仁を生きるひとびと【3】
2012年12月24日 宝塚(雪)東京宝塚劇場雪組公演、千秋楽おめでとうございます。
そして、キムちゃん、みみちゃん、杏奈さま、ハウルくん、ご卒業おめでとうございますm(_ _)m。
キンっと澄んだ、明るい一日。
寒かったけど、最後まで雨も降らず、良いお天気で何よりでした。雪組子もファンのみなさまも、本当にお疲れさまでした。
卒業されるみなさまへの気持ちは先日吐き出したので、今日は他のみなさまについて。
■緒方洪庵(飛鳥裕)
西洋医学所頭取。高名な医者だけに、こういう展開の話だと完全に味方につくか、敵に回るかどちらかだと思うのですが、やっぱり飛鳥さんには善人が似合うなあと改めて思いました。
出演されていることに違和感がなさすぎて、ショーの群舞で真剣に探してしまいました(汗)。そういえば今公演からは専科さんなのか。……だけど、ハッチさんもナガさんも踊れるんだからショーにも出てほしかったよ(T T)。
■佐分利祐輔(沙央くらま)
龍馬と共に江戸に出てきた蘭方医。コマちゃんお得意のとぼけた役で、説明の多いグループ芝居をしっかり支えて、素晴らしかった!
ただ、ちょっとこういう役が続きすぎている気もしました。こういう役を安心して任せられるのがコマちゃんしかいないのもわかるんですが、意外と役柄の幅が広い人なので、もっといろんな役で観てみたいなあと思います。
いやむしろ、こういう役を楽しそうに演じているコマちゃんが印象的すぎて、そればっかりやってるような気がするだけなのかもしれませんが……
■山田純庵(彩凪翔)
緒方先生の許、西洋医学所で学んでいた医師。最初は仁に反発するが、コレラに罹り、それを治療してくれた仁に傾倒する……というありがちなキャラクターでした。癖のある役でやりやすかったのかもしれませんが、なかなか頑張っていたと思います。あとは、もうちょっと声が通ればなあ……惜しい。
■仁友堂メンバー(沙月、真那、他)
今回プログラムをよく見ていなかったので、一人ひとり役名があることにびっくりしました(しかも、刺客にまで名前があるよ?)(←いまさらすみません)(^ ^;
真那くんは蓑田玄沢っていう役だったのね。この人は実在の人物だったのでしょうか?(お茶会まで行ったんだから質問に書けば良かった…)。ちなみに、「玄沢」って杉田玄白・前野良沢のパクリかと思ったら、実際に「玄沢」という医者がいたようなので、医者としてはありふれた名前なのかもしれませんね。
割り台詞だけど思ったより台詞が多くて、私は真那くんの声が好きなので幸せでした。ああ、新公観たかったなあ………(泣)。
「フットルース」に続いて沙月さんとずーっといちゃいちゃしているのでてっきり恋人かと思っていたら、あれは姉弟なんだそうで(^ ^)、ちょっとシスコンじゃない?と思いつつ、微笑ましく見守ってみました(^ ^)。
他のメンバーも、コマちゃんの指導のもと(?)キムちゃんをまっすぐに視ているのが伝わってきて、いいチームだなあと思いました。東宝は後半で観たので、「京に行け!」と仁と咲を送り出す場面とか、みんな泣きそうになっていて、、、ぐっときましたね(; ;)。
仁が江戸で得た「居場所」は、やっぱり立花家じゃなくてこの仲間たちであり、「仁友堂」という建物が出来る前からゆっくりと築かれていった絆なんだな、と感じました。
■新門辰五郎(夏美よう)
火消し「を組」の頭取。いやー、渋いね恰好良いね!大親分らしい見得切りの迫力が、おもわず拍手したくなるレベルだったのはさすがでした。むしろ掛け声かけたかったよ(^ ^)よっ、頭取っ!って(^ ^)。
史実を言うなら、辰五郎は勝による江戸城明け渡しのときもまだ頭取をしていたはずなんだけど(勝の切り札の一人だったはず)、、、原作でも仙吉に跡目を譲って隠退したことになっているのかな。まあ、仙吉が名前ごと継いだことになっているなら不思議はないか。
■千吉(夢乃聖夏)
大劇場公演では雪組デビューとなったともみんは、いかにもともみんらしい熱くて可愛い、そして空気の読めない役でした(^ ^)。お駒ちゃんへのベタ惚れっぷりは可愛いし、ウザくても可愛い!!(真顔)ランベルト先生に続く「ともみん」らしさ、無駄に暑苦しい優しさが、これからも雪組でうまく生かされることを祈ります。
■お駒(大湖せしる)
縫製の仕事をしながら弟妹を育てている江戸娘。手先が器用で、……懐がさびしいと、ついつい他人の懐を狙ってしまうスリ稼業に精をだして、幼馴染の千吉に怒られたりしてますが、、、むしろ千吉に怒られたいだけじゃないのかと思うくらいには、千吉のいるところでばかりスッているような(^ ^)。
もともと美人だし、「双曲線上のカルテ」のわがままお嬢さんもなかなかがんばっていましたけど、、、着物姿の婀娜っぽさはまた格別でした(*^ ^*)。ちょっと個性的な髪型も良かったし、美味しい役をちゃんとおいしく演じていて、とても良かったです。ともみんともお似合いだった!
