星のヴェローナ【3】
2013年7月6日 宝塚(星)宝塚大劇場にて、星組公演「ロミオとジュリエット」Aパターンを観劇いたしました♪
Bパターンを観た後の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20130614
これは、Bパターンの中でも初日あけてすぐのを観た時に書いた日記なのですが、、、この後もう一回Bパターンを観にいったときは、みんな、また全然違う感じに進化していたんですよね。
そして今回、やっとAパターンを観て……役替りのメンバーだけでなく、役替りしないメンバーも全然印象が違っていて、びっくりしているうちに観劇が終わってしまいました(^ ^)。
役替りのせいなのか、公演として回数を重ねたせいなのか、、、どっちもかな、という気がするのですが。
えっと、いろいろ書きたいことがたくさんあるのですが、あまり長くなってもあれなので、とりあえず、まずは役替りメンバーから(^ ^)。
みっきぃさん(天寿)のパリスが、死ぬほど可愛かった!
すみません……いや、やっぱり、一番気になっていたみたいなんですよ私。博多で観たパリスがとっても可愛くて間抜けで大好きだっただけに、今回はどうなるのかなあ、と。
今回の公演、パリスのみっきぃさんと「死」の真風くん、「愛」の礼くんの3人が3年前の初演で演じた役を半分だけ演じているわけですが、抽象的な存在である「死」と「愛」に比べると、パリスはより具体的なキャラクターがあるだけに、「3年前の自分がライヴァル」になる度合いが大きいんじゃないかな、と。まして、月組版のゆりやん(紫門)が、ある意味究極の「気取り屋の間抜け」を体現してしまった後は、やりにくいだろうなあ、と。
Bパターンのしーらんは、「気取り屋」が前面に出た役づくりで、むしろ神経質なくらいの嫌味さを見せていましたが、Aパターンのみっきぃさんは、間抜けが気取ってるのが可愛い!という感じ。絶対夫にはしたくないけど、婿にならしてもいいかな、と思うかもね、とでも言えばいいのでしょうか。とにかく可愛くて、ぱっかーんと弾けてました
一生懸命気取ってるんだけど、それがむしろ“キョドってる”ようにさえ見えて、そんなところも可愛い。。。ああ、舞台の上で隙なく可愛い、ってこのことかなあ、と。
……単なる贔屓目なんでしょうか、このトキメキは(^ ^)苦笑。
パリスは出番が少ないのでバイト無しだと厳しいなあとあらためて思いましたが、その分、赤や青のダンサーがゆっくり観れて幸せです(*^ ^*)ああ、れんた(如月)カッコいい!!
同じく3年ぶりの真風くんの「死」。
美しすぎた。
美しすぎて怖い、というのが実感としてわかる気がしました。甘美な美しさ。
Bパターンの麻央くんも決して悪くはなかったけれども、これを観てしまうと、こっちが本役だなあ…と思わせるだけの迫力がありました。すべての仕草が絵になる迫力。
誘い、いざない、背中を押す……今まで観たことがないような気がしたくらい、具体的かつ能動的な「死」でした。、しかも、全篇を通して驚くほど表情豊かで、しかも、その表情の一つ一つが美しいの!
麻央くんの「死」は完全な無表情だったし、芝居としても、かなり受動的な印象を受けました。自ら魂を獲りに来ているのではなく、運命の命に従って待っているような感じ(?)
月組本公演のたまきち(珠城)はどちらかといえば待っている感じだったけど、もっと“待ちかまえている”感じがしたんですよね。
新人公演のちなつ(鳳月)は、、、あれは、魂を狩りにきてたような気がします。うん、すごく怖かった!!
