若者たちのヴェローナ
2013年8月8日 宝塚(星)東京宝塚劇場にて、星組新人公演「ロミオとジュリエット」を観劇いたしました!
礼くん、城妃さん、新人公演初主演おめでとうございます!
実力には定評のあるお二人ですが、予想以上に可愛くてお似合いの、お人形のようなコンビでした(^ ^)。
ちょっと固いかなと思ったところも、緊張しているんだなと思ったところもありましたが、若さにまかせた勢い勝負ではない、きちんと感情の裏付けのある良い芝居をしていて、二人とも若いのにすごいなあ、と思いました。
他のメンバーも、ダンサーたちは若く弾けて、大人たちは学年を感じさせない落ち着きがあって、実力者ぞろいで、実に興味深い新人公演でした(*^ ^*)。
ロミオの礼くんに関しては、舞台度胸も歌の実力も何もかも本公演その他で実証済みなだけに、もっとやれるんじゃないかという勝手な期待があったんだけどなー、という肩透かし感がありました。いや、どんだけ期待していたんだ?って話なのですけどね。でも、そういうのってきっとご本人にも伝わっていて、無駄なプレッシャーになっていたんだろうな、と思うと反省。。。。
とりあえず、「礼真琴」を知った3年前の夏から今まで、一度も観たことがなかった「緊張している礼真琴」に逢えたような気がして、ある意味親近感が湧いていたりします(^ ^)。
歌はさすがの一言……なのですが、とはいえ、ものすごくレベルの高いところで、もう一息深いところで歌ってくれたらもっと良かったのにな、とも思いました。いつもより少し、……上擦っているというほどではないけれども、いつもより若い声だなあと思ったんですよね。
元々が若くて、見た目も可愛らしいタイプだから、むしろ大人っぽくつくりたいところだろうに、声だけ普段より高めで、音質の軽い、明るい声で前半はずっと歌っていて……ちょっと不思議な気がしました。
後半になるにつれて、落ち着いてきたのか声が深くなって、追放前の「ひばり」はすごく色っぽい良い声で、惚れなおしました(*^ ^*)。全編この音色で歌ってくれていたらなあ……(^ ^)
ジュリエットの城妃さんは、本公演の群舞やフィナーレで観るたびに晴華みどりちゃん系の美貌だなあ、と思っていたのですが……ジュリエットの髪と衣装には若干苦戦気味だった、かな。観客側がねねちゃんのバランスで見慣れているから、どうしたって不利だし……。
でも、本当に声が可愛くて、歌も台詞も素晴らしいです(*^ ^*)。まだ若いのに、相手の目をしっかり視て、芝居のキャッチボールができている感じがありました。空気感の綺麗な娘役さんで、将来がとても楽しみです!
ベンヴォーリオの夏樹くん。まだ下級生だと思っていたのですが、もう新公の長なんですね(@ @)。落ち着きのある、一本筋のとおった真面目な若者像で、ベンヴォーリオ単体では、今まで観た中で一番好きかもしれません。
歌や芝居の落ち着き感と、見た目のキラキラした若さが、違和感あるような気もしましたが、逆にその違和感がベンヴォーリオの深さになっているのかな、とも思いました。ベンヴォーリオのリーダーシップがはっきり出ていて、きれいにピラミッドができているのもすごいな、と。
印象に残ったことはいろいろあったのですが、一番興味深かったのは、マントヴァにロミオを探しにきたときの会話でしょうか。本役の礼くんとも紅さんとも全然違う、優しい語り口がすごく印象的でした。「君に、逢いに……」と告げる彼の、これから自分がどんなにひどいことを告げようとしているかを知っている大人の、労わるような優しい声。「ジュリエットは亡くなったよ……毒を飲んで、みずから命を絶ったんだ……」沁み入るようにやさしく、想いやりにみちた……ある意味、上から目線の、声。
ロミオに拒否されて、本気で吃驚しているベンヴォーリオが、とても印象的でした。あの瞬間まで、彼は本気で「それを伝えるのはこの俺しかいない」と思っていたんですよね。本当に伝えたかったこと(「まだ俺がいる」こと)を伝える前に完全に拒否され、「ロミオ」と呼びかけるのが精一杯で、触れることもできないベンヴォーリオが悲しくて、切なくて、可哀相でした。
「どうやって伝えよう」が、歌としても芝居としてもすごく良かっただけに、マントヴァでの一連の芝居がしっくりと噛み合って、ああ、こういう話だったんだろうな、とすごく納得できました。
