Triangle Vol.2
2011年11月15日 ミュージカル・舞台PARCO劇場にて、「TRIANGLE vol.2 -探し屋ジョニー・ヤマダ-」を観劇いたしました。
2009年に上演された「No.1」に関する日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20090412
出演者は、前回と同じ井上芳雄、新納慎也、彩乃かなみの三人。
2年間でみんなパワーアップして、特に、前回は退団後初舞台だったかなみちゃんの2年半の成長ぶりは半端なかったです。いやー、輝いてました本当に。
スタッフもほとんど前回と同じ……ですよね。
脚本:蓬莱竜太
演出:宮田慶子
衣装も有村さんのままでしたが、前回ので反省なさったのか(←遅い!)、今回は良かったと思います。かなみちゃんのスカートの微妙なミニ加減とブーツがなかなかに絶妙で。いやでも、今回はかなみちゃんの努力もあったのかな?(^ ^)
パルコ劇場で、1988年まで上演されていた伝説の「SHOW GIRL」シリーズ。
その新シリーズとしてスタートした(らしい)「TRIANGE」。
こういうものは最初よりもVol.2が難しい、とゆーのが定番ですが、その高い壁も、なんとかクリアできていたような気がします。うん。荒唐無稽さに磨きがかかっていたところは次が心配ですが、とりあえず面白かったし、3人とも、前回とは違う新しい魅力を発揮できていたし。音楽の使い方や曲の選び方もまとまってきて、Vol.1の「冒険心100%」から、継続性のある「旅」へと、全体の方向性が固まってきた気がしました。
そして、そして!!私が前回希望として書かせていただいた曲目リスト(しかも歌詞つき!)がプログラムにあったことがとても嬉しいです!(^ ^)わーい、アンケートに書いた甲斐があったかな?いや、私だけじゃなかったんでしょうけれども、そういう細かいところが改良されていたのが次回への期待度を高めたような気がします。
うん。次回も楽しみ、と素直に思いました。
メンバー固定で、毎回通しの「物語」(多少荒唐無稽でも)があるショーアクト、という制約の多い形式の舞台で、どんなヴァリエーションで魅せてくれるのか、彼らのこれからの活動を楽しみにしています。
で。
物語は、ずいぶんと思いきったSF仕立てでした。
腕時計のような機械を合わせることで、相手の心に潜りこみ、相手の脳が見失った記憶のシナプシスを繋いで「失くし物」を探す……ジョニー(井上)は、世界に8人(?)しかいないその機械の「ライセンス」を取って、政府のお偉いさんを相手に商売をしている30間近の男。
……ううむ。この物語における「ジョニー」のキャラクターを考えると、そういう機械(というか商売)があってそのライセンスを取る、、、というよりも、誰も知らない特殊能力に突然目覚めて、何の苦労もせずにそれを仕事にした……という方が納得できるんだけどなあ。
まあ、そういう特殊能力故の苦悩とかのエピソードを盛り込みたくなくて、あえて外したのかな、とも思いますが。
まあ、いずれにしても、物語のテーマ自体にはこの「記憶を潜る能力」はあまり関係ありません。
テーマは幼馴染の3人の成長の軌跡であり、人間同士の交流における気持ちの一方通行さ。他人の記憶を潜る能力は、そういう関係性を語るために必要な「神の小道具」に過ぎません。
小説であれば「神の三人称」で語られるであろう物語を、舞台の上で一人称で語ろうとして、苦し紛れにそういう小道具を出してみた……という印象。
だから、たとえば「他人の記憶に潜る」ことによって生じるいろいろな問題(プライバシーの侵害とか、恋人が自分に隠していた秘密とか)の処理が曖昧で、力づくで「語りたいテーマ」に寄せただけに見えました。
それでも、語られるテーマに力があるから無茶もギリギリ通ったのですが、、、Vol.3は、出来ればこういう飛び道具を使わずにやってほしいなあ……と思いました。
◆ジョニー(井上芳雄)
井上くんらしい明るい弾けっぷりと、井上くんらしくない荒唐無稽さ。それがずっとジョニーの人物像のぶれとして見えていたんですが、物語の最後の最後にそこが統合されて、ああ、こういうテーマだったのか、と納得しました。
もうちょっと違う見せ方もあったかなと思うんですが、蓬莱さんのキャラクターの立て方は結構好きです(^ ^)。
ところで、私が観た時は、最初にジョニーが小学校4年生になって出てくるところがコサックダンスをしながらの登場だったのですが、あれはアドリブなんでしょうか……。後半のダンスシーンでも、ジョニーが熱唱している後ろでかなみちゃんがコサックダンスに取り組んだりしていたんですけど!(^ ^;;;
もしもし?面白すぎですよあなたたち。
◆トーマ(新納慎也)
他人との関係構築をうまくやれない、気弱な青年。
