オーシャンズ11【4】
2012年1月17日 宝塚(星)星組東宝公演「オーシャンズ11」について、つづき。
まずは、先日飛ばした(すみません)第7場から。
第7場 ベネディクトのオフィス
ダニーとラスティ、リヴィングストン、モロイ兄弟が踊りながら下手にはけると同時に、センターからセリ上がってくるオフィスのセット。
エル・チョクロの地上げに失敗して帰ってきたチャールズ(碧海)たちを責めるベネディクト(紅)。
SPの二人(芹香&麻央)が、「俺たちはブルーザー(汐月)までやられちまって……」みたいな言い訳をしてたけど。赤いトサカのブルーザー、ちっとも強く見えないのは私だけですか(; ;)
で。どうしても答えが出ない疑問。
ベネディクトのした「悪いこと」って、何?
ドアボーイで経験を積み、コツコツ貯めた金でつぶれた古いカジノを買って、リニューアルして成功する、って……
それって、アメリカンドリームそのものじゃないんですか?
「安く買いたたいて高い値段で売りさばく」ためには、付加価値をつける必要があります。ただ建物やなんかをキレイにするだけでは、儲けが出るほどの価値にはならない。「付加価値」っていうのは、クリエイティブなものでなくてはならないんですよ。
ベネディクトには、その才能があった。ここで語られている内容だけでは、彼自身にクリエイティブな能力があったのか、「クラシコ・イタリアーノ」のアジャーニみたいなパクリ屋なのかはわからないけど、少なくとも、ただのパクリではなく、新しい価値と認めてもらえるだけのものは作ったわけです。
法律スレスレだろうかなんだろうが、そもそも犯罪者である詐欺師のダニーたちにどうこう言われる覚えはないと思うんですが、どうなんでしょう。
ルーベンのカジノをつぶした手口も、卑怯な方法だけどあんまり犯罪的なものではなさそうだし、エル・チョクロにしても、詐欺的な手口だけど、明らかな法律違反ではないっぽい。まあ、だからといって「騙される方が悪い」で全てをすませるわけにはいかないんですけどね。
私だったら、ウッズ夫妻が譲渡を拒んだコロラドの森には芥子が生えているってことにしちゃうけどなー。それでこそ、頑なに譲渡を拒むウッズ夫妻の気持ちもわかるし、「夢を売る」っていう言葉に二重の意味を持たせることができて、テスに見せる表の貌と見せない貌の対比も生きる。
なにより、ちゃんとベネディクトが悪いことをしてくれないと、主人公が犯罪者であることの免罪符がなくて、宝塚歌劇としてどうかと思ってしまうじゃないですか……。
……麻薬を登場させるのは、世相をかんがみてマズイという判断でもあったのかなあ。それとも、アメリカからクレームでもあったとか?……うーん、小池さんだと麻薬関係にもっていくより遺伝子操作とか超能力(ジャックポットを自在に出す能力、とかね)の方面に行きそうな気がするから、そんなことになるくらいなら今のほうがマシかしら……。
この作品で一番残念なのは、11人のメンバーを一つにまとめる動機が弱いことだと思うんですよね。
敵に対する恨みや憎しみでまとまるなら判りやすいけど、そもそも、ベネディクトに対して正当な恨みがあるのはルーベンのみ。ダニーとラスティは単なる逆恨みだし、フランクが資格を没収されたのは単なる自業自得で、ベネディクトとは関係ない。バシャーも、まあ恨むのはわかるけど、出てはいけないビデオに出たりするからつけこまれるわけで、ある意味逆恨みだろうそれは。
イエンはバシャーについてきただけだし、ソールとリヴィングストンは主に好奇心。モロイ兄弟は金目当てで、ライナスは……自分探し。彼らは、もしかしたらベネディクトのことなんて知りもしないかもしれない。そんな11人。
冷静に舞台作品として鑑賞した時に、ダニー&ラスティ以外の11人の関係性が脆弱で薄いのは、作品としての盛り上がりに欠けると思うのです。
もちろん、ここは宝塚で、星組で、チームワークがばっちりで仲良しなのは当然なんですけれども。でも、こういう展開だと、群舞でのちょっとしたやり取りを小芝居として楽しむことはできても、作品としての盛り上がりにはならないんですよね。11人の誰かが危機に陥ってみんなで助ける、みたいなエピソードもないし(ダニーが囚われても危機にならない)、みんなは目的のために与えられた役割をこなしているだけで、お互いのエピソードがない。
