席が下手端だったので、オテロの場面のボックス席はネヴィル卿までしか見えず、水輝くんがいることもずっと知りませんでした(涙)。場面の終わり近くになって、ネヴィル卿の肩あたりに白いものがチラチラするなーと思ったら、水輝くんの白手袋の指先だった〜(泣)。

道化たちは、クリスティの如月蓮くんを中心に、結構出番も多くて大活躍。

如月くん、歌が面白かった!90期、ってことは、月でいえば響さんとか宇月くんあたりと一緒か〜、若いなー。(←月組に変換しないとわからない/汗)

「Hallelujah Go! Go!」で、礼音くんの金魚のフンしてた時といい、「シークレット・ハンター」のトウコさんの子供時代といい、良い芝居をする人ですよね。
ただ、すっごい可愛い笑顔を持っている人なので、3作つづけて子役が来たのも解るのですが。大人の男はどうなのかなー、と、ちょっとだけ不安も。(シークレット新公の麻尋くんの役は、あまり印象に残ってないな…)

同じく道化の稀鳥まりやちゃん。
ハロー!ダンシングで惚れ込んだ美少女ダンサー♪いやー、本当に軽やかですよね。彼女だけ立っているところが違うような気がするくらい、ジャンプも高いし、とにかく軽い!
本公演では残念ながら見つけられなかったのですが(涙)、次のショーはがんばるぞ!

この二人は、最近かなりお気に入りで、CSのニュースも星組フェアリーズを楽しみにしているくらいなんですけど(苦笑)。 
道化さんたちは、他のメンバーも皆可愛かったですね♪出てくるだけで幸せーな気分になれました♪

…そんなところかな。

とりあえず、

谷さん、演出はブラボー!ってことで♪♪


この夏。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行って、念願のショー「ウィケッド」を観て参りました。


劇団四季が「Wicked」の上演権を買うより前から、ずーっと念願だった「ウィケッド」ショー版。
実際の舞台と後先になってしまいましたが、それでも十分、楽しかったーーーー♪


本来のストーリーのうち、2幕は全面的にカットし、1幕をさらに半分くらいに縮めたダイジェスト版。
短いだけに登場人物も絞り込まれていて、2幕で大きな役割を果たすフィエロ(エルファバの恋人)やネッサローズ(エルファバの妹)などのメインキャラクターも全く出てこず、

メインキャストは南の善い魔女・グリンダと西の悪い魔女・エルファバ、そしてオズの魔法使いの3人だけ。
これに「翼ある猿」の首領と、あとはアンサンブルが10名弱、という構成で。



基本的に、台詞は日本語、歌は英語と日本語半々、という感じでしたが…(英語の部分のみ字幕が出る)、多分、大半の観客にはストーリーは理解されないままに終わったんじゃないか、と。
パンフレットには「オズの魔法使い」の謎解き、みたいな解説になってましたが、1幕までじゃ何の謎も解けていないし、そもそも、芝居として成り立つほど日本語が喋れるキャスト自体が少なかったし。

うーん、元の作品(「Wicked」)を観たことのない人が、あのショーを観てどういう感想を持つのか、すごーーーく知りたいです。


で。

元作品ファンにとっては、大満足なショーでした。

あ、いえ、ダイジェストの内容については言い出したらキリがないんですけど、あの時間(物語が解らなくても音楽の力でショーとして持たせられるギリギリの時間)に収めるには、確かにあれしか方法がないよなあ、と思うし。


とにかくメインキャスト3人の歌が素晴らしかったので、それ以外はいいです、もう。

特に、エルファバの歌唱力が素晴らしかった♪♪


「Defying Gravity」、本来の作品では一幕ラストを盛り上げる曲ですが、これがまた!本当にものすごい迫力でした!!

…っていうかこの曲、やっぱり英語詞の方が子音が強いので迫力が出るんだよね…。日本語は子音が弱いので迫力が出にくいんです。そもそも英語詞に合わせて曲も作られているから、盛り上がるポイントもズレないし。
あー、カッコヨカッタ♪♪


この曲って、邦題は「大空高く舞い上がるの」なんですよね、確か…。先日Wickedレポをアップして以来、「大空高く」で検索しておいでになる方が結構多いのですが…ごめんなさい、ここはウィケッドファンサイトではないんです(T T)。
この日記で「大空」と言えば、某タカラジェンヌさんのことをさしています(汗)



倒れそうになりながら、並んだりしつつ、1日で3回観たのですが(滝汗)。

エルファバ役は、多分二人観たと思います…(違うかも)。で、どちらも欧米系っぽかったかなー?
顔が緑色なので確信はありませんが(汗)。

グリンダと魔法使いはアジア系でしたが、日本人なのかな?あるいは日系アメリカ人とか?と。
現地(日本)人キャストにしては英語が上手すぎ…とか思ったのですが。

テーマパークだからキャストのプロフィールは公開されていない(そこにいるのはエルファバでありグリンダだから)のは当然なんですが、一部のマニアのためにこっそり教えてくれるなんてことは………ないか(涙)。
うーん、知りたいなあ。



というのはおいといて。
ショーとしての質も大変に高かったですし、良かったです。
これが入場料のみ追加料金なしで観られるなんて、テーマパークってすごいなあ♪と幸せな気分で☆


宝塚も、元はファミリーランドのショーから始まった……んでしたっけ?
こういうモノを、手抜きせずに全ての力を注ぎ込んで完成させることができる余裕というのは、貴族的、というか、安定した裕福な社会でないとできないことですよね。

宝塚が始まった大正時代の日本というのは、今わたしが想像しているのより、ずっと裕福な時代、あるいは貧富の差が大きい時代だったのかもしれないなあ、なんてことを考えたりしつつ…

テーマパークに散らばる、一夜の夢。
私が宝塚に通うのも、夢を拾いに行っているんだな、と再認識した夜でした♪



.
月組83期の宝生ルミさんが、東宝公演を最後に宝塚を卒業されるとの発表がありました。

絵理さん、末子姐、ななちゃんに加えての退団発表。
せっかく幸運にも大劇場の楽を観ることができて、東宝は観られなくて当たり前だし諦めよう、と思っていたのに…諦めきれなくなっちゃったな…(涙)


昨年、ゆらさんが卒業された時には、まだ私にも余裕がありました(涙)。
淋しいけど、辛いけど、月組にはまだ末子姐がいる!って、ね。

末子姐の卒業が発表された時、私は一生懸命自分を慰めました。

淋しいけど、辛いけど、

…これでルミ姐さんにも役がつくようになるよ!!、と…


ルミ姐、

ルミ姐、

…ルミ姐、

あなたの人生だから、あなたが選んだ道を真っ直ぐに進んでくれればいいのだけれど。
私が文句を言うスジではないのだけれど。

…でも、やっぱり言わずにはいられません。

何故今なの?と…。


「ハリウッドラバー」でのルミ姐の役、アレかコレかとロイロイロ考えていたのに!!(←そんな勝手な妄想に責任とれません)


月組の女役が、とか、そんなのはもう、どうだっていい。
ただ、ルミ姐がルミ姐だから好きでした。ルミ姐が豪快に踊っている月組が好きでした。

僅か一週間のお稽古期間では、場面も立ち位置も変えるのは難しいでしょうけれども。
最後の公演、最後まで応援しています…m(__)m。


.
週刊連載第三回です。(…あと何回続けるつもり…?)


