若者たちの「ロミオとジュリエット」【2】
2011年3月8日 宝塚(雪)雪組東宝劇場新人公演「ロミオとジュリエット」。
いろいろあって間があいてしまい、すみません。
とりあえず、キャストごとの感想を。
■ティボルトの凛城きら(緒月遠麻)
歌はさすが、と言っていいかな。凛城さんに対しては私の要求レベルが高いらしくて、もっと巧いはず!とか思ったりもしましたが、いやいや、良かったです。
色気もあったし。ここしばらく年配の役が続いてたけど、元々の顔立ちは綺麗なんだし、もう少し痩せてすっきりしたら間違いなく二枚目なのに……とあらためて残念に思いました。
基本的にはキタロウ(緒月遠麻)の役作りを踏襲していたと思うんですけど、あまり野獣性を表に出さず、もう少しクレバーな感じに創っていたような気がします。
ひたすらピュアで優等生っぽい彩風ロミオと、クレバーでクールな凛城ティボルト、パッショネイトな香稜ベンヴォーリオ、やんちゃで外弁慶な彩凪マキューシオ……という4人のバランスが面白かった新人公演でした。
■マーキューシオの彩凪翔(早霧せいな)
「オネーギン」で突然出てきた彩凪くん。「ソロモンの指環」あたりから美貌のダンサーとして私の中で印象に残っていたので、役がついてきて嬉しいです。歌はちょっと苦戦していたけど、まあこれは初演も本公演もアレなので、何も言うまい(^ ^;。とりあえず、台詞が聞けて嬉しいです
ビジュアルとしては、本公演の「モンタギューの男」の方がよっっっぽどイケメンだと思いましたが(汗)、ガラッと雰囲気が違うのによく頑張ったな、と思いました。真中での芝居には経験のなさが出た感じはありましたが(回りはみんなベテランですものね…)、これからの成長が楽しみです!
すごくどうでも良いことなんですが。
「モンタギューの飼い犬!」「わんっ!」というやりとりでの、チギちゃんの犬の鳴き真似の巧さに毎回びっっくりするんですが、新公ではその返しがなくて残念でした………っていうか、チギちゃんのあれは特技だってことでFAですか…?
■パリスの真那春人(彩那音)
いやーーーー、喋らないまなはるにはあんまり興味がないけど、喋ってるまなはるを見ると、私のテンションは上昇するらしい……。歌もよく頑張ってたし(^ ^)、やっぱり表情豊かで可愛いなあ。
そして、パリスよりもずっと出番の多い「キャピュレットの男」は、前髪を降ろして両脇を固めた髪形でとってもよく似合ってます♪個人的には、本公演をこれでやって、新公を本公演でやっている襟足の長いオールバックでやってほしかったなあ~~~と思ったりしました。
■乳母の透水さらさ(沙央くらま)
さらさちゃんの歌は大好きなので、すごく期待していたんですが……やっぱり乳母のナンバーはすごく難しいんでしょうね。思いのほか苦戦していて、びっくりしました。……調子が悪かったのでしょうか……?