どいちゃん(鶴美)の「愛」は、こちらも真風くんの「死」に対抗できる迫力があって、さすがでした。
流れるような流麗なダンスがとても綺麗。雪組のせしる(大湖)を思い出しました。まあ、せしるはもっと攻め系だったから、芝居としてはだいぶ違いますが……。
面白いなあと思ったのは、Aパターンは「愛」が無表情で「死」が表情豊か(雄弁)なのに対して、Bパターンは逆に、「愛」がものすごく表情豊かで可愛くて攻め系で、「死」が無表情で受け身、と、組み合わせがまったく逆だったことでしょうか。
小池さん、計算してるな……と、いまさらなことを感心してしまいました(^ ^)。
礼くんのベンヴォーリオ。もうちょっと背があれば……と思ったところもありましたが(主にロミオの肩を抱くシーン。無理だよその体勢は!)、すごく良かったです!
この役は、Bパターンのベニーがあまりにも良かったし、2年前の東宝以来、“気は優しくて力持ち”系が演じることが多くなっていたのでので、クレバーな参謀タイプの礼くんはどうなるかなあと思っていたのですが。。。いやホント、予想以上に良かったです。
リーダー格の6年生(柚希)と、頭の良い4年生の参謀役(マセガキ)みたいな感じで、ロミオとの関係性は、学年を超えてすごく出来ていたと思う。元気で頭が良くてマセているんだけど、大人ではない、その微妙な感じがちゃんと見えたし、彼の「届かなさ」に説得力がありました。
みんなを止めたいのに止められない、みそっかすなベンヴォーリオ。
「どうやって伝えよう」は、大歌手・礼への期待が高すぎたのか、そんなに「歌」として凄いとは思わなかったのですが(←マーキューシオといい、ロミジュリのナンバーは本当に難しいですね)、芝居としては相当に引き込まれました。
精一杯大人ぶって生きてきた彼にとって、マーキューシオを喪い、ロミオを喪ったことは、人生最初の大きな挫折だったんだろうな、と。だから彼は、自分が立ち直るために、自分自身が運命に立ち向かうために、マントヴァへ向かう。それが、Bパターンとの大きな違いかな、と思いました。
Aパターンのベンヴォーリオは、ロミオに恋人の死を伝えたら、その結果何が起こる可能性があるか、漠然と気づいていたんじゃないかと思います。でも、彼は、彼自身の理由でロミオに逢わなくてはいけなかった……そして、自分は悲劇がおこりうることが分かっているのだから、止められるはずと思っていた………ように見えました。
でも、もちろん、止められなかった。恋人の死を伝えることはできたけれども、「僕と君と二人きりになってしまった」ことは、「まだ僕がいる」ことは伝えられなかった。伝える前に閉め出されて、もう声は届かない。一方通行の気持ちは通じず、手も触れられない。
そして、すべての結末を見せつけられる霊廟の場面でのベンヴォーリオが、とても小さくて、子供のようにひ弱に見えて……こんな子供がこんなに苦しまなくてはならない“大人の理屈”なんて、あり得ないのに……と、酷く悲しくなったのでした(T T)。
しーらん(壱城)のマーキューシオは、今まで観た中で一番クールな大人だったような気がします。ただ、大人だけど誰よりも気が短くてキレやすいけどね(^ ^)。
特に2幕は怒りが勝った印象でした。理不尽な仕打ち(=ロミオの裏切り)に対する怒りが、八つ当たり気味にティボルトに向かう感じが。彼はロミオの行動を「自分たちに対する裏切り」だと思って、それで怒り狂うんですよね。Bパターンのマーキューシオは、もっとなんていうのか……悲しそう(心配そう?)に見えたので、すごく違うなあと思いました。
どちらかといえば、こっちが本来のマーキューシオだと思うんですけどね(^ ^;ゞ
ベニー(紅)ティボルトは……なんだろう。可もなく不可もなく?という気がしました。良かったけど、特に印象に残ったことがない、というか。
ベンヴォーリオがすごく良かっただけに、役が替わってしまったのが残念な気がしました(^ ^)。しーらんマーキューシオと紅ベンヴォーリオの組み合わせも観てみたかったなあ(真顔)
役替りメンバーについては、まずはそんなところでしょうか。
この公演も、あと二日ですね。千秋楽まで怪我や病気なく、全員揃って、元気に東京へ来てくださいますように。お待ちしています!
