日本青年館月組公演「アリスの恋人」を観劇いたしました。



バウホールで観劇したときの日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20111122


まずは叫びます。
ちゃぴ(愛希れいか)のアリスが可愛いーーーっ!!

バウでも本当に可愛かったけど、帰宅してナウオンを視たりして、さらにツボに嵌ったようです(^ ^)。
ころころ変わる表情も、一挙手一投足も、ホントに可愛くてねっっ!!!(壊)


……失礼しました。
あの、これからご覧になる方は、あまり期待しすぎないでくださいね(^ ^;ゞ 私、責任は取れませんので……。




ゆりやん(紫門)の帽子屋は、色っぽくなってました(*^ ^*)。いやー、91期はみんな芝居上手で楽しいです♪ 劇中劇で演じるジャバーウォックの鬘は青年館の前に作りなおしたそうで、たしかによく似合ってました。龍の飾りが、目が大きくてキュートです(^ ^)。みりおくん演じる騎士と闘って倒れ伏した後、王子に戻るために飾りをむしりとるときの力強さが好きだ。
あああ、それにしても本当に嵌り役だった!この学年(研7)で、こんな嵌り役に出会ってしまって大丈夫なんだろうか……。


ちなつちゃん(鳳月)のヤマネ。可愛らしさが増しててびっくりしました(@ @)。眠たそうに目を擦る仕草が子供みたいで本当に可愛い!いったいどこまで可愛くなるんだ!?
歌もバウよりだいぶ安定したような気がしました。長いソロがあるわけではありませんが、歌い継ぎの短いフレーズも慣れないと難しいんですよね。良くなってて嬉しいです。
あ。残念ながら、枕は変ってませんでした……(T T)。ただ、あらためて観ると、あの枕は乱闘シーンでは盾になったり武器になったり忙しいので、あんまりフリフリしてたり変った形をしていたりすると、扱いが難しいから無理なのかもしれません。
そして、あの尻尾の動きはどうやってつけているんでしょうか……?


たまきち(珠城)の三月ウサギは、無駄な動きが減って、舞台上での“さりげない居方”に慣れてきたような気がします。本当に舞台勘のいい人ですね。
しかしうさ耳が似合うなあ(*^ ^*)。ある意味当たり役だな、と思います。次の公演でうさ耳の無いたまきちを観たら、寂しくなりそうです。(←それはヤマネもチェシャも同じですが)


ゆめちゃん(愛風)の赤の女王は、個人的にすごく嵌りました。1幕で、ブイブイと我侭にかっ飛んでいるときはそこまで思わなかったのですが、あらためて観て、2幕の一人ぼっちになった赤の女王の芝居に思いっきり引き込まれまして。
「誰か居らぬのか?」という呼びかけの、今にも泣き出しそうな幼子の声。「みんないなくなってしまった」という嘆きに籠められた悲憤。なかなか、ああいう子供っぽい声で芝居のテンションを保つのは難しいと思うんですが、、、長身でスタイルの良い、顔だちもどちらかといえば大人っぽいゆめちゃんなのに、あの衣装の威力もあって、本当に小さな少女に見えました。
青年館に来て変った、というより、2回目だからそういうところを感じとれたのかもしれませんが、こういうのも嵌り役と言うのかな、と思いました。


嵌り役と言えばもうひとり、ガチャ(一色)のジョーカー。渋くていい加減で色っぽくてすっトボケてて、いやもう、素敵すぎる(しみじみ)。バウに比べて特に変ったところは無かったと思いますが、あらためて惚れなおしました(*^ ^*)。






さて。
以下は、ちょっとネタばれしています。未見の方はご注意ください。
(大したネタでもありませんが ^ ^)