まずは、ザ・男役、磯野千尋さんで「ジタン・デ・ジタン」。

歌い終わった後のトークで、大浦さん(同期なんですねっ!)がショーで歌った歌で、大浦さんが退団なさった後に全ツで回った時に歌わせてもらった曲です、と、しみじみと語っていらっしゃいました。
その時は、へー、そんなことがあるんだー、と思っていたのですが。…今、じゃないや(すみません)、将来でいえば、水さん退団後(ごめんなさい)の雪組全国ツアーで、ハマコさんが主題歌を歌うようなもんなのかな…?いかにもありそうな話でしたね(^ ^)。

前半はちょっと音程が不安定な処もありましたが、伴奏が聞こえにくかったのかも?途中で耳をすますような仕草をされていたので…。ま、語りのメロディなので、たまに歌うには難しい音程なんですけれども。

中盤の「ライライライライ…」、聞き慣れたもの悲しいメロディから、転調した先の盛り上がりは、さすがでした。
音のキレが良い、っていうんでしょうか。声のキレ、かな。
「パッパヤ、パッパヤ…」というリズムが、弦をかき鳴らすような伴奏とあいまって、心を沸き立たせる力があるんですよね。

ところどころちょっと危ういところもありましたが、全編通して、ダンスも歌もとにかくカッコイイ、「究極の」男役、と言いたくなるような舞台姿でした。

放浪者の悲哀と、
それだけではなく「追いだされたのではない」という自覚と自信、
その両方を両手に抱えて歩みを止めない人々を、本来はダンスと両方で表現する場面なんでしょうけれども(←観ていないので想像ですが)、歌だけで表現する表現力はさすがでした♪


二曲目は「So in Love」(キス・ミー・ケイト)。
コール・ポーター畢生の名曲。こういう重みのある歌い手に歌って貰えて、音楽も嬉しかったんじゃないかな、と。
ワンコーラスだけでちょっと物足りなかったのですが、「ジタン・デ・ジタン」が大曲だから仕方ないのかな…。



次に、萬あきらさん。
曲はシャンソンから二曲、「貴婦人」と「ジプシーの恋歌」。

萬さん、今の月組公演ではほんのちょっとしか歌ってくださらないのですが(アクション担当だそうなので/笑)、

……もっと歌おうよ!歌ってください〜!、ねぇ!


トークでは深緑夏代さんに対する憧れを語り、「いつか、この歌を歌える年齢になったら歌ってみたい、と思っていた」、とお話された萬さん。


シャンソンって、一曲がひとつのお芝居なんですね…。

「ジャック・ブレルは、今日もパリに生きて、歌っている」という音楽作品がありますが(OGも結構出演されていますね)、
あれを観た時に、私は初めて「シャンソンってお芝居なんだ…」と気づき、それ以来、シャンソンはどんなに巧い人が歌っても、芝居としては割と「ふうん」になりがちな分野だったのですが。

萬さんの、柔らかで深みのある、まろやかな声。
…男役の歌、として聴くとちょっと弱いのかもしれませんが…


「貴婦人」の語りかけは、まるで朗読劇のようで、
瀟洒だったはずの邸を、遠い瞳で見凝める、姿勢のよい老婦人が浮かぶ。

壁に掛かっていた絵も、アンティークの家具も、もう私のものではないの?なぜ?
それは皆、わたくしがいただいたものなのに……!

喪った過去、幻の舞踏会。さんざめき、揺れ動く、美しいひとびと。
そんな幻に生きることさえ、もう明日からは出来ないのか、と…。


そして、「ジプシーの恋唄」。

「貴婦人」よりは、少し男役っぽい響きの声で。
ドラマティックに語り、歌い、踊る。
「ジタン・デ・ジタン」とはまた全然違うジプシーの姿を、バウの空間に描き出す…。



そして、次は一樹千尋さん。
曲は二曲ともロンドン・ミュージカル、っていうか、「レ・ミゼラブル」から二曲。
ジャベールの「星よ」とバルジャンの「彼を帰して」。

ロンドン・ミュージカルの傑作中の傑作から、それぞれ主役と準主役が歌う「一番有名な」を争う二曲をまとめて歌うなんて…若い子たちのエンカレッジ・コンサートだって、こんな荒技使った子いませんよ?一樹さん。

…と思いながら、プログラムを閉じて聴き入りました。

「星よ」は、正直ちょっと拍子抜け。
いや、あの、いくらベテラン専科の歌声でも、この歌はハイバリトンの美声歌手が朗々と歌うのには、どうしたって敵わないんですよ…。
一樹さんなら、いっそのこと「自殺」を歌ってほしかったです(^ ^)。



そして、次の「Bring Him Home」。

「星よ」は、一曲丸々発声練習だったのね、と深く納得させられました……(涙)。

まず驚いたのが、「Bring Him Home」の原詞の和訳を、伴奏に合わせて朗読してくださったこと。
ほぼワンコーラス丸々語ってくださったんじゃないかな。

確かにこの歌、わりと前奏が長いので(場面転換を兼ねているから)、コンサートで歌うと間が持たなくなりがちなんですけど(苦笑)、ま、そんなことは編曲でどうにでもなるわけで。

実際のところ。
この曲の東宝詞はイマイチというか、あまりにも原詞の意味が深すぎて表現しきれていない部分が多いので、和訳をそのまま語ってしまう、っていうのはひとつの表現としてありだったな、と感心しました。
バルジャンが、愛する娘の恋人を「まるで息子のようだ」と慈しみ、彼の無事と幸せを神に祈る、この美しい作品の中でももっとも美しい場面の、彼の心を。
哀しいほど真っ直ぐに、語る。

ただ透明に美しいのではない。
コゼットという娘に捧げる愛情の純粋さにおいて、こいつには負けない、という気持が、微かな濁りとして彼の中にも、ある。
それでも。
その濁りさえ、祈りという光に昇華させるだけの気持を篭めて、

ひそやかに身のうちの神に語りかけ、

天の神へ届くように、と、作曲者が祈りを篭めた上昇音階を、テノールのハイトーンを、やわらかく歌いあげる。

…英語で(←ここポイント)。



レミゼマニアの猫は、久しぶりのこの曲で泣きました…。

というわけで。
あらためて落ちた「オジサマ」は、一樹さんです♪



一幕のトリは、矢代鴻さん。

またがらっと雰囲気が変わって、ジャズを二曲。

カッコイイ人だよなー、この方は。
聞き惚れるのは当たり前なのですが。最近、それ以上に見惚れてしまって困ってます。
「マジシャンの憂鬱」の新聞記者も格好良すぎ!