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Bパターンを観た後の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20130614
これは、Bパターンの中でも初日あけてすぐのを観た時に書いた日記なのですが、、、この後もう一回Bパターンを観にいったときは、みんな、また全然違う感じに進化していたんですよね。
そして今回、やっとAパターンを観て……役替りのメンバーだけでなく、役替りしないメンバーも全然印象が違っていて、びっくりしているうちに観劇が終わってしまいました(^ ^)。
役替りのせいなのか、公演として回数を重ねたせいなのか、、、どっちもかな、という気がするのですが。
えっと、いろいろ書きたいことがたくさんあるのですが、あまり長くなってもあれなので、とりあえず、まずは役替りメンバーから(^ ^)。
みっきぃさん(天寿)のパリスが、死ぬほど可愛かった!
すみません……いや、やっぱり、一番気になっていたみたいなんですよ私。博多で観たパリスがとっても可愛くて間抜けで大好きだっただけに、今回はどうなるのかなあ、と。
今回の公演、パリスのみっきぃさんと「死」の真風くん、「愛」の礼くんの3人が3年前の初演で演じた役を半分だけ演じているわけですが、抽象的な存在である「死」と「愛」に比べると、パリスはより具体的なキャラクターがあるだけに、「3年前の自分がライヴァル」になる度合いが大きいんじゃないかな、と。まして、月組版のゆりやん(紫門)が、ある意味究極の「気取り屋の間抜け」を体現してしまった後は、やりにくいだろうなあ、と。
Bパターンのしーらんは、「気取り屋」が前面に出た役づくりで、むしろ神経質なくらいの嫌味さを見せていましたが、Aパターンのみっきぃさんは、間抜けが気取ってるのが可愛い!という感じ。絶対夫にはしたくないけど、婿にならしてもいいかな、と思うかもね、とでも言えばいいのでしょうか。とにかく可愛くて、ぱっかーんと弾けてました
一生懸命気取ってるんだけど、それがむしろ“キョドってる”ようにさえ見えて、そんなところも可愛い。。。ああ、舞台の上で隙なく可愛い、ってこのことかなあ、と。
……単なる贔屓目なんでしょうか、このトキメキは(^ ^)苦笑。
パリスは出番が少ないのでバイト無しだと厳しいなあとあらためて思いましたが、その分、赤や青のダンサーがゆっくり観れて幸せです(*^ ^*)ああ、れんた(如月)カッコいい!!
同じく3年ぶりの真風くんの「死」。
美しすぎた。
美しすぎて怖い、というのが実感としてわかる気がしました。甘美な美しさ。
Bパターンの麻央くんも決して悪くはなかったけれども、これを観てしまうと、こっちが本役だなあ…と思わせるだけの迫力がありました。すべての仕草が絵になる迫力。
誘い、いざない、背中を押す……今まで観たことがないような気がしたくらい、具体的かつ能動的な「死」でした。、しかも、全篇を通して驚くほど表情豊かで、しかも、その表情の一つ一つが美しいの!
麻央くんの「死」は完全な無表情だったし、芝居としても、かなり受動的な印象を受けました。自ら魂を獲りに来ているのではなく、運命の命に従って待っているような感じ(?)
月組本公演のたまきち(珠城)はどちらかといえば待っている感じだったけど、もっと“待ちかまえている”感じがしたんですよね。
新人公演のちなつ(鳳月)は、、、あれは、魂を狩りにきてたような気がします。うん、すごく怖かった!!
