バウ・ダンシング・スペクタクル「Dancing Heroes!」。



一幕ラストの和太鼓パフォーマンスで盛り上がりきった客席は、25分だか30分だかの休憩では興奮冷めやらず(^ ^)、2幕開始の5分前の案内があっても、なんとなくざわついて落ち着かない。
私は、初日の客席にいた500人の中では、だいぶ冷静な方だったはず、と(自分では)思っているのですが、それでも、なんだか「二幕では何をやってくれるんだろう!」という興奮が冷めなくて、一人だったので興奮を吐きだす相手もなく、テンション振りきれたまま二幕に臨むことになりました。

一幕中盤で若干集中力がキレて、「……だから園加には踊ってほしいんだってば」とか「宝塚におけるダンスコンサートの限界」みたいなことを考え始めていたのが嘘みたいだった(^ ^)。和太鼓って凄い(^ ^)。


と、いうわけで、二幕です。


<Act2 Dancing!>


◆第1景 Opening!
東方神起の「RISING SUN」を使った総踊り。ナウオンで園加が「ずーーーっとやりたかったの!!」と力説していましたが、TETSUの振付も一幕のとはだいぶ違う感じで、なかなか面白かったです。
ラップ調のかっこいい曲で、ダンスもパワフルで、とても格好よかったです。こういう曲なら園加が歌ってもいいかな、と思ったし。

……いやでも、やっぱり、根本的に声質が歌に向いてないんだよなー(- -;。そして、宇月くんもここはだいぶ苦戦してました。リズム感の良い人だからなんとかこなしていたけど、ラップは馴れというか、独特のものがあるからなあ。
雰囲気的に、からんちゃんとかの方が馴れていそうでした(^ ^)。

とりあえず、園加は上から吊りものに乗って登場しますので、お見のがしなく!(←そこ?)
そして、この場面は稽古場にも初日にもナウオンにも全く登場しなかったような気がするので、CSで放送できるのかどうか非常に不安だ……(- -;



◆Intermission TALK
園加と、まいまい(萌花ゆりあ)と、日替わりで男役が一人加わってのトーク。
男役は私が観た最初の三回は学年順(ただし、宇月くんだけは次の場面の関係で出られない)でしたが、その後はどうなってるんでしょうか。
男役が園加に質問して、それに園加が答える、というコーナーでしたが、なかなか面白かったです。
初日はみづきちゃん(瑞羽奏都)で、たしか「園加さんがダンスを始めたきっかけは?」だったと思います。「ジャニーズに入りたかったから」と真顔で答えた園加がとても男前でした(*^ ^*)。

まあ、ホントは「ハロー!ダンシング」のときみたいに、下級生だけでちょっと繋ぎの場面を創るとかしてくれたら嬉しかったのに、とも思ったりはしましたけど、ね……。



◆第2景 Swan Lake
まずは、チャイコフスキーの「白鳥の湖」をアレンジした音楽にのって、白いチュチュにトゥシューズ(?)の娘役さんたちが登場。ひらひらと踊る彼女たちがとても綺麗。

曲調が変って、奥から「ストレンジャー」の宇月くんが登場。「王子って柄じゃないからストレンジャーになった」という説明があったようですが(^ ^;ゞ、現代風の衣装がよく似合っててなかなか格好良かったです。
細身の身体に黒の上下、裾が広い青の上着(形だけみると「星の王子さま」の挿絵みたいな感じ?)。
ただ、まあ……別に私も宇月くんの「王子さま」は観られなくてもいいんですが………残念だったのは、せっかく「白鳥の湖」なのに宇月くんだけダンスがクラシックじゃなかったことかな。「ハロー!ダンシング」のデュエットダンスもとても良かったし、クラシックも踊れる人だと思うんだけど、宝塚だとなかなか観る機会がないので。
「ストレンジャー」は「ストレンジャー」でも、もう少しクラシカルにしっかり踊ってくれたら嬉しかったのになあ。



旅をしてきて、湖に舞う白鳥たちと恋を語る青年。

♪なぜに泣くの?スワン
♪貴女の哀しみ 共にわかちあう運命
♪……あなたと私の

宇月くんの声は、木管楽器なんだなあ、と思いました。
びょうびょうと風が通るような、ちょっと不思議な響きの声。
リード楽器だから、鳴らし方でロベスピエールみたいな強い声でも歌えるんだけど、こっちの声が本領なのかな、と思う。拡がりのある柔らかな声。癒し系というには少し響きが切なげで、ファンタジック。
散々踊った末に、最後にもう一度「なぜに泣くの…?」とリフレインするところで、声がぶれないのは凄い、と思いました。音も低いから支えるの大変なのに、すごい肺活量だなー。

白鳥のメインは紗那ゆずはちゃん。
とても可愛くて、宇月くんとの並びも(サイズ的に)ぴったり(はぁと)で、とても良かったです。この二人のダンスをもっともっと観たかった!!(←いや、十分破格に組んでくれてますから!)