ジャズのリズム。
自由自在。

じゆう、じざい。


ジャズ、っていうのは、こういうモノよ、
ありのままで、自由なものなのよ、と、

全身で教えてくれる舞台姿。


私はあと、何回この人の歌を聴けるのでしょうか…。
(月組公演であと10回くらいですかね/汗)。



トークもさらりと軽やかに。
「賞味期限ギリギリ」まで」なんぞと、怖いことも仰いましたが。


そんなことは、今は忘れて。

自由自在に、音の世界に遊ぶ。
ありがちな決まり文句ではなくて。

本当にそういう人が、ここにいる、と、
ここで、こんなにも、宝塚を愛している。


宝塚を愛し、
宝塚に誇りを持って、

今日までを過ごしてきた人たちの。

皓く輝く、歌の翼に乗って、


どこまで行こう?
どこまで行ける?

でも今は、

…Intermission……。(←もしもし?)



今日はおとなしく専科エンカレの続きを書こうと思っていたのですが。

はじめて、「柊巴」で検索して来てくださった方を発見したので!!
記念に(←意味不明)らぎちゃん話をさせてください(*~ ~*)。



梅田で「星影の人/Joyfull!2」を観てから、もうすぐ2週間。

……もう一度観たい!病は進行中でして(汗)。先日も、某オークションをぽけーっと眺めていたら、『「星影の人」最前列センター』という文言に思いっきり反応して、あやうく入札してしまうところでした(汗)。絶対行けないような日程だったのに。

っていうか。
そもそも、お目当てが水(夏希)さんかキム(音月桂)ちゃんだというなら、大枚払う価値があるかもしれないけどさ。
…らぎちゃんは、基本2列目だよ?
ひろみちゃんは、今回ほぼ全場面最前列だったけど、端も多かったよ?二人とも、最前列センター席からなんて見えるかどうかわからないよ…?


実際私は、梅田は結構運が良くて、下手サブセンターの10列目あたりなんていうところで観ることができたのですが。
…ひろみちゃんはいいけど、らぎちゃんはショーの出演時間、半分は見えなかったですね。必ず誰かとかぶってた(T T)。

背が高いので、眉毛から上くらいは見えるんですけどね(爆)、

っていうか、それで判別できる自分ってどうなんだろうと突っ込むべきかも………。



もとい。
表題に沿った話を。

やっと、CSの雪組全国ツアー「NOW ON STAGE」を見ました。

トークはひろみちゃんに激落ちして、「あのカッコ良くて渋い山南さんはどこへ行ったの、ねぇっ!?」と画面の前で叫んでいたのですが。

…らぎファン的にも、実においしいトークでした♪


水くんの「…で、どう?彼が変わって」という前振りで、カメラがいづるん(天勢いづる)に回る。
ピンクの着物をすっきりと着こなしたいづるんが、控えめに微笑んで
「そう、彼が……彼が、替わりました(にっこり)」


……か、か、か、かわいいいいいいい〜!!


中日のナウオンは、残念ながら録り損ねて見ていないのですが。

あの時はテル(凰稀かなめ)ちゃんといづるん、カップルで出た…ですよね?あの時も、いづるんはあんなに可憐に可愛らしかったのでしょうか〜!?

ある意味、トークに出演していろいろ語ってくれるよりも、こういうふうに、出演していないのに話を振っていただいて、(本人のいないところで)イロイロ語っていただける方が、ファン的にはオイシイかもしれないなー(はぁと)、と思いました。


池田屋事件の後の、舞台上で着替える場面が「大難関」だ、とか言う話も、本人がいたら、もう少し違う話になったんじゃないかなーと思うんですよね。
「どんどん脱いじゃってね」「襦袢のまま立つんじゃないかと思った」っていう、上級生たちのすごーく正直なコメントが、なんだか愛に溢れていて。

ああ、らぎちゃん可愛がられているんだなー、と、すごく嬉しくなりました♪


それもこれも、役替わりメンバーに必ず話を振ってくれる、組子思いのトップスター様の配慮があったからこそ、なんですけどね…。
水しぇん、本当にありがとうございます♪



しかーし。

…いづるんのファン的にはどうだったのかなあ、と、それだけが心配です。いづるん、基本的に「ウチの桂」の話しかしてなかったもんな(滝汗)。いいのかなー、そんなんで、とドキドキしてしまいました(笑)。
ごめんなさいごめんなさい…。でもでも、本当にありがとうございましたm(_ _)m。



『ダメだしで「井上!」って言われると「はいっ」と返事をしてしまう』桂小五郎さんの話が、ねこ的には一番のヒット(^ ^)。
『もぅ、ありえません…』と嘆くいづるんが、画面には映ってないんですけど声がメチャクチャ可愛くて、表情とかもすごーく想像できてしまって…もうメロメロです。

そして、カメラが戻ると、いづるんがらぎちゃんの物まねをしてくれる。

……可愛い………



いづるんが可愛いのか?(←もちろん可愛いです)

それとも、モデルになったらぎちゃんが可愛いのか…?(←ノーコメント)




そして。
ひろみちゃん!

なんなんですか、その色気は。
トークは「可愛いひろみちゃん」でいくんじゃなかったの!?

隣に座ったハマコさんを、無言の笑顔でじぃーっと見詰めて、手の甲で膝上あたりを軽くはたく、その仕草。
…お芝居で土方さんに膝枕していた花帆杏奈ちゃんと同種の、はんなりとしたいろっぽさで。
画面越しでもドキドキしてしまいます。

しかも、二回もやってくれて(笑)。
わかったよ、ハマコさんと仲良しなのは解ったってば(!)

…会話になってさえいない、実にほのぼのとした二人の、その長い長い「間」を。えんえんと映しているカメラワークも、凄い確信犯でしたねぇ…。いいのか、あんなの流して…?