私にとって、この物語の一番好きなところは、すべての始まりがナイトメア(星条)の恋(?)だったところ、だったりします。

夢と現実(リアル)の狭間で生きる病弱な幼子と、夢の狭間を渡る「レイヴン」の守人の、初めての恋。
目覚めれば忘れられてしまうのが当たり前だったナイトメアにとって、「朝がきても忘れない」少女は、それ自体が奇跡だったのでしょう。夜明けとともに、その夜に出会ったすべてから忘れ去られ、朝がくるたびに産まれ直していたに等しいナイトメア。そんな彼にとって、記憶の連結は自我の目覚め。感情を持たない「レイヴンの守人」は、ここに至って自我を持ち、少女を母と慕う……。

少女が「現実」から消えてしまったとき、本来なら、ナイトメアの自我は時間をかけて崩壊するはずだったんですよね。なのに彼は、彼女を再び見つけてしまった。彼女を愛した、兄の夢の中で。
ルイス・キャロルが現実を拒否するまでの経緯よりも、弱ったところにつけこんだナイトメアの寂しさが印象的でした。そして、自分の弱さに気がついて立ち直ろうとするルイス・キャロルの輝き も。


ただ。
青年館にきて、マギーがだいぶ熱血になってしまったのが残念です。バウでは、もう少し感情を抑えていたので、無機質な仮面の下に篭められた想いの熱さがとても印象的だったのですが。

ナイトメアが赤の女王に向ける思慕が熱くなりすぎて「執着」になってしまうと、ラストのハッピーエンドがすごく薄っぺらくなってしまうので、そこはもう少しクールに演じてほしいなあ、と思ってしまいました。途中から、ルイス・キャロルに対しても感情がむき出しになってしまって、、、うーん、惜しいなあ!!と。

「ホフマン物語」と「アリスの恋人」、作品世界が主人公のインナーワールドであるという構造は似てるけど、『闇』の立ち位置が違うんですよね。「ホフマン物語」の悪魔は純粋に敵役で、主人公を絶望に陥とすことが目的だから何をしても『やりすぎ』にはならなかったけど、「アリスの恋人」のナイトメアは、『世界の管理者』すなわち体制側 であって、本来の務めを果たしつつ、その影で愛しい少女を囲い込もうとしただけなわけなんですよね。
だから、やりすぎちゃいけないんですよ。こっそりやらないと(^ ^)。やりすぎたら、単なる「悪役」になってしまう。

マギーももう上級生なんだから、その匙加減というか、作品の中での自分の役の立ち位置みたいなものを、もう少し考えてくれるようになると良いんですが。。。



逆に、役者とは無関係に「作品として」残念だったのは、白の女王(花瀬)が「夢の管理人」で、ナイトメアが「レイヴン(萌花)の守人」という外枠の設定を、物語の中で使いきれなかったこと。
レイヴン(大鴉=不吉な鳥)が「恐怖心」を食べる存在で、ナイトメアがレイヴンのために人の夢を悪夢に変えて恐怖心を生み出す……というのは良いんですけど、そもそもレイヴンは何のための存在なんでしょうか?レイヴンが「神の斥候(使い魔みたいなもの?)」だと言うなら、「恐怖心を食べる」以外にも何らかの役割を持っているはずですよねえ…?ましてや、守人までつけて人のインナーワールドを渡り歩かせるからには。

いや、そんなことどうでも良いといえばどうでも良いんですが(^ ^;ゞ
ルイス・キャロルとアリスの物語は綺麗に決着がつくし、ナイトメアと赤の女王の物語も収まるべきところに収まるし、帽子屋以下のファンタスマゴリアの住人たちの物語は、そもそも本筋じゃない賑やかしのエピソードだし……で、そこまでは何の問題もないんですが。
最後の最後、白の女王が出てきてご都合主義的にいろいろな伏線を片づけているの見ると、、、ちょっと萎えるというか、すべての伏線が拾いきれてないというか、そんな拾い方じゃつまらない!!というか。
……そんな、ちょっと切ない気持が残りました。そこまでは、キャラクターも展開も非常によく出来ていただけに、余計に。


