ご無沙汰いたしておりますm(_ _)m。年始早々、あまりの寒さとあれやこれやで冬眠しておりました……すみませぬ。

観たい舞台はいろいろあるのですが、いくつ観られることやら。相変わらず、宝塚以外はチケットを取る習慣がなくなってしまったので、大竹しのぶの「ピアフ」もすみ花ちゃんの「祈りと怪物」もハナちゃんの「空に落ちた涙」も、観れるかどうか・・・・(T T)。



そんな中、博多に行ってまいりました。


いやー、宙組公演「銀河英雄伝説@HAKATAZA」、最高でした!


テルくん@ラインハルト、キタロウ@ヤン、まぁくん@キルヒアイスが素敵なのは、なんというか、予想の範囲内というか予想の延長上というか、ステキで当たり前的な感じなのですが。
カイちゃんのオーベルシュタインがっ!!(興奮)


ともちんのオーベルシュタインも、なんというか、大劇場を埋めるに値する華やかなオーベルシュタインで、あれはあれで、原作のイメージとは別物の「オーベルシュタイン@TAKARAZUKA」として十分に成立していたし、とても恰好よくてステキだった……のですが。

カイちゃんのオーベルシュタインは、、、原作ファン的に、涙が出るほど「パウル・フォン・オーベルシュタイン」、でした。

弱々しい痩躯、両眼の先天的障害のため義眼をいれている、世が世なら「劣悪遺伝子排除法」によって生きることを許されなかったはずの、男。
いろいろなところで箍がゆるん時代に、その“ゆるさ”のおかげで生き延びた男が、苛烈な獅子心王のもとで帝国の打倒を謀る。緩さを許せない冷徹かつ精緻な策略家は、その能力を預けるに足る主君を得て満足するわけではなく、主君の覇気と能力を、自らの目的のために利用しようとする。

表情の動かない、のっぺりとした蒼白い顔、歩き方や仕草の一つ一つの、ロボットめいたどこか不自然な動き……そして何より、宙空をまっすぐに見据える、不自然な目線。オーベルシュタインの眼は、原作では片眼ではなく両眼が義眼なので、そっちに沿って役づくりをしているんだろうな、と思いましたが、、、カイちゃんの本気、怖かった!!
決して小柄とはいえないカイちゃんですが、やっぱりともちんと比べると明らかに小さいので(^ ^)、「弱者」側の存在だというのが伝わってくるんですよね。「天使と悪魔」の歌も、キルヒアイスとオーベルシュタインのサイズが同じくらいなので、バランスが良くなったような(^ ^)。

ただ、オーベルシュタインをああいう“独自の目的をもつ真面目なキャラ”として造形してしまうと、「悪魔」という表現にはちょっと違和感を感じました。
ともちんオーベルシュタインは、完全に「悪魔」からスタートした役づくりで、ラインハルトを翻弄するための存在でした。そこが原作からの一番大きな変更点でもあった訳ですが、ラインハルトがそのままでオーベルシュタインだけが原作出身(^ ^)になると、どうしても違和感があるんですよね。本公演のオーベルシュタインがああなったのは、舞台という限られた表現の中でラインハルトの葛藤をわかりやすく表現しようとしたからで、テルくんの心優しい、甘えたなラインハルトにはそちらの方がわかりやすかった。でも、カイちゃんのオーベルシュタインは、妥協を許さない冷徹な参謀役に徹していてゴールデンバウム王朝への憎しみを隠さない。ラインハルトに対する態度も、ちょっとおかしな執着を感じたともちんと違って、彼のもつ能力と覇気を、自分の目的(正義)のために利用する気満々なところがわかりやすくて、とても良かったんですが、「悪魔」じゃないんですよね……。

もともと「天使と悪魔」の歌はラインハルトの葛藤を表現するナンバーで、あそこに出てくるキルヒアイスもオーベルシュタインもラインハルトのイメージなわけですが、現実のオーベルシュタインがカイちゃんになると、ラインハルトの脳内はどうなっているんだ、という気も(^ ^;ゞ

