ちょっと間があいてしまいましたが、宙組新人公演「クラシコ・イタリアーノ」続きを。
毎回反省するんですが、やっぱりすぐに書かないと細かいことはすぐ忘れてしまいますね……(; ;)すみません。


■ヒューストン・アジャーニ陣営

ヒューストン社長(悠未ひろ)の美月悠。
格好良かったです(*^ ^*)。ビジュアルも良いし、曲者感もあって、良い役者なんですよね、美月くん。声もいいし台詞もうまいのに、なかなか役がつかないのをもどかしく思っていたので、配役が発表されたときは嬉しかったんですが……しかし、実際みてみたら、下級生にとってのハードルがものすごく高い役だった(T T)。
考えてみれば、学年差は本役(78期→83期だから5年)より新公(91期→94期で3年)の方が小さいんですが、元が若いから、経験量の差が出てしまうんでしょうか。サルヴァトーレよりずっと若く見えて、なりたての新米社長が取引先にわがままを言っているみたいに見えてしまったのが残念でした。
……まあ、そういう解釈でも話は成り立ちますけどね(^ ^)。


アジャーニ(十輝いりす)の桜木みなと。
見た目も丸顔で可愛いし、体格も(宙組では)小柄で、少年役を得意とするずんちゃん。
ここ数作は毎回良い芝居を見せてくれて、成長を楽しみにしている人なのですが、、、残念ながら、今回みたいな存在感を必要とする敵役を演じるには、まだまだ経験不足、役者不足でしたね(T T)。「やらなくてはならないこと」をこなすのに精いっぱいで、サルヴァトーレを見ていない、という印象を受けてしまいました。
相手は長の期の大先輩なんだから、もっと思い切ってぶつかってみても良かったのでは、と思います。

まあ、彼女もそろそろ敵役を経験して芸幅を広げるべき頃合いだったと思うので、今回の配役は良かったと思います。まだ若いので、今回の経験を糧に、次は良いものを見せてくださいね♪


ロナルド・トレイシー(鳳樹いち)役にあたるアナ役の百千糸。
本役のいちくんは、すごく上から目線で嫌味っぽくて大好きなんですけど、アリエッティのアナは、ちょっとキツめの「デキる女」という感じに見えました。女性の役を嫌味につくると本気で厭な感じになりがちなので、正解だったと思います。アナは、サルヴァトーレに対して悪意があるわけではなく、ただ、「グランチェロ」ブランドへの敬意がないだけなんですよね。そういうビジネスライクなところはちゃんと伝わってきたし、とても良かったと思います。


外務大臣・CMディレクター(風莉じん)、ヴァイオリニスト(天羽珠紀)の天玲美音。
元々芸達者な人だとは思っていたんですが、宙組の誇るバイプレイヤー二人の役をまとめてやってくれて、あらためて感心しました。外務大臣は裏の顔を持つ百戦錬磨のプロの政治屋ぶりを見せてしたたか、CMディレクターはとにかく可愛く意外なほど華やか、そして、ヴァイオリニストのたしかな存在感と歌声。この公演で新公を卒業する研7ですが、いい記念になったと思います。お疲れさまでした!



■サルヴァトーレ周辺

ジュリアーノ(寿つかさ)の星月梨旺。
もともと綺麗な人なんですが、お化粧とかはすっしーさんに教わったのでしょうか?苦み走った表情とか、時々びっくりするほど似て見えました。芝居もよく似てて、すごく意識したんだろうな、と。ちょっと居方の難しい役なので、今はまだ真似でも仕方ないかな。
ちょっと台詞が若いので、もう少し貫録が出せるようになると幅が広がるだろうなと思いました。


パメラ(純矢ちとせ) 瀬音リサ。
落ち着いた芝居で、がんばっているなあと思いました。ふんわりと可愛らしい人だと思っていたんですが、もしかしたら、こういうキャリア系のメークの方が似合うのかも?
せーこちゃんの存在感には及びませんでしたが、よくがんばっていたと思います。ちょっと月組の花瀬みずか嬢を思い出させるトコロがあったかも(^ ^)。


ファビオ(愛月ひかる)にあたる、ウルスラ役の綾瀬あきな。
しっかりした秘書で、良い芝居をしてくれました。見た目があまりに可愛いのでどうするのかなと思っていたのですが、大人っぽくて格好良かったです。
博多座のあっきーといい、「逆転裁判」のえびちゃんといい、、、下級生の成長っていうのは本当にすごいなあ……!