二人が愛のデュエット(?)を踊りきったところで、また曲調が変わり、黒鳥(玲実くれあ)が登場。
同時に、ゆずはちゃん以外の白鳥が白いチュチュを舞台上でむしりとって、黒鳥に早替りするのがすごく格好良かった!

くれよんと宇月くんのダンスは、ホントに火花バチバチというか(^ ^)、すげー迫力!格好よくて惚れぼれしました。
いやはや、この場面、そんなに長くないんですけど、意外にバリエーションのあるシーンで、楽しかったです。まさか宇月くんセンターでこんなちゃんとした場面があると思っていなかったので吃驚(@ @)しましたが、素直に嬉しいと思いました♪



◆第3景 Parletz Moi D’amour
誰かさんが、お茶会で「ゲイバーの場面」と言ってたらしいですが(- -;。
……ゲイバーに行ったことがあるのか、君は(←突っ込むところはそこですか)

とりあえず、紗幕の奥で男役がふたりずつ寄り添っているのがうっすら見えた瞬間に、「あーあ」と思いました。
うーん、本来は、こういう場面はある程度「男役」として完成された人たちがやってこそ面白いんですよ。今回は本当に座組が若いので、ちょっと冒険だったんじゃないかなあと思うんだけどー!
しかも園加にそういうの求めてないしなあ、私(←私だけ?)

カップルの組み合わせは、たしか、まんちゃん(貴千碧)とあまりら(天翔りいら)が奥に立ってて、みづきちゃんとちゃぴ(愛希れいか)が下手のソファ、ゆうきとからんの同期カップルが上手奥、、、で、星輝くんが上手手前の蓄音器の傍に立っているところで始まったような。
(違っていたらご指摘ください)

で……軽く踊って場所を移動しながらなんかいろいろ小芝居があって、ゆうきが蓄音器の傍に立ったところで、下手奥から宇月くんが登場。
彼は館(←どういう館なんだ)の主人、という設定らしいんですが、、、
とりあえずサロンに入ってきて、回りを見渡して、一人で立っているゆうきに近づいていきます。

……そこで、園加が上手袖から登場して、音楽が変る。

あとは、みんなで園加を狙って落としにかかるんだけど、園加は全員振りまくる……みたいな場面でした(大雑把)。


んっとね、下級生(あまりらとちゃぴ)は二人がかりなのね、とか、そういう細かいツッコミどころはいろいろとあるんですが、、、うーん、やっぱり色んな意味でこういう場面は園加+下級生だと無理があるなあ、と思いながら観てました。
その中では、星輝くんのダンスは柔らかくて包容力があるなあ、とか、みづきちゃんは色っぽいなあ、とか、、、いろいろ発見はありましたけれども。

その様子を黙って眺めていた宇月くんは、いちおう「本命」扱いで前に出て、大きくリフトしてもらったり、最後にキスシーンがあったりしました。
うーん……
……初日からもうすぐ一週間。あの場面、良くなってるといいなあ……。



◆第4景 Amazing Grace
前半は萌花ゆりあちゃんのソロダンス。振付は御織ゆみ乃さん。
少しずつ他の娘役さんも加わって、娘役の総踊りへ。
この場面は凄く良かったです。ホントに大好き。まいまいも、全編通してここが一番良かった気がします。

音楽のAmazing Graceは、カゲソロじゃなくてありもの音源ですよね?素敵な歌でした。



◆第5景 Last Steps
三木さんが大浦みずきさんに捧げた、芝居仕立ての場面。惜別の念が籠められた、すごく良い場面でした。
初日に観た時はそういう意識では観てなくて、それでも「すごく良い場面だなあ」と思っていたのですが、ナウオンで話しているのを聞いてすごく感動して、二日目はあらためて園加の歌の歌詞を聴きながら観てました。


三々五々、喪服の男たちが集まってくる。
歌いだす園加。歌というか、歌交じりの追悼の台詞?みたいな感じ。
園加って、歌も芝居も駄目な人だけど、こういうときに発揮するエネルギーのポテンシャルが本当に凄いなあと思う。
「いつかヒーローに!」というエネルギー。

ダンサーがダンサーに捧げる言葉だから、これはたぶん、園加にとっては芝居じゃないんだと思う。
肉体で語るのも、言葉で語るのも同じだから。

「汗かいて水のんでまた踊る」
ただ、何も残さずに身体を通り過ぎていく水。
それでも、それが通り過ぎたことに意味はある。きっと。それが踊ることの意味だから。

「いつかヒーローに」
そう信じて、ひたすらに踊る。
誰だって、いつか必ず誰かのヒーローになれるのだから。



園加のソロダンスの後、いったんハケた男役たちが、ブラックタイを緩め、喪服の袖をまくりあげてなだれ込んでくる。
総踊りへ向かう、エネルギー。

「いつかヒーローに……!」歌い上げながら、歌無しのときと同じパワーで踊る園加がすごい。

KAZUMI-BOYさんの振付が死ぬほど格好よくて、どこを観ればいいのかすごく迷いました。っていうか、園加と宇月くんを観るので精いっぱいで(またかよ)
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、みんな格好良かったよ!!