結局、礼音くんのカリスマにすべてを預けた作品なんですよね。11人の結束も、結局は「ダニーが魅力的だから全員がついてくる」としか説明のしようがない気がする。
今の礼音くんにはそれだけの力があるとは思うし、最初からそういう話なんだと呑みこんで、「娯楽作品」と割り切って観る分には全然問題ないのですが、若干「小池さんやっちまったな」感が残るのはしかたない……の、かな。
ベニーのベネディクトは、すごい二枚目で、スターだな、と思いました。ただ、彼が「敵役」じゃなくて「スター」であることも、11人が結束する理由が見えなくなっている理由の一つなのかもしれません。
逆に、「スター」なのであれば、テスを挟んだダニーの恋仇としては、もっともっと存在感を出してほしいなと思いました。「敵役」としても「恋仇」としても、ちょっと中途半端な気がしました。
なんて、いろいろ書いてますが、札を投げながら「勝ち残るなら手段は選ばない!」とぶちあげるベニーのぶっ飛びようは大好きです。あのソロを聞いていると、ベネディクトの「手段」っていったいどんなものなの!?とワクワクしてしまうんですよね。
妙に生真面目な歌詞の内容を全てブッ飛ばして、11人の敵は殺人鬼かギャングか?と思わせてくれるベニーは、もしかしたら凄いんじゃないかもと思いました。いやー、面白いなあベニー。
そんなオフィスに、NPO「エヴァーグリーン」代表のウッズ夫妻(美稀&毬乃)が案内されてくる。
エヴァ―グリーンとベネディクトたちとの関係は、表面上は円満だけどいろいろあるらしい。
とりあえず、という感じで、「我がベネディクトホテルチェーンの不動産を担当するチャールズが来ている」と紹介するベニー。
……でも、不動産の話なんてひとっつもしてませんよね……?
チャールズの本来の業務は何なんだろう(- -;
SPのキキちゃんは、童顔丸顔を強面に見せるため(?)に、がんばってすごいモミアゲをつけてました。……うーん、ちょっと苦しい(ごめん)。麻央くんの髭の方が自然だったかな。ちゃんと強面に見えました。ただ、二人とも立ち姿があまり強そうじゃないのが残念……(T T)。少なくとも、キキちゃんは「愛と青春の旅だち」の新公はちゃんと強そうに見えたんだから、もっとがんばって!
そうそう。キキちゃんといえば、大劇場の新人公演当日の昼公演は、パンチパーマみたいな鬘を被っていて、仰天したのが印象的です。新人公演を観て、ラスティのために金髪にしたから鬘を被っていたのかと納得したのですが、東宝はどうしているんだろうか(←観れません)。
秘書のベス(優香)。小池作品の敵役チームには、よくこういう有能な美人秘書が出てきますが、優香さんのベスは佇まいといい台詞の口調といい、とても素敵です。ボスに対する恋愛感情がないところがまたクールで素敵。
同じく秘書のテーラー(大輝)。こちらは、東宝に来てから妙にボスへの執着を感じるんですが、どうなんでしょう……意識してやっているんだとしたら面白いんですが、私の思いこみかしら。
マイケルの芝居って面白いですよね。ああいう、いかにも嫌味で上から目線な存在感って、なかなか出せるものではないし、すごく好きです。いつも、ベネディクトチームの場面はずーっと見てしまってます(^ ^)。
ウッズ夫妻と揉めているところに登場するテス。咄嗟に誤魔化そうとするみきちぐのアドリブは観劇の楽しみですが、考えてみたら、なぜここでウッズが誤魔化そうとするんだろう??……あ、彼らはテスも騙していることになるからか。なるほど。
ウッズをVIPルームに押し込んで、テスと二人きりになるベネディクト。
おかしな空気を感じて問いただすテスを誤魔化して帰した彼は、テスから返された指輪のケースを置いてテーラーたちに電話をする。「すぐにサインさせるんだ」
あそこ、大劇場では、指輪のケースを机の抽斗にしまって、椅子に座って電話をかけてたんですよね。ちょっとこう……なんというか、「表の貌は抽斗にしまいました」感があって好きだったので、演出変ってしまって残念です。
第9場 金庫室
3ジュエルズ(花愛、音花、白妙)が、金庫室のセキュリティシステムを歌で説明してくれます。3人とも素敵。宙組も歌姫多いので、こういう場面があると良いんだけどなあ……。「ノバ・ボサ・ノバ」の役替りもあったし、星組の歌姫さんたちは恵まれてますよね。
そんな金庫室に、「無理やり」飛び込んでくるダイアナ(白華)。
……えーっと、さっき、エレベーターは音声認証って言ってなかったっけ……?