どいちゃん(鶴美)の「愛」は、こちらも真風くんの「死」に対抗できる迫力があって、さすがでした。
流れるような流麗なダンスがとても綺麗。雪組のせしる(大湖)を思い出しました。まあ、せしるはもっと攻め系だったから、芝居としてはだいぶ違いますが……。
面白いなあと思ったのは、Aパターンは「愛」が無表情で「死」が表情豊か(雄弁)なのに対して、Bパターンは逆に、「愛」がものすごく表情豊かで可愛くて攻め系で、「死」が無表情で受け身、と、組み合わせがまったく逆だったことでしょうか。
小池さん、計算してるな……と、いまさらなことを感心してしまいました(^ ^)。
礼くんのベンヴォーリオ。もうちょっと背があれば……と思ったところもありましたが(主にロミオの肩を抱くシーン。無理だよその体勢は!)、すごく良かったです!
この役は、Bパターンのベニーがあまりにも良かったし、2年前の東宝以来、“気は優しくて力持ち”系が演じることが多くなっていたのでので、クレバーな参謀タイプの礼くんはどうなるかなあと思っていたのですが。。。いやホント、予想以上に良かったです。
リーダー格の6年生(柚希)と、頭の良い4年生の参謀役(マセガキ)みたいな感じで、ロミオとの関係性は、学年を超えてすごく出来ていたと思う。元気で頭が良くてマセているんだけど、大人ではない、その微妙な感じがちゃんと見えたし、彼の「届かなさ」に説得力がありました。
みんなを止めたいのに止められない、みそっかすなベンヴォーリオ。
「どうやって伝えよう」は、大歌手・礼への期待が高すぎたのか、そんなに「歌」として凄いとは思わなかったのですが(←マーキューシオといい、ロミジュリのナンバーは本当に難しいですね)、芝居としては相当に引き込まれました。
精一杯大人ぶって生きてきた彼にとって、マーキューシオを喪い、ロミオを喪ったことは、人生最初の大きな挫折だったんだろうな、と。だから彼は、自分が立ち直るために、自分自身が運命に立ち向かうために、マントヴァへ向かう。それが、Bパターンとの大きな違いかな、と思いました。
Aパターンのベンヴォーリオは、ロミオに恋人の死を伝えたら、その結果何が起こる可能性があるか、漠然と気づいていたんじゃないかと思います。でも、彼は、彼自身の理由でロミオに逢わなくてはいけなかった……そして、自分は悲劇がおこりうることが分かっているのだから、止められるはずと思っていた………ように見えました。
でも、もちろん、止められなかった。恋人の死を伝えることはできたけれども、「僕と君と二人きりになってしまった」ことは、「まだ僕がいる」ことは伝えられなかった。伝える前に閉め出されて、もう声は届かない。一方通行の気持ちは通じず、手も触れられない。
そして、すべての結末を見せつけられる霊廟の場面でのベンヴォーリオが、とても小さくて、子供のようにひ弱に見えて……こんな子供がこんなに苦しまなくてはならない“大人の理屈”なんて、あり得ないのに……と、酷く悲しくなったのでした(T T)。
しーらん(壱城)のマーキューシオは、今まで観た中で一番クールな大人だったような気がします。ただ、大人だけど誰よりも気が短くてキレやすいけどね(^ ^)。
特に2幕は怒りが勝った印象でした。理不尽な仕打ち(=ロミオの裏切り)に対する怒りが、八つ当たり気味にティボルトに向かう感じが。彼はロミオの行動を「自分たちに対する裏切り」だと思って、それで怒り狂うんですよね。Bパターンのマーキューシオは、もっとなんていうのか……悲しそう(心配そう?)に見えたので、すごく違うなあと思いました。
どちらかといえば、こっちが本来のマーキューシオだと思うんですけどね(^ ^;ゞ
ベニー(紅)ティボルトは……なんだろう。可もなく不可もなく?という気がしました。良かったけど、特に印象に残ったことがない、というか。
ベンヴォーリオがすごく良かっただけに、役が替わってしまったのが残念な気がしました(^ ^)。しーらんマーキューシオと紅ベンヴォーリオの組み合わせも観てみたかったなあ(真顔)
役替りメンバーについては、まずはそんなところでしょうか。
この公演も、あと二日ですね。千秋楽まで怪我や病気なく、全員揃って、元気に東京へ来てくださいますように。お待ちしています!
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