星組新人公演「オーシャンズ11」について、続き。


キキちゃん(芹香)のラスティ。
先日も書きましたが、本当に恰好良かった!!裏街道を歩いてきた男の崩れた色気みたいなものがあって、ある意味、真風くんより格上に見えました(^ ^)。ただ、イカサマポーカーので稼ぐ流れのギャンブラーというよりは、結婚詐欺師かなにかにしか見えませんでしたけどね……(^ ^)。

すごく面白いなと思ったのですが、、キキちゃんのラスティは、ポーラのことは遊び……でしたよね?最初は。「客」じゃなく「女」として接しているのは確かですけど、本気じゃない。数多いる「女たち」の一人、本人はあくまでもそう思っている。「可愛い」と感じている自分には気づいているのに。
そんな彼も、似たような境遇にいたはずのダニーが「思いもよらずウブな女子大生」に落ちて、失敗して捕まってもなお追い求めるすがたを見て、、、、最後に自分の「本気」に気づく、というあたりの芝居に説得力があって、すごく好きでした。

本役の涼さんはすごく愛情に満ちた優しい瞳ではるこちゃんを見守っているのですが、キキちゃんの眼はどこか冷めているんですよね。その深い色の眼が、すごく好きです。
星組には他にいないタイプだし、これからの星組でもっともっと活躍してほしいと思っていたから組替えはとても残念ですが、花組でもその瞳に出会えることを、楽しみにしています。

と、綺麗にまとめておいて、最後にジョンソン医師のレポート。
キキちゃんのジョンソン医師は、今にも心臓が止まりそうな、白髪の爆発頭に瓶底眼鏡のおじいちゃんでした。ソールの心臓マッサージをやってる途中で死にかけてたよあの人。自分のための救急車を呼ぶよう頼んでました。いやはや。救急隊員に扮したモロイ兄弟(漣&音咲)は、目を合わせないように逸らしてたね。
どうやらかなりのゲラらしいみっきぃさんが、よく耐えたなあと感心(^ ^)(大劇場はちょっと負けてたから)。ジョンソン医師がハケたあと、自棄になって「なんだあいつは!」みたいなことを叫んでました。
いやー、、、大劇場でも話題騒然でしたけど、あれはどうやら準備不足だったらしいので、今回はいろいろ狙い澄ました感があって素晴らしかったです。私の回りの客席は、みなさん(私含め)倒れてました……キキちゃんすごいよー!!(そこ?)



マイケル(大輝)のソール。
最初の競馬場、大劇場のときより後ろ姿に年齢がみえたような気がしました。
昔から感心するしかないほど巧いひとですが、今回はホントに凄かったと思います。大劇場も今回も、新人公演の立役者は誰かっていったらマイケルなんじゃないかな、と。
「JUMP」での説得力のある話がすごく好きなんですよね。マヤさんはもちろんお上手なんですけど、熱情のこもった語り口とパワフルな包容力は、ライナスが思わず説得されてしまうのもわかるなあ、と思います。「跳ぶんだ!ライナース!」という力強くも温かな呼びかけに応えなかったら、男(役)じゃない!!
あの叫びが、新人公演を卒業するメンバー全員の、下級生へ向けたエールを代弁しているように聴こえたのは、たぶん気のせいじゃないと思います(*^ ^*)。


演技指導のアドリブは、なんだっけ……すみません、詳しい文言は忘れてしまいましたが、最初は「○○に電話するつもりで、『象が好きです。でも、キリンはもっと大好きです』」みたいな言葉でやらせておいて、「感情が入ってない!」と駄目だし。で、「宝塚が好きです。でも、星組はもっともっともっと!!大好きです!」という題目を与えてやり直し。
……全員がぴったりそろっての「もっともっともぉーーーーっと!!」は圧巻でした(^ ^)。



キトリちゃん(稀鳥)のクイーン・ダイアナ。
小さな身体をフルに使って、表情豊かに演じきってくれました。本当に可愛かった~~!!
最初のレトロなマジックショーは、大劇場でもうまくいかなかったんですが(うまく剣が入らないんですよね、あれ)、東宝もだいぶ怪しかったなあ……まあ、なんとか最後は辻褄をあわせたので良いんですが、観ていてひやひやしたわ(^ ^;)。

