帝国劇場にて、「レ・ミゼラブル」スペシャルキャストバージョンを観劇してまいりました。


開幕早々からすごい迫力で、おお、すごいな~~~~、さすがスペシャルキャスト!と思っていたら。
カーテンコールでジョン(ジョン・ケアード。この作品の演出家)が登場!

……そりゃー、みんな盛り上がるわけですね(^ ^;


今回は、ケアード版のラストと言われているせいか、他の仕事がらみなのか、何度か来ているみたいですね。以前は数年に一回しか来なくて、ジョンに直接指導してもらったことをずっと大事にしてる、みたいな感じだったのに。
やっぱりジョンがいると空気が違うんでしょうねえ~(^ ^)。今回のシリーズはまだ二回しか観ていないけど、アンサンブルのメンバーとか殆ど同じだったのに、前回とは全然違ったもんなー。



それでは、キャストごとに。

◆バルジャン   今井清隆
◆ジャベール   鹿賀丈史
お祭りですねー。滝田さんが出てくださらない以上、今井さんしかいないんでしょうけれども……うーむ。今井さんだと声がキレイすぎて、鹿賀さんのジャベールとのバランスが悪すぎる(涙)。
そして。私は、鹿賀さんにトラウマが……台詞を喋るたびに身構えてしまうんですよ(T T)。後半は鹿賀さんも声が出ていたので安心して聴いていられましたが、最初の牢獄での「奴をここへ呼べ」でいきなりかましてくださったもんだから、「スターズ」くらいまでずーっと落ち着きませんでした(T T)。


◆エポニーヌ   島田歌穂
◆ファンテーヌ  岩崎宏美
私は初演は観ていませんが、1997年の10周年記念公演では散々聴かせていただいたお二人。本当に過不足なく、素晴らしかったし、あの頃のままでとても懐かしかった。
でも、今のキャストもいいなーと改めて思いました(*^ ^*)。

「On My Own」の後、閉じて行くバリケードの間をすり抜けて走りこむエポニーヌ。
本田美奈子ちゃんがやっていた、帽子をキュッと握ってコートを翻す仕草が、今のエポニーヌの定番になっているみたいなので、歌穂ちゃんが普通に歩いて行くのがかえって新鮮でした。そうそう、歌穂ちゃんはこうやってた……!!


◆マリウス    石川禅
いやー、マリウス声が今でもちゃんと出る禅ちゃんに乾杯!!
オペラグラスを使わなければ、十分「あの頃と全然変わってない」と言ってあげられそうな気がしました。痩せましたよね?この公演のために頑張ったんだろうなあ。プロだなあ……。

禅ちゃんのマリウス、本当に好きだったんですよー。
細かいところまでちゃんと考えられてて、なんていうか、「堅物マリウス」そのもので。

「祈りの雨」で、「エポニーヌ、怪我してる!」って言ってからコートの前を開いて、一瞬息をのんでから「どこも血だらけだ…」とか、、、本当に細かいところなんですけど、そういうところで「魂が入ってる」って思えるんですよ。
あらためて、病院でのコゼットとのデュエットがワンフレーズ短くなってる(ワンコーラス目ですぐにバルジャンが加わってくるので、マリウスが立ち直る芝居をする暇がない)のがとても残念だと思いました。
今のマリウスさんたち観ても別に気にならないんだけど、あの場面の禅ちゃんが本当に好きだったから、すごく安念。


◆アンジョルラス 岡幸二郎
最後にもう一度、岡アンジョルラスという夢を見せてくれてありがとう。……といいつつ、次回も出てくれも驚かないけどさ!

