シアター・クリエにて、ミュージカル「I GOT MERMAN(オリジナルキャスト)」を観てまいりました。

この作品が上演されるのは10年ぶり。
いやー、10年ですか。……いや、そうはいっても、東京でやっていたのは2002年の終わりの方だから、9年強、ってところだと思うのですが。

9年なんて、一瞬。
そう、本気で思いました。

諏訪マリー、田中利花、中島啓江。
「燦然と輝くオリジナルキャスト」の3人をみていると、時間を超越するものが実在することの驚いてしまうのです。私は別に、初演を観たわけでもないし、2002年以前にだってそんなに何回も観たわけではないのに、オープニングで3人が並んで腕を挙げている情景だけで涙が出ました。10年という時間を感じさせないために払われた、多大な努力と犠牲の重たさに。



初演は1987年4月。もう25周年。四半世紀も前ですよ!!すごいなあ(@ @)
私が観たのはずっと後で、、、たぶん、1999年のシリーズじゃないかと思います。利花さんのことを知ったのはタナボタ企画の「真説・カサブランカ」なので、この作品を観たのはそれ以降のはずだから。
……ってことは、もうその時点で初演から10年以上が過ぎていたわけで。キャストのみなさんも決して若くはなかったはずですが、、、いやもう、本当に素晴らしかった!!諏訪さんの声がまたしっとりと色っぽくて優しくて、伝説のエセル・マーマンはこういう声だったのかな?と思っていました。

そういえば、最近のYoutubeにはマーマンの当時の画像もあるそうです。「聞いてみてね」とアピールされたので、こんど検索してみたいと思います(^ ^)。



今回は、さすがに10年のブランクもあったせいか、オリジナルキャスト版は「コンサート形式」となっていましたが、ダンスナンバーを立って(あるいは歩く程度で)歌うようになっただけで、舞台構成としては殆ど変更無かったと思います。
オープニングからずっと、「全然変わってないじゃん」と思っていたのですが、途中で初演当時の動画を背景に流す場面があって(エニシングゴーズかな?)、それと比べたら、確かに全然踊ってませんでした(^ ^;ゞ。しかも、啓江さんがほっそりしてて、一瞬どっちが啓江さんでどっちが利花さんかわからなかった(@ @)(@ @)。

あ、でも、もしかしたら私が観たころには、もうそんなに踊っていなかったのかもしれません。歌と芝居の印象が強すぎて、あまりダンスの印象がないので(^ ^)。




エセル・マーマン。「ガール・クレイジー」「エニシング・ゴーズ」「パナマ・ハッティー」「アニーよ銃をとれ」……そして「ジプシー」。ガーシュウィン、ポーター、バーリン、ソンドハイム。20世紀の誇るショービジネスの巨匠たちに愛されたディーヴァ。
彼女の人生を、生まれた時から(笑)神に召されるまでの一生を、3人のディーヴァが語る。かわるがわるに。

大きなセットはなし。アーチ型の枠と、2台のピアノ。それだけの、シンプルな舞台。音楽と、演出と、そして舞台の上の3人+2人のピアニストしかいない。私が最初に観たのは博品館だったと思うのですが、舞台のサイズも劇場そのものの雰囲気も、この作品にちょうどぴったりだな、と思った記憶があります。


おぎゃあと生まれ、人前で歌うことが大好きだった少女。
けれども良い家のお嬢さんだったためにショービジネスに入ることは両親に反対され、高校を出てタイピストになる……

この、タイピストのパントマイムから「なにをしてるの、私?」と歌いだすマリーさんがすごく印象的で大好きだったんですが、何年たってもやっぱりステキ。20前の少女には全く見えないけど(10年前から)、でも、不思議な透明感があるんですよね、マリーさんって。男装した女性である「男役」がホンモノの男性よりずっと格好良いように、あの年代でないと出せない透明感もあるんだと思います。

親を説得して(?)ニューヨークにでてきたエセル。何の伝手もない彼女はオーディションを受ける機会さえなく、クラブで歌って食いつなぐ。このクラブでのショーシーンを担当する啓江さんがとてもキュート。全体に啓江さんは恋愛がらみの場面を担当しているのですが、相変わらず可愛かった(*^ ^*)。
脚を悪くされたみたいで動きは最小限になさっていましたが、この作品には欠かせない方なので、なんとか頑張っていただきたいなーと思いました。

クラブに来ていたガーシュウィンに認められ、オーディションを受けるエセル。ガーシュウィンが彼女に書いたのが、名曲「I GOT RYTHEM」を含む「ガール・クレイジー(「クレイジー・フォー・ユー」の前身……ですよね?)」。これが、彼女のスター人生の始まり。
利花さんのパワフルな歌声が響く。パンチのきいたリズミカルな歌唱がとても好きです。


この後は、スター街道をひた走る彼女を、小芝居を挟みつつ描いていくのですが。
3人とも、誰が歌いだしても「ああ、マーマンの歌ってこんなだったのかなあ」と思わせる説得力があるのが凄いんです(^ ^)。いや、そうでないとこの作品が成立しないんですけどね。


4度の結婚、でも、愛したのは二人の子供をもうけた一人だけ。
子供たちの誕生の場面で歌われる「YOU’RE THE TOP!」と、
元夫の死と娘の死の場面で歌われる「BLUE SKIES」が、初めて観た時からとても好きだったのですが……
今回もやっぱり泣けました。マリーさん、素敵だなあ。もちろん利花さんも啓江さんも素敵なんだけど、でもやっぱり、マリーさんの声は特別!!


大好きなマーマン。
大好きなマリーさん。
大好きな利花さん。
大好きな啓江さん。

ありがとう、この作品に出てくれて。
いままで元気でいてくださって、本当にありがとう。
これからもどうぞ末永く活躍なさって、そして、この作品に出演してくださいね。


どの曲もどの場面も好きだけど、良い悪いじゃなくて、やっぱり25周年を迎えた三人による「FRIENDSHIP」は、特別な意味を持ってきますね。
そして、あの曲が大きな意味を持つからこそ、余計にエセルの最後のシーンが重たく感じられるのですが。

他の2組のメンバーも、がんばっていただきたいなと思います♪



オリジナルキャストでの上演は9日まで。
10日からはファビュラスキャスト(浦嶋りんこ、シルヴィア・グラブ、エリアンナ)とニューキャスト(樹里咲穂、西国原礼子、Miz)で交互に上演。
一週間しかないので、両方観るのは苦しいんですが……うーん、どっちを観るかは悩むところです(^ ^)。
まあ、とりあえず樹里ちゃんは利花さんのところを演じるらしい。うん、ぴったり(*^ ^*)。





最後に、「I GOT MERMAN」の復活に絡めて、長年の希望を祈っておきたいと思います。
……「アステア バイ・マイセルフ」再演熱望!!(祈)



【7月1日まで、あと176日】

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