第10場 EL CHOCLO
11人全員そろって、顔合わせを兼ねた打ち合わせ会。
みんなの個性が良く出てて、面白い場面なんですが。……11人の結束を見せる場面はここしかないので、もうちょっと違う展開でも良かったのでは、と思ったりもしました。
まあでも、「守られるもの」としてのライナスを中心にまとまるっていうのもアリなのかな。
場面としてはすごく好きです。みんな可愛いですよね(*^ ^*)。
第11場 PARADISO
ホテルのレストランで、テスがベネディクトを待っている。ゴールドのドレスが似合っていて、夜会巻き(?)の髪もゴージャス。美しいな、という言葉がよく似合います。
そこに現れるダニー。「夫婦の会話」を交わす二人のテンポの良さは、さすがコンビの貫録。お似合いの二人。
階段上に現れたベネディクトが、そんな二人を見て血相を変えるのが、、、ちょっとやりすぎ感があって気になりました。仮にもホテルのオーナーなんだから、お客さまから見える場所で、そんな顔してほしくない。……そんなにもショックだったのか?とも思いますけどね。
そういえば、彼はダニーの顔を知っているのでしょうか?チャールズ以下の、エル・チョクロに来たメンバーは知らなかったみたいだけど。ベネディクトだけは知ってるって可能性はある、かなあ。
「JACKPOT」を歌うダニーはとっても恰好良いです。回りで踊るメンバーも活き活きとしてて素敵。バウ以来お気に入りの妃白ゆあちゃんが、キトリちゃんと並んで踊っていたりして、眼福眼福(*^ ^*)。
オフィスでの態度とレストランでの会話で、僅かながらベネディクトへの不信(疑問?)を抱き始めたテスの、迷いのデュエットダンスも好き。そして、セットを回しながらキャストの心理を同時に動かしていく演出の巧さに感心。このあたりのスピーディーな処理は、さすが小池さん、と思います。
ラスト、11人が正装で舞台前に勢ぞろいし、ずらっと並ぶ演出は圧巻。
この場面でしか着ない礼服が勿体無いけど(^ ^;)
1幕はそんなところでしょうか。
まずは新公前にここまでは書いておきたかったので、終わって良かった(^ ^)お付き合いありがとうございました。
【7月1日まで、あと166日】
まずは、先日飛ばした(すみません)第7場から。
第7場 ベネディクトのオフィス
ダニーとラスティ、リヴィングストン、モロイ兄弟が踊りながら下手にはけると同時に、センターからセリ上がってくるオフィスのセット。
エル・チョクロの地上げに失敗して帰ってきたチャールズ(碧海)たちを責めるベネディクト(紅)。
SPの二人(芹香&麻央)が、「俺たちはブルーザー(汐月)までやられちまって……」みたいな言い訳をしてたけど。赤いトサカのブルーザー、ちっとも強く見えないのは私だけですか(; ;)
で。どうしても答えが出ない疑問。
ベネディクトのした「悪いこと」って、何?
ドアボーイで経験を積み、コツコツ貯めた金でつぶれた古いカジノを買って、リニューアルして成功する、って……
それって、アメリカンドリームそのものじゃないんですか?