芝居としては、やっぱりコマちゃんの飄々とした雰囲気というか、間の良さにはかなわないというか……ああいうのはある程度経験を重ねないと難しいんだろうな、と思いましたが、中年女の可愛らしさがちゃんとあって、表情豊かにがんばっていたと思います♪
■キャピュレット卿の朝風れい(一樹千尋)
「娘よ」のソロがカットされるんじゃないかと心配していたんですが、そのあたりは本公演どおりでホッとしました。
歌はさすが!!ですし、芝居も過不足なくよくやっていたと思いますが、、、ヒロさんの役を新公でやる人は大変だなあ(←主に、私の要求水準が無駄に高くなるから)
■キャピュレット夫人の千風カレン(晴華みどり)
一幕冒頭の「憎しみ」と「ティボルト」前後のティボルトとのやり取りがないので、彼女の「女」の部分を出す場面が減って「母親」色が強くなっていましたが、その脚本に合わせて、ちゃんと「母性」の勝った芝居をやっていたのが印象的でした。
■モンタギュー卿の央雅光希(飛鳥裕)
歌も芝居も安定した人だな、と思いました。此花さんとの並びも似合ってて良かったです。
喧嘩のあと、キャピュレット卿と対決する部分の迫力にちょっと驚きました。良い役ですねえ……。
■モンタギュー夫人の此花いの莉(麻樹ゆめみ)
こちらも「憎しみ」がカットされていたので、最大の見せ場は霊廟での「罪びと」でしたが、とてもよかったと思います。あの歌の歌いだしってすごいプレッシャーだと思うんですが、、、うん。気持ちよく浸れたし、泣けました。すごく母性のある歌を歌う人だな、と感心しました。
■大公の透真かずき(大凪真生)
一番の見せ場であるオープニングの「ヴェローナ」がカットされていたので、歌も出番もだいぶ少なかったのですが、危なげない存在感でした。姿が綺麗で芝居も重みがあって、とてもよかったと思います。
■死の煌羽レオ(彩風咲奈)
本役の彩風さんとは、纏う空気がまったく違っていたのが面白かったです。
ダンスがすごく滑らかで、心の隙間に滑り込んでくるようなイメージがあったのは……思い込みかな?(^ ^;ゞ
彩風さんのピュアな「少年ロミオ」と、意志をもって彼を闇へと誘う「死」、という印象でした。
■愛の久城あす(大湖せしる)
本公演で男役化粧をしてガツガツ踊っているときは、蘭寿さんに似ているなーと思う久城さん。娘役化粧をしてにこっと微笑むと、いきなり可愛くなってお姉さんそっくりに見える瞬間があることにとても驚きました。嘘みたい(^ ^;;;
「死」と「愛」の力関係が、雪組新公はすごく対等だったのが面白かったです。
ずっと戦っている二人……いや、戦いながら通じ合っている二人という印象。
いやはや、面白い存在だなと思いました。
アンサンブルでは、モンタギュー(青チーム)のひーこちゃん(笙乃茅桜)が本公演の花夏ゆりんちゃんのところに入っていた……の、かな?少なくともリフトはやってましたね。
キャピュレットで、黒髪で正面から見るとショートに見えるウルフカットの娘役さんは花瑛ちほちゃん?すごい可愛くて表情豊かで、ダンスも活き活きとして印象的でした。
そういえば、キャピュレットの、ティボルトにからむお姉さまたち(花帆・涼花)の役は誰だったのかな?顔がよく見えなくて判らなかった……。
冒頭の「ヴェローナ」がないので、「罪びと」で抱き合うキング(蓮城まこと)と愛加あゆちゃんの役にあたる役は無かったと思います。
とにかく、一回しか観られないため、いろいろ忙しくてあまり細かいチェックはできませんでした。本公演でまなはるくんがやっているマントヴァの乞食も、誰だかわかんなかったし(T T)。
全体に、非常に楽しめた新人公演でした。
作品(音楽)が良いので、メインどころにそこそこ歌手が揃っている今回のメンバーなら外れはないだろう、と思ってはいましたが、予想通りでした(*^ ^*)。ああいう作品は歌をきちんと表現できれば芝居はあとから付いてくるものですし、「若さ」が売りになる作品でもあるので。
ただ。あえて苦言を呈するなら、これだけ元々の作品がよくて、しかも「若い」というだけで有利なポイントを稼げる作品なのに、「無難にまとまった」感があったのが勿体無い、というか……。
一回限りの公演としてハイレベルなものを見せていただき、私は大変楽しい時間を過ごしましたし、非常に満足しています。本公演と新人公演には、値段の差ほどのレベル差を感じなかった、とも思っています。
でも、なんというのかなあ。「新公観たなーーーっ!!」という満足感があまり無かったんですよね……
演出が、前半の大幅カット以外はほぼ本公演のをそのまま踏襲していたせいもおあるのかなあ……?
