宙組公演千秋楽が終わって、あっ!というまに木曜日が終わってしまいました。
もういくつ寝ると「ヴァレンチノ」(はぁと)。だけど、その前に仕事が終わらないと休めないーーー(←涙も出ません)。



そんな悲惨な状況ですが、最後に一つだけ、私が大石静さんの「美しき生涯」を観ながら心の片隅で思いだしていた、諏訪緑の「時の地平線」をご紹介(^ ^)したいと思います。

三国志時代の蜀の知将、諸葛孔明を主人公にした作品。
普通に歴史漫画としても非常に面白い作品なんですが、大石さんが語ろうとした「三成」の、作品中ではまったく説明されていない部分を補完するイマジネーションを与えてくれた作品でした。

……たぶん、この作品とあの舞台を観て、そんな連想をするのは私だけなんだろうけど(^ ^;



漢王朝末期。黄巾の乱で焼け出され、弟妹と共に各地を放浪する少年、諸葛亮(孔明)。
彼と、その乱を鎮めて泰平の世を取り戻そうと闘っていた軍人・曹操との出会いが、歴史を動かすエネルギーを解放する……というエピソードから始まる物語。

戦乱のために荒れすさんだ世界に翻弄され、そんな世界を憎むしかない少年・孔明。
頭が良くて視野が広く、戦略思考に長けた彼は、ひたすらに「戦い」を憎み、農業の発展に身を捧げようとする。「食べる」ことで人々を幸せにするために。
けれども。「時代」は彼を放ってはおかなかった……。


こうしてストーリーを思い返してみると、三成と孔明、全く共通点がないんだなあ(@ @)。
三成は曲りなりにも「土豪の息子」で、焼け出されたわけでも農業を学ぼうとしたわけでもない。主君の妻を愛してしまうわけでもないし、主君に扇子でいじめられたりもしない(←そこ?)


とにかく、舞台から見えるところにいる時の三成と、「時の地平線」の孔明は、ぜんぜん似ていない…んだな、と思うんですよね。

たとえば、彼の「第一になすべきこと」は「民に平穏をもたらすこと」であって、主君である劉備への忠義は、それを実現するための道具なんですよね。もちろん、劉備自身が非凡な道具、、、いえ、非凡な主君であって、孔明の性急さを常に押しとどめ、「『平穏』を一気呵成につくることはできない」と教えさとしてくれたりするんですが、、、まあ、そんなところも全然違う。


じゃあ、どこでこの作品を連想したのか?というと……

結局は、全く語られることのない三成のシチュエーションに似た設定があるから……なんですよね。
たとえば、何故に三成がそんなにも(茶々を犠牲にしてまで)「民の平穏」を望むのか、という問いかけのヒントになったりとか。
あるいは、朝鮮出兵に対する「軍縮」という論点が最終巻のテーマだったりするし。


孔明が南方を旅する話とか、結構荒唐無稽な話がまざっていたりはするのですが、全体的に、かなり政治色と友情色の強い、「仲間たち」の物語。
三成との関係は、たぶん全然感じないのが普通だと思いますが(滝汗)、作品としても普通以上に面白いので、もし機会があればぜひ眺めてみてください♪




実はこの作品、以前から祐飛さん主演で舞台化されないかな~と思っていた作品の一つでした。役が多くていろんなエピソードがてんこもりにあるので、舞台化したら面白いと思うんですよ。
まあ、大河ドラマなのでどこを切り取るかで出てくるキャラクターも変わってくるし、なにより恋愛要素が薄いので宝塚で取り上げるのは難しいんですけどね。
でもまあ、祐飛さんの孔明には逢えなかったけど、三成には会えたから、良いかな(^ ^)。



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