ジョルジオ(凪七瑠海)の春瀬央季。
こちらも綺麗な人で、声もいいし、台詞も判りやすくてとても良かったと思います。
ただ、「脚本を読んでいる」的な印象はあったかな。棒読みというわけではないんですが、ジョルジオになって観客に語りかけて(トーク)いるのではなく、脚本を読みあげて(リーディング)いる、という印象が。
今までもそれなりに役はついていたし、そんなに違和感を感じたことは無かったのですが……まあ、この役は特殊な役だし、そもそも本役のカチャもそんな感じなので、さすがに難しかったのでしょうか。

そうそう。オープニングの次のジョルジオたちの銀橋、人が少なくてびっくり(@ @)しました。オープニングの華やかさを重視して、銀橋の記者はジョルジオ以外はたった4人(!)(愛白もあ、彩花まり、真みや涼子、美桜エリナ)。
でも、みんながんばってましたね!真みやさんの表情が豊かすぎて目が離せませんでした。



■アメリカ撮影チーム
フランク(月映)につては先日書いたので、他のメンバーについて。

リズ(愛花ちさき)のすみれ乃麗。
可愛かった!本役のタラちゃんより出るところの出た“グラマーなアメリカ娘”っぽい感じで、可愛かったです。ただ、その分「有能なマネージャー」感が弱まって、「レニーのガールフレンド」感が強く出ていたような気がします。それはそれでアリだし違和感もなかったんですが、個人的にはタラちゃんの雰囲気の方が好きかも。
いやあの、本当に文句は無いです。リズとして、とてもよかった。ただ、バウヒロインも経験ずみのれーれに、いまさら普通のお嬢さんの役を与えても勉強にはならないんじゃないの?という気がしました。前回のお市が凄く印象的だったので、ああいう大人っぽい役をやらせてみる手もあったのに、と。……でも、クラウディアはえりちゃんがすごく良かったし、他にないか……(T T)。


ジェフ(七海ひろき)の七生眞希。
すっきりとした二枚目で、かいちゃんほどパフォーマンスの派手さはないんですが、がんばっていたと思います。本公演みたいな、ポールとの小芝居はあまり見られず、そのあたりはニュートラルな感じ。でもビジネスライクなわけではなくて……むしろ、本公演より気持ちがレニーに近いように見えたかも。


マシュー(蒼羽りく)の和希そら。
個人的に「ルナ・ロッサ」以来気になっているダンサーさんですが、化粧も綺麗でちゃんと二枚目だったので、思わず二度見してしまいました(^ ^)。顔まわりは少し痩せたのかな?いやでも、ショーの姿はあんまり変ってないような……。
りっくんの絶妙なウザさ(←誉めてる)はないけど、台詞も普通に喋れていたし、下級生なのに巧いなあと思いました。しっかりしているようでちょっと抜けてる感じの役づくりが可愛かったです。


ポール(星吹彩翔)の秋音光。
今公演、なぜかものすごくポールが気に入ってしまってずーっと観ているのですが、秋音くんもなかなか良い動きでした。モンチをコピーするのはいろんな意味で大変だと思うんですが、がんばっていたと思います。



■グランチェッロの職人チーム

ニーノ(月映樹茉)役にあたるカーラの真みや涼子。
娘役なのに、絶妙のやさぐれ感があって、とても面白い役づくりだったと思います。えなちゃんとはまったく270度くらい違う役づくりで、「そりゃ貴女が店を持つのは難しいでしょうよ」と素直に納得させられました(^ ^)。
えなちゃんの、切ないほどピュアな「憧憬」とは全然違う、ちょっと歪つな、世を拗ねた感じがすごく胸に堪えました。新公は、サルヴァトーレが本役ほどひねこびてなくて、とても素直で優しい人だったので、その分までカーラの苦労が際立つというか、、、こうしてここで笑って話ができるようになるまで大変だったんだろうなあ、と思って、えなちゃんとは違う意味ですごく泣けました。
いやー、面白かった!男性の役を女性に替えただけではなくて、キャラが全然違っていたのがホントに面白かったです。「シャングリラ」の少年カイも巧いなーと思ったけど、ホントにお芝居好きな人なんでしょうね。