ひろみちゃん、本当に大人になっちゃいましたねぇ…。
可愛い可愛いと思っていたのになあ。
なんであんなにエロかっこいいんだ。(←どっかで聞いた形容詞だな)





…月組ファン的には。

トークの出演者6人のうち、水くん、となみちゃん、ひろみちゃんと、半分は「元」月ッ子だ〜♪、と思いながら見てました(笑)。

トップコンビのお二人については、本人的にも周り的にも、もう「元月」っていう印象は弱いのかもしれませんが。やはり舞台を観るたびに、ああ、三つ子の魂百まで、って本当なんだなーと思ってしまいます。
月組で培われたものが土台にあって、そこにそれぞれの経験が肥料になって独特の華が咲く。
それが宝塚の「スター」だから。


組替えで異動していった「月ッ子」たちの、今後の活躍を祈ってやみません。




というわけで。
CSに「出ていない」らぎちゃんの話、でした(←どこがだ)




星組大劇場公演「エル・アルコン/レビュー・オルキス」の集合日だったんですね、今日は。

…まずは。
退団者の発表がありました……。

  彩愛ひかる
  綺華れい
  南海まり
  銀河亜未
  遥奈 瞳


………(無言)。


残念ながら、89期の遥奈瞳ちゃんは認識できてないかも(涙)。
おとめの写真を見た感じでは可愛らしい人ですが…。うーん、最後の公演でわかるかしらん?(不安)


85期の銀河亜未ちゃん。
ヘイズ・コードの助監督(でしたっけ?)がすっごい良かったんですよね〜!!監督代理を命ぜられた時のオタオタ演技が可愛かったなぁ♪


同じく、85期の南海まりちゃん。
日生劇場「KEAN」を観ておいて、本当に良かった!!

みなみちゃんを最初に覚えたのは何だろう…。「ヴィンターガルテン」の準ヒロインが最初かな?
…ノルさんベルばらの子アンドレはウメちゃんだよね?うん、多分ヴィンターガルテンですね。準というか、事実上のヒロインでしたが。
可愛くて、歌えて、スタイルが良くて芝居が出来て。
このままいけば、それこそトップ娘役なんて歯牙にもかけないような、素敵な女役になってくれるだろう、と、すごーーーくすごーーーくすごーーーーーーーーく期待していたのに……。

「KEAN」のエレナを観ることができて、良かった。
最後の公演でシグリットが来たのも、すごく嬉しい。

あの可愛いみなみちゃんが、「ヴィンターガルテン」の斉藤さんの作品で卒業していく。
演出家に愛されて、大事にされた9年間の重み。

最後まで、大輪の花を咲かせ続けてくださいね…

…………(号泣)。


84期のゆかり(綺華れい)ちゃん。
博多座行けばよかったぁーーーーーーーーっ!!

キレイな、キレイな、キレイな人。
宝塚が見せる「夢」の、ある一側面を、立ち姿で体現していた人。

あれくらい美しいと、その存在だけでドラマになるんだという、舞台空間のヒミツを教えてくれました。
巧い人ではなかったけれども、常に、“彼女にしかできない仕事”をしてくれていた。だから、常に目が離せなかった。

ゆかりちゃんのいない星組。
ものたりなくなっちゃうんだろうなぁ………(←ただのゆかり中毒だろうソレは)

最後の役がニコラス、っていうところが、さすが「厳流」の清十郎で大当たりを出させた斉藤さんらしい愛情ですね。嬉しいけど、けど、……なにか残念。

…みなみちゃんも、ゆかりちゃんも。
衝撃すぎて涙も出ません。

84期、
85期、
新公卒業して研10前後、中堅として本公演での役がつくあたりの人たちが、こんなふうにポロポロと抜けていく。

組ファンだけではなく、他組ファンにも顔も名前も知られた、中堅の個性派が、

こんなふうに、ぽろぽろと。

寂しいです。
哀しいです。
切ないです…。


81期の彩愛ひかるさん。
ヘイズ・コードのリンダがすっごいコミカルで忘れられません!お堅いのに、酒が入るとコロッと替わるあたりとか、すごく巧かったなーーー。
月組でいえばルミ姐(宝生ルミさん)のような存在なのでしょうか?美人で芝居が出来て、存在感のある人。

…いつまでも活躍してくださると思っていたのに、と嘆いていらっしゃる方も多いでしょうね…(T T)。

いつだって、退団のニュースは寂しいものですが。
それにしても。

……みなみ、ゆかり……(T T)

「厳流」で人気を得たゆかりちゃん。
「ヴィンターガルテン」で大役抜擢されたみなみちゃん。
今回の大劇場公演が斎藤さんの作品でなかったら、二人とも辞めなかった可能性もあるのかなあ……?(←言っても詮無いことを…欝)



そして。
今日のニュースが、もうひとつ。

星組新公配役。

主役のティリアンを、ともみん(夢乃聖夏)さん(!)
ヒロインのギルダを、稀鳥まりやちゃん(!!)

私が星組「ハロー!ダンシング」で落ちた、ともみんさんとキトリちゃんが!

おっきなともみんとちっちゃなキトリちゃんが!(←それは関係ない)

いやーーー、びっくりしました(*^ ^*)。

他の配役は、キャプテン・レッドを麻尋しゅんくん、しいちゃんが演じるジェラード・ペルーを鶴美舞夕さん、琴まりえさんのペネロープを蒼乃夕妃ちゃん、まで発表。

…うーん。
宙組「バレンシアの熱い花」の時、ちぎ(早霧せいな)ちゃんのキャラクターにはフェルナンドよりラモンの方が合っていたので、そっちが優先で決まったみーちゃんフェルナンドだったのかな、と思ったりもしましたが。
今回も、どちらかと言えば可愛いタイプの麻尋しゅんちゃんのキャラクターにはティリアンよりキャプテン・レッドの方が似合いそうなので、そういう配役になったのかなー、と思うのですが。

でも。

雪組のキム(音月桂)ちゃんが、あの可愛らしい容姿で必死に土方に取り組む姿を見るにつけ。
「この人は轟さんが演じた“岩崎弥太郎”に挑戦した人なんだよね…」と思うんですよね。

このタイミングで、ともみんにティリアンが回ってきたことは、ファン(←え?)として大変に嬉しいことなのですが。
ここまで苦労して育ててきた麻尋くんが、今度こそ殻を破るチャンスだったんじゃないのかなー、とも思ってしまいますね…。
キャプテン・レッドじゃあ、まぁ斎藤さんの脚本次第ではありますけど、多分今までの麻尋くんの抽斗でまかなってしまえる役になってしまいそうで。なんだかとっても勿体ない感じ…。


それにしても。

最近の私が落ちた人の「扱い上昇」率って、なにげに凄くないですか?
雪組がひろみ(彩那音)ちゃんとらぎ(柊巴)ちゃん、
宙組がみー(春風弥里)ちゃん(と七帆くん)、
そして星組がともみんとキトリちゃんと水輝くんと紅くん、なんですけど?