人間関係に対して臆病で、常に無理をしているうちに、その無理が嵩じて「世界」を拒否してしまう。その拒否っぷりのエネルギーがもの凄い(部屋に引きこもるとかじゃなく、「自分自身」の中に閉じこもってしまう)です。NIROくんってすげえ。
こないだ「スリル・ミー」を観たばかりなので、彼の幅広さにあらためて驚きました。本当に優等生が似合うよなー、、、えっ!?ちょっと待ってよNIROくんが優等生かよ!?みたいな振れ幅がすごかった……。
ラスト、夢と現実が繋がって彼を包んでいた殻が割れた時、彼はもっと暴れてもいいのにな、と思いました。NIROくんが本気で暴れる場面がなかったのがかなり残念。
でもまあ、そういう脚本であり演出だしなー。蓬莱さんは、というか、このシリーズ全体の構想として、一つの作品で出演者の多面的な魅力を出すことはせず、一つの作品では一面の魅力、違う魅力はまた来年ね!!……っていうのがあるのかもね、なんてことを思いました。
◆ビッキー(彩乃かなみ)
すぐに手(足)が出る乱暴者の女の子。頭の回転が速くて口が達者でリーダーシップがあって、、、小学校の頃によく一緒に遊んだ女の子をすごく思いだしました。彼女も家庭的にはいろいろあった人で、子供の私の眼からはとても大人っぽく見えました。今の自分の眼でが振り返れば、「マセていた」んだな、と思う、そんな痛々しさ。ビッキーの痛みはそれと同じものなのかな、と。
ビッキーのジョニーに対する思いがとても真っ直ぐで、可愛いなあと思いました。トーマの気持ちを知りながら、ジョニーに向かう自分の気持ちを否定して、全てを曖昧なまま置いておこうとする女心が悲しいですよね。
普段の前向きさと恋に対する臆病さ、自分に対する自身と不安。すべてはジョニーに対する不安に起因するんですが、、、そりゃーあのジョニーじゃ不安になるよね、とつい納得してしまうところが、井上くんも蓬莱さんもうまいよなーと思います。
ラストの開き直ったビッキーがやっぱり可愛い。かなみちゃん、宝塚を卒業してから本当に芝居が良くなったなあ。外部の芝居のほうが合うんですよね。良かった良かった(*^ ^*)。
ぜひいつか、「I Love You, you’re perfect, now change!」に、初演で堀内敬子嬢が演じた役で出演してほしい。今のかなみちゃんなら、「ローズ・リッツのお見合いビデオ」を演じられるんじゃないかと思う。あと、三谷の芝居も似合うと思います(^ ^)。もっともっと世界を広げて、どんどん遠くへ羽ばたいていってくださいますように。
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2009年に上演された「No.1」に関する日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20090412
出演者は、前回と同じ井上芳雄、新納慎也、彩乃かなみの三人。
2年間でみんなパワーアップして、特に、前回は退団後初舞台だったかなみちゃんの2年半の成長ぶりは半端なかったです。いやー、輝いてました本当に。
スタッフもほとんど前回と同じ……ですよね。
脚本:蓬莱竜太
演出:宮田慶子
衣装も有村さんのままでしたが、前回ので反省なさったのか(←遅い!)、今回は良かったと思います。かなみちゃんのスカートの微妙なミニ加減とブーツがなかなかに絶妙で。いやでも、今回はかなみちゃんの努力もあったのかな?(^ ^)
パルコ劇場で、1988年まで上演されていた伝説の「SHOW GIRL」シリーズ。
その新シリーズとしてスタートした(らしい)「TRIANGE」。
こういうものは最初よりもVol.2が難しい、とゆーのが定番ですが、その高い壁も、なんとかクリアできていたような気がします。うん。荒唐無稽さに磨きがかかっていたところは次が心配ですが、とりあえず面白かったし、3人とも、前回とは違う新しい魅力を発揮できていたし。音楽の使い方や曲の選び方もまとまってきて、Vol.1の「冒険心100%」から、継続性のある「旅」へと、全体の方向性が固まってきた気がしました。
そして、そして!!私が前回希望として書かせていただいた曲目リスト(しかも歌詞つき!)がプログラムにあったことがとても嬉しいです!(^ ^)わーい、アンケートに書いた甲斐があったかな?いや、私だけじゃなかったんでしょうけれども、そういう細かいところが改良されていたのが次回への期待度を高めたような気がします。
うん。次回も楽しみ、と素直に思いました。
メンバー固定で、毎回通しの「物語」(多少荒唐無稽でも)があるショーアクト、という制約の多い形式の舞台で、どんなヴァリエーションで魅せてくれるのか、彼らのこれからの活動を楽しみにしています。
で。
物語は、ずいぶんと思いきったSF仕立てでした。
腕時計のような機械を合わせることで、相手の心に潜りこみ、相手の脳が見失った記憶のシナプシスを繋いで「失くし物」を探す……ジョニー(井上)は、世界に8人(?)しかいないその機械の「ライセンス」を取って、政府のお偉いさんを相手に商売をしている30間近の男。