■火消したち(香音、透真、他)
辰五郎親分を中心に銀橋で歌いながら見得を切る場面があるんですが……みんな粋でいなせで、恰好良かったです♪
香音さんは冒頭の恭太郎の付人でも目立っていたし、りーしゃは現代での患者役もあったけど、やっぱり二人ともこの火消し役がメインという気がしました。出番はあまり多くないけど、恰好良かったー♪
■読売り(久城あす)
長七郎、っていう名前があったんですね。そういえば、何度か呼ばれていたような気もする。
声もいい口跡もいい、ダンスもいい!!最近すっかりお気に入りの下級生ですが、期待に応えた出来だったと思います。メインで出ている時以外も、仁友堂の開院祝いとか、さりげない小芝居がとても自然で、大好きです。
■喜市(星乃あんり)
原作では主要人物の一人であると聞きましたが、今回のお芝居ではちょっと目立つ子役…という感じだったかな。でも、仁をからかうアドリブは観るたびに違っていて、たぶん毎日替えていたんだと思いますが、よくがんばったなあと思います。可愛かった!
■澤村田之助(帆風成海)
ホタテは本当に達者だなあ(感心)。
歌舞伎役者としての口上も見事だけど、仁友堂の開院祝いで、さりげなく「いまも役者を続けていられるのは仁先生のおかげなのさ」と語る声の絶妙な色。「当代一の女形」らしい柔らかな物腰と口調のなめらかさ、さりげない美しさがとても良かったと思います。さすが!
■歌舞伎役者たち(大澄、悠斗、月城、永久輝)
綺麗どころの下級生が並んでましたね。眼福、眼福!口上+見得も、大劇場最初に比べると別人のようにみんなよくなってて、下級生にとって3ヶ月は長い時間なんだなあと思いました。
■鈴屋の主人夫婦(奏乃はると、麻樹ゆめみ)
吉原の廓では一番の大店、と言われる鈴屋の主人夫婦。とはいえ、遣り手というよりは、野風に「おやじさま、おふくろさま」と呼ばれるにふさわしい穏やかな人柄で、にわにわの温かみによく似合っていたと思います。そんなんで商売大丈夫か?と思わないでもないけど、逆にそういうところが信頼されたりするのかも。
呼び出しを張ったことがある夕霧太夫のために尽力したり、、、と、こういう主人の許でなら女郎も幸せだったかも、と思えた二人でした(; ;)。
■野風(愛加あゆ)
夕霧の妹女郎で、現・鈴屋の呼び出し。姉女郎のために仁を呼びだし、梅毒の治療を依頼する。これがきっかけで仁はペニシリン製造=歴史の改変に踏み出し、それが仁友堂の礎となっていく。そして、次には自分の病気の治療(手術)を依頼する。。。実は、この物語のドラマの根幹を一人で担当している人なんですよね。
作劇的に、野風の手術は、現代でゆめを救えなかった仁の再生の象徴となるエピソードなので、もう少し丁寧に処理してほしかったような気がするのですが……「この場所で生きていく」と決意した仁の心象風景の中で処理してしまったために、ちょっとわかりにくかったんじゃないかなー、と思いました。だからといって、「長い春の果てに」みたいな手術ダンスをするわけにもいかないし、処理としては難しいところだったとは思いますが。
……こうやって考えると、「仁」と「長い春の果てに」って、結構被るなあ。やっぱり「仁」を石田さんが潤色してたらどうなったのか、興味深いわ。
話が飛びますが、病床の夕霧が野風を幼名で「ちどり」と呼ぶ声がとても好きです……っていうのは、野風の項目に書くことじゃないかな。でも、そう呼ばれて、泣きそうな貌で「ねえさん」と返す野風もとても好きなので、あえてここに書いておきます。
ちなみに。私は原作知らないんですが、野風も現代からタイムトラベルして来た人なんですか……?
