日本青年館にて、月組公演「Merry Widow」を観劇いたしました♪


レハールの名作オペレッタを、谷さんが潤色した佳品。原作が元々もっている、陽気で底抜けに楽しい雰囲気をそのままに、あまりいじらないでタカラヅカに仕上げたところが、とても良かったと思います。カミーユのキャラクターをそう変えるか!?というのは結構目から鱗だったのですが、違和感なくまとまっていたし、ラストも説得力がありました(^ ^)


とにかく音楽が素晴らしい。レハールの名曲の数々を、ちゃんと歌いこなしてくれたキャストの面々には感心しました。中でも、タイトルロールでもあるハンナのゆうみちゃん(咲妃)とヴァランシエンヌのちびあず(琴音)は素晴らしく、やっぱり「メリー・ウィドウ」はプリマドンナの魅力で支えるオペレッタなんだな、と思いました。

ゆうみちゃんは、こういう「陽気」で「元気」で「積極的」な役を演じるのは実は初めてだと思うのですが、、、とてもキュートで魅力的で、しかもちょっと寂しがりやなのに強がりなところが可愛くて可愛くて(*^ ^*)、もうメロメロでした。ちょっとした仕草や、元恋人のダニロを見つめる視線がすごく切なくて、キュンっとするんですよね。清楚で神秘的な美しさが売りの人だと思っていたのですが、予想外に大人っぽくて、色っぽくて、華やかで。声がとても素敵なのですが、歌も本当にがんばっていたし、とにかくお芝居がとても良かった!!です(はぁと)

ちびあずは、「月雲の皇子」の女帝が嘘のように可憐で、ほっそりとしなやかで、ちょっと不安げに眉毛を下げた表情がとても寂しげで……、守ってあげたいNo.1という感じでした。歌は文句なく素晴らしく、特にカンカンチームの真ん中で歌う場面は「元・マキシムの売れっ子ダンサー」という経歴に恥じない華やかさと魅力が溢れていて、本当に素敵でした!
いやもう、本当に良かったなあ。。。


ハンナの元恋人・ダニロ伯爵のみっちゃん(北翔)。歌はさすがで、レハールの名曲を聴かせてくださってありがとうございますという感じなのですが、どうして台詞を喋りだすとああも声が軽いのか……。ゆうみちゃんの声が歌と台詞でそんなにトーンが変わらないのに、ダニロは歌と芝居で別人みたいに声が変わるので、違和感を感じてしまいました。あの歌の声で喋ってくれたら、私なんて一発でファンになるのになあ。
あと、これは演出の問題かもしれませんが、ダニロがハンナ以外の女性といちゃいちゃする場面がないので、あまり「ハンナに振られた悲しみのあまり女から女へ渡り歩くようになり…」という雰囲気は感じられなかったかなあ。台詞でそう言われて「へーそうなんだー」という感じだったので、そのあたりは谷さんにもう少し考えてほしかったかも。


ヴァランシエンヌの元恋人・カミーユのカチャ(凪七)。いままでに観た中で、一番良いカチャだったような気がします。歌もあぶなげなく、本来ソプラノの歌もきれいに聴かせてくれて、さすがエリザベート経験者、と思いました(^ ^)。芝居も良かったし、華やかなフリルのブラウスにぴったりした上下という衣装も、カチャのスタイルの良さを強調して、、、なのに、いかにも責任能力のなさそうな、「吟遊詩人」らしい浮わっついた雰囲気もちゃんとあって(←誉めてます)、ヴァランシエンヌが迷う気持ちも理解できたし……とにかく、いろんな点がとても良かったです!


ヴァランシエンヌの夫にしてパリ駐在のポンテヴェドロ大使・ツェータ男爵のマギー(星条)。
いやはや、がんばってましたね。ツェータは原作でもコミカルな役なのですが、暑苦しいくらいがんばって笑いを取りに来ていて……もう少し軽やかに演じてくれるとお洒落な作品になるのですが、あれはあれで、月組らしくていいのかも、と思いました(^ ^)。
ヴァランシエンヌの最後の台詞は、私が以前観たオペレッタにはなかったと思うので、これはタカラヅカオリジナルだと思うのですが(違ったらすみません)、、、ツェータもツェータなので、そういう展開もありだね、と、すとんと納得できる空気が出来ていたと思います。谷さんとは相性が良いのかな……。


「貧乏貴族」の二人、ベルギー大使サン=ブリオッシュ(紫門)と、スペイン大使カスカーダ子爵(煌月)。歌もがんばっていたし、芝居も息のあったところを見せてくれて、面白かったです。
それぞれ、まゆぽん(輝月)の奥方オルガ(夏月)とサン=ブリオッシュ、朝霧くんの奥方シルヴィアーヌ(白雪)とカスカーダがそれぞれ恋仲になって、嫉妬深い夫と騒ぎになるところもテンポがよくて、主っ白かったです。
あ、でも、一番の見せ場は、大団円後の総踊りで、お互い相手がいなくて仕方なく二人で踊っている間に何かが芽生えてしまうあたり、でしょうか。。。いや、あの場面、ホントに面白かったっす。ぜひ真ん中ばかりでなく、あのカップル(?)も観てやってください。


ピンポイントな役ですが、ダニロに迫る老婦人役の真愛さんもキュートで可愛かったなあ~。デコルテが綺麗で、その年齢(老婦人)でそのデコルテは無理があるわーと思いながら観ておりました(^ ^)。

ダニロの従者・ニエグシュ(暁)と、ツェータの従者・ルクシッチ(春海)。超下級生の二人ですが、大量の台詞があって、しかも「会話」の間がが重要な役を、またえらい下級生にふったなあ、と思いましたが。。。役が与えられたからには、まずは発声からがんばってほしいな、と思いました。。。特に暁くんは、元々すごいダンサーなのだし、マキシムのダンサーのほうが本人のためにも良かったんじゃないかと思うのですが。。。まあ、劇団としては芝居の出来る子に育てたいんでしょうね。期待値が高くて大変だと思いますが、頑張ってほしいな、と思います。



それにしても、この作品の最大の魅力は、マキシムのダンサーたちでしたね……!!
ボーイたち(貴千、隼海、朝美、夢奈、蓮)、ガールズ(玲実、風凛、楓、叶羽、桜奈、海乃)、彼らによる華やかなショーの素晴らしさ。オッフェンバックの音楽を使った大カンカンは、何度でも観たくなる迫力で、、、本当に楽しかった!!
センターで踊るまんちゃんと、両脇を固めるゆーみん・あーさ。この3人のダンスは本当に恰好良い!!もちろん、夢奈・蓮も素晴らしかったし、ガールズの華やかさと確かな技術あってこそのカンカンなのですが。一分の隙もなく構築され、一瞬も止まることを許されないクライマックス感に、とても感動しました!

いろいろ懸念はありましたが、可愛い月組っ子が、みんな幸せそうに歌って踊って芝居していて、みんなが「何か」を掴もうとしているのが感じられて、とても良い公演だったと思います。



千秋楽まで、怪我のないように(←またすぐに次の公演が控えているので!!くれぐれも!)、そして、悔いのないよう、がんばってほしいなと思います。
月雲メンバーも、それ以外も、どうぞ集中して、公演を楽しんでください♪


.

コメント