ら、ら、来年は…麻尋くんと水輝くんと紅くんが揃って研7ですが、なにか…?(滝汗)


…今回の新公。
羽桜しずくちゃんは、ぜひぜひシグリットでお願いしまーーーーす♪
水輝くんとベニーの役も期待♪♪

ねこは斎藤さんとは趣味があうので(はぁと)、その辺りは絶対に!外さないでいてくれると信じています♪♪

きゃー、楽しみですーーーー♪♪絶対チケット取るぞ〜♪


卒業される4人の方にとって、悔いのない公演となりますように、
そして、
宝塚の「これから」を背負っていく若手にとっても、幸せな作品になりますように、

星組のみなさまの、幸福を祈っています。


月組や星組の退団予定者のことを考えると悲しくなるので。
とりあえず、(私にとって)楽しい話題を。


というわけで、雪組全国ツアー公演「星影の人」について、

全体的な感想はもう書いたので…細かいところの落ち穂拾いさせていただきます(*^ ^*)。



プロローグ
初日一回目は、結構終わり近くなるまでらぎ(柊巴)ちゃんが居ることに気が付かず(涙)。2回目はすっごい最初からガン見でした(笑)。
えーっと、衣装の色は紫?だっけ?なんか濃い色でした(←源さんの色とごっちゃになってる気が)。前半は上手、いったんハケて次に出てきた時は下手、だったかな…?(←次に出てきた時も上手だけど、素振りをしてから下手に移動してました)

短い出番ですが、桂さんの化粧とはちょっと違えてるような気がします。どこがどう、って言えないんですけど、精悍で良い感じでした(気のせいかも)。っていうか、ホントに美形なんだよこの人…(惚)。
あまり剣道には詳しくないのですが、腰が入った良い姿勢ですよね、っていうか、既にファン視点すぎてもうダメな気がしてきました……

……落ち着け自分。

この場面では、近藤・山崎・土方・山南が、センターでぐるぐる回りながら順番に剣を振るう処がとても好きです。
重厚な近藤、軽やかな山崎、派手やかな土方…山南さんは鋭く来てほしいけどちょっと可愛さが残る、って感じでしたけど(笑)。がんばれひろみ(彩那音)ちゃん。

もちろん、最後に登場する沖田の剣はまた別格にかっこいいです♪



芸者さんたちの総踊りがあって、雨の祇園へ。玉勇さんとの出会いの場面♪♪
「傘、お持ちやす」というとなみ(白羽ゆり)ちゃんのまろやかな声がとても好きです。でも、最後の挨拶だけ、微妙にアクセントが関東っぽいのは何故なのかなあ…。

…そういえばとなみちゃん、ナウオンで「何かトラブルがあっても、京言葉でアドリブは出来ません」みたいなことを言ってましたね。舞台で使う以上「なんちゃって京都弁」って訳にいかないし、やっぱり難しいんでしょうねぇ…。

おゆきの千風カレンちゃん、達者ですね〜。こういう役って日本物には欠かせない存在なんですけど、可愛いなあ。中日は同じく90期の愛原実花さん。うーん、ごめんなさい、一回しか観てないから全然覚えてないや…(T T)。



屯所。

「新撰組局中法度」のお披露目、じゃないのか、入学式みたいなものなのでしょうか?

近藤さんの両脇を固める永倉新八(奏乃はると)、原田左之助(真波そら)、井上源三郎(沙央くらま)。
…立ち姿にキャラクターを出すのって難しいのに、3人とも良くやってましたね♪

永倉のにわにわと原田のそらちゃんは、元武士らしく姿勢良く、辺りを睥睨するところも、メヂカラがあるので迫力があってかっこいい!
源さんのコマちゃんも、普段のイメージからすると随分精悍に顔も姿勢も作り込んで、がんばってました!初日はだいぶ緊張していらしたみたいですけど、だんだんこなれてきて、今頃は更に良くなっているんじゃないでしょうか♪新入隊員の奥に座っているのでちょっと目立たないんですが、もうちょっと「大物感」というか、目を惹く何かがあると更に良くなるんだけどなー…。

佐藤くんの谷みずせさんと、高木くんの大湖せしるくんは、ボケボケ美形コンビで目の保養☆
おみよのシナ(山科愛)ちゃん、可愛すぎる。…お持ち帰りしていいですか?(惚)…っていうか、おみよちゃんの気持にくらい気付けよ沖田。

飛鳥組長の医者と一緒に登場する早苗のかおり(晴華みどり)ちゃん。大柄な身体に袴がよく似合いますね。この時代でこの服装っていうのは、男装に近いのかな…。有能で小賢しい感じが良く出ていました♪マダムヴォルフも良かったけど、やっぱりこういう役の方が似合いますね♪

八木家ご隠居(灯奈美)とのほのぼのとした場面をはさんで、山崎丞(未来優希)が駆け込んでくる。
「〜〜に敵が!」

グッと引き締まる空気感。

ここの土方さんの変貌ぶりがいいなあ〜、と。テンションの上げ方を知っている男役は強いですね。

土方 「おみよ、今日の宴会は取りやめだ!」
おみよ「ハイっ!!」

という、緊迫感に満ちた遣り取りで幕が降りると。



場面かわって、祇園。

チン、トン、という、呑気な音が流れて、舞妓さんが歩いている。
「お座敷は取りやめになったけど」、いつもどおりの風景……

加代(花帆杏奈)と安紀(純矢ちとせ)の、なにやら意味深な会話。ネタバレしてしまえば、この二人は土方に恨みを持っていて、新撰組のお座敷が取りやめになったことを悔しがっているわけですが。

…85期・杏奈ちゃんの、やわらかな含み声に惚れました(*^ ^*)。こういう声の人って、最近少ないですよね。他の組にもあまり居ないような気がします……。
仕草もはんなりと麗しくて、ドキドキします。「ぉこんばんはぁ…」と、せーこちゃんと一緒に挨拶する声の美しさに、もうメロメロです。桂の行方を追及する隊士たちに「知りまへん」とイケズに応じる仕草とか、めっちゃ可愛いよ〜〜〜!!
89期・せーこちゃんも可愛いけど、どちらかというとちゃきちゃきなイメージがある人(声も仕草も)なので…
京女のイメージを作るのって、難しいんでしょうね。杏奈ちゃんは本当に、さりげないんだけど本当に巧いんだなーと思いました♪



そして。

いったん全員がハケて、
場面タイトルになってる人(桂小五郎)が、下手袖から登場。(照)

