Shall we タカラヅカ?
2014年1月8日 宝塚(雪)東京宝塚劇場にて、雪組公演「Shall we ダンス?/CONGRATULATIONS 宝塚!!」を観劇いたしました。
楽しすぎた!!
年末に書いた「2013年のMy BEST 宝塚作品」では、お芝居の一位は花組の「愛と革命の詩」にしたのですが、、、東宝公演同士で比べたら、やっぱりこっちの方が上位になりそうです。「愛と…」は、東宝の後半にどんどんボルテージが上がっていったけど、「Shall…」は開幕直後の今の時点でこれだもの!!楽が近づく頃には、いったいどうなってしまうのだか。
だって、ねえ?今でもこんなに楽しいのに!!ですよ(^ ^)。
元々の映画が名作なのは間違いありませんが、その良さは、決して宝塚的な良さではないと思うんですよね。それなのに、その良さを殺さずに、宝塚作品として見事に成功させた小柳さんの手腕は、大したものだと思います。
(関係ないけど、今の小柳さんなら、萩尾望都作品にもう一度挑戦してみてもいいのでは、、、と思ったりしています)
壮ちゃんがいつの間にか身につけた、燦然と輝く主役力というものが、フェルゼンや文四郎のような役だけでなく、ヘイリーのような“普通の二枚目”でも十分発揮されていたことに、本当に感動しました。
観ている間中、壮ちゃんすごい、壮ちゃん格好良い、壮ちゃん素敵、壮ちゃんすごい、と繰り返してしまったくらい、本当に魅力的な「普通の男」でした。役所さんの素敵さとはまた違う、ちゃんと「タカラヅカのトップスター」としての輝きをもった上で、「普通の男」を舞台の上に描き出す。ヘイリー・ハーツという名前を持つ一人の男を、一人の夫、一人の父親を、ごく普通に、当たり前に。
優しくて真面目で、家族想いで……でも、ふとしたはずみに「日常」の扉を開いて「冒険」に飛び込でしまうやんちゃな一面にも説得力があるんですよね。不思議なスターだなと思います。スターっていうか、役者、でしょうか。。。いやもう、本当に素敵でした(*^ ^*)。
そして、まっつ(未涼)。まっつ、復帰おめでとうございます!!
やっぱり、本役は全然違うんだなと思いました。アルバートさんの一言一言の説得力が全然違うんですよね。エラ役のチギちゃん(早霧)との芝居の相性は、ベルばらのオスカルとアンドレでもすごく感じましたが、、、いやもう、本当に良かった。
エキシビションでの登場場面で、「若きプリンス」と紹介されたときはちょっと笑いそうになったりもしましたが(←ごめんなさい)、内面は落ち着いて一見老成して見えるけれども、実年齢は若い(エラより歳下)、実力派スターという風にちゃんと見えたのが凄いな、と。そして、そういうキャラなのに、本領ではないアイドルダンスでそれなりに客席を魅了している、という情景にすごく説得力があって。ちょっと斜に構えた歌の表現もすごく素敵でした(はぁと)。
その後のエラとの会話の誠実さ、毒を吐くミハエル(蓮城)やバーバラ(大湖)に対する批判的な視線、バーバラが倒れた時の驚愕と、病院での上着を脱いだ立ち姿。表面上はクールに見えて、その中身はとても包容力のある、率直で誠実で熱血な正義漢、、、という二面性の面白さ。
こういう役だったのか、という驚きと、こういう役だからこそ、ラストのパーティーでエラに手を差し出すキャラクターに説得力があるんだな、と思いました。立ち位置はどう見てもエラより“目下”なのに、その瞬間に発揮される包容力。「ブラックジャック」で見せた、ツンデレがふとした瞬間に見せる包容力の凄まじい大波に、何もかも持って行かれたなと思いました。
本格的な女役に挑戦したチギちゃん。チギちゃんの魅力でもある「不器用」な感じがすごく生きた、魅力的な役でした。ヘイリーさんが見惚れるに足る美しさ、「ラプンツエル」と呼びかけたくなる神秘性があるのがすごくいいな、と。
不器用で、自分自身を守るためにハリネズミのようになっていた女の子が、競技会でヘイリーとバーバラを拳を握りこんで応援する姿。その可愛らしさがアルバートの心を動かしたんだろうなと思うと、なんだか本当に愛おしくなります。