「安く買いたたいて高い値段で売りさばく」ためには、付加価値をつける必要があります。ただ建物やなんかをキレイにするだけでは、儲けが出るほどの価値にはならない。「付加価値」っていうのは、クリエイティブなものでなくてはならないんですよ。
ベネディクトには、その才能があった。ここで語られている内容だけでは、彼自身にクリエイティブな能力があったのか、「クラシコ・イタリアーノ」のアジャーニみたいなパクリ屋なのかはわからないけど、少なくとも、ただのパクリではなく、新しい価値と認めてもらえるだけのものは作ったわけです。
法律スレスレだろうかなんだろうが、そもそも犯罪者である詐欺師のダニーたちにどうこう言われる覚えはないと思うんですが、どうなんでしょう。
ルーベンのカジノをつぶした手口も、卑怯な方法だけどあんまり犯罪的なものではなさそうだし、エル・チョクロにしても、詐欺的な手口だけど、明らかな法律違反ではないっぽい。まあ、だからといって「騙される方が悪い」で全てをすませるわけにはいかないんですけどね。
私だったら、ウッズ夫妻が譲渡を拒んだコロラドの森には芥子が生えているってことにしちゃうけどなー。それでこそ、頑なに譲渡を拒むウッズ夫妻の気持ちもわかるし、「夢を売る」っていう言葉に二重の意味を持たせることができて、テスに見せる表の貌と見せない貌の対比も生きる。
なにより、ちゃんとベネディクトが悪いことをしてくれないと、主人公が犯罪者であることの免罪符がなくて、宝塚歌劇としてどうかと思ってしまうじゃないですか……。
……麻薬を登場させるのは、世相をかんがみてマズイという判断でもあったのかなあ。それとも、アメリカからクレームでもあったとか?……うーん、小池さんだと麻薬関係にもっていくより遺伝子操作とか超能力(ジャックポットを自在に出す能力、とかね)の方面に行きそうな気がするから、そんなことになるくらいなら今のほうがマシかしら……。
この作品で一番残念なのは、11人のメンバーを一つにまとめる動機が弱いことだと思うんですよね。
敵に対する恨みや憎しみでまとまるなら判りやすいけど、そもそも、ベネディクトに対して正当な恨みがあるのはルーベンのみ。ダニーとラスティは単なる逆恨みだし、フランクが資格を没収されたのは単なる自業自得で、ベネディクトとは関係ない。バシャーも、まあ恨むのはわかるけど、出てはいけないビデオに出たりするからつけこまれるわけで、ある意味逆恨みだろうそれは。
イエンはバシャーについてきただけだし、ソールとリヴィングストンは主に好奇心。モロイ兄弟は金目当てで、ライナスは……自分探し。彼らは、もしかしたらベネディクトのことなんて知りもしないかもしれない。そんな11人。
冷静に舞台作品として鑑賞した時に、ダニー&ラスティ以外の11人の関係性が脆弱で薄いのは、作品としての盛り上がりに欠けると思うのです。
もちろん、ここは宝塚で、星組で、チームワークがばっちりで仲良しなのは当然なんですけれども。でも、こういう展開だと、群舞でのちょっとしたやり取りを小芝居として楽しむことはできても、作品としての盛り上がりにはならないんですよね。11人の誰かが危機に陥ってみんなで助ける、みたいなエピソードもないし(ダニーが囚われても危機にならない)、みんなは目的のために与えられた役割をこなしているだけで、お互いのエピソードがない。
結局、礼音くんのカリスマにすべてを預けた作品なんですよね。11人の結束も、結局は「ダニーが魅力的だから全員がついてくる」としか説明のしようがない気がする。
今の礼音くんにはそれだけの力があるとは思うし、最初からそういう話なんだと呑みこんで、「娯楽作品」と割り切って観る分には全然問題ないのですが、若干「小池さんやっちまったな」感が残るのはしかたない……の、かな。
ベニーのベネディクトは、すごい二枚目で、スターだな、と思いました。ただ、彼が「敵役」じゃなくて「スター」であることも、11人が結束する理由が見えなくなっている理由の一つなのかもしれません。
逆に、「スター」なのであれば、テスを挟んだダニーの恋仇としては、もっともっと存在感を出してほしいなと思いました。「敵役」としても「恋仇」としても、ちょっと中途半端な気がしました。
なんて、いろいろ書いてますが、札を投げながら「勝ち残るなら手段は選ばない!」とぶちあげるベニーのぶっ飛びようは大好きです。あのソロを聞いていると、ベネディクトの「手段」っていったいどんなものなの!?とワクワクしてしまうんですよね。
妙に生真面目な歌詞の内容を全てブッ飛ばして、11人の敵は殺人鬼かギャングか?と思わせてくれるベニーは、もしかしたら凄いんじゃないかもと思いました。いやー、面白いなあベニー。
そんなオフィスに、NPO「エヴァーグリーン」代表のウッズ夫妻(美稀&毬乃)が案内されてくる。
エヴァ―グリーンとベネディクトたちとの関係は、表面上は円満だけどいろいろあるらしい。
とりあえず、という感じで、「我がベネディクトホテルチェーンの不動産を担当するチャールズが来ている」と紹介するベニー。
……でも、不動産の話なんてひとっつもしてませんよね……?
チャールズの本来の業務は何なんだろう(- -;
SPのキキちゃんは、童顔丸顔を強面に見せるため(?)に、がんばってすごいモミアゲをつけてました。……うーん、ちょっと苦しい(ごめん)。麻央くんの髭の方が自然だったかな。ちゃんと強面に見えました。ただ、二人とも立ち姿があまり強そうじゃないのが残念……(T T)。少なくとも、キキちゃんは「愛と青春の旅だち」の新公はちゃんと強そうに見えたんだから、もっとがんばって!
