東京宝塚劇場にて、花組新人公演「愛のプレリュード」を観劇してまいりました。



……の前に、一つ。
宙組の妃宮さくらちゃん(89期)、天輝トニカさん(92期)、七瀬りりこさん(93期)が、次回大劇場公演千秋楽付で卒業することが発表されました。
先月末付で卒業された雅桜歌さんと合わせて、4人。
毎公演誰かが卒業して、そして研1が入ってくる、それが宝塚の宿命とはいえ、新公学年の、それも学年の割に活躍していた二人が花園を去ってしまうのはとても寂しい。
二人とも、研3とか研4とかで本公演でソロを歌っていたのになあ……。

そして、たまみちゃん(妃宮)。
月組「シニョール・ドンファン」初舞台の89期。たまみちゃんと(羽桜)しずく、桜寿ひらりさんの三人で祐飛さんのお茶会にゲストで来てくれたのを、今でも鮮明に覚えています。三人ともホントに可愛くて、「三人とも名前に桜が入っているから、さくらトリオ」とか嬉しそうに話していた祐飛さんの、鼻の下がでろ~んと伸びていたのも懐かしい。

桜寿ひらりさんとはその後は縁が無く、しずくとはすれ違いで組替えになって……。たまみちゃんだけ、研7になっていきなり博多座で共演、丸2年同じ舞台に立つことができました。

まさか貴女に花束を渡して見送ることになろうとは、本当に思いもしなかったよ!!
美人でボンキュッボンで、笑顔がキュートなたまみちゃん。最後の役は「市」。お市の方なんですよね、きっと。最後の最後に「美人」の役が来て、嬉しいです。
卒業までの短い時間、どうぞたくさんの幸せがありますように。





昼間にそんな心乱れるニュースをみてちょっと落ち込んでいた猫ですが、
花組新人公演は、とても面白かったです。
……最近の花組新公の中では、久しぶりに「新人公演らしい新人公演」でしたが。いろんな意味で。

新公演出は、本公演と同じ鈴木圭。
本公演と新人公演の演出が同じな場合、キャスティングに演出家の本音が出るというか、「ああ、この脚本はこういう意図があったのか!」と目から鱗が落ちたりすることが多いのですが(正塚さん以外)、今回もなかなか興味深かったです。


なんといっても、二番手のジョセフ(壮一帆/鳳真由)のキャラクターが全然違っていたのが新鮮でした。

私、まだ本公演のお芝居の感想はあまりきちんと書いていないんですが(←ちょっと書きにくくて/汗)、脚本的にはジョセフがヒロインみたいな話だよなーとずっと思っていました。
蘭ちゃんのキャシーもとても可愛いんですけど、あまりにもフレディとジョセフの純愛が深すぎて(^ ^;、女の子の入る隙がないというか………いや、あの、なんというか。

なのに、「壮一帆」って人は、そこまで人に依存するタイプじゃない……というか、そういう役はあまり似合わないタイプの役者なんだと思います。
「弟」的な甘えたなタイプか、逆に大長老クラスの「どS」なツンデレタイプか、そういう極端な役が得意で、ヨン・ホゲとかジョセフみたいな、ある意味宝塚王道の二番手役というか(^ ^;、苦悩系のマイナス思考な役は実は不得手なんじゃないかと思ったんですよね。壮ちゃんの芝居は、根っ子のところが陽性だから。

本公演だけを観ていたときは、脚本的にはジョセフがヒロインなのに、壮ちゃんはあくまで「どS」だから、なんか違和感があるなあ~くらいに思っていたのですが。

新人公演を観て、ジョセフがヒロインで主演だよ!と、大変驚いたのでした。

なんというか。「風と共に去りぬ」スカーレット編、的な意味で、「愛のプレリュード」ジョセフ編、といって良いのではないかと。
脚本は一文字一句(多分)変わってないはずなのに、演出も大して変ってないはずなのに、ジョセフのキャラクターが苦悩型の役者になっただけでこんなに立ち位置が変わるものなのか、と

銀橋でフレディーと話したあとの
「お前が撃たれて……俺も喪ったものは大きかった…」
というモノローグの苦悩が色濃すぎて、本気で驚きました。
ああ、鈴木さんは、こういうつもりでこの場面を書いたのか?と。





がりんちゃん(大河凜)のフレディーも、研4であの難役をよくこなしたな、と思います。
そもそもがりんちゃんの最大の魅力はピュアで真っ直ぐな優しさで、ああいう表面だけひねくれた大人の男はあまり柄じゃないと思うんですよね。
その割には、同期のべーちゃん(桜咲彩花)に対する包容力はちゃんと見せてくれて、今後が楽しみだなあと思ったのですが、、、残念ながら、暴走した真由ちゃんの熱愛を受け止める度量はなかったらしい(←当たり前か?)

