石田三成~永遠の愛と美【3】
2011年7月10日 宝塚(宙) コメント (2)宙組公演「美しき生涯」について。
書きたいことはいろいろありますが、当分はまとまりそうにないので、先に場面ごとの印象をまとめてみます。
■序 大阪城(天正17年5月)
いままさに関白となり、豊臣秀吉と名乗る男(未沙のえる)が催した、花見の宴。
秀吉とその妻・おね(美穂圭子)、秀吉付の小姓(彩花まり)を中心に、両脇に近習たち(七海ひろき他)が並び、さぎり(純矢ちとせ)を中心とした華やかな女舞を楽しんでいる。
チョンパでこそないものの、灯りが入った瞬間の華やかな舞台面はとてもキレイで、印象的でした。日本物の幕あきは、ぜひこうあってほしいものです(^ ^)。
女たちの謡が一段落すると、次は七本槍の面々による剣舞(っていうか、槍舞)。
えっちゃん(大海亜呼)、、綾音らいらちゃん、愛花ちさきちゃんが上級生順に割台詞で七本槍登場の口上を述べるんですが、滑舌のいい3人なので判りやすくて良いなあといつも思います。
そして、えりちゃん(藤咲えり)が「歌舞伎女A」6人の最下であることに吃驚……台詞もないんだもんなあ。さびしい(T T)。
七本槍(北翔・悠未・十輝・春風・鳳翔・蓮水・凪七)は、センターからセリあがり。
槍を構えた雄々しいポーズで、みんな格好良いです(はぁと)。
毛槍の扱いは、大劇場1ヶ月過ごして、だいぶこなれてきたかなあ……。宝塚の和物ショーでよくある花歌舞伎の場面が大好きなので、かなり楽しいです(^ ^)。
ひとさし舞い終わると、今度は下手の花道セリから、石田三成が登場。
紫の長衣がとてもよく似合ってて格好良いんですが……まあ、宝塚のお約束とはいえ、衣装があまりに豪華すぎてちょっと苦笑(^ ^;
かざしていた扇子をさりげなくはずして、舞台中央に向かって歩き出す後ろ姿。
……間違っても「センスがセンスしちゃってるってー!」な人と同一人物とは……以下略。
三成も、宴に華を添えるために登場したはずなのですが、彼がほとんど舞わないうちに、さぎりの妹・たつの(すみれ乃麗)が飛び込んできます。
「和子さまご誕生!!若様でございます!」
そう、ひざまずいて主君に告げるたつの。
「でかしたぞ!茶々!」
膝を打って立ちあがる秀吉。
「おめでとうございます」
伏礼して祝言を述べる家臣たち、女歌舞伎のメンバーたち。
そんな中で、たった一人、その場に根が生えたように立ち尽くして祝いの言葉も言えぬ男。
「和子さま……!!」
呟く声は、風に散らされて誰の耳にも入らず。
正妻を連れて我が子に逢いに行く秀吉の後ろ姿を見送りながら、ふと目を逸らして銀橋に出る三成。
♪美しき人生のため 守り抜こう
そっと目を伏せて。
♪心引き裂かれても 守り抜こう 我が秘密
……秀吉の初めての子が、誰の子であるか、という秘密を。
■第一場A 清州(天正10年夏)
本能寺の変の清州城を見下ろす丘の上。
領民たち(天羽・珠洲・風莉ら)が豊作を喜びながら収穫をしている。
男役6人、娘役3人の大所帯での「豊作じゃー、豊作じゃー」という踊りと歌が結構好きです(^ ^)。なんか気持ちが盛り上がるんですよね。
ただ、彼は実はただの農民ではないんですよね。珠洲さんのかごからこぼれてくるジャガイモとか、まだ日本に導入されたばかりの“最先端”の作物だったはず。
地味の低い荒れた土地でも生育する植物として、世界の多くの人を救った作物を当たり前のように導入している彼らは、新しいもの好きで下層民の自主性を育てることで国を育てようとした織田信長の膝元で生きてきた人々。
織田が目指した「能力主義」で効率の高い世界を、さらに発展させようとした秀吉。
そして、それをサポートすることを男子一生の仕事と思い定めた石田三成。
そんな男たちの大きさを感じる場面でもあります。
本能寺での信長暗殺以来、不安にさいなまれていた少女・茶々(野々すみ花)が、楽しげに農作業を続ける彼らに怒って飛び込んでくる。
「そなたたちには人の心がないのか?……不安は無いのかっ!」