いやでも、楽しかったんですけどね、本当に(真顔)。
要するに、作品が良すぎるってことなのかもしれません(^ ^)。
.
いろいろあって間があいてしまい、すみません。
とりあえず、キャストごとの感想を。
■ティボルトの凛城きら(緒月遠麻)
歌はさすが、と言っていいかな。凛城さんに対しては私の要求レベルが高いらしくて、もっと巧いはず!とか思ったりもしましたが、いやいや、良かったです。
色気もあったし。ここしばらく年配の役が続いてたけど、元々の顔立ちは綺麗なんだし、もう少し痩せてすっきりしたら間違いなく二枚目なのに……とあらためて残念に思いました。
基本的にはキタロウ(緒月遠麻)の役作りを踏襲していたと思うんですけど、あまり野獣性を表に出さず、もう少しクレバーな感じに創っていたような気がします。
ひたすらピュアで優等生っぽい彩風ロミオと、クレバーでクールな凛城ティボルト、パッショネイトな香稜ベンヴォーリオ、やんちゃで外弁慶な彩凪マキューシオ……という4人のバランスが面白かった新人公演でした。
■マーキューシオの彩凪翔(早霧せいな)
「オネーギン」で突然出てきた彩凪くん。「ソロモンの指環」あたりから美貌のダンサーとして私の中で印象に残っていたので、役がついてきて嬉しいです。歌はちょっと苦戦していたけど、まあこれは初演も本公演もアレなので、何も言うまい(^ ^;。とりあえず、台詞が聞けて嬉しいです
ビジュアルとしては、本公演の「モンタギューの男」の方がよっっっぽどイケメンだと思いましたが(汗)、ガラッと雰囲気が違うのによく頑張ったな、と思いました。真中での芝居には経験のなさが出た感じはありましたが(回りはみんなベテランですものね…)、これからの成長が楽しみです!
すごくどうでも良いことなんですが。
「モンタギューの飼い犬!」「わんっ!」というやりとりでの、チギちゃんの犬の鳴き真似の巧さに毎回びっっくりするんですが、新公ではその返しがなくて残念でした………っていうか、チギちゃんのあれは特技だってことでFAですか…?
■パリスの真那春人(彩那音)
いやーーーー、喋らないまなはるにはあんまり興味がないけど、喋ってるまなはるを見ると、私のテンションは上昇するらしい……。歌もよく頑張ってたし(^ ^)、やっぱり表情豊かで可愛いなあ。
そして、パリスよりもずっと出番の多い「キャピュレットの男」は、前髪を降ろして両脇を固めた髪形でとってもよく似合ってます♪個人的には、本公演をこれでやって、新公を本公演でやっている襟足の長いオールバックでやってほしかったなあ~~~と思ったりしました。
■乳母の透水さらさ(沙央くらま)
さらさちゃんの歌は大好きなので、すごく期待していたんですが……やっぱり乳母のナンバーはすごく難しいんでしょうね。思いのほか苦戦していて、びっくりしました。……調子が悪かったのでしょうか……?