まあ、競技会があんな事故で中断してしまった後で、笑顔で銀橋を渡りながら歌う歌の内容にはちょっと疑問もありますが(^ ^)、でも、わかるような気もするんですよね、彼女の気持ちは。ダンスが楽しい、という気持ち、踊ることで人を幸せにする人が存在することの意味。それを教えてくれたヘイリーへの、まっすぐな想いがとても美しく見えました。
ヘイリーの妻ジョセリン(愛加)と、その娘エミリア(星乃)。可愛らしくてキュートで優しくて行動力があって勘がいい、この妻とこの娘がいたら、浮気はしない(できない)と心の底から納得できる、そんな素敵な家族。
競技会での事故の後、彼が心底反省したのは、この家族に心配をかけていたことに気がついたから、なんですよね。あの瞬間まで、彼はジョセリンが自分の行動に気づいているとは思っていなかったのだから。それでも、男はもう一度だけ扉をあける。自分が飛びこんだ小さな冒険の、後始末をするために。そして、もう一度「新しい明日」に向かって歩き出すために。
眼鏡女子なあんりちゃんも、「ミッキサーミッキサーミッキミッキサー♪」と歌いながらはけていくあゆっちも、本当に本当に可愛くて、宝塚ってすごい……と思いました。
物語の鍵を握る愛されキャラ、ドニー役のともみん(夢乃)と、バーバラ役のせしるの圧倒的な迫力も素敵でした。映画のキャラクターをそのままではなく、作品(物語)における彼らの存在意義を整理して、タカラジェンヌが演じるべき役に仕上げた小柳さんのセンス、その設定をきちんと生かして、作品をもりあげてくれた役者たち。いろんなものが「噛み合ってるなあ」と随所で感じることのできた作品でした。
それぞれの理由でダンス教室に通い、ヘイリーたちと共に競技会を目指すジャン(鳳翔)とレオン(彩風)、エラの個人レッスンの生徒であるザッキー(大澄)、教室でダンスを教えるシーラ(梨花)やアーカム(香稜)、ドニーやヘイリーの同僚キャシー(透水)、バーバラの娘コニー(桃花)、、、本当に、魅力的なキャラクターを上げ始めたらキリがないです。エラの父親(香音)も素敵でした(さすが)し、色んな場面で通行人として存在する老夫婦(央雅・白渚)も、とても良かった!!
一人ずつ挙げていてもキリがないので、最後に、あまりにもあまりにも印象的だった探偵さん(奏乃)を。
誠実な胡散臭さ という絶妙なバランスを崩さない、探偵らしいといえばあまりにも探偵らしいし、やりすぎだといえばあまりにもやり過ぎで、なのに、素敵といえばこの上もなく素敵なクリストファー・ジョーンズ。あまりにも胡散臭すぎて、シーラにばれるのも当たり前だという納得感がまた面白かったです。
そして、探偵助手のポール(大劇場では帆風、東宝では彩凪)。大劇場で観たホタテのポールがあまりにも嵌り役すぎて、これは本役の翔くんは大変だろうなーと心配していたのですが、よく頑張っていたと思います。助手として探偵に絡んでいるところは、可愛くて良かったと思います!
ただ、あの役は「語り手」なので、説明部分の台詞がもう少し自然だと良いんだけど、という気はしましたね。まあ、まだ初日があいたばかりなので、これからだと思いますが(^ ^)。
他にもまだ、会社員も教室の生徒たちもダンサーチームも、一人ずつ語りたいくらいなのですが。
とりあえず。エキシビションのダンサーチーム、まなはる(真那)とひーこ(笙乃)のカップルダンスは必見です!!とだけ。下手側のセンターよりで踊っていたのですが、ひーこの軽やかさとまなはるの濃さが良いバランスで、同期ならではの遠慮のなさが良い意味で目を惹きました。
……いやあの、6組全部、どれも本当に素敵なんですけどねっ!(*^^*)
お芝居も楽しくて、ショーも楽しくて盛り上がりまくりで、とにかく楽しい二本立てでした。
チケットは完売のようですが、ちらほらサバキも出ていたので、ぜひぜひ早いタイミングで一度観に行ってくださいね!絶対リピートしたくなっちゃうと思うけど!(^ ^)
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楽しすぎた!!