本公演でも、どこにいてもパッと目を惹く華やかな美人ですが、一度、ど真ん中の役でも観てみたいなあ、と思いました。
キャピュレット夫人の夢妃さん、乳母の妃海さん、神父のひろ香さん。配役が発表されたときから期待値が高かった方々ですが……その、高すぎるほど高い「希代のハードル」を、3人揃って軽々と乗り越えてくれたのが、作品全体のレベルアップになっていたと思います。
若くて可愛くて活き活きとした風ちゃんの乳母。本当にキュートで歌も巧くて……「南太平洋」のネリーでも思いましたが、良くも悪くも宝塚娘役の枠に納まらない人だなあ、と思いました。(遠野)あすかちゃんとはちょっとタイプが違うけど、でも、彼女の当たり役だった「シンデレラ」や「アーネスト・イン・ラヴ」のグウエンドレンみたいな、母性のあるヒロインをまた観てみたいです。
優しくて穏やかで、冬の陽溜まりのような、ひろ香さんのロレンス神父。本当にやさしそうで、怪しげな薬の研究をするようなケレン味のある人物にはあまり見えなくて、、、若い二人の勢いに巻き込まれてしまった気の毒な人、、、というふうに見えたのは……狙い、なんでしょうかね(^ ^;ゞ。
仇っぽくて艶やかな、杏瑠ちゃんのキャピュレット夫人。「憎しみ」が無かったのがとても残念!!でしたが、予想以上に良かったです。ずいぶん期待値をあげていたつもりだったのに、こんなに軽々と越えていかれると、もうどうしたらいいのかわからない(^ ^)。
モンタギュー夫人の珠華さんも、「罪びと」の歌いだしの低音部が完璧で、素晴らしかったです!!感動しました。こちらも「憎しみ」聴いてみたかったなあ。。。
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礼くん、城妃さん、新人公演初主演おめでとうございます!
実力には定評のあるお二人ですが、予想以上に可愛くてお似合いの、お人形のようなコンビでした(^ ^)。
ちょっと固いかなと思ったところも、緊張しているんだなと思ったところもありましたが、若さにまかせた勢い勝負ではない、きちんと感情の裏付けのある良い芝居をしていて、二人とも若いのにすごいなあ、と思いました。
他のメンバーも、ダンサーたちは若く弾けて、大人たちは学年を感じさせない落ち着きがあって、実力者ぞろいで、実に興味深い新人公演でした(*^ ^*)。
ロミオの礼くんに関しては、舞台度胸も歌の実力も何もかも本公演その他で実証済みなだけに、もっとやれるんじゃないかという勝手な期待があったんだけどなー、という肩透かし感がありました。いや、どんだけ期待していたんだ?って話なのですけどね。でも、そういうのってきっとご本人にも伝わっていて、無駄なプレッシャーになっていたんだろうな、と思うと反省。。。。
とりあえず、「礼真琴」を知った3年前の夏から今まで、一度も観たことがなかった「緊張している礼真琴」に逢えたような気がして、ある意味親近感が湧いていたりします(^ ^)。
歌はさすがの一言……なのですが、とはいえ、ものすごくレベルの高いところで、もう一息深いところで歌ってくれたらもっと良かったのにな、とも思いました。いつもより少し、……上擦っているというほどではないけれども、いつもより若い声だなあと思ったんですよね。
元々が若くて、見た目も可愛らしいタイプだから、むしろ大人っぽくつくりたいところだろうに、声だけ普段より高めで、音質の軽い、明るい声で前半はずっと歌っていて……ちょっと不思議な気がしました。
後半になるにつれて、落ち着いてきたのか声が深くなって、追放前の「ひばり」はすごく色っぽい良い声で、惚れなおしました(*^ ^*)。全編この音色で歌ってくれていたらなあ……(^ ^)
ジュリエットの城妃さんは、本公演の群舞やフィナーレで観るたびに晴華みどりちゃん系の美貌だなあ、と思っていたのですが……ジュリエットの髪と衣装には若干苦戦気味だった、かな。観客側がねねちゃんのバランスで見慣れているから、どうしたって不利だし……。
でも、本当に声が可愛くて、歌も台詞も素晴らしいです(*^ ^*)。まだ若いのに、相手の目をしっかり視て、芝居のキャッチボールができている感じがありました。空気感の綺麗な娘役さんで、将来がとても楽しみです!
