ろくでなしの男

2011年2月5日 演劇
今日は一路真輝さんの「アンナ・カレーニナ」を観にいくつもりだったのに、風邪をひいてしまった……(T T)。
「アンナ・カレーニナ」は、昔一路さんのコンサートでさわりだけ上演してくれたことがあって、音楽が素晴らしいのですごく楽しみにしていたんですよねー。
くすん。再演してくれるかしら(涙)。



っというわけで、今日は先月観た東京芸術劇場中ホールの「ろくでなし啄木」の話を。
これで落ち穂拾いは終了、かな?

いやー、おもしろかった!!
作・演出三谷幸喜、出演は藤原竜也・中村勘太郎・吹石一恵……なんて豪華なメンバーなんだ!!とチラシを見たときから楽しみにしていたのですが、期待に違わぬ面白さでした。
芝居のできるひとが三人揃いぶみで三谷の新作に取り組む。これはもう、観なくっちゃ!という感じですよ♪
今は大阪(シアターBRAVA)で公演中。今月後半は天王洲に帰ってくるんですよね……。落ちを知っている状態でもう一度観てみたいのはやまやまだけど、、、と、スケジュール帳と睨めっこ中(^ ^)。


石川啄木。
盛岡出身のこの詩人の、とある一夜を切り取った物語。
仙台にほど近い田舎の温泉場に旅行に来た、啄木(藤原)と香具師のテツ(中村)、そして啄木の恋人トミ(吹石)。
旅先での一夜の出来事を三人のそれぞれの視点で語りなおし、それぞれにとっての「あの夜」を思い出す……というのが全体の展開なのですが。うーん、物語自体は架空のエピソードですし、ネタばれできないので説明が非常に難しいわ(^ ^;。
三角関係の恋模様と、啄木の悩みがリンクしているようでしていないところが面白かったです。

まず思ったのは、三谷にしては随分艶っぽい展開だな、と。
いきなり啄木とトミの濡れ場(という程のものでもありませんが)で始まったりとか。っていうか、竜也の舞台って、かならず濡れ場があるような気がするのは気のせいでしょうか。ファンですけど、そんなに色っぽい役者だとは思わないんだけど。……あの声だから?たしかに、ちょっとかすれた声は色っぽいな、と思うんですけどね。

一幕が基本的にトミの視点で全体像が語られて終わり、二幕でテツと、そしてハジメ(啄木)の視点が語られる。
語り手が変るたびに様相を変え、意味をたがえていくエピソードの数々が面白かったです。
小道具の扱いも、さすが。基本的にはハジメの物語で謎が解ける構造になってるんですが、トミの語る話とテツの話の矛盾をカウントしておかないとわからない部分があるので、寝ないでよーく観ててくださいね(^ ^)。


竜也のハジメは、繊細で暴力的で残酷で童顔(←ここ大事)で、とても嵌ってました。
こういう高飛車な虐めっ子タイプの役、多いなあ。クリエイターから観ると、そういうイメージなんでしょうか。
うーーーー、やっぱり竜也の中原中也を観てみたい!!啄木もいいけど、中也も絶対嵌るとおもうんですけど!!


勘太郎のテツは、、、、もう、この人がいなかったらこの作品は成立しなかっただろうな、と思います。素晴らしかった!!
ネタバレだから書けないけど、二幕の後半でハジメを叱りつけるところとか、もう、涙が止まりませんでした。竜也との息もぴったりで、すごい迫力。ほんと凄い人だ!!と思いました。
竜也と一緒にやってくれてありがとう(はぁと)


吹石さんのトミも、二人の男から愛されるだけの魅力が十分にあって、しかも、自立心のある素敵な女性で。ぴったりでした。さすが、宛書きの大家だわ、三谷。彼女の魅力を最大に引き出していたと思います♪


シリアスな愛憎劇ですが、三谷らしい遊びもあって、とても楽しかったです。
ぜひぜひ、お時間のある方はどうぞ♪



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