元々歌が得意な人なのに、音域が合わなくて苦労していたのも残念。歌いあげる部分はさすがだったんだけど、武器を奪われるのは辛かったでしょうね。
響きの柔らかな美声が魅力の人なので、声質を荒らさないように気をつけて、うまく音域を広げていってほしい。いい先生と巡り合えますように。



べーちゃんは可愛くて可愛くて可愛くて、本当に可愛かったーー!(*^ ^*)
蘭ちゃんの芝居をほぼ踏襲していた印象ですが、がりんちゃんとの年齢差がないぶん、ラストのラブシーンが良かったです。
がりんちゃんに後ろから抱きつくまでの芝居がとても好き。そして、荷物を投げ捨ててから、それでもなお逡巡するがりんちゃんの迷いが、とても愛おしかった。

研7でもないのに同期で新人公演主演コンビ(しかも両方初主演)って珍しいと思うんですが、身長差はなくても、お似合いの素敵なコンビでした。




演出的には、、、細かい違いはあまり気がつきませんでしたが、ラストは大きく違いましたね。キャシーと別れた後のフレディーは銀橋を渡らずにそのまま上手の花道へはけていく。本公演のラスト銀橋はサヨナラの特別仕様なので、芝居としては無い方がすわりがいいんだな、と思いました。

あとは何か違ってたかな?やっぱり、贔屓組じゃないと演出の細かいところは覚えてないものですね。すみません。

続きはまた近いうちに(^ ^)。




コメント

nophoto
hanihani
2011年4月15日14:21

新公って不思議ですよね。

主演をすれば価値が上がりそうなのに、そうじゃなかったりするし。

今回観ていて、大河凜ちゃんはフレディーという役でファンは増えるのだろうかと
疑問が浮かびました。
役があってないこともあって、台詞が日本語なのに頭に入ってこなかったです(涙)

で、片や鳳真由ちゃんは2番手ですがほんと魅力。
実はこんなに真由ちゃんを追いかけて観たのは初めてかも。すごく魅力的な人でしたよぉ!世間的にも評価は高くなっていただろうと思います。
この新公でファン増えてるよね。

そして桜咲彩花ちゃんはインフルエンザで休演続出だったときの「べるばら」新公で代役をやっていてキレイだし、お芝居もうまくてこの人いいなぁ~と
その後本公演でも探してみているのですが・・・
キャシーでは彼女の魅力は出てなかったと思う。
体型だってそんなに大きくも太くもないのに、なんか似合っていませんでしたよね。蘭ちゃんとはカラーが違ってます。月組でまりもちゃんの新公をやったら
もっと実力発揮できたかも?とか。。。

配役って難しいなぁと実感しました。


ヨン・ホゲの祐飛さん、神でしたね(笑)

みつきねこ
2011年4月16日1:45

hanihaniさま、たくさんのコメント、本当にありがとうございますm(_ _)m。

>実はこんなに真由ちゃんを追いかけて観たのは初めてかも。すごく魅力的な人でしたよぉ!世間的にも評価は高くなっていただろうと思います。

ですよねっっ!!なんだか、以前から好きなんですけど、今回でちょっと見る目が変わりました。ホントに面白い役者だ!ぜひ真瀬くんとガチンコで勝負してみてほしい!!

と、いうわけで、【2】の方にコメントをいただいた「真瀬フレディー」、とってもとっても大賛成!だったりします(^ ^)。主演とかそういうのは置いといて、真由ちゃんと真瀬ががっぷり組んで芝居をするところを一度でいいから見てみたいのです(*^ ^*)。
真由ちゃんが新公に出てくれるのもあとたったの2作。あの二人、いったいどこまで行ってしまうの……?って思ってしまうような作品に巡り合えますように(^ ^)。