原作ファン的には全くの無問題だったのですが、小池さんの本来の演出意図との乖離は、ちょっとだけ気になったかもしれません。細かいところは案外辻褄があっていて、ほとんどカイちゃんが演出だったんじゃないのかと思うくらい、いろんなことが原作寄りになっていたのですが、根本的な作劇上の大きな改変部分が浮いたまま残っちゃった感じ。「天使と悪魔の対立」というのは、ある意味小池脚本の焦点(「スカーレット・ピンパーネル」のシャルル王太子的な)なので、オーベルシュタインが悪魔じゃなくなると困るんですよね(^ ^;ゞ

でも!
そんな違和感も気にならないくらい、カイちゃんのオーベルシュタインは本当に素敵でした(^ ^)。
元々の原作ファンでもないのに(←最初の方をちょっと読んだことがあっただけ、とご本人が仰ってました。全編読んだのは上演が決まってからだったと)、よくぞあそこまで読みこんでくれた!と、とても嬉しくなりました(はぁと)。

(特に)原作ファンの方は、ぜひぜひ!今すぐ博多にGO!!



役替りした下級生もみんな頑張っていたし、この公演が最後となったいちくんも、アルバイトもたくさんしていて、とっっても良かった!!のですが。

とりあえず、今夜のところはカイちゃん万歳!!と叫んで寝ます。
続きはまた後日。



どうでもいいことですが、「@TAKARAZUKA」と「@HAKATAZA」、「ア段」が多くてパッと見がなんとなく似ているところがなんとなく面白い(^ ^)。
銀英伝は「@TAKARAZUKA」、東宝は「Etoir de TAKARAZUKA」。どちらも宇宙と宝塚のコラボなところが面白いなあ、と思いました。星空を眺めて身近な生き物の絵を見出した古代の人々の浪漫と、銀河を駆け巡る人々を想像する現代人の浪漫。その両方を包含する宝塚の懐の深さに、年の初めから感慨深い遠征でした(^ ^)。


宝塚99周年。いま、この時にファンでいられる幸運に感謝しつつ。



コメント

nophoto
Cul
2013年1月15日8:35

猫様の@博多座版の感想が読めてとても嬉しいです(^_^)
この公演は本当に感激しましたし、原作ファンの方に観て欲しいと思いました。
個人的なことだけど、「その場面で言われてない原作のセリフ」が頭の中にどんどん蘇ってきます。

カイちゃんのオーベルシュタインはますます進化しています。
「天使と悪魔」の時は狂気めいた強い笑顔を見せるようになってきて(劇画チックといいますか)よりドラマチックに、華やかな狂気で閣下に迫っていて、3人のバランスが良くなりました。オベ様は大変怖くて素敵で、苦悩中のラインハルト様にはこう見えているんだというのがわかりやすい作りになった気がします。

例の義眼ソングで閣下の手を握って振り払われる時、「恋人つなぎ」に持ち込もうとされてました(前からでしたっけ?)
歌の時は積極的…いやなんでもないです。

本当に、舞台のどこを観ても楽しい素敵な公演です☆
宙ファンで銀英ファンで良かったなぁとしみじみ思いました(^_^)

みつきねこ
2013年1月19日2:50

Culさま
レスが遅くなってしまい、本当にすみませんm(_ _)m。

> この公演は本当に感激しましたし、原作ファンの方に観て欲しいと思いました。

そうなんですよね!やっぱり、大劇場では多少犠牲にせざるをえなかった「原作らしさ」が、芝居メインでみせられる博多だと実現できるんだなあ、と思いました。

> カイちゃんのオーベルシュタインはますます進化しています。

観たいいいいいいい(涙)
あああ、飛行機さえ。。。。

> 宙ファンで銀英ファンで良かったなぁとしみじみ思いました(^_^)

あの公演を好きなだけ(^ ^)観られる方が羨ましいです。
いや、あれが観られただけで幸せなんですが(笑)。

モンテ・クリスト伯も楽しみです♪