■ジャン・ルロン(鳳翔大)
こんなに大ちゃん宛書きの役があるとは!!(@ @)。村上もとか、恐るべし。
■濱口儀兵衛(朝風れい)
醤油醸造ヤマサの頭取。いやー、渋くて良い男でした。貫録ついてきたなあ(感心)。
■中岡 慎太郎(蓮城まこと)
中岡としての出番は最後の方にちょっとだけ、という感じでほとんどしどころはありませんでしたが、スマートな美剣士でとても恰好良かったです。殺陣も悪くなかった……というか、全体的に殺陣のレベルは(T T)
作品の前半ではがおりちゃんとコンビで酔っ払いを演じていて、とっても可愛かったです(*^ ^*)。
■近藤勇(香綾しずる)
白黒の新撰組の羽織が良く似合って、恰好良かったです。しどころのない役ではありましたが、銀橋をただ渡る、っていうのがこんなに難しいものだったとは、、、というのは目から鱗でした。がおりちゃんなら何でも出来ると思っていたよ……。
作品の前半はキングとコンビで酔っ払い。鼻を真っ赤にしての好演(^ ^)でした♪
■高岡玄斉(彩風咲奈)
こちらも前半はずっと傀儡師でほけほけ江戸の町を歩いていましたが、「高岡さま」としての出番では、がんばって仕草もゆったりと、貫録を見せるように努力していたなーと思います。しかし……うーん、何が足りないんだろう……(; ;)。
あと、これは彩風さんが悪いんじゃないんだけど、高岡さまが楓を引きとめなかったら、彼女はあっさり龍馬に追いついて止めをさせたんじゃないか?と思ったりしました(^ ^;
■楓(笙乃茅桜)
ぴったり宛書きすぎて、これまた村上もとか恐るべし、と思いました。え、ルロンさんも楓ちゃんも、原作にもいるキャラクターなんですよね?ね?だって、もし楓が吉正オリジナルキャラだったら、ミニスカのくの一コスだったはずですもんね?
音もなく走ってきて、高岡さまの脇にピタッと座るところとか、めちゃくちゃ好きです。懐刀で斬りかかるところも素敵過ぎて!ああもう、今回は楓といいショーといい、ひーこに釘づけでした。
■沖田総司(煌羽レオ)
見た目はシャープで総司にぴったりだと思うのですが。。。あの奇妙な口調は齋藤さんの演技指導なんでしょうか?新公とかで観たかぎり、普通に喋れる子だったはずなのになあ。なんというか、ちょっとオカマっぽいような奇妙な口調……せっかくの良い役なのに、もったいないー!(T T)
……そんなところかな。
他にも印象的な役がたくさんあって、下級生までみんな出番も多くて、遣り甲斐のある作品だっただろうな、と思いました。
「生きる使命」が、人それぞれに違っていることが強く印象に残りました。ひとりひとりが違う人生を、違う使命を抱えて、それでも手を取り合って生きていく、、、たとえ道が離れても、今まで手を繋いで歩いてきたことに意味があるんだ、と、そんなイマジネーション。まだ若いトップコンビの、早すぎる卒業にふさわしい、未来を感じさせる作品になっていたと思います。
といいつつ、最後にひとつだけ。
「万事は尽くした」って……言いたいことはわかるけど、、、いいのか?