1997年から2000年のシリーズで散々通い詰めた岡アンジョルラス。
あの頃のクールで孤独な貴方はどこへ行ったの、と思うほど、スキンシップの多いアンジョルラスだったような気がします。
しっかし、この人の「闘うものの歌が聴こえるか」の歌いだしとか、「立つのだ仲間よ!世界に自由を!」を聴くたびに「求心力」という言葉の意味を実感します。「死の大天使」と呼ばれた役に、これほどふさわしい人がいるだろうか、、、。


◆コゼット    神田沙也加
可愛かったー♪ 歌もまあまあ及第点、というか、1997年当時だったら絶賛されていたレベルかと。(純名里沙ちゃんはハイCが下がりがちだったし、早見優ちゃんは、芝居は好きだったけど歌は……だったし(^ ^;ゞ
うん、コゼットは可愛くて歌えればそれだけでOKですわ♪♪


◆テナルディエ  斎藤晴彦
◆テナルディエ妻 鳳蘭
鳳さんのマダム・テナルディエ、すごーく観てみたかったのでとても満足です!
齋藤さんのテナルディエともお似合いでしたね。なるほど、ああいう感じだったんだろうなあ。

テナルディエ夫妻は結構組み合わせの相性がありますよね。
森久美子さんなら駒田一さん、夏木マリさんなら山形さんがコンビとして好きでした。
そして、たぶん、鳳さんにはやっぱり齋藤さんがいいんじゃないかと思う(^ ^)。なんていうか、お二人が芝居しているときの空気がとても好きです。

テナルディエ酒場のラスト、バルジャンが置いていった1500フランを一人占めする鳳マダムと、それを追いかけながら「俺にも半分くれよー、半分ー!!」と情けなく訴える齋藤テナルディエに胸キュン(←え?)でした(^ ^;


◆司教      林アキラ
おおー、久しぶりにアキラさんの司教/レーグルが聴ける!と思っていたら、、、アキラさんは司教さまだけで、レーグルは別の人が歌っていたことに吃驚!
禅ちゃんがマリウスやってる公演なんだから、アキラさんみたいな学生が居たっていいじゃないか!!何を贅沢なことをっ!! と思っていたんですが。

……あれは、カーテンコールで司教さまで登場するためだったのかな?(違う?)
平日夜の部は、子役は場面が終わったら帰ってしまうので、アンジョルラスと司教さまが二人で出てくる(普段ならアンジョルラスとガブローシュ)のがとても微笑ましかった(^ ^)。いつかアキラさんを肩車してあげてください >岡さん


◆グランテール    石飛幸治
初見でしたが、吃驚するほど前向きな、そして「普通の大人」なグランテールでした。
……1997年シリーズのグランテールが基準の私にとっては(^ ^)。
アンジョルラスに対する執着がなさすぎて、なのに最後にバリケードを駆け上がる背中に説得力があるのが不思議。ああいう解釈もあるんだなあ、と感心しました。


◆ジョリ       大津裕哉
吃驚するほど小柄で童顔で、そのままガブローシュやっても違和感無さそう…と思ってしまいました(汗)。年齢はおいくつなんだろう。若いのかなあ……?声もちょっと不思議な発声で、目立ってました。
親友のマリウスが禅ちゃんなので、なんというかあのー、という感じもしましたが、芝居自体は良かったと思います。……うん。

前回おや?と思った、バリケード陥落後の片足でのぶら下がりですが、普通にやっていました。ただ、以前よりバリケードの回りだしが早くなったので、片足を外してぶらんとぶら下がる頃には下手からは見えなくなっちゃうんですね。だから前回気がつかなったのか……と納得。

軽いので、小柄な齋藤さんに担がれていても違和感なかったです♪ ああ、だからあの死体はジョリなんだなあ…。


◇レーグル      武井基治
前回と同じ役(前回と同じ方は「◇」を使ってます)でしたが、司教さまナシでレーグルだけ、っていうと、また少し印象が変わりますね。司教さまのソロは素晴らしかったけど、レーグルのソロはあまり印象に残らないなーと思ったのですが、今回は、ついアキラさんの声を期待して、“あ、違った”というのがあり、とても印象に残りました……。
武井さんの声は強くて豊かで、ああ、こういう声もありだねーと思いました。どちらかといえば大須賀さん系?……かなあ?