れみちゃんより、なんというか、毒々しい役づくりだったと思います。バシャーと会話する場面もだいぶ違っていたし、、、あと印象的だったのは、ラストの追っかけっこの後。おしおきボックスに捕まって騒いでいるベネディクトたちの回りを、ものすごく莫迦にした表情で舌を出しながら嘲るような芝居をしていたことに驚きました。イベントが始まる前に、バシャーあたりから全部聞かされて、ダニーたちの味方になっていたとしか思えない(^ ^)。

ショーシーンをだいぶ削られてしまったので、思った以上に芝居の役になっていました。ダンサーとしてクローズアップされている人ですが、実は芝居もすごく良いんです(*^ ^*)。しかも、最近すっかり歌が巧くなりましたよね!あのくらい歌えれば、これからもちゃんと役がつきそうで一安心。大好きなのでホントにがんばってほしいです。



かずなさん(千寿)のリカルド。
大劇場で観た時、たっぷり数分間は「リカルドやってるの誰……?」と思っていました(^ ^)。きれいな人だけど、線が細くてあまり男らしいイメージはなかったし、それほど「演技派」という印象でもなかったのですが、、、いやはや、いい男っぷりでした。「Never Give Up!」がないので、いろんなところで口ずさむ歌に困っていましたが(^ ^)、ごく自然にやさしいおじいちゃんでしたね。
テレサに「店はどうすんの!?」と言われた時の反応とか、すごく好きでした。

今、あらためて星組本とか見ると、あまりにも可愛くて驚きます。同期ページとか、娘役にしか見えませんよ(真顔)。そういえば、私がかずなさんをちゃんと認識したのは「ロミオとジュリエット」だったので、男役だと知って驚いたっけなあ(汗)。



優香さんのテレサ。
本役の柚姐は、「母」であり「娘」である前に「女」だったけど、優香さんのテレサは「女」であるまえに「ポーラの母」であり、「リカルドの娘」だったのがすごく印象的でした。「母」として娘を守る強さと、「娘」として父親を心配する気持ち。すごくイイ女なんだけど、そういう家庭的な空気があって、、、「どうしてこんな素敵な女性が男で失敗しちゃったんだろう……」と思いました(^ ^)。
いや、キキちゃんラスティを捕まえたポーラだって捨てたもんじゃないし、テレサが選んだ男も、そんなに悪くなかったんじゃないかと思うんですけどね。

本役の柚姐は、ある意味、専科の梨花さんに通じる「母性のなさ」が魅力の女役なのかもしれない……、なんてことも思いました。やっぱり柚姐の美しさはただごとじゃないんですよね……。優香さんだってちゃんと可愛いんだけど、柚姐と比べるとね……(; ;)。



わかばちゃん(早乙女)のポーラ。
「ランスロット」のグウィネヴィアは、あの人形のような無表情な美貌が活きた役でしたが、ポーラみたいな「キュート」さが勝負の役になると苦戦しますね。まあ、今回はキキちゃんラスティがああいう役づくりだったので、あの人形っぽさも違和感はありませんでしたが。
わかばちゃんはこのまま人形でずっと行くつもりなのかなあ……。せっかく美人でスタイルもいいし、歌唱力はともかく(←すみません)声も綺麗なのに!もったいなあ(T T)。



3ジュエルズ(夢妃・空乃・妃海)とマイク(夏樹)。
本公演に負けずとも劣らない、見事なコーラスでした。93期が3人(夢妃・夏樹・空乃)と95期が一人(妃海)という構成とは思えなかったです。4人とも素晴らしい声ですね!!特に、今回CD(Oldies)にも抜擢された夏樹さんの美声には、本当に驚きました。本役の礼くんも凄いと思ったけど、夏樹さんも2学年上だけのことはある、磨かれた声でした。


夢城えれんさんのニック。
幕開きに11枚目の離婚届をもってくる弁護士。女性に変ったことで特に芝居として変ったことはなかったと思います。落ち着いた理知的な女性でした。



凰姿さん&妃白ゆあちゃんのウッズ夫妻。
最近舞台でも凄く気になっている、ゆあちゃん。表情豊かでめちゃくちゃ可愛い人だと思うんですが、落ち着いた服装で大人しげなご婦人を演じていても違和感はなかったです。
凰姿さんも違和感なく演じていて、若いのにすごいなあ、と思いました。

本公演では必ずアドリブが入るオフィスにテスがあらわれた部分は、あえてアドリブをいれずにスルーだったと思います。



あああ、イレヴンメンバーまでなかなか辿りつけない……すみません。気長にお付き合いいただけると嬉しいですm(_ _)m。



【7月1日まで、あと162日】

コメント