……ううむ。この物語における「ジョニー」のキャラクターを考えると、そういう機械(というか商売)があってそのライセンスを取る、、、というよりも、誰も知らない特殊能力に突然目覚めて、何の苦労もせずにそれを仕事にした……という方が納得できるんだけどなあ。
まあ、そういう特殊能力故の苦悩とかのエピソードを盛り込みたくなくて、あえて外したのかな、とも思いますが。
まあ、いずれにしても、物語のテーマ自体にはこの「記憶を潜る能力」はあまり関係ありません。
テーマは幼馴染の3人の成長の軌跡であり、人間同士の交流における気持ちの一方通行さ。他人の記憶を潜る能力は、そういう関係性を語るために必要な「神の小道具」に過ぎません。
小説であれば「神の三人称」で語られるであろう物語を、舞台の上で一人称で語ろうとして、苦し紛れにそういう小道具を出してみた……という印象。
だから、たとえば「他人の記憶に潜る」ことによって生じるいろいろな問題(プライバシーの侵害とか、恋人が自分に隠していた秘密とか)の処理が曖昧で、力づくで「語りたいテーマ」に寄せただけに見えました。
それでも、語られるテーマに力があるから無茶もギリギリ通ったのですが、、、Vol.3は、出来ればこういう飛び道具を使わずにやってほしいなあ……と思いました。
◆ジョニー(井上芳雄)
井上くんらしい明るい弾けっぷりと、井上くんらしくない荒唐無稽さ。それがずっとジョニーの人物像のぶれとして見えていたんですが、物語の最後の最後にそこが統合されて、ああ、こういうテーマだったのか、と納得しました。
もうちょっと違う見せ方もあったかなと思うんですが、蓬莱さんのキャラクターの立て方は結構好きです(^ ^)。
ところで、私が観た時は、最初にジョニーが小学校4年生になって出てくるところがコサックダンスをしながらの登場だったのですが、あれはアドリブなんでしょうか……。後半のダンスシーンでも、ジョニーが熱唱している後ろでかなみちゃんがコサックダンスに取り組んだりしていたんですけど!(^ ^;;;
もしもし?面白すぎですよあなたたち。
◆トーマ(新納慎也)
他人との関係構築をうまくやれない、気弱な青年。
人間関係に対して臆病で、常に無理をしているうちに、その無理が嵩じて「世界」を拒否してしまう。その拒否っぷりのエネルギーがもの凄い(部屋に引きこもるとかじゃなく、「自分自身」の中に閉じこもってしまう)です。NIROくんってすげえ。
こないだ「スリル・ミー」を観たばかりなので、彼の幅広さにあらためて驚きました。本当に優等生が似合うよなー、、、えっ!?ちょっと待ってよNIROくんが優等生かよ!?みたいな振れ幅がすごかった……。
ラスト、夢と現実が繋がって彼を包んでいた殻が割れた時、彼はもっと暴れてもいいのにな、と思いました。NIROくんが本気で暴れる場面がなかったのがかなり残念。
でもまあ、そういう脚本であり演出だしなー。蓬莱さんは、というか、このシリーズ全体の構想として、一つの作品で出演者の多面的な魅力を出すことはせず、一つの作品では一面の魅力、違う魅力はまた来年ね!!……っていうのがあるのかもね、なんてことを思いました。
◆ビッキー(彩乃かなみ)
すぐに手(足)が出る乱暴者の女の子。頭の回転が速くて口が達者でリーダーシップがあって、、、小学校の頃によく一緒に遊んだ女の子をすごく思いだしました。彼女も家庭的にはいろいろあった人で、子供の私の眼からはとても大人っぽく見えました。今の自分の眼でが振り返れば、「マセていた」んだな、と思う、そんな痛々しさ。ビッキーの痛みはそれと同じものなのかな、と。
ビッキーのジョニーに対する思いがとても真っ直ぐで、可愛いなあと思いました。トーマの気持ちを知りながら、ジョニーに向かう自分の気持ちを否定して、全てを曖昧なまま置いておこうとする女心が悲しいですよね。
普段の前向きさと恋に対する臆病さ、自分に対する自身と不安。すべてはジョニーに対する不安に起因するんですが、、、そりゃーあのジョニーじゃ不安になるよね、とつい納得してしまうところが、井上くんも蓬莱さんもうまいよなーと思います。
ラストの開き直ったビッキーがやっぱり可愛い。かなみちゃん、宝塚を卒業してから本当に芝居が良くなったなあ。外部の芝居のほうが合うんですよね。良かった良かった(*^ ^*)。
ぜひいつか、「I Love You, you’re perfect, now change!」に、初演で堀内敬子嬢が演じた役で出演してほしい。今のかなみちゃんなら、「ローズ・リッツのお見合いビデオ」を演じられるんじゃないかと思う。あと、三谷の芝居も似合うと思います(^ ^)。もっともっと世界を広げて、どんどん遠くへ羽ばたいていってくださいますように。
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