宙組青年館公演「ヴァレンチノ」、初日おめでとうございます!


未曾有の大震災から5ヶ月。
これを長いというべきなのか、「あっというま」だというべきなのか、とても悩む部分はあります。
いや、そんなこと悩むんじゃなくて感じろ、って思うんですけどね。でも、なんか悩んでしまうんです。私の家族や仲の良いともだちでさえ被害を受けた人が何人もいて、今も避難生活を送っている友人さえいるというのに。

本当は、5ヶ月って長いんですよね。
2月に生まれたばかりだった友人の娘が、もう這い這いしていたことに衝撃を受けたり。
宙組っ子たちも、あの後いろいろあって、大劇場公演と東宝を経て、その上で今日があるわけで。当時はまだ組子だった蘭寿さんが花組でお披露目公演を迎え、ほとんど同時に東京で初日を迎えることになったのも必然、、、なのでしょう、きっと。
それでも、ひどく短かったように感じられるのは何故なのか。3月11日より前のことは、ひどく遠い過去の出来事のように感じられるのに。



それでも、舞台の幕があがれば、そこにあるのは別世界で。
現実世界ではいろんなことがあっても、やっぱりそれは舞台の外のお話で、この舞台の上は夢の世界だから。

演出の実務が小柳さんに代わったせいか、細かい演出がずいぶん変わっていたり、
役者の演技が全くの別物になっていたり、、、書きたいことはいろいろあるのですが。
それでも、舞台の上にある夢は、大震災直後にドラマシティで観せていただいた夢とおんなじで。

ひどく脆くて、眩しくて、そして切ない、オレンジ色の夢。
ルディーが夢見た、オレンジの実る丘の、夢。




「舞台に立つ意味を毎日考えながらの公演だった」と挨拶で仰った祐飛さん。
三谷幸喜さんが震災直後の「南へ」公演後に述べた挨拶をひいて、「お客さまに笑顔になってもらえるように」と仰っていたのが印象的でした。
ドラマシティでの「笑顔になることを恐れないで」に続き、舞台に立つ人の覚悟が見える言葉だな、と。

当時の三谷さんの挨拶についての記事はこちら。
http://www.nodamap.com/site/news/206

私も、当時この三谷さんのコメントを読んで号泣した記憶がよみがえり………実は、本編よりもこの挨拶で泣いてしまったりしました(^ ^;
祐飛さんってすごいなあ。




それにしても!
わずか一週間前まで、床山さんのかつらを被ったり黒塗りに化粧替えしたりと大忙しだったメンバーが、時代も国も全く違うハリウッドへ。
ご本人たちもさぞかし大変だったんだろうなと思いますが、この一週間「ヴァレンチノ」のお稽古に明け暮れて(←たぶん)すっかり切り替えられていた出演者に比べると、観る側はまだ前公演の余韻が全然抜けていなくて(汗)、ちょっと世界についていけてないような気がしました(^ ^;ゞ

明日も観るので、それまでに絶対切り替えるぞー!
(仕事ですけどなにか)



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