雪組日本青年館公演「双曲線上のカルテ」、千秋楽おめでとうございます!
千秋楽ではありませんが、なんとか観ることができましたので、簡単に感想を。
脚本・演出は石田昌也、原作は渡辺淳一の「無影燈」。
ハッチさん(夏美)のキャラクターが「相棒」の官房長官そっくりだとか、そういう突っ込みどころはいろいろありましたが、やはり原作がしっかりしている上にキャラクター主体で動かせる物語は石田さんの得意分野なんだな、と思いました。
難病を抱え、自らの死を見据えつつ医療の道を歩むフェルナンド先生に、早霧せいな。
石田さんとチギちゃんといえば、宙組時代のワークショップ「殉情」が思いだされます。身分違いの恋を成就させるために、こいさん(和音美桜)を縛りつけようとする強い意志。搦め手から攻められて、気がついた時には身も心も絡め取られ、完全な支配を許していた春琴に与えられた、歪んだ幸福。
石田さんにとってのチギちゃんは、そういうキャラクターなんだな、と思いました。
「殉情」の佐助と今回のフェルナンドは、表に顕れた人格はまったく違うんですけれども、最後の一線で『自分のやり方を譲らない強さ』が同じなんですよね。運命を受け容れて淡々と生きているように見えて、最期には愛した女を自分の運命(意思)に巻き込み、絡め取って逃がさない。
その意思の強さで、運命に抗う力を持つ男。
やっぱりこの人は、「神の道具」でしかないニジンスキーは似合わないんですよたぶん。もっと人間らしい、はっきりとした意思を持っている役が良いんだと思う。そして、今回は石田さんの演技指導もあってか、久しぶりにちゃんと舞台の上で嘘を吐いているチギちゃんを観ることができて良かったです。
そのあたりの外堀がちゃんと埋まっていると、彼女の最大の武器である文句なしの美貌が生きるなあ、と感心しました。いやー、あれは落ちるわ(真顔)。
フェルナンドの同僚・ランベルトに、組替えしてきたばかりの夢乃聖夏。
いやー、ともみん、好きだなあ……。
無駄に暑苦しい正義心や友情を押しつけておいて、大事なところでフェルナンドの意思を尊重する優しさがあるところ、とか、ホントにぴったり。いや、それは勿論、石田さんの設定(脚本)がよくできているんですけど(^ ^)、でも、ともみんの芝居も、そのあたりの匙加減が素晴らしかったと思います。
ああいう役は、まず嫌味なく暑苦しいという両面のバランスがとれていないとうまくいかないと思うんですけど、そういうところ、ともみんという役者は稀有な存在なんじゃないかなあ。
チギちゃんと同期の87期。フィナーレの扱いもかなり大きくてびっくりしました。
とにかくお二人の並びがいろんな意味で眼福でした(^ ^)。さらにこれに大ちゃんが加わる大劇場公演が楽しみだ!
フェルナンドやランベルトと同じ病院で働くナース・モニカに星乃あんり。
可愛いは正義(きっぱり)。
ただただ純粋で素直な「娘役らしい娘役」。チギちゃんにはもっと包容力のある娘役の方が似合うと思っていたのですが、あそこまで純粋で素直で幼いと、それはそれでチギちゃんの包容力が増してみえて良かったと思います。
芝居面でどうこういうような役ではなく、ただ純粋に可愛く在れば(フェルナンドが振り返ったときに
そこで微笑んでいれば)いい、という感じの役でしたが、微笑み一つでフェルナンドの闇を中和しなくてはならないわけですから、それはそれですごいパワーが必要なんだろうな、と思いました。
一年前の「灼熱の彼方」の妹姫は、可愛いけど「どうしたらいいのかわかりません」と顔に書いてあるのがしっかり読めた気がしたものですが。研3から研4への1年間というのは、長いものなのですね。
「可愛い」だけを武器に、闇に沈んだ男を救う天使になった、あんりちゃん。
ラストの、「フェルナンド、見える?」の一言は、すごく良かったです。これからのご活躍、期待しています。
病院長(夏美)の娘・クラリーチェに、女役に転向したばかりの大湖せしる。
美しいは正義。
スタイルも化粧も仕草も芝居も、何もかも「転向したて」だとは思えないくらいハイレベルでした。ええ。
これで色気があれば完璧なんですが……まあ、そこまで要求するのはちょっと酷なのかなあ……なんて思いつつ、大事なことは何度でも書きましょう。美しいは正義。
あんりちゃんという典型的な「幼くて可憐な花」と、せしるのシャープな美貌やクールな持ち味の対比は見事で、、、その両者に対するフェルナンドの態度の差とか、最終的にクラリーチェをちゃんと護ってくれそうなランベルトの優しさとか、、、いろいろ台詞では説明しきれない色んな事を観客に納得させるのに、このキャスティングは神だなあ、と思いました。
……そして。
このシリアスな物語を最後まで観て、一番印象に残ったのがチギちゃんの最後の挨拶だった、とゆーのは、……どうなんだろう(^ ^;ゞ
.
