宙組中日劇場公演もあとわずか。
さびしいです。もっと観たかったなあ。どうせなら本公演で再演してほしかった。 テルくんのフレデリックは嵌り役になると思うのですが、いかがでしょうか。

お芝居だけじゃなくてショーもすごく良いのでその話もしたいのですが、ぜんぜん辿りつけそうにありません。
せめて芝居だけでも一通り書きたいことは書いておきたいなあ……。



とにかく、これだけ脚本が良く出来ていたら、みんな楽しくて仕方ないんだろうなあ、というのを、観るたびにしみじみと思います(^ ^)。
下級生に至るまで役も多いし、やりがいがあるんでしょうね、きっと。

決して長い公演ではありませんが、毎回新しい発見があって、一人ひとりが本当にあの時代を生きているのがわかります。「時代の空気」ってやっぱり大事ですね。それがしっかりしたフレームとなって世界を囲んでいるからこそ、みんながどんな冒険をしても作品世界が壊れない。
もちろん、主演コンビを中心とするメインキャストにブレがないことも大きいですが、それ以上に「脚本」に何が描かれているか、どうすればそれを観客に伝えられるかを一人ひとりが自分の課題としてとらえ、全員が同じ方向を向いて芝居に取り組んでいるのが印象的でした。

突っ込みどころ満載な脚本を役者の気力でねじ伏せた公演も楽しいのですが、東京で「復活」、名古屋で「仮面のロマネスク」、そして大劇場では「エドワード8世」と作者が自分の存在を賭けてつくった力作が3つ並んだ今のタカラヅカは、ファンになって良かったなあ、と思わせてくれるような気がします(^ ^)。



それでは、公演について。


先日の日記で弟一部について書いたのですが、先日観てあらためて気づいたことがあるので、ちょっと補足します。

「貴族の女」の、夢涼りあんちゃんのお芝居について。

2月の前半に観た時は、普通にさんざめく女性客の一人だったはずのりあんちゃん。
先日観たら、最初の舞踏会からジェルクールの女として参加していました(@ @)。

ジェルクール(悠未)と踊っていたセシル(すみれ乃)が母親の許へ戻った後はべったりとジェルクールに貼りついて、彼が「国境で小競り合いが」とか「プロイセンまで」とか言うたびに心配そうな顔をしてみたり。
婚約者にだけ挨拶をして退出しようとする彼を恨めしげに見送り、扇を出して振り向きざまにセシルを睨んでみたり。
いやー、いつからあんな熾烈な女の戦いをしていたのでしょうか!!

睨まれたセシルも「私だって望んでいるわけじゃありませんわ」みたいな、ちょっと困ったような顔をしていたのが面白かったです。

そんなりあんちゃんが、第二場ではセシルの「修道院で机を並べた友人」ソフィとして登場するのが面白くてなりません(^ ^)。粋な配役だわー!



宴のあとの二人(ジャンピエールとフランソワーズ)の会話を締めくくる一言。
「うまくいったらご褒美をあげる……」
このわたし、と告げるフランソワーズの、謎めいたアルカイック・スマイル。

直観的に彼女の「嘘」を感じながら、おざなりな挨拶のキスで誤魔化す男。
……初演の花総さんは「25歳」と言っていたそうですが、今回の宙組公演は、やっぱりフランソワーズの方が少し上に見えるような気がします……。


すみ花ちゃんの仮面の微笑みをのこして暗転、すぐに上手袖から、秋音・美桜の下級生コンビがきゃっきゃうふふしながら登場。
二人を追うように登場する、若きフレデリック・ダンスニー(北翔)。
朝まだきの散歩道。テュイルリー公園。

「セシルが通るかと思って……」というフレデリックの台詞を聞くたびに、「レ・ミゼラブル」のマリウスを思い出します。ああいう役なんですよね、本来は。2枚目で、優しくて、愛されキャラで、、、でもちょっと流されやすい(←そこはマリウスとは違うかも)
そう思うと、もうちょっと普通に「二枚目の若者」な役づくりで良いんじゃないの?と思うんですよね。轟さんの役づくりに囚われる必要もないし。……みっちゃん、どうしてあんなに卑屈なキャラクターにしちゃったのかなあ。「男爵」は確かに貴族社会の中では身分的に低いかもしれないけど、物語の展開として、仮にもフランソワーズが(ジャンピエールへのあてつけにしても)選ぶ男ではあるのだから、もうちょっと「愚かだけど純粋」であってほしい!のですが。