彼らがそんな風に笑顔で作業をしていられるのは、織田信長が荒地でも育つ『新しい作物』を持ってきてくれて収穫高を増やし、商売を盛り上げてその作物を流通させ、、、さらに外敵から守ってくれていたからなのに。
伯父が亡くなった以上、その庇護も何もかもなくなったのだから、少しは嘆くべきだ、と少女は思うんですよね。
でも、農民たちにとっては、その日の天気がすべて。その日の収穫が、彼らのすべてだから、少女の怒りは空回りするばかり。
農民たちを叱り飛ばす茶々を諌める三成。
彼らに対する「早う行け」という台詞の優しい声に心が震えます。
そして、茶々に対して名乗りをあげるときの、涼やかさにも。
まだ幼いのにしっかりした話をする茶々、優しく諭す三成、
お互いに、相手に深い興味を抱いた自分にとまどう二人。
そして、陰から茶々を見守る疾風。
この場面での疾風の出し方、というか、なんだか妙に目立つ感じでわざわざ舞台の奥を突っ切らせ、三成が花を摘みに向かうセットの後ろに隠れて見守る……という動きがちょっとわざとらしくて、個人的には若干しらけてしまったりもするんですが。
石田さん、こういうところはもう少し細やかな演出をする人だと思っていたんですが、意外にアバウトでしたね(^ ^;)。
この農民たちとのエピソードは、三成の「三つの成ること」にかかわってくる重要な場面だと思うんですよね。演出的にはさらっと流していますけれども、本当はもう一度くらいこういう場面があってもいいのに、と思います。
関ヶ原の前の「石田さまは良い殿さまじゃ」「徳川さまはどんな人?」だけではなく、せめて、もう一場面くらい。
……あまりしつこくやると逆効果ではありますが。
農民たちのリーダーとなって、じゃがいもの育成方法を研究する男とかを出せばいいのに、と思ったり。役も増えるし、かいちゃんあたり、ちょうどいいと思うんだけどなー。……削るべき場面がないから、時間的に無理なのはわかっているんですけどね(汗)。
まだ第一場しか終わってませんが……とりあえず今夜はここまでにいたしとうございます……
(このナレーションって何だっけ…?)
.
書きたいことはいろいろありますが、当分はまとまりそうにないので、先に場面ごとの印象をまとめてみます。
■序 大阪城(天正17年5月)
いままさに関白となり、豊臣秀吉と名乗る男(未沙のえる)が催した、花見の宴。
秀吉とその妻・おね(美穂圭子)、秀吉付の小姓(彩花まり)を中心に、両脇に近習たち(七海ひろき他)が並び、さぎり(純矢ちとせ)を中心とした華やかな女舞を楽しんでいる。
チョンパでこそないものの、灯りが入った瞬間の華やかな舞台面はとてもキレイで、印象的でした。日本物の幕あきは、ぜひこうあってほしいものです(^ ^)。
女たちの謡が一段落すると、次は七本槍の面々による剣舞(っていうか、槍舞)。
えっちゃん(大海亜呼)、、綾音らいらちゃん、愛花ちさきちゃんが上級生順に割台詞で七本槍登場の口上を述べるんですが、滑舌のいい3人なので判りやすくて良いなあといつも思います。
そして、えりちゃん(藤咲えり)が「歌舞伎女A」6人の最下であることに吃驚……台詞もないんだもんなあ。さびしい(T T)。
七本槍(北翔・悠未・十輝・春風・鳳翔・蓮水・凪七)は、センターからセリあがり。
槍を構えた雄々しいポーズで、みんな格好良いです(はぁと)。
毛槍の扱いは、大劇場1ヶ月過ごして、だいぶこなれてきたかなあ……。宝塚の和物ショーでよくある花歌舞伎の場面が大好きなので、かなり楽しいです(^ ^)。
ひとさし舞い終わると、今度は下手の花道セリから、石田三成が登場。
紫の長衣がとてもよく似合ってて格好良いんですが……まあ、宝塚のお約束とはいえ、衣装があまりに豪華すぎてちょっと苦笑(^ ^;
かざしていた扇子をさりげなくはずして、舞台中央に向かって歩き出す後ろ姿。
……間違っても「センスがセンスしちゃってるってー!」な人と同一人物とは……以下略。
三成も、宴に華を添えるために登場したはずなのですが、彼がほとんど舞わないうちに、さぎりの妹・たつの(すみれ乃麗)が飛び込んできます。
「和子さまご誕生!!若様でございます!」
そう、ひざまずいて主君に告げるたつの。
「でかしたぞ!茶々!」