そうそう。キキちゃんといえば、大劇場の新人公演当日の昼公演は、パンチパーマみたいな鬘を被っていて、仰天したのが印象的です。新人公演を観て、ラスティのために金髪にしたから鬘を被っていたのかと納得したのですが、東宝はどうしているんだろうか(←観れません)。
秘書のベス(優香)。小池作品の敵役チームには、よくこういう有能な美人秘書が出てきますが、優香さんのベスは佇まいといい台詞の口調といい、とても素敵です。ボスに対する恋愛感情がないところがまたクールで素敵。
同じく秘書のテーラー(大輝)。こちらは、東宝に来てから妙にボスへの執着を感じるんですが、どうなんでしょう……意識してやっているんだとしたら面白いんですが、私の思いこみかしら。
マイケルの芝居って面白いですよね。ああいう、いかにも嫌味で上から目線な存在感って、なかなか出せるものではないし、すごく好きです。いつも、ベネディクトチームの場面はずーっと見てしまってます(^ ^)。
ウッズ夫妻と揉めているところに登場するテス。咄嗟に誤魔化そうとするみきちぐのアドリブは観劇の楽しみですが、考えてみたら、なぜここでウッズが誤魔化そうとするんだろう??……あ、彼らはテスも騙していることになるからか。なるほど。
ウッズをVIPルームに押し込んで、テスと二人きりになるベネディクト。
おかしな空気を感じて問いただすテスを誤魔化して帰した彼は、テスから返された指輪のケースを置いてテーラーたちに電話をする。「すぐにサインさせるんだ」
あそこ、大劇場では、指輪のケースを机の抽斗にしまって、椅子に座って電話をかけてたんですよね。ちょっとこう……なんというか、「表の貌は抽斗にしまいました」感があって好きだったので、演出変ってしまって残念です。
第9場 金庫室
3ジュエルズ(花愛、音花、白妙)が、金庫室のセキュリティシステムを歌で説明してくれます。3人とも素敵。宙組も歌姫多いので、こういう場面があると良いんだけどなあ……。「ノバ・ボサ・ノバ」の役替りもあったし、星組の歌姫さんたちは恵まれてますよね。
そんな金庫室に、「無理やり」飛び込んでくるダイアナ(白華)。
……えーっと、さっき、エレベーターは音声認証って言ってなかったっけ……?
第10場 EL CHOCLO
11人全員そろって、顔合わせを兼ねた打ち合わせ会。
みんなの個性が良く出てて、面白い場面なんですが。……11人の結束を見せる場面はここしかないので、もうちょっと違う展開でも良かったのでは、と思ったりもしました。
まあでも、「守られるもの」としてのライナスを中心にまとまるっていうのもアリなのかな。
場面としてはすごく好きです。みんな可愛いですよね(*^ ^*)。
第11場 PARADISO
ホテルのレストランで、テスがベネディクトを待っている。ゴールドのドレスが似合っていて、夜会巻き(?)の髪もゴージャス。美しいな、という言葉がよく似合います。
そこに現れるダニー。「夫婦の会話」を交わす二人のテンポの良さは、さすがコンビの貫録。お似合いの二人。
階段上に現れたベネディクトが、そんな二人を見て血相を変えるのが、、、ちょっとやりすぎ感があって気になりました。仮にもホテルのオーナーなんだから、お客さまから見える場所で、そんな顔してほしくない。……そんなにもショックだったのか?とも思いますけどね。
そういえば、彼はダニーの顔を知っているのでしょうか?チャールズ以下の、エル・チョクロに来たメンバーは知らなかったみたいだけど。ベネディクトだけは知ってるって可能性はある、かなあ。
「JACKPOT」を歌うダニーはとっても恰好良いです。回りで踊るメンバーも活き活きとしてて素敵。バウ以来お気に入りの妃白ゆあちゃんが、キトリちゃんと並んで踊っていたりして、眼福眼福(*^ ^*)。
オフィスでの態度とレストランでの会話で、僅かながらベネディクトへの不信(疑問?)を抱き始めたテスの、迷いのデュエットダンスも好き。そして、セットを回しながらキャストの心理を同時に動かしていく演出の巧さに感心。このあたりのスピーディーな処理は、さすが小池さん、と思います。
ラスト、11人が正装で舞台前に勢ぞろいし、ずらっと並ぶ演出は圧巻。
この場面でしか着ない礼服が勿体無いけど(^ ^;)
1幕はそんなところでしょうか。
まずは新公前にここまでは書いておきたかったので、終わって良かった(^ ^)お付き合いありがとうございました。
【7月1日まで、あと166日】
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