千秋楽ではありませんが、なんとか観ることができましたので、簡単に感想を。
脚本・演出は石田昌也、原作は渡辺淳一の「無影燈」。
ハッチさん(夏美)のキャラクターが「相棒」の官房長官そっくりだとか、そういう突っ込みどころはいろいろありましたが、やはり原作がしっかりしている上にキャラクター主体で動かせる物語は石田さんの得意分野なんだな、と思いました。
難病を抱え、自らの死を見据えつつ医療の道を歩むフェルナンド先生に、早霧せいな。
石田さんとチギちゃんといえば、宙組時代のワークショップ「殉情」が思いだされます。身分違いの恋を成就させるために、こいさん(和音美桜)を縛りつけようとする強い意志。搦め手から攻められて、気がついた時には身も心も絡め取られ、完全な支配を許していた春琴に与えられた、歪んだ幸福。
石田さんにとってのチギちゃんは、そういうキャラクターなんだな、と思いました。
「殉情」の佐助と今回のフェルナンドは、表に顕れた人格はまったく違うんですけれども、最後の一線で『自分のやり方を譲らない強さ』が同じなんですよね。運命を受け容れて淡々と生きているように見えて、最期には愛した女を自分の運命(意思)に巻き込み、絡め取って逃がさない。
その意思の強さで、運命に抗う力を持つ男。
やっぱりこの人は、「神の道具」でしかないニジンスキーは似合わないんですよたぶん。もっと人間らしい、はっきりとした意思を持っている役が良いんだと思う。そして、今回は石田さんの演技指導もあってか、久しぶりにちゃんと舞台の上で嘘を吐いているチギちゃんを観ることができて良かったです。
そのあたりの外堀がちゃんと埋まっていると、彼女の最大の武器である文句なしの美貌が生きるなあ、と感心しました。いやー、あれは落ちるわ(真顔)。
フェルナンドの同僚・ランベルトに、組替えしてきたばかりの夢乃聖夏。
いやー、ともみん、好きだなあ……。
無駄に暑苦しい正義心や友情を押しつけておいて、大事なところでフェルナンドの意思を尊重する優しさがあるところ、とか、ホントにぴったり。いや、それは勿論、石田さんの設定(脚本)がよくできているんですけど(^ ^)、でも、ともみんの芝居も、そのあたりの匙加減が素晴らしかったと思います。
ああいう役は、まず嫌味なく暑苦しいという両面のバランスがとれていないとうまくいかないと思うんですけど、そういうところ、ともみんという役者は稀有な存在なんじゃないかなあ。
チギちゃんと同期の87期。フィナーレの扱いもかなり大きくてびっくりしました。
とにかくお二人の並びがいろんな意味で眼福でした(^ ^)。さらにこれに大ちゃんが加わる大劇場公演が楽しみだ!
フェルナンドやランベルトと同じ病院で働くナース・モニカに星乃あんり。
可愛いは正義(きっぱり)。
ただただ純粋で素直な「娘役らしい娘役」。チギちゃんにはもっと包容力のある娘役の方が似合うと思っていたのですが、あそこまで純粋で素直で幼いと、それはそれでチギちゃんの包容力が増してみえて良かったと思います。
芝居面でどうこういうような役ではなく、ただ純粋に可愛く在れば(フェルナンドが振り返ったときに
そこで微笑んでいれば)いい、という感じの役でしたが、微笑み一つでフェルナンドの闇を中和しなくてはならないわけですから、それはそれですごいパワーが必要なんだろうな、と思いました。
一年前の「灼熱の彼方」の妹姫は、可愛いけど「どうしたらいいのかわかりません」と顔に書いてあるのがしっかり読めた気がしたものですが。研3から研4への1年間というのは、長いものなのですね。
「可愛い」だけを武器に、闇に沈んだ男を救う天使になった、あんりちゃん。
ラストの、「フェルナンド、見える?」の一言は、すごく良かったです。これからのご活躍、期待しています。
病院長(夏美)の娘・クラリーチェに、女役に転向したばかりの大湖せしる。
美しいは正義。
スタイルも化粧も仕草も芝居も、何もかも「転向したて」だとは思えないくらいハイレベルでした。ええ。
これで色気があれば完璧なんですが……まあ、そこまで要求するのはちょっと酷なのかなあ……なんて思いつつ、大事なことは何度でも書きましょう。美しいは正義。
あんりちゃんという典型的な「幼くて可憐な花」と、せしるのシャープな美貌やクールな持ち味の対比は見事で、、、その両者に対するフェルナンドの態度の差とか、最終的にクラリーチェをちゃんと護ってくれそうなランベルトの優しさとか、、、いろいろ台詞では説明しきれない色んな事を観客に納得させるのに、このキャスティングは神だなあ、と思いました。
……そして。
このシリアスな物語を最後まで観て、一番印象に残ったのがチギちゃんの最後の挨拶だった、とゆーのは、……どうなんだろう(^ ^;ゞ
.
コメント