年末に書いた「2013年のMy BEST 宝塚作品」では、お芝居の一位は花組の「愛と革命の詩」にしたのですが、、、東宝公演同士で比べたら、やっぱりこっちの方が上位になりそうです。「愛と…」は、東宝の後半にどんどんボルテージが上がっていったけど、「Shall…」は開幕直後の今の時点でこれだもの!!楽が近づく頃には、いったいどうなってしまうのだか。
だって、ねえ?今でもこんなに楽しいのに!!ですよ(^ ^)。
元々の映画が名作なのは間違いありませんが、その良さは、決して宝塚的な良さではないと思うんですよね。それなのに、その良さを殺さずに、宝塚作品として見事に成功させた小柳さんの手腕は、大したものだと思います。
(関係ないけど、今の小柳さんなら、萩尾望都作品にもう一度挑戦してみてもいいのでは、、、と思ったりしています)
壮ちゃんがいつの間にか身につけた、燦然と輝く主役力というものが、フェルゼンや文四郎のような役だけでなく、ヘイリーのような“普通の二枚目”でも十分発揮されていたことに、本当に感動しました。
観ている間中、壮ちゃんすごい、壮ちゃん格好良い、壮ちゃん素敵、壮ちゃんすごい、と繰り返してしまったくらい、本当に魅力的な「普通の男」でした。役所さんの素敵さとはまた違う、ちゃんと「タカラヅカのトップスター」としての輝きをもった上で、「普通の男」を舞台の上に描き出す。ヘイリー・ハーツという名前を持つ一人の男を、一人の夫、一人の父親を、ごく普通に、当たり前に。
優しくて真面目で、家族想いで……でも、ふとしたはずみに「日常」の扉を開いて「冒険」に飛び込でしまうやんちゃな一面にも説得力があるんですよね。不思議なスターだなと思います。スターっていうか、役者、でしょうか。。。いやもう、本当に素敵でした(*^ ^*)。
そして、まっつ(未涼)。まっつ、復帰おめでとうございます!!
やっぱり、本役は全然違うんだなと思いました。アルバートさんの一言一言の説得力が全然違うんですよね。エラ役のチギちゃん(早霧)との芝居の相性は、ベルばらのオスカルとアンドレでもすごく感じましたが、、、いやもう、本当に良かった。
エキシビションでの登場場面で、「若きプリンス」と紹介されたときはちょっと笑いそうになったりもしましたが(←ごめんなさい)、内面は落ち着いて一見老成して見えるけれども、実年齢は若い(エラより歳下)、実力派スターという風にちゃんと見えたのが凄いな、と。そして、そういうキャラなのに、本領ではないアイドルダンスでそれなりに客席を魅了している、という情景にすごく説得力があって。ちょっと斜に構えた歌の表現もすごく素敵でした(はぁと)。
その後のエラとの会話の誠実さ、毒を吐くミハエル(蓮城)やバーバラ(大湖)に対する批判的な視線、バーバラが倒れた時の驚愕と、病院での上着を脱いだ立ち姿。表面上はクールに見えて、その中身はとても包容力のある、率直で誠実で熱血な正義漢、、、という二面性の面白さ。
こういう役だったのか、という驚きと、こういう役だからこそ、ラストのパーティーでエラに手を差し出すキャラクターに説得力があるんだな、と思いました。立ち位置はどう見てもエラより“目下”なのに、その瞬間に発揮される包容力。「ブラックジャック」で見せた、ツンデレがふとした瞬間に見せる包容力の凄まじい大波に、何もかも持って行かれたなと思いました。
本格的な女役に挑戦したチギちゃん。チギちゃんの魅力でもある「不器用」な感じがすごく生きた、魅力的な役でした。ヘイリーさんが見惚れるに足る美しさ、「ラプンツエル」と呼びかけたくなる神秘性があるのがすごくいいな、と。
不器用で、自分自身を守るためにハリネズミのようになっていた女の子が、競技会でヘイリーとバーバラを拳を握りこんで応援する姿。その可愛らしさがアルバートの心を動かしたんだろうなと思うと、なんだか本当に愛おしくなります。