◆クールフェラック  西川大貴
◇コンブフェール   谷口浩久
◆フイイ       鎌田誠樹
◇バベ        高山光乗
◆ブリジョン     田村雄一
◇プルベール     五葉隼人
◇モンパルナス    尾崎功使
◆クラクスー     石川剛

あまりキャスト表を真剣にチェックしていなかったので、田村雄一さんが出ていることに全然気がつかなかった……あららー。プリュジョンはちょっと予想外だった(汗)。
そう言われてみれば、テナルディエ一味、みんな二枚目だったなあ(←化粧がすごすぎてよくわからんかったが)
石川剛さんはさすがでした。よっ、男前!
フイイの鎌田さんも良い声でした。ああ、「共に呑もう」リプライズを聴いてみ(黙)。


◆買入れ屋      吉川恭子
◇マテロット     曲木佐和子
◇ファクトリーガール さとう未知子
◇ジベロット     中村美貴
◇マダム       谷口ゆうな
◇少年1       北川理恵
◆少年2       高田亜矢子
◇かつら屋      絵理

女性陣は殆ど前回と同じメンバーでした。
印象に残ったのは、少年2の高田さんの澄んだ声かな。ちょっと印象的な声でした。
絵理ちゃんはやっぱり巧いなー、とあらためて感心。仕草の一つ一つがさりげなくリアルなんですよねー。さすがだなあ。ファンティーヌが追い出される工場での一つ一つの動きを追っていくとすごく面白い。コゼット役の女の子(最初はファンティーヌの味方なのに、途中で裏切る)をさりげなく庇う仕草とか、好きだー。


◇ガブローシュ    鈴木知憲
◇リトルコゼット   飛鳥井里桜
◇リトルエポニーヌ  蒲生彩華

女の子二人は前回と同じでした。飛鳥井さんは前回の方が巧かったような。でもどっちも可愛いからいいんです。
ガブローシュは元気な美少年でした。いやー、ホント美少年だった!!くりくり頭がよく似合う(*^ ^*)歌はちょっと不安定でしたが、芝居は元気いっぱいで良かったです。
死体になってからずーっと目をあけていたような気がするんですが、気のせい?盆が回るまでだいぶ時間あるけど、、、、(^ ^;ゞ


そんなところでしょうか。
全体的に、スペシャルキャストを観てみて、あらためて最近(ここ数年)の日本ミュージカル界のレベルアップを実感しました。
外れキャストがいないし、アンサンブルもレベル高いし。

でも、それと面白さは必ずしもイコールではないんだな、と。
マリウスとアンジョルラス、マリウスとエポニーヌ。役者の好き嫌いとは関係なく(多分)、禅ちゃん、幸ちゃん、歌穂ちゃんには、何年も一緒にやってきた仲間意識と連帯感を感じました。ここ数年、トリプル、クアトロキャストが当たり前になって、カンパニーとしての求心力を弱めていた「レミゼ」スタッフおよびキャストにとって、喝になったらいいなあ、と思いますね。

ケアード演出版はこれで最後。
次回はどんな演出になるんでしょうね。…と思いつつ、もう一回くらい今の作品を観ておきたいなーとも思いつつ。まあ、チケットは完売のようなのでどうなるかわかりませんが(^ ^)。


なんかあんまり(というか全然)作品の内容に触れてないけど、こんなんでいいのかな~?


コメント

nophoto
2011年5月26日22:40

また観にいらっしゃったんですね~(^^)
スペシャル版、私も観たかったな~

みつきねこ
2011年5月27日1:44

mさま(^ ^)
はーい、また行ってきました♪ もう一回観たいけど、チケットがないんですよねー…。
スペシャルキャスト、評価はいろいろだと思いますが、とりあえず岡アンジョルラスに13500円払って悔いはないです(^ ^)。