渋谷のオーチャードホールにて、「Dancin’ Crazy2」を観劇いたしました。


構成・演出は三木章雄。
2007年8月に、同じ演出家で大浦みずきさんメインで上演された「Dancin’ Crazy」の第二弾、という位置づけの公演なのですが、コンセプトからして全く違う作品でした。



5年前に観劇したときの感想は、正直、ちょっと辛口だったのでここにはリンクはしません。
ただ、5年前に私が「いまいち……」と思ったいくつかのことが、今回はことごとく解決されていたことにすごく感激しました。
もう千秋楽も終わってしまいましたが、もし前回公演がイマイチ…と思って今回観劇をやめた方がいらっしゃいましたら、次回は是非がんばってチケットを取ってください!とお伝えしたいです(^ ^)。


まず一番大きかったのは、ゲスト歌手を用意したこと。
ずんちゃん(姿月あさと)が参加して、公演の音楽面をしっかり支えてくれていたのが大きかったと思います(^ ^)。

先日「REON」の感想でも書きましたし、他の公演でも散々書いておりますが、私は、ダンス公演ではなるべくダンスに集中してもらいたいと思っているのです。
歌いながら踊るとなれば、どうしたって振付のレベルも多少は下げざるをえませんし、それ以前に、こういう公演でメインをはるほどのダンサーで、なおかつ歌も得意だという方は非常に希少なので……(^ ^;ゞ。
宝塚のショーはある程度“お約束”の中でやっているから、トップスターは歌もダンスもたっぷり多めで設計されるのが普通ですが、「ダンス公演」と銘打つんだったらダンサーには踊らせようよ!と思うんですよね。実際、ダンスメインで公演をうつ場合、歌専門のメンバーがいるケースは多いと思うのです(←Diamond DOGSとか)
当然、生で踊るんですから、“ありもの音楽”の録音より生バンドのほうが良いに決まっているわけで。今回はずんちゃんの存在に加えてソンちゃん(秋園美緒)が歌メインで入ってくれていて、なかなか良いバランスでした♪


また、『男役』と『女役』にきちんと役割をわけて、補正や化粧も中途半端ではなく本気でやっていたのが良かったです。『男役』は全員短髪だったのもなんとなく嬉しかった(^ ^)。
「プロの男役」はこうでなくっちゃ、という気合があって、すごく良かったと思います。



前回は、とにかく『なつめさんありき』のショー構成だったんですよね。
なつめさんが出ずっぱりなのは良いんですが、ワンマンショーの必然として、歌もほとんどなつめさんが歌うことになってしまい、結果として本気のダンスは少なくなってしまい……(T T)。なつめさんのダンスが観たいのに!!という不満が大きかった。回りのダンサーさんたちも、『プロの女性ダンサー』のまま男役を片手間にやっている感じがぬぐえなくて、なんかいろいろ残念だったのですが。

OG公演の舞台には、「元娘役」はいても、「娘役」という存在がいないんですよね。だから、現役以上に「男役」として舞台上に存在するのが難しいんだと思います。
「娘役」と組むからこそ「男役」になれる。「男役」で在れる、というのかな。「娘役」がいない舞台での男役は、「男装した女性ダンサー」になってしまいがち。

そんな、「男役」というものの持つ「脆さ」と「夢」を、座付き作家ならもっと大切にして欲しいな、と思っていたので。
「娘役」がいなくても「男役」でいられるメンバーを揃えるてくれた制作側の気合も含めて(^ ^)すごく嬉しかったです(*^ ^*)。



今回の目玉は、一幕の「CHICAGO」ダイジェスト。(演出・構成は吉川徹)
正真正銘の、宝塚OGによる本格的ミュージカル でした。

この試みはすごく意欲的だと思ったし、出来も非常に良かったと思います。
これを観た翌日に星組さんの「REON」を観たのですが、次回の「Dancin’ Crazy3」では、「バーレスク」をOGたちで本気で演出してほしいな、と思いました(^ ^)。
観てみたい!



1幕、2幕とおして、「とにかく楽しかった」です。
この作品なら、宝塚ファンじゃなくても観たいんじゃないかな、と思いました。

もちろん、OGファンだけで客席は埋まるので、ファンじゃない人がふらっと行くような公演ではないし、「月夜歌聲」とか、ファンじゃないと意味がない場面はやっぱりあったのですが……
でも、宝塚に興味ないひとでも、歌とダンスで十分に楽しめる公演になっていたと思います。
関係者のみなさま、本当にお疲れさまでした。


みんな綺麗だったし恰好良かった!!
キャストごとの感想はまた後日♪


【7月1日まで、あと95日】

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