.
そして、キムちゃん、みみちゃん、杏奈さま、ハウルくん、ご卒業おめでとうございますm(_ _)m。
キンっと澄んだ、明るい一日。
寒かったけど、最後まで雨も降らず、良いお天気で何よりでした。雪組子もファンのみなさまも、本当にお疲れさまでした。
卒業されるみなさまへの気持ちは先日吐き出したので、今日は他のみなさまについて。
■緒方洪庵(飛鳥裕)
西洋医学所頭取。高名な医者だけに、こういう展開の話だと完全に味方につくか、敵に回るかどちらかだと思うのですが、やっぱり飛鳥さんには善人が似合うなあと改めて思いました。
出演されていることに違和感がなさすぎて、ショーの群舞で真剣に探してしまいました(汗)。そういえば今公演からは専科さんなのか。……だけど、ハッチさんもナガさんも踊れるんだからショーにも出てほしかったよ(T T)。
■佐分利祐輔(沙央くらま)
龍馬と共に江戸に出てきた蘭方医。コマちゃんお得意のとぼけた役で、説明の多いグループ芝居をしっかり支えて、素晴らしかった!
ただ、ちょっとこういう役が続きすぎている気もしました。こういう役を安心して任せられるのがコマちゃんしかいないのもわかるんですが、意外と役柄の幅が広い人なので、もっといろんな役で観てみたいなあと思います。
いやむしろ、こういう役を楽しそうに演じているコマちゃんが印象的すぎて、そればっかりやってるような気がするだけなのかもしれませんが……
■山田純庵(彩凪翔)
緒方先生の許、西洋医学所で学んでいた医師。最初は仁に反発するが、コレラに罹り、それを治療してくれた仁に傾倒する……というありがちなキャラクターでした。癖のある役でやりやすかったのかもしれませんが、なかなか頑張っていたと思います。あとは、もうちょっと声が通ればなあ……惜しい。
■仁友堂メンバー(沙月、真那、他)
今回プログラムをよく見ていなかったので、一人ひとり役名があることにびっくりしました(しかも、刺客にまで名前があるよ?)(←いまさらすみません)(^ ^;
真那くんは蓑田玄沢っていう役だったのね。この人は実在の人物だったのでしょうか?(お茶会まで行ったんだから質問に書けば良かった…)。ちなみに、「玄沢」って杉田玄白・前野良沢のパクリかと思ったら、実際に「玄沢」という医者がいたようなので、医者としてはありふれた名前なのかもしれませんね。
割り台詞だけど思ったより台詞が多くて、私は真那くんの声が好きなので幸せでした。ああ、新公観たかったなあ………(泣)。
「フットルース」に続いて沙月さんとずーっといちゃいちゃしているのでてっきり恋人かと思っていたら、あれは姉弟なんだそうで(^ ^)、ちょっとシスコンじゃない?と思いつつ、微笑ましく見守ってみました(^ ^)。
他のメンバーも、コマちゃんの指導のもと(?)キムちゃんをまっすぐに視ているのが伝わってきて、いいチームだなあと思いました。東宝は後半で観たので、「京に行け!」と仁と咲を送り出す場面とか、みんな泣きそうになっていて、、、ぐっときましたね(; ;)。
仁が江戸で得た「居場所」は、やっぱり立花家じゃなくてこの仲間たちであり、「仁友堂」という建物が出来る前からゆっくりと築かれていった絆なんだな、と感じました。
■新門辰五郎(夏美よう)
火消し「を組」の頭取。いやー、渋いね恰好良いね!大親分らしい見得切りの迫力が、おもわず拍手したくなるレベルだったのはさすがでした。むしろ掛け声かけたかったよ(^ ^)よっ、頭取っ!って(^ ^)。
史実を言うなら、辰五郎は勝による江戸城明け渡しのときもまだ頭取をしていたはずなんだけど(勝の切り札の一人だったはず)、、、原作でも仙吉に跡目を譲って隠退したことになっているのかな。まあ、仙吉が名前ごと継いだことになっているなら不思議はないか。
■千吉(夢乃聖夏)
大劇場公演では雪組デビューとなったともみんは、いかにもともみんらしい熱くて可愛い、そして空気の読めない役でした(^ ^)。お駒ちゃんへのベタ惚れっぷりは可愛いし、ウザくても可愛い!!(真顔)ランベルト先生に続く「ともみん」らしさ、無駄に暑苦しい優しさが、これからも雪組でうまく生かされることを祈ります。
■お駒(大湖せしる)
縫製の仕事をしながら弟妹を育てている江戸娘。手先が器用で、……懐がさびしいと、ついつい他人の懐を狙ってしまうスリ稼業に精をだして、幼馴染の千吉に怒られたりしてますが、、、むしろ千吉に怒られたいだけじゃないのかと思うくらいには、千吉のいるところでばかりスッているような(^ ^)。
もともと美人だし、「双曲線上のカルテ」のわがままお嬢さんもなかなかがんばっていましたけど、、、着物姿の婀娜っぽさはまた格別でした(*^ ^*)。ちょっと個性的な髪型も良かったし、美味しい役をちゃんとおいしく演じていて、とても良かったです。ともみんともお似合いだった!