◆Intermission MC
今度は園加一人でのMC。
初日から三回、だいたい同じ内容だったと思います。こういう作品を創ることができた喜びと感謝、そして、「18歳から23歳(※園加の体年齢だそうです)まで、幅広い年齢のメンバーで」がんばります、というような。

もちろん園加は主演なんだからMCくらいやってくれても全然構わないのですが。
……これだけキツい公演で、主演なだけに出ずっぱりで歌い、踊り、八面六臂の活躍をする園加を、この時間だけでも少し休ませてあげればいいのに……と思ったりもしました。いや、代わりに誰が、という具体的な案は無いんですが。


◆第6景 The Dancers
MCから繋いで、下級生順に一人ずつ登場し、一踊りして挨拶。
最後に園加が登場して、テーマ曲で総踊り。

短い場面なんですが、一応全員喪服からプログラムで着ている黒の衣装に着替えてました。MCしてた園加は燕尾に着替えてしまうので、プログラムの衣装は出番なし……だったような(?)すごい似合ってるのに、動いているところが観られなくてとても残念。



◆第7景 Finale
場面の切れ目が今一つよくわからないのですが、園加の燕尾でのソロダンスはこっちに入る……のかな?ってことは振付は前田清実さんってことになるんだけど(前景は若央さん)。……どっちなんでしょうね。

ま、とりあえず、今のところはこっちに入れておきます。



あちこちで話題をさらった、ショパンの「別れの曲」での園加のソロダンス。
まあ、私は、ファンならばどんな時も常に最悪の事態を想定したうえで、悔いのないように観るしかないじゃん、と思っているので(^ ^)(大空さんのファンを長年やっていると、そういう点では耐性がつく)、あんまり気になりませんでしたが。

いやー、そんなこと関係なく、良い場面でした。
素晴らしい!

歌もなく、踊りに集中する園加が素晴らしいのは当たり前なんですが、途中から加わる宇月くん・まんちゃんのさりげない佇まいが良かったです。
さりげなく園加をフォローして、背中を支えて、押して……あの二人が、という意味ではなく、今まで園加の回りにはそういう存在がたくさんいたんだろうし、他のメンバーの隣にもそれぞれそういう存在がいるんだろうな、と、そんなことを思いました。


全員の総踊りになっていったん極まる。
次の曲はバッハのカンタータ。何度か歌ったことがあるのに思い出せない(- -;)「主よ、人の望みの喜びよ」だっけ…?(自信無し)
男役が全員縦に並んで、順番に腕を動かす振りが印象的でした。
時を紡ぐ時計のようなイマジネーション。やわらかな祈りのオマージュ。

最後にもう一度テーマ曲に戻って、黒燕尾とドレスでガツガツ踊る月っ子たちが、愛おしい。
ポーズを決めると、観客席は拍手の渦。



◆アンコール
いったん降りた緞帳があがると、白い服に着替えた園加が立っている。

さだまさしの「奇跡」にあわせて、園加が自分で振り付けたダンス。
この曲を踊りたくて、10年間温めていた、という話をナウオンでしていましたね。

私はさだまさし好きなので、もちろんこの曲も大好き(*^ ^*)。
影ソロで歌う宇月くんの声がすごく印象的で、園加のダンスがあまりにも素晴らしくて、本当に引き込まれました。

園加がすごく輝いていました。
シンプルな白い衣装。足許の柔らかさと腕の動きののびやかさがすごく素敵。眼力をよくいわれる人ですが、全身の表現力が凄いんだと思う。
本当に素敵でした。和太鼓とこのソロダンスを観るだけで、遠征した甲斐があった!と思えます。

ダンスが終わると、客席後方のドアがあいて、下級生が登場。衣装は前景のまま、黒燕尾とドレス。
基本は香盤順……だったと思います。男役同士、娘役同士が続かないように、多少の調整はあったと思いますが。
しかーし、一瞬前まで影ソロを歌っていたはずの宇月くんが下手先頭で登場するのが凄いなあ……。

袖に駆け込んだ園加が、再び燕尾に着替えて登場、最後のご挨拶。


だいぶ駆け足で書いたんですが、それでも長くなってしまいました。
すみません。
ホントはもっといろいろ書きたいことがあるんですが、とりあえずはこんな感じです。

100%素晴らしい!と手放しでほめるつもりはありません。
正直、ショーとしての出来、構成についてはいろいろ不満があります。

でも、出演者はみんな本当にがんばっていたし、バウという空間に物凄いエネルギーが満ちていました。
この舞台に立てて嬉しい!いま、ここで踊っていられて嬉しい!!という、そういうエネルギーが、客席を巻き込んで輝いている。

あの空間に居たい。
久しぶりに、そう思った「生の」舞台、でした(*^ ^*)



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