まあ、競技会があんな事故で中断してしまった後で、笑顔で銀橋を渡りながら歌う歌の内容にはちょっと疑問もありますが(^ ^)、でも、わかるような気もするんですよね、彼女の気持ちは。ダンスが楽しい、という気持ち、踊ることで人を幸せにする人が存在することの意味。それを教えてくれたヘイリーへの、まっすぐな想いがとても美しく見えました。
ヘイリーの妻ジョセリン(愛加)と、その娘エミリア(星乃)。可愛らしくてキュートで優しくて行動力があって勘がいい、この妻とこの娘がいたら、浮気はしない(できない)と心の底から納得できる、そんな素敵な家族。
競技会での事故の後、彼が心底反省したのは、この家族に心配をかけていたことに気がついたから、なんですよね。あの瞬間まで、彼はジョセリンが自分の行動に気づいているとは思っていなかったのだから。それでも、男はもう一度だけ扉をあける。自分が飛びこんだ小さな冒険の、後始末をするために。そして、もう一度「新しい明日」に向かって歩き出すために。
眼鏡女子なあんりちゃんも、「ミッキサーミッキサーミッキミッキサー♪」と歌いながらはけていくあゆっちも、本当に本当に可愛くて、宝塚ってすごい……と思いました。
物語の鍵を握る愛されキャラ、ドニー役のともみん(夢乃)と、バーバラ役のせしるの圧倒的な迫力も素敵でした。映画のキャラクターをそのままではなく、作品(物語)における彼らの存在意義を整理して、タカラジェンヌが演じるべき役に仕上げた小柳さんのセンス、その設定をきちんと生かして、作品をもりあげてくれた役者たち。いろんなものが「噛み合ってるなあ」と随所で感じることのできた作品でした。
それぞれの理由でダンス教室に通い、ヘイリーたちと共に競技会を目指すジャン(鳳翔)とレオン(彩風)、エラの個人レッスンの生徒であるザッキー(大澄)、教室でダンスを教えるシーラ(梨花)やアーカム(香稜)、ドニーやヘイリーの同僚キャシー(透水)、バーバラの娘コニー(桃花)、、、本当に、魅力的なキャラクターを上げ始めたらキリがないです。エラの父親(香音)も素敵でした(さすが)し、色んな場面で通行人として存在する老夫婦(央雅・白渚)も、とても良かった!!
一人ずつ挙げていてもキリがないので、最後に、あまりにもあまりにも印象的だった探偵さん(奏乃)を。
誠実な胡散臭さ という絶妙なバランスを崩さない、探偵らしいといえばあまりにも探偵らしいし、やりすぎだといえばあまりにもやり過ぎで、なのに、素敵といえばこの上もなく素敵なクリストファー・ジョーンズ。あまりにも胡散臭すぎて、シーラにばれるのも当たり前だという納得感がまた面白かったです。
そして、探偵助手のポール(大劇場では帆風、東宝では彩凪)。大劇場で観たホタテのポールがあまりにも嵌り役すぎて、これは本役の翔くんは大変だろうなーと心配していたのですが、よく頑張っていたと思います。助手として探偵に絡んでいるところは、可愛くて良かったと思います!
ただ、あの役は「語り手」なので、説明部分の台詞がもう少し自然だと良いんだけど、という気はしましたね。まあ、まだ初日があいたばかりなので、これからだと思いますが(^ ^)。
他にもまだ、会社員も教室の生徒たちもダンサーチームも、一人ずつ語りたいくらいなのですが。
とりあえず。エキシビションのダンサーチーム、まなはる(真那)とひーこ(笙乃)のカップルダンスは必見です!!とだけ。下手側のセンターよりで踊っていたのですが、ひーこの軽やかさとまなはるの濃さが良いバランスで、同期ならではの遠慮のなさが良い意味で目を惹きました。
……いやあの、6組全部、どれも本当に素敵なんですけどねっ!(*^^*)
お芝居も楽しくて、ショーも楽しくて盛り上がりまくりで、とにかく楽しい二本立てでした。
チケットは完売のようですが、ちらほらサバキも出ていたので、ぜひぜひ早いタイミングで一度観に行ってくださいね!絶対リピートしたくなっちゃうと思うけど!(^ ^)
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