ルッカ(風馬翔)の留美絢。
真みやさんがいきなりホームランを打ってくれたので、留美くんはどうでるかな、と思ったのですが……残念ながら、あまり印象に残りませんでした。わりと真面目そうにみえて、あんまり「街の不良少年」だった過去が視えなかったような。
うーん、でも、インタビューを受ける3人が全員やさぐれてるのも困るでしょうから、ニーノのキャラを変えたときに、同時にルッカをどうするのか考えてあげないといけないと思うんですよね>上田さん。……しみじみ、お芝居のバランスって難しいですよね。


ミゲル(光海舞人)の秋音光。
あの学年で、ポールとミゲルという大役を二つも抱え、本公演でも結構目立つ役。大変だっただろうな、と思いました。まだ若いんだし、実力もあるみたいだから、新公はどちらかに集中させてあげても良かったのに、とも思いましたが……まあ、無難にこなしていたから正解なのかな?勿体ないような気もしましたが。



■下町の人々

マリーナ(美風舞良)の花里まな。
先日の日経トークでも話が出ていましたが、声も仕草もさすがの巧さでした♪
あおいさんの賑やかさとはまた違う、あたたかな肝っ玉母さんぶりは素晴らしかった(^ ^)。新公卒業して、女役として役がつくまで長い道程かもしれませんが、どうぞがんばってくださいね。


パオロ(天羽珠紀)の朝央れん。
こちらも堅実な芝居だったと思います。実力派の上級生と夫婦役で、勉強になったんじゃないでしょうか。


アルレッキーノ(七生眞希)の結乃かなり。
ダンスは本当にさすがでした。七生くんも十分踊れているし側転も綺麗なんですけど、なんというか、、、立ち姿が違うとでもいえばいいのかな(^ ^)。本公演でも、もっともっとたくさん踊ってほしいし、芝居もできる人なのでそろそろ役をつけてあげてほしいなと思います。


本公演ですごく注目している、ピッツェリアの前の花売りと靴屋の兄弟とかけるくんのお芝居は、さすがにあちこち忙しくて、残念ながらチェックできませんでした……↓↓ あのかけるくんのところは誰がやったんだろう?それとも、小芝居自体がなかったのでしょうか……?



■ナポリの人々

施設の女職員(藤咲えり)彩花まり。
あの台詞は難しいと思うのですが、ちゃんと聴かせてくれて、流石だなと思いました。良い声してますよねー♪♪


ビアンカ(瀬音リサ)の夢涼りあん。
可愛かったー。本役のありさちゃんよりおとなしめな、優しい感じで、「真っ黒になって遊びまわってた、あのお転婆」が、大人になって別人のように綺麗になった……というのが伝わってきました。
ありさちゃんは逆に、「お転婆」がそのまま育って、性格は全然かわって無いんだけど実は美人だった、、、という感じで、それはそれで好きなんですけどね(^ ^)。りあんちゃん、スタイルはいいのでもう少しお化粧をがんばってほしいなと思います(←いや、化粧はありさちゃんも相当がんばってほしいけど)



印象として残っているのは、そのくらいでしょうか。
先日も書きましたが、上田久美子さんの演出は、ある程度役者に任せて自由にやらせてくれる度量と、役者の個性に合わせてかなり細かいところまで辻褄をあわせてくれるきめ細かさが両方そろっていて、なかなか見ごたえがあったと思います。
これからのご活躍に期待しています!


コメント

nophoto
sm
2011年12月18日7:22

ピッツェリアの靴磨きの小芝居は、それ自体が無かったと思います。
ここも人数が少なかったらしく、かけるに相当するキャラを配置できなかった感じでした。

みつきねこ
2011年12月18日23:01

smさま、コメントありがとうございます!

> ピッツェリアの靴磨きの小芝居は、それ自体が無かったと思います。

やっぱり無かったんですね!すっきりしました。ありがとうございましたm( _ _)m。
仮面劇を見ているお客さん少なかったですものね(^ ^;