■火消したち(香音、透真、他)
辰五郎親分を中心に銀橋で歌いながら見得を切る場面があるんですが……みんな粋でいなせで、恰好良かったです♪
香音さんは冒頭の恭太郎の付人でも目立っていたし、りーしゃは現代での患者役もあったけど、やっぱり二人ともこの火消し役がメインという気がしました。出番はあまり多くないけど、恰好良かったー♪
■読売り(久城あす)
長七郎、っていう名前があったんですね。そういえば、何度か呼ばれていたような気もする。
声もいい口跡もいい、ダンスもいい!!最近すっかりお気に入りの下級生ですが、期待に応えた出来だったと思います。メインで出ている時以外も、仁友堂の開院祝いとか、さりげない小芝居がとても自然で、大好きです。
■喜市(星乃あんり)
原作では主要人物の一人であると聞きましたが、今回のお芝居ではちょっと目立つ子役…という感じだったかな。でも、仁をからかうアドリブは観るたびに違っていて、たぶん毎日替えていたんだと思いますが、よくがんばったなあと思います。可愛かった!
■澤村田之助(帆風成海)
ホタテは本当に達者だなあ(感心)。
歌舞伎役者としての口上も見事だけど、仁友堂の開院祝いで、さりげなく「いまも役者を続けていられるのは仁先生のおかげなのさ」と語る声の絶妙な色。「当代一の女形」らしい柔らかな物腰と口調のなめらかさ、さりげない美しさがとても良かったと思います。さすが!
■歌舞伎役者たち(大澄、悠斗、月城、永久輝)
綺麗どころの下級生が並んでましたね。眼福、眼福!口上+見得も、大劇場最初に比べると別人のようにみんなよくなってて、下級生にとって3ヶ月は長い時間なんだなあと思いました。
■鈴屋の主人夫婦(奏乃はると、麻樹ゆめみ)
吉原の廓では一番の大店、と言われる鈴屋の主人夫婦。とはいえ、遣り手というよりは、野風に「おやじさま、おふくろさま」と呼ばれるにふさわしい穏やかな人柄で、にわにわの温かみによく似合っていたと思います。そんなんで商売大丈夫か?と思わないでもないけど、逆にそういうところが信頼されたりするのかも。
呼び出しを張ったことがある夕霧太夫のために尽力したり、、、と、こういう主人の許でなら女郎も幸せだったかも、と思えた二人でした(; ;)。
■野風(愛加あゆ)
夕霧の妹女郎で、現・鈴屋の呼び出し。姉女郎のために仁を呼びだし、梅毒の治療を依頼する。これがきっかけで仁はペニシリン製造=歴史の改変に踏み出し、それが仁友堂の礎となっていく。そして、次には自分の病気の治療(手術)を依頼する。。。実は、この物語のドラマの根幹を一人で担当している人なんですよね。
作劇的に、野風の手術は、現代でゆめを救えなかった仁の再生の象徴となるエピソードなので、もう少し丁寧に処理してほしかったような気がするのですが……「この場所で生きていく」と決意した仁の心象風景の中で処理してしまったために、ちょっとわかりにくかったんじゃないかなー、と思いました。だからといって、「長い春の果てに」みたいな手術ダンスをするわけにもいかないし、処理としては難しいところだったとは思いますが。
……こうやって考えると、「仁」と「長い春の果てに」って、結構被るなあ。やっぱり「仁」を石田さんが潤色してたらどうなったのか、興味深いわ。
話が飛びますが、病床の夕霧が野風を幼名で「ちどり」と呼ぶ声がとても好きです……っていうのは、野風の項目に書くことじゃないかな。でも、そう呼ばれて、泣きそうな貌で「ねえさん」と返す野風もとても好きなので、あえてここに書いておきます。
ちなみに。私は原作知らないんですが、野風も現代からタイムトラベルして来た人なんですか……?