膝を打って立ちあがる秀吉。
「おめでとうございます」
伏礼して祝言を述べる家臣たち、女歌舞伎のメンバーたち。
そんな中で、たった一人、その場に根が生えたように立ち尽くして祝いの言葉も言えぬ男。
「和子さま……!!」
呟く声は、風に散らされて誰の耳にも入らず。
正妻を連れて我が子に逢いに行く秀吉の後ろ姿を見送りながら、ふと目を逸らして銀橋に出る三成。
♪美しき人生のため 守り抜こう
そっと目を伏せて。
♪心引き裂かれても 守り抜こう 我が秘密
……秀吉の初めての子が、誰の子であるか、という秘密を。
■第一場A 清州(天正10年夏)
本能寺の変の清州城を見下ろす丘の上。
領民たち(天羽・珠洲・風莉ら)が豊作を喜びながら収穫をしている。
男役6人、娘役3人の大所帯での「豊作じゃー、豊作じゃー」という踊りと歌が結構好きです(^ ^)。なんか気持ちが盛り上がるんですよね。
ただ、彼は実はただの農民ではないんですよね。珠洲さんのかごからこぼれてくるジャガイモとか、まだ日本に導入されたばかりの“最先端”の作物だったはず。
地味の低い荒れた土地でも生育する植物として、世界の多くの人を救った作物を当たり前のように導入している彼らは、新しいもの好きで下層民の自主性を育てることで国を育てようとした織田信長の膝元で生きてきた人々。
織田が目指した「能力主義」で効率の高い世界を、さらに発展させようとした秀吉。
そして、それをサポートすることを男子一生の仕事と思い定めた石田三成。
そんな男たちの大きさを感じる場面でもあります。
本能寺での信長暗殺以来、不安にさいなまれていた少女・茶々(野々すみ花)が、楽しげに農作業を続ける彼らに怒って飛び込んでくる。
「そなたたちには人の心がないのか?……不安は無いのかっ!」
彼らがそんな風に笑顔で作業をしていられるのは、織田信長が荒地でも育つ『新しい作物』を持ってきてくれて収穫高を増やし、商売を盛り上げてその作物を流通させ、、、さらに外敵から守ってくれていたからなのに。
伯父が亡くなった以上、その庇護も何もかもなくなったのだから、少しは嘆くべきだ、と少女は思うんですよね。
でも、農民たちにとっては、その日の天気がすべて。その日の収穫が、彼らのすべてだから、少女の怒りは空回りするばかり。
農民たちを叱り飛ばす茶々を諌める三成。
彼らに対する「早う行け」という台詞の優しい声に心が震えます。
そして、茶々に対して名乗りをあげるときの、涼やかさにも。
まだ幼いのにしっかりした話をする茶々、優しく諭す三成、
お互いに、相手に深い興味を抱いた自分にとまどう二人。
そして、陰から茶々を見守る疾風。
この場面での疾風の出し方、というか、なんだか妙に目立つ感じでわざわざ舞台の奥を突っ切らせ、三成が花を摘みに向かうセットの後ろに隠れて見守る……という動きがちょっとわざとらしくて、個人的には若干しらけてしまったりもするんですが。
石田さん、こういうところはもう少し細やかな演出をする人だと思っていたんですが、意外にアバウトでしたね(^ ^;)。
この農民たちとのエピソードは、三成の「三つの成ること」にかかわってくる重要な場面だと思うんですよね。演出的にはさらっと流していますけれども、本当はもう一度くらいこういう場面があってもいいのに、と思います。
関ヶ原の前の「石田さまは良い殿さまじゃ」「徳川さまはどんな人?」だけではなく、せめて、もう一場面くらい。
……あまりしつこくやると逆効果ではありますが。
農民たちのリーダーとなって、じゃがいもの育成方法を研究する男とかを出せばいいのに、と思ったり。役も増えるし、かいちゃんあたり、ちょうどいいと思うんだけどなー。……削るべき場面がないから、時間的に無理なのはわかっているんですけどね(汗)。
まだ第一場しか終わってませんが……とりあえず今夜はここまでにいたしとうございます……
(このナレーションって何だっけ…?)
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コメント
武田信玄ですか!!わーい、すっきりしました(^ ^)
ありがとうございました♪