で、下手奥から登場するジェルクールとその取り巻き(美月、春瀬)。
春瀬くんはまるっきりのボンボンでまだまだ道は遠いな、って感じですね。金髪がよく似合って目を惹く美形なのに、「ど、どんな人妻も!」とおどおど言ってしまうあたりにリアリティがあって、毎回笑ってしまいます。
美月くんの方がだいぶスレていて、将軍の域に達するにはあと少し、という感じですよね。台詞の声が良いのは博多から印象的でしたが、歌も巧いんだなあ。スタイルも良いし踊れるし、今の宙組若手で一番もったい人だと個人的には思っています。

それにしても、ともちんって凄いわあ。中年男の嫌らしさとずる賢さ、そして、単純すぎる「ブロンド信仰」。あんな嫌な男(おっさん)を、あんなに恰好よく見せちゃうなんて!!軍服もお髭も似合いすぎです。あんな言動にも関わらず、「将軍」として信頼を寄せるに足るオーラがあるところがすごい。すごいっていうか、ずるい。

ところで。ジェルクールのブロンド信仰は、そうでない女(メルトゥイユ夫人やトゥールベル夫人を含む)は貞淑ではない、というイメージを観客に植え付けようとしている、という解釈は正しいのでしょうか……?

彼らが立ち去ったあとに登場するセシルとソフィ。ここでのりあんちゃんはセシルの忠実なお友達。明るい色のドレスが似合ってて可愛いです。「シャングリラ」で美雨の子供時代をやっていたころはあまりツボに来なかったけど、最近面白い芝居をするようになったような気がします。何か目覚めたのかな(*^ ^*)。

ただ、この場面のフレデリックとセシルの会話は、もう少しぎこちなくても良いのでは、と思うんですよね。セシルが「浮世離れした」清らかな娘というより、もう少し積極的な、ちょっと前の女子高生みたいにみえてしまいます。

「お母様がいらっしゃるわ!」というソフィの台詞に、手を取り合って駆け出すフレデリックとセシル。
下手袖から登場するブランシャール夫人(梨花)とフランソワーズ。
「年頃の娘がいると心配で……」と愚痴ブランシャール夫人。みとさん独特の、完璧かつクールな「貴族の母親」像がセシルをたわめているのがよくわかる場面。セシルはいないのに、台詞だけで人を追い詰められるみとさんはすごいなあと思う。そして、穏やかに微笑みながら油を撒いているすみ花ちゃんも、すごい。海千山千のブランシャール夫人をして「あなたは世間知らずなんだから」と言わしめたフランソワーズの仮面の重さに目眩がします。
さくらんぼいろの唇の上で、美しく凍りついた微笑み。どんな熱にも溶かされることのない、氷の微笑。

舞台奥から登場する若者たち(澄輝&彩花、愛月&真みや、七生&舞花、秋音&美桜)。郊外へのピクニック(?)にフランソワーズを誘うのは良いんですが……君たち、女の子放置していいのかい?
(娘たちも気にしていないように見えます。……なんなんだいったい)

「テュイルリーの木陰 ミモザの花盛り……」
澄んだ歌声の中で、暗転。舞台はロワールのローズモンド夫人邸へ。



最初は邸の庭で、ヴァルモンの側仕えのアゾラン(凪七)と、トゥールベル夫人の小間使いジュリー(瀬音)の逢引。
今回のカチャ、良いです!ちゃらんぽらんで、いかにもワルっぽいのに、憎めない。まさに「ヤンチャ」って感じで可愛いんですよね。
今まで観たカチャの中で、もしかしたら一番好きかもしれません。意外な一面でした。


ジュリーが視たものを語る、というスタンスで始まる濡れ場(←違う)
部屋のドアをあけて出てくるマリアンヌ(藤咲)とジャンピエール。

……猫はえりちゃんが大好きなので、嬉しすぎて浮かれきった感想を書くのは差し控えることにします(^ ^)。
ただ、えりちゃんファンとして、えりちゃんが切望していた役をやらせてもらえたことを嬉しいと思う気持ち以上に、主演者のファンとして、トゥールベルがえりちゃんだったことが嬉しいです。