い、い、いいんですかこの人、舞台にこの人一人しかいないんですけど、しかもスポット2方向から来てますけど、間違ってないですかその照明、

……ドキドキドキドキ。

脚を斬られて引きずっている設定の、虚無僧姿。

…いや、そりゃーもちろん虚無僧は虚無僧なんですけど、あの深編笠はどこへやっちゃったの?逃げる途中で落としちゃった?
深編笠を被りもせず、その美貌を晒して歩いていたら、そりゃーすぐ掴まると思うよ?…って、そういう話ではないんだってば。

正直に言えば、歩き方というか引きずり方はちと不思議な感じ。ご本人的にはどこを斬られた設定なんでしょうか…。痛そうな顔をするタイミングがいつも違うような。
っていうか、そんなところまで凝視している私ってどうなの、ねぇ。(←動揺)

舞台を下手から上手へまっすぐ横切る桂さん。

と、上手から沖田が登場。
ぶらぶら歩いて……

ふ、と止まる。

らぎちゃんの桂さんは、警戒心強すぎて、気の立った猫みたいな目をしていらっしゃいました。
あの目が好きです。世界を拒絶する瞳。せっぱ詰まって逃げ道を探している目。


……あの目『も』、好きです、というべきか…。


対する沖田くんは、ごく平静な澄んだ瞳で。

しかし、仕込み杖から剣を抜いて斬りかかるところが、微妙に自棄っぱちっぽく見えたのは少し残念だったかも。
あれこそ、流麗に居合い抜きで斬りかかって、…でも脚が痛くてちょっとよろけてしまったところを沖田に押さえられる、みたいな感じに流れると格好良いと思うのですが…

…宝塚の殺陣にそこまで求めるのか、猫よ…?

だって!

水くんもらぎちゃんも、どちらも殺陣の魅せ方を知っている方なんだもん!ついつい望みが高くなってしまうのしょうがないんだもんっ!!

…作品中で2回ある立ち合いで、それぞれの色を見せてくれるといいなあ、と思っています♪

「新撰組の沖田が俺を知っている?何故だ」という声が、ちょっと予想外の声だったのでびっくりしました。見た目よりずっと枯れた、男っぽい声なんですね。
歌声はあんなに艶やかなのに…(*^ ^*)。

でもなんだか、あの声と貌のギャップがまた、“荒れた生活をしている不逞浪士”らしく見せることに一役かっていると思うんですよね。
中日の井上さんの時は、普通に「良い声だなあ☆」と思っていたので…今回はわざとあの声を作っていらっしゃるのでしょうか……だとしたら、凄い人だなあ……(←ほんとかよ)(喉に負担かかりすぎるからソレ)

幾松さん登場。
沖田に指摘され、「俺のことは随分と良く調べているようだな」と言う時の自嘲に満ちた笑い方。
なんだか、そういう貌をする人だとは思っていなかったので…

何もかも、驚くことばかりです………。


桂さんって、本当に出番で言ったら僅かな時間しか舞台上にいらっしゃらないのですが。
少ない台詞、目の動き、幾松を抱き寄せる時の手つき、そういったもので「人物」を見せる…それって、ホント芝居の基本なんだよね…。
まだ初日の2回しか観ていないので、今頃どれだけ進化していることか、と。

……うぇーん、新潟行きたいよ〜〜〜(涙)。


桂と幾松の、ラブラブカップルを見送った沖田の、
「そうだ、傘、返さなきゃ…」
という呟きが。

すっごく甘くて。
優しくて。

…柴田さんの脚本って、やっぱり凄い!!と、あらためて感動しました。

桂と幾松の“偕老同穴”ぶりをシミジミと見送って、ふ、と
…さっき会ったばかりの芸妓を思い出す、それが、恋ーーー。

切ないほどに、彼女のことを思い浮かべる。
命を賭けた遣り取りの直後に、雲間に顔を見せる太陽のように、

帰依する菩薩像を、思い浮かべるように…。



そして。
歩き出したところで、

玉勇さんたちが登場する。


それこそが、運命。

沖田と玉勇の、なんとも初々しいというか、ぎこちない逢い引きの約束を、じっと見守る舞妓ちゃんたちと姐さんたちがとってもステキです。
中でも、きゃびぃ(早花まこ)と穂月はるなちゃんの舞妓コンビが超可愛い。「ヤンヤ、ヤンヤ!」という穂月さんの合いの手が、本当にめっちゃキュートで大好きです!
騒いでいる二人をピシッと叱るのはゆめみ姐さんですか?(←違っていたらごめんなさい)。声が暖かくて良いんですよ♪

この場面の玉勇さんって、本来ならもっと姐さんらしく、色っぽく落としにかかるべき役なんでしょうか…?

となみちゃんって本当に天然素材の天使なので、ただただ思いついたことを口に出してしまっているようにしか見えないんですよね……なんて可愛いんだろう、本当に(感涙)。

“エリザベートは天使である”という、今までに無いシシィ像を作りあげたとなみちゃんなので。年下の純粋な美少年を口説く姐さん芸妓を、天然の姐さん天使でやってのけるという荒技も可能なんだろうか…。

中日の時は、物凄く可愛いけど頭はちょっと軽そうな雰囲気の役づくりになっていましたが、今回のはまた、斬新な女性像ですね。

となみちゃんの“キャラ勝ち”というか、“キャラクターの印象が強すぎる”舞台姿は、舞台の完成度を上げもすればぶち壊しもする、危険な諸刃の剣だとは思いますが。

でも、私はやっぱり、となみちゃんの「元月娘」らしい体当たりっぷりが大好きですし、水さんにはそれを受け止める度量が十分すぎるほどある、と思っているので☆
そのままどんどん、いっちゃって欲しいような気がしています…(笑)。

すでに4000字を超えてしまったという勢いなんですけど…
続きはまた、近いうちに……

新潟公演、というか、梅田以降の公演、どうなんでしょうねぇ。
ホント早いところ関東に来てほしい…。どうして月組とかぶるんだ雪組さん(涙)。



雪組全国ツアー公演「星影の人」の続き、です。

…昨日は、ついつい勢い余って「星影のらぎちゃん」というタイトルで書き出してみましたが、考えてみたららぎちゃんの話ってほんのちょっとなんですよね。
だって、舞台上にいないんだもん(涙)。

一時間半強のお芝居で、舞台の上にいるのはせいぜい…プロローグをいれても多分、10分くらい。
でも、「出番少ない」感を与えてしまったら失敗の役なんですよね、桂小五郎って。短い時間に強烈な印象を残さないといけない役。
…らぎちゃんの桂はどうなんでしょうか。私は既にファンなので、その辺りのバランスがサッパリわからないのですが……。
(凰稀)かなめちゃんの桂は、物凄い美貌でスタイル良くて、印象的でしたけど。でもでも、らぎちゃんも美形度とスタイルだけならそんなに大きく負けてはいないと思うんだけど(←贔屓目すぎる)、