ところで。
「鏡の国のアリス」に出てくる大鴉(ワタリガラス)って、、、どんな生き物でしたっけ……?
レイヴンの元ネタが思い出せない(T T)。



なんていろいろ書いてますが、私はこの作品、とても好きです。
ルイス・キャロルがみりおくんで、アリスがちゃぴで、今のキャストで観ることができて、良かったです。


こまごましたつぶやき。

「現実で一番逢いたい人を思い浮かべて、月に飛び込む!」
という『夢から醒める方法』ですが、、、
アリスはともかく、あんなにツンデレ(単なる意地っ張りともいう)なルイス・キャロルが「僕が現実で一番逢いたいのは、彼女だ!」なんて、いくら本人がいないとはいえ、あんなにあっさり口にするとは思えないんだけどなあ……。


赤の女王に見送られて塔の天辺に向かおうとして、すっと手を出すルイス・キャロルと、きょとんとしているアリスはめっちゃツボです。あれこそ胸キュンだと思う!(主張)

ここで、ふいっと振り向いてファンタスマゴリアのみんなに別れを告げる場面は、劇団四季の「夢から醒めた夢」の名場面、霊界空港から現実に戻る「愛をありがとう」に似てる気がします(*^ ^*)。カラフルな猫じゃらしをぶんぶん振りまわすチェシャ(貴千)が、あの場面のヤクザに見えて仕方ない。
あああ、なんか夢醒めを観たくなってきました……。



ちなみに「忘れられないようにしてやるよ」は、記憶を取り戻して「現実」の自分に近づいているルイス・キャロル(≒中学生)が無理して突っ張っているようにしか見えなくて、私はあまり胸キュンしませんでした……。
スレた大人ってつまらないなあ。



コメント

nophoto
カナリヤ
2011年12月7日21:14

こんばんは。私も観劇してきました。
みつきねこさんのように外の舞台は観ないし、どうも感覚的なのですが・・・赤の女王とナイトメアの物語に比重がかかっていて、周りのキャラ立ちもよくて、却って真ん中の二人が弱く感じてしまいました。(^^ゞ
楽しめる作品だけれど、ご贔屓さんが出ていなければリピートしないかなぁ。
で・・・ご贔屓さんが出ているので何度かリピートしちゃいましたよ。(^^)
だって、ヤマネが可愛すぎて「絶句」でした。(^^ゞ
うなされて枕をボコボコ叩くのが、「耳を貸せ」と言われて枕を落として耳を押さえるのが、お茶を冷まそうとフーフーしているのが、もう堪りませんでした。(爆)こんなにもジャックとかけ離れたキャラを見られて満足でございました。
ゆりやんの帽子屋も日を重ねるごとに舞台空間に馴染んできて気障りが良かったです。ゆうま君達のアドリブや面白キャラ満載で楽しかったです。
あー様のいつものような役とか、レイブンの存在意義が私には不可解でしたね。
最後に、みりお君の実力範囲内の役だったので、もう少し弾ける役でも良かったのになぁと思いました。でも、みりお君が大人の男役に育ってきたなぁというのは新たな発見でした。

みつきねこ
2011年12月7日23:45

カナリヤさま、コメントありがとうございます!
ちなつちゃん、可愛かったっでしょおおおお~~~!!(←お前の手柄じゃない)


> あー様のいつものような役とか、レイブンの存在意義が私には不可解でしたね。

それは作品的に弱いところですね。あーさまはともかく、レイヴンの役割はもう少し何かあった方が良かったと思うのですが。


> 最後に、みりお君の実力範囲内の役だったので、もう少し弾ける役でも良かったのになぁと思いました。

どちらかというと受動的な立ち位置の役だったので、あんまり弾けると作品が壊れてしまうんですよね……。実は、みりおくんって受け身な役をあまりやっていないので、初主演でこの役というのは結構ハードルが高かったと思います。ちゃんとクリアしていたからさすがだと思うんですけどね。
いずれにしても、勉強にはなったと思うので、次の本公演が楽しみです。ちなつちゃんは新公も、ですね(^ ^)。