ベンヴォーリオの夏樹くん。まだ下級生だと思っていたのですが、もう新公の長なんですね(@ @)。落ち着きのある、一本筋のとおった真面目な若者像で、ベンヴォーリオ単体では、今まで観た中で一番好きかもしれません。
歌や芝居の落ち着き感と、見た目のキラキラした若さが、違和感あるような気もしましたが、逆にその違和感がベンヴォーリオの深さになっているのかな、とも思いました。ベンヴォーリオのリーダーシップがはっきり出ていて、きれいにピラミッドができているのもすごいな、と。
印象に残ったことはいろいろあったのですが、一番興味深かったのは、マントヴァにロミオを探しにきたときの会話でしょうか。本役の礼くんとも紅さんとも全然違う、優しい語り口がすごく印象的でした。「君に、逢いに……」と告げる彼の、これから自分がどんなにひどいことを告げようとしているかを知っている大人の、労わるような優しい声。「ジュリエットは亡くなったよ……毒を飲んで、みずから命を絶ったんだ……」沁み入るようにやさしく、想いやりにみちた……ある意味、上から目線の、声。
ロミオに拒否されて、本気で吃驚しているベンヴォーリオが、とても印象的でした。あの瞬間まで、彼は本気で「それを伝えるのはこの俺しかいない」と思っていたんですよね。本当に伝えたかったこと(「まだ俺がいる」こと)を伝える前に完全に拒否され、「ロミオ」と呼びかけるのが精一杯で、触れることもできないベンヴォーリオが悲しくて、切なくて、可哀相でした。
「どうやって伝えよう」が、歌としても芝居としてもすごく良かっただけに、マントヴァでの一連の芝居がしっくりと噛み合って、ああ、こういう話だったんだろうな、とすごく納得できました。
本公演でも、どこにいてもパッと目を惹く華やかな美人ですが、一度、ど真ん中の役でも観てみたいなあ、と思いました。
キャピュレット夫人の夢妃さん、乳母の妃海さん、神父のひろ香さん。配役が発表されたときから期待値が高かった方々ですが……その、高すぎるほど高い「希代のハードル」を、3人揃って軽々と乗り越えてくれたのが、作品全体のレベルアップになっていたと思います。
若くて可愛くて活き活きとした風ちゃんの乳母。本当にキュートで歌も巧くて……「南太平洋」のネリーでも思いましたが、良くも悪くも宝塚娘役の枠に納まらない人だなあ、と思いました。(遠野)あすかちゃんとはちょっとタイプが違うけど、でも、彼女の当たり役だった「シンデレラ」や「アーネスト・イン・ラヴ」のグウエンドレンみたいな、母性のあるヒロインをまた観てみたいです。
優しくて穏やかで、冬の陽溜まりのような、ひろ香さんのロレンス神父。本当にやさしそうで、怪しげな薬の研究をするようなケレン味のある人物にはあまり見えなくて、、、若い二人の勢いに巻き込まれてしまった気の毒な人、、、というふうに見えたのは……狙い、なんでしょうかね(^ ^;ゞ。
仇っぽくて艶やかな、杏瑠ちゃんのキャピュレット夫人。「憎しみ」が無かったのがとても残念!!でしたが、予想以上に良かったです。ずいぶん期待値をあげていたつもりだったのに、こんなに軽々と越えていかれると、もうどうしたらいいのかわからない(^ ^)。
モンタギュー夫人の珠華さんも、「罪びと」の歌いだしの低音部が完璧で、素晴らしかったです!!感動しました。こちらも「憎しみ」聴いてみたかったなあ。。。
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