…華がある、と評価される人のファンにはなったことがないし、今後なることもないであろう猫には、よく解らないんですよソレって………(涙)


ま、そんな戯れ言はおいといて、
建仁さんの境内の場面。

ひろみ(彩那音)ちゃんと(涼花)リサちゃんの逢い引き。
しっとりとお似合いの、花のようなお二人です♪
中日で観た時はちょっと、こそばゆさも感じたひろみちゃんですが。今回は本当に良かった!沖田が現れたときのびっくり顔が最高に可愛いです(笑←可愛くて良いのか?←可愛いからいいの)。

リサちゃんは更に可憐さに磨きがかかった気がします。本当に良い娘役さんだなあ……
私は「さすらいの果てに」の時から好きでしたけど、決定的に好きになったのは「堕天使の涙」新公のジュスティーヌ(五峰さん)だったんですよね。声に深みがあって笑顔がすごーく可愛くて、そして、薄倖感があるの(*~ ~*)。
見守るおしま(ゆり香紫保)の存在感も、出過ぎず引きすぎず、ちょうどよくて、彼女の運命(廓の外に出られない)を印象づけて。

山南さんの「彼女を知って、私は少し変わったような気がする…」という述懐に、真情がこもっていて…その後を知っているだけに、既にココで泣けてしまいます。

また、その述懐をニコニコと意味わからなげに聞いている“沖田くん”が、また最高に可愛らしい(笑)。

「君には解らないだろうな…」
「わかりますよ!」
「ほう、そうか、君にもわかるか(笑)」

という、朗らかなひろみちゃんの声、が、

違和感無く山南さんの言葉に思えて。

…たったそれだけのことで胸が熱くなる私は、多分相当なひろみファンなんでしょう…(汗)。


山南さんの後ろ姿を見送る沖田に、玉勇の声がかかる。

逢い引き。

元々大人っぽい男役だと思っていた水くんですが、声が若いので、仕草や姿勢に気をつければいくらでも若くなれるんですねー。初々しい、という形容詞がこんなに似合う研15(?)も珍しいってくらい初々しいです。ハイ。
未だ健康にはなーーーんの不安も抱いていない沖田。
剣の道に生きると決めてはいても、近藤や土方の夢が叶うまで、恋はしない、と決めてはいても、まだまだ未来を信じている、
そんな、

まだ修羅を知らない若者の、澄んだ輝き。

それが、

うらやましくて、いとおしくてならない仲間たち。
ぞろぞろ出てくる山崎たち新撰組の一行が、最高に楽しいです。
山崎ハマコさんも、永倉にわにわも、原田そらちゃんも、井上コマちゃんも、皆いいカンジだよーーーー、ホントに♪♪

互いに命を預けあった仲間たち。
戦場では対等でも、こういう場では人生経験がモノをいう…と言いたいところですが、この連中、大した人生経験をしていなさそうなところがまた、とてもステキです☆いやー、短い場面なんですけど、ホント楽しい場面ですよね。柴田さんも、新撰組の一人一人よくキャラクターを考えているよなあ…。



「新撰組のお座敷」での八千代獅子。
上手花道から染香姐さん(灯奈美)、下手花道から鈴扇を持ったとなみちゃん。
日舞の難しいことはよくわかりませんが(←何なら解るんだ)、染香姐さんの腰の動かなさは凄いなー、と。扇の鈴に合わせて首を回すところがすごく綺麗です。
本舞台に並んで背を向けると、染香姐さんが松緑、となみちゃんが赤。キレイに映えて、年輪を感じさせる。いい衣装♪
言葉はないけど、ふ、と客席に恋しい顔を見つけた玉勇がほほえんで「沖田はん…」と名を呟く。…恋、を印象づける、見事な場面ですよね。
柴田さんって、こういうところは本当に巧いと思う。

でも、…ちょっと観客を選ぶというか、高度なのかもなあ…(涙)。


舞が終わると、場面は主役を離れて、そのまま中庭へ。
今度は土方の逢い引き。

初日の日記にも書きましたが、ここのキム(音月桂)ちゃんの色気は凄い!
(花帆)杏奈ちゃんの「はんなり」さも凄いんですけど。「誰にでもそう言わはるんやろ」と言いながら、軽くはたくそぶりをする加代に、呆れたように息を吐いて、軽く笑いながら団扇をあおぐ、その………ダダ漏れな色気は、

…拾っとけ、な?


物陰からせーこ(純矢ちとせ)ちゃんが現れると、ふ、と目線をそらす杏奈ちゃん。きゅっと下唇を噛んで、そろりそろりと右手を挙げる。と、

手のうちに、抜き身の懐剣。

…ま、刺す気はないんだよね、この時点で。
土方に止めてほしい、と思っている、切ない女心。

せーこちゃんは本気で殺すつもりだけれども(←技量的に無理)、
杏奈ちゃんには、殺せない。

許嫁の仇であっても。
許嫁を喪ったために、武士の娘でありながらこんなところ(祇園)まで流れてくるはめになったのだろうけれども。

でも、殺せない…。
そして、死ぬこともできない。


この場面。
中日で観た時は、山南の最期と共に、ちょっとエピソードとして唐突な気がしちゃったんですよね。
山南さんのは、有名なエピソードだし、あって当たり前だとは思うのですが。これはなんで?って。

本当に残念ながら。
中日の時は、私、この作品を「新撰組の物語」と思って観ていたんですよね(涙)。
でも、そうじゃなかった。
「星影の人」は、「沖田総司の物語」であって、「新撰組の物語」じゃない。


それが解って、あらためて観た全国ツアー。
この場面も違うふうに見えてきました。


ああ、今、もう一度「中日の配役で」この作品を観たい!!
CS、本当に早く流してほしいよー(涙)。
…DVD買えって?月組のDVDですら買ったことないのに…!?


沖田と玉勇。
土方と照葉(加代)。
山南と明里。
そして、桂と幾松。

山南と明里は、あまりにも有名なエピソードですが、山南が自ら死を望むに等しい行動を取ったことによって終わりを告げる。
そして、この「星影の人」の山南は、明里の身請け金を用意し、「身の立つようにしてやってくれ」と山崎に後を託していくのです。

幾松は、この後も影にひなたに桂に協力し、後におしどり夫婦として明治の元勲を助ける名夫人となる。

そして、土方は。
“復讐”に凝り固まった不幸から加代を救い、生きる希望を与えるんですね。
彼の熱は、女をとろかす。愛が真実かどうか、は、きっと本人にも解らないのでしょうけれども。彼に愛された女は「生きる意志」を持つことが出来る。それは、彼自身が「人生」を愛しているからだと思うのです。
そして、土方が「人生」を愛していたからこそ、彼は最期の最期まで戦い抜き、箱館まで赴いて壮烈な死を遂げることになるのです……

そんな中で、

ならば、沖田と玉勇、は?