■ジャン・ルロン(鳳翔大)
こんなに大ちゃん宛書きの役があるとは!!(@ @)。村上もとか、恐るべし。
■濱口儀兵衛(朝風れい)
醤油醸造ヤマサの頭取。いやー、渋くて良い男でした。貫録ついてきたなあ(感心)。
■中岡 慎太郎(蓮城まこと)
中岡としての出番は最後の方にちょっとだけ、という感じでほとんどしどころはありませんでしたが、スマートな美剣士でとても恰好良かったです。殺陣も悪くなかった……というか、全体的に殺陣のレベルは(T T)
作品の前半ではがおりちゃんとコンビで酔っ払いを演じていて、とっても可愛かったです(*^ ^*)。
■近藤勇(香綾しずる)
白黒の新撰組の羽織が良く似合って、恰好良かったです。しどころのない役ではありましたが、銀橋をただ渡る、っていうのがこんなに難しいものだったとは、、、というのは目から鱗でした。がおりちゃんなら何でも出来ると思っていたよ……。
作品の前半はキングとコンビで酔っ払い。鼻を真っ赤にしての好演(^ ^)でした♪
■高岡玄斉(彩風咲奈)
こちらも前半はずっと傀儡師でほけほけ江戸の町を歩いていましたが、「高岡さま」としての出番では、がんばって仕草もゆったりと、貫録を見せるように努力していたなーと思います。しかし……うーん、何が足りないんだろう……(; ;)。
あと、これは彩風さんが悪いんじゃないんだけど、高岡さまが楓を引きとめなかったら、彼女はあっさり龍馬に追いついて止めをさせたんじゃないか?と思ったりしました(^ ^;
■楓(笙乃茅桜)
ぴったり宛書きすぎて、これまた村上もとか恐るべし、と思いました。え、ルロンさんも楓ちゃんも、原作にもいるキャラクターなんですよね?ね?だって、もし楓が吉正オリジナルキャラだったら、ミニスカのくの一コスだったはずですもんね?
音もなく走ってきて、高岡さまの脇にピタッと座るところとか、めちゃくちゃ好きです。懐刀で斬りかかるところも素敵過ぎて!ああもう、今回は楓といいショーといい、ひーこに釘づけでした。
■沖田総司(煌羽レオ)
見た目はシャープで総司にぴったりだと思うのですが。。。あの奇妙な口調は齋藤さんの演技指導なんでしょうか?新公とかで観たかぎり、普通に喋れる子だったはずなのになあ。なんというか、ちょっとオカマっぽいような奇妙な口調……せっかくの良い役なのに、もったいないー!(T T)
……そんなところかな。
他にも印象的な役がたくさんあって、下級生までみんな出番も多くて、遣り甲斐のある作品だっただろうな、と思いました。
「生きる使命」が、人それぞれに違っていることが強く印象に残りました。ひとりひとりが違う人生を、違う使命を抱えて、それでも手を取り合って生きていく、、、たとえ道が離れても、今まで手を繋いで歩いてきたことに意味があるんだ、と、そんなイマジネーション。まだ若いトップコンビの、早すぎる卒業にふさわしい、未来を感じさせる作品になっていたと思います。
といいつつ、最後にひとつだけ。
「万事は尽くした」って……言いたいことはわかるけど、、、いいのか?
.
コメント