恋を知らぬまま、優しい年上の法院長(寿)に嫁いだマリアンヌは、本当に修道院とトゥールベル邸しか知らないのかもしれません。
夫は「夫」であって、「男」ではない。そういう意味では、「男を知らない人妻」として生きてきたマリアンヌ。たぶん、本当に若くて世間知らずなんでしょうね。
えりちゃんの涼やかな声で繰り返される拒絶の言葉、、、そして、最後の「わたくしのあやまりでございました…」という独白。
あああ、柴田さん本当に本当にありがとうございます。絶対配役決めたの柴田さんだよね!嬉しいなあ幸せだなあ可愛いなあ(惚)。


マリアンヌが私室に逃げ込んだところで、ルブラン神父(風羽)を連れて帰ってくるローズモンド夫人(美穂)。
ジャンピエールの叔母(伯母?)に当たる彼女を、甥は「おばさん」と呼ぶんですが、、、どーして「おばうえ」じゃないんだろう!?何か意味があるのかな。特に意味がないなら、ここだけは変更してほしかった。

そして、美穂さんの「年上の麗人」っぷりにワクワクします。この方がジャンピエールの最初のお相手かしら、なんてこともまで想像したくなってしまう、しっとりとした落ち着きと美しさ(*^ ^*)。
雪組時代の美穂さんは、どちらかというと先生っぽい感じで、あまり色事には向かない印象があったのですが、専科に異動されてから変ったなあ、と思います。
月組の次回公演に出演して、キャピュレット夫人か乳母を演じるとか、ありそうかも?





この調子で書いていたら絶対に終わらなそうなので、ちょっとだけショーのことも書かせてください。……単なるメモですが(すみません)

・プロローグ。すみ花ちゃんが歌う場面のカップルは、センターが北翔×すみれ乃、その回りに寿×花露、悠未×大海、十輝×純矢、凪七×結乃、七海×藤咲。

・ヴァンピーロの前に祐飛さんに絡む女性は、瀬音⇒純矢⇒大海⇒藤咲

・ヴァンピーロ(北翔)の場面のちわわポジ(=博多の桜子ポジ)は、結乃かなりちゃん!!いやー、ゆいちゃんのダンスは伸びやかで本当にいいです!「ナイスガイ」の群舞での立ち位置といい、藤井さんは本当にゆいちゃん(のダンス?)を気に入っているんでしょうね。
ゆいちゃんの隣でスタートする舞花くるみちゃんも好きなので、この場面のダンスをもう一度観られて嬉しかったです。博多の頃よりダンスもシャープになって、ホントにカッコいい(^ ^)。

・中詰め後のDream Girls(梨花・美穂・鈴奈)が大好き!いいなあ、ああいう場面本当に好きです(*^ ^*)

・ジャングル。ともちんが登場するたびに、毎回懲りずに驚いてしまいます。……だって、ついさっきまでお花ちゃんだったのに!!

・6匹の女豹たちがホントに素敵。みんな良いけど、個人的には夢莉みこちゃんが物凄く弾けていたのが嬉しかったです。ちょっと寂しげな美貌で、一瞬えりちゃんと見間違えることもあるくらいなのに!

・戦場のラスト。祐飛さんの倒れるタイミングが、博多より少し遅くなった気がするのですが、気のせいでしょうか?セリが下がり始める前にみっちゃんが歌いだすタイミングになったような。……別に良いんですが、拍手がいれづらくなったなぁと毎回思います。

・ラグリマ途中でのしのちゃん×ちわわリフトは、公演の前半はみっちゃんとえっちゃんだったけど、後半はともちんがやってました。みっちゃんどうかしたのかな?

・ロケット。滅多に観れないあっきーの美脚にうっとりと見惚れつつ、えなちゃん(月映)の後ろ姿にきゅんきゅんしてます。ゆいちゃんがロケットにいないのがさびしい……。

・紫の衣装の女役さんたちが祐飛さんと絡む順番は、純矢⇒花露⇒藤咲⇒結乃⇒大海。えりちゃんが可愛いいいいい(壊)。


……最後はお約束どおり壊れて終わります(^ ^)。



【7月1日まで、あと130日】

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