芝居としては、やっぱりコマちゃんの飄々とした雰囲気というか、間の良さにはかなわないというか……ああいうのはある程度経験を重ねないと難しいんだろうな、と思いましたが、中年女の可愛らしさがちゃんとあって、表情豊かにがんばっていたと思います♪
■キャピュレット卿の朝風れい(一樹千尋)
「娘よ」のソロがカットされるんじゃないかと心配していたんですが、そのあたりは本公演どおりでホッとしました。
歌はさすが!!ですし、芝居も過不足なくよくやっていたと思いますが、、、ヒロさんの役を新公でやる人は大変だなあ(←主に、私の要求水準が無駄に高くなるから)
■キャピュレット夫人の千風カレン(晴華みどり)
一幕冒頭の「憎しみ」と「ティボルト」前後のティボルトとのやり取りがないので、彼女の「女」の部分を出す場面が減って「母親」色が強くなっていましたが、その脚本に合わせて、ちゃんと「母性」の勝った芝居をやっていたのが印象的でした。
■モンタギュー卿の央雅光希(飛鳥裕)
歌も芝居も安定した人だな、と思いました。此花さんとの並びも似合ってて良かったです。
喧嘩のあと、キャピュレット卿と対決する部分の迫力にちょっと驚きました。良い役ですねえ……。
■モンタギュー夫人の此花いの莉(麻樹ゆめみ)
こちらも「憎しみ」がカットされていたので、最大の見せ場は霊廟での「罪びと」でしたが、とてもよかったと思います。あの歌の歌いだしってすごいプレッシャーだと思うんですが、、、うん。気持ちよく浸れたし、泣けました。すごく母性のある歌を歌う人だな、と感心しました。
■大公の透真かずき(大凪真生)
一番の見せ場であるオープニングの「ヴェローナ」がカットされていたので、歌も出番もだいぶ少なかったのですが、危なげない存在感でした。姿が綺麗で芝居も重みがあって、とてもよかったと思います。
■死の煌羽レオ(彩風咲奈)
本役の彩風さんとは、纏う空気がまったく違っていたのが面白かったです。
ダンスがすごく滑らかで、心の隙間に滑り込んでくるようなイメージがあったのは……思い込みかな?(^ ^;ゞ
彩風さんのピュアな「少年ロミオ」と、意志をもって彼を闇へと誘う「死」、という印象でした。
■愛の久城あす(大湖せしる)
本公演で男役化粧をしてガツガツ踊っているときは、蘭寿さんに似ているなーと思う久城さん。娘役化粧をしてにこっと微笑むと、いきなり可愛くなってお姉さんそっくりに見える瞬間があることにとても驚きました。嘘みたい(^ ^;;;
「死」と「愛」の力関係が、雪組新公はすごく対等だったのが面白かったです。
ずっと戦っている二人……いや、戦いながら通じ合っている二人という印象。
いやはや、面白い存在だなと思いました。
アンサンブルでは、モンタギュー(青チーム)のひーこちゃん(笙乃茅桜)が本公演の花夏ゆりんちゃんのところに入っていた……の、かな?少なくともリフトはやってましたね。
キャピュレットで、黒髪で正面から見るとショートに見えるウルフカットの娘役さんは花瑛ちほちゃん?すごい可愛くて表情豊かで、ダンスも活き活きとして印象的でした。
そういえば、キャピュレットの、ティボルトにからむお姉さまたち(花帆・涼花)の役は誰だったのかな?顔がよく見えなくて判らなかった……。
冒頭の「ヴェローナ」がないので、「罪びと」で抱き合うキング(蓮城まこと)と愛加あゆちゃんの役にあたる役は無かったと思います。
とにかく、一回しか観られないため、いろいろ忙しくてあまり細かいチェックはできませんでした。本公演でまなはるくんがやっているマントヴァの乞食も、誰だかわかんなかったし(T T)。
全体に、非常に楽しめた新人公演でした。
作品(音楽)が良いので、メインどころにそこそこ歌手が揃っている今回のメンバーなら外れはないだろう、と思ってはいましたが、予想通りでした(*^ ^*)。ああいう作品は歌をきちんと表現できれば芝居はあとから付いてくるものですし、「若さ」が売りになる作品でもあるので。
ただ。あえて苦言を呈するなら、これだけ元々の作品がよくて、しかも「若い」というだけで有利なポイントを稼げる作品なのに、「無難にまとまった」感があったのが勿体無い、というか……。
一回限りの公演としてハイレベルなものを見せていただき、私は大変楽しい時間を過ごしましたし、非常に満足しています。本公演と新人公演には、値段の差ほどのレベル差を感じなかった、とも思っています。
でも、なんというのかなあ。「新公観たなーーーっ!!」という満足感があまり無かったんですよね……
演出が、前半の大幅カット以外はほぼ本公演のをそのまま踏襲していたせいもおあるのかなあ……?
いやでも、楽しかったんですけどね、本当に(真顔)。
要するに、作品が良すぎるってことなのかもしれません(^ ^)。
.
コメント