若く、健康に溢れた澄んだ若者だったはずの沖田が、病魔にむしばまれた時。

彼は、玉勇を救うことができない。
彼女に生きるときめきを与えることができなくなってしまう…。

土方の熱と強さ。
沖田の透明感と優しさ。
それは、互いに対極にあるもので、
それ故に男たちは惹かれあい、協力し、尽くすのでしょうけれども。

沖田の愛の切なさ、は、この場面で露わになる土方の熱によって、よけい浮き彫りになるのです。

彼の愛は純粋すぎて、女を救うことはできない。
女は最期までついてくることさえ、できないのですから…。

柴田さん…深すぎて私、一回じゃわからなかったですぅ…(涙)。



そして。
池田屋。

ココは、やっぱりラジオドラマじゃなくて違う演出の方が…と思ってしまうのは変わらないのですが。

でも。
この場面を無しにして、屯所で待っている玉勇を描く、という自分の案は却下します。
だって、……桂さんの出番が無くなっちゃうんだもん(涙)。


ここでもまた、テリトリーを奪われた野良猫みたいな目をして、下手袖から現れるらぎちゃん。

舞台前を駆け抜けていく追っ手から隠れて、しゃがみこむ時、
立ち上がって歩き出す前に、前後を警戒する時、
さっと後ろを振り返ったはずみに、ポニーテール 総髪がパサッと頬に当たる。

ドキドキ。

…ちょっと乱れた裾が色っぽいです。っていうか、何してたの今ま(←やめとけ)

……そういうところに既に壊れている私っていったい………。


幾松のいづるん(天勢いづる)が「桂はんっ!」と声をかけると、目に見えて雰囲気が柔らぐ。
テリトリーに戻った猫みたい。
微かに笑顔がのぞいて。

…そして。

ナウオンで「大難関」と言われた、着替えシーンっ(滝汗)。

………帯をもらうのに、2,3回取り損ねたよね?振り向いたら全然帯が回ってなかった…!!ま、間に合うのか!?と。あんなにドキドキしたのは「血と砂」の初日のフィナーレで、ゆう(←黙れ)
しかも、2回観たうちのどっちかは、この場面で桂のマイク入ってなかったんですよ!!(涙)。悲しい……。着替えながら必死で喋る台詞、可愛かったのに(←意味わからん)

幾松に「うちは桂はんの女房のつもりどす!」と言われ、「桂はんがいなくなったら、うちも死にます」と言い切られる桂。

彼はこの時、俺は死ぬわけにはいかん、と、あらためて思ったんだろうなあ…。その辺りが、すごく柴田さんっぽい役なんですよね。愛のために生きようと決心するところが。

CSのお稽古風景で、ド正面から映してくださったらぎちゃんの「…幾松…!」のラブシーン。
下手前方で観ると、まさしく自分が言ってもらったみたいですごーーーーく幸せになれますよ♪♪♪センター辺りに座っていても全く見えないけど(涙)。

下手に向かう途中、
玉勇さん一行とすれ違う。

沖田のことを一心に心配する玉勇に、ふ、と同情する桂。

幾松を愛しているから、玉勇の気持がわかる。
もしも、幾松がこんなふうに決戦場へ向かうすがたを見たら、新撰組の連中はどうするだろうか?と思いながら。

沖田が心配なわけじゃない。
斬れるものなら、俺が斬っただろう。だが。

きっと、沖田なら。沖田なら、幾松に俺の運ばれた先を教えてくれるはずだ、と。

…だから。

「壬生の屯所に運ばれなすったみたいですよ」

ちょっと面を伏せて。

仲間たちの仇。
共に天を戴くわけにはいかぬ仇敵、だが。

「あんた、沖田さんの?」

あんたが生きるために沖田が必要なら。
今は、今だけは預けておいてさしあげましょう…。


「…大事にしておあげなすって」

……なんで江戸っ子なのかよくわかりませんが(汗)。

この私が腐女子視点になりようがないくらい、「沖田への愛」はあまり感じない桂でしたね(←残念なの?←いや、そうでもない)。

かなめちゃんの桂さんは、かなり萌え萌え(←だからお前だけだって)だったのに、
脚本も演出も全く同じなのに、演じ手ひとりでこんなに違うものなんですねぇ。すごいなあ…。


壬生の屯所を訪ねる、玉勇と染香姐さん。
おみよのシナちゃんに「はい、沖田せんせいが大好きですねん!」と言い切られて、ふ、と振り返る染香姐さんが大好きです。
「えらい強敵がいてはるえ」
……こんなどシリアスな場面で、どーしてそういう笑いを取りにくるんですか!?笑っていい場面なの、ねぇっ!!


この後の、となみちゃんの「どうぞ私に、あの人をかえして」というソロ歌がとても好きです。
となみちゃんの音域に合ってますよね。歌いやすそうで、一番激しい感情が籠もっていると思います。

理不尽な運命に対する、理不尽な怒り。
誰にも私の愛する人を奪う権利なんて、ないのに、と。

ここまで、のらりくらりと天然に生きてきた天使が、爆発する。

あのひとは私のモノ。
誰にも、神さまにも渡しはしない。

あのひとは、わたしのなんだからねっっ!!


幕があがると、医者(飛鳥裕)の家。
逃げようとする医者を剣で脅して、
娘の早苗(晴華みどり)から「2年」と宣告を請ける沖田。

この時の。
「二年か……忙しいな」
という台詞は、この芝居で一番の名台詞なんだと思います。

運命を受け入れて、何をするかを決めた男の言葉。
女の立ち入りを赦さない、決意の言葉。

これに続く、「星影の人」という歌も好き。
ユミコ(彩吹真央)さんのソロがあまりにも素晴らしかったので、キムちゃんはちょっと苦戦していたようでしたが。

「土方」として「沖田」を見守る芝居はしっかり出来ているキムちゃんなので、初日から3週間の進化が楽しみです!

あとは、ちょっと音楽が入るタイミングが早すぎるのが残念!もう少しタメをいれさせてあげたいので、ちょっと前奏の入りを遅らせてくれているといいなあ……
(土方さんの歌い出しが、台詞に被りそうだったので)



土方さんが歌い終わると、沖田が「生きるときめき」を歌いだす、のですが、

な、な、長いだろいい加減………。

あと少しといえば少しなんですけど、
やっぱりもう一回、続きますm(_ _)m。