宙組東京宝塚劇場「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」千秋楽を観劇いたしました。


いつも控えめな優しい笑顔で踊っていた(雪乃)心美ちゃん、
「お芝居が大好きだから、一本もので卒業したい」と語っていたえなちゃん(月映)、

ご卒業、おめでとうございます。


えなちゃんの気持ちはわかるつもりだし、小池さんのえなちゃんに対する評価の高さ(「カサブランカ」でトネリ大尉を演じた時、まだ研4だったんですよあの人)もよくわかるから、その決断も納得せざるをえなかったんですが……
でも、寂しい。ごめんね、やっぱり寂しいよ。
おめでとう、と笑顔で見送りたい気持ちとは別に、もっと色々な役を生きるタカラジェンヌの彼女を見守っていたかった気持ちも、今日まで消えることはなくて。あんなにお芝居が好きで、男役が好きな人なのに、どうして卒業してしまうんだろう、と切なくて。

フレーゲル男爵がヴェスターラントで殺された後、暗転するまで、階段の影でぴくりとも動かないえなちゃんの小柄な身体をずっと追っていたら、なんだか涙が止まらなくなりました。
まだ出番はあるけど、「月映樹茉」の宝塚でのお芝居は、もう観れないんだな、と実感したんですよね……。最後にやりがいのある面白い役で、本当に良かったです。小池さんありがとうございます!!



シリアスなお芝居の一本ものとあって、特にアドリブを入れるようなところもなく、卒業されるお二人とも、ごく端正に、まっすぐに、どの場面も役になりきって演じていらっしゃったと思います。

フィナーレのドレスに紅いコサージュをつけていた心美ちゃん。
大階段で、白い小薔薇のコサージュをつけていたえなちゃん。


ピンクをメインにした、こんもりと丸い、娘役さんらしい可愛いブーケの心美ちゃん。
真ん中が白くて、外側の花弁だけ淡いピンクの薔薇を、祐飛さんの青薔薇のブーケのように、茎を長く揃えた形にまとめて銀のリボンで結んだシャープな花束のえなちゃん。
ご挨拶も、まっすぐに短くストレートで。とても可愛いのに、とても心に響きました。


昼間は晴れていて暖かかったのに、終演時はびゅうびゅうと木枯らしが吹き荒れる寒い夜。
緑の袴で赤ん坊のような無垢な笑顔を包んで、雲の上でも歩いているかのような軽やかな足取りで去っていったお二人の明日に、幸多かれと祈りつつ。






なんだか結局、作品についてちゃんと書かないうちに千秋楽になってしまったな………(すみません)

東宝で観て、いろいろ細々変ったなと思ったのですが(アンネローゼが2幕ずっと喪服だったこととか、オフレッサーの登場が恰好よくなってたこととか、他にも色々)。


いちばん驚いたのは、「オーディンの夜」でした。
私はやっぱり原作ファンなので、ああいう女々しい歌を歌うロイエンタールがどうも受け付けなかったのですが、東宝に来たら、ロイエンタールの「最後かもしれない夜を一緒に過ごしたいたった一人の人」=ミッターマイヤーという図式があまりに明解に提示されていて、吃驚しました(滝汗)。
いいのか、宝塚なのにそんなんで(←いいんですよモチロン!!)

一時の愛人(結乃かなり)に対する優しい愛撫と、なのに彼女とは殆ど視線を合わせずに、宙をさまようヘテロクロミア。あからさまにミッターマイヤーの方を視るわけでもないところが良いんです(*^ ^*)ミッターマイヤーの代わりに女を抱いてるわけじゃないから(そういう対象ではない ←当たり前)。ただ、女では埋まらない虚無が、友と酒を飲みながら語り合えば埋められる、という感覚なんですよね。
「寂しい」のとも違う、もっと切実な感情。

戦闘場面ではミッターマイヤー(七海)の方がアイコンタクトしたがってロイエンタール(蓮水)に無視されているのに、プライヴェートではミッターマイヤーが愛するのはエヴァンゼリンただ一人、というのが、私のイメージ通り(←原作どおりかどうかは、もはや不明としか)でした。

あああ、博多では双璧二人とも変っちゃうんですよね。。。この場面も、どうなることか。




博多といえば、いくつか小池さんに再考してほしいところがあるので、忘れないうちに個人的にメモっておきたいと思います。

・「滅ばなかった国はない」っていう言い方に違和感を感じるのは私だけ?「滅びない」じゃなのか……?あぅ、私だけなのかなあ。。。


・ラインハルトがヒルダを呼ぶ時は、(せめて最初の元帥就任式だけでもいいから)フロイライン・マリーンドルフと呼んでほしい。


・新公でルビンスキー(美月)が言ってた「常勝の英 雄ラインハルト、不敗の魔術師ヤン」っていう決め台詞を採用してほしい。


・同じく新公でオーベルシュタイン(愛月)が言った「皇帝は死にました」も自然で良かった!(本公演では「皇帝の死が告知されました」だったはず) 新公演出の児玉さんは原作ファンなのかしら…?
あと、ラインハルトのソロだけでいいから、「皇帝が亡くなった」を「死んだ」に修正してほしい。。。コーラスは良いんですけど、ラインハルトが皇帝に敬語を使うのは違和感があるんですよ(T T)。……あ、でも、皇帝が「すべてを見抜いていた」設定に替えてるから、そこは仕方ないのか?



他にもいろいろあったはずなので、思いだしたらまた書くかも。

こんなところに書いてないで、ファンレターでも出せってご意見は、、、ごもっともです……(汗)。

【友人に指摘されて気がつきました。文字で読んで美しい詞と、耳できいてわかりやすい言葉は違いますよね。舞台脚本の常識なのに、原作が好きすぎてちょっと目が眩んでましたすみません。今のままでお願いします】【っていうか、小池さんさすが!!】


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