映画「Space Batteship ヤマト」を見てまいりました。


元々アニオタで、かつ富山敬ファンな猫は、この映画を観るかどうかすごく悩みました。「ヤッターマン」は悩んだ末に観なかったのですが、「ヤマト」は、やっぱり沖田艦長の「地球か……なにもかも皆懐かしい」の名言が聴きたくて、観にいくことにしたのでした(^ ^)。


富山敬ではなく、木村拓也が演じる古代進。
麻上洋子ではなく、黒木メイサが演じる森雪。

アニメ版のキャラクターとは全っっっっ然違うキャラクターすぎて、びっくりしましたが、いやーーーー、予想外に興味深くて面白かったです。あはは。迷ったけど、観て良かった!
たぶん、アニメ版と同じ感動(イメージ)を求めて映画館に行ったなら、絶対に納得できなかっただろうな、と思うんですよね。
そういう意味では、主人公となるこの二人を全く違うキャラクターにしたことで、声が違っても気にならないというか、「違う作品なんだ」という認識になれたんじゃないかと思いました。


まー、それにしても。典型的な熱血ヒーローの古代進を木村拓也が演じるとか、何の罰ゲーム?と思っていたのですが(^ ^;、脚本(佐藤嗣麻子)がなかなか良く出来ていたので、実際に観ると違和感は感じませんでした。
まあ、原作でも古代は、最初は兄・守を見殺しにした沖田艦長に反感を抱いていたりするので、やっていることはそんなに違わないんですよね。木村拓也の芝居を真剣に観たことはあまりないのですが、説得力のある芝居をする人だな、とあらためて思いました。
それにしても!
「戦闘班長」にふさわしい、がっちりと筋肉のついた肉体は、さすがでした。もっとひょろひょろしたイメージをもっていたんですが、全然違うんですね(^ ^;ゞ



黒木メイサ演じる森雪は、なんと!!ブラックタイガー隊の一員という設定で、原作とは全くの別人でした。あまりに別人すぎて、「森雪」のイメージとのギャップがどうこうというレベルではなかったですね。キャラクターの違いは、まったく気になりませんでした(^ ^)。その分、黒木メイサの魅力が全開でとても良かったです。ええ。これからご覧になる方がいらっしゃいましたら、「森雪は別人」というのだけ覚悟して行ってください(^ ^)。


二人の馴れ初めから展開、そしてラストまで、全く原作とは関係ないエピソードだらけなんですが、映画の世界観の中ではちゃんと矛盾なく成立していたのが、原作ファン的にも面白かったです♪


あとは、個人的に昔CG関係の仕事をしていたので、日本でもこれだけのCGアニメーションを創れるのか、ということに非常に感動いたしました(*^ ^*)。
「ヤマト・発進」の場面の迫力というか、岩の破片一つ一つの動きの違和感のなさとか、戦闘シーンの戦闘機の動きとか。ああいうのは、私がそういう仕事をしていた頃はどうしてもうまく創りこめなかった部分なので、素直にすごいなあと思いました。
質感のリアル感とか、光の表現とか、、、レンダリングにどのくら時間がかかったんだろう。ホント、何もかも進歩してるよなあ……(しみじみ)。

あれだけの表現が出来るなら、今後、過去の名作アニメの実写化は増えてくるかもしれないな、と思いました(^ ^)。


しかし。
まあ、なんと言っても、凄いのは「ヤマト」に対する愛の深さ、ですね。
プログラムのスタッフコメントを読んでいても、ああ、この思い入れを持って制作してくれたんなら大丈夫だな、と思えます。
うん。面白かったです。



それでは、主演(?)のお二方以外のキャストについて一言ずつ。

■沖田艦長(山崎務)
いやーーーー、素晴らしかったです。無口で威厳のある艦長で、確かにこの人が艦橋にいたら、みんな頑張れるかも、と思いました。
古代に責められても、言い訳しない大人の男の格好良さが素晴らしかった(はぁと


■島大介(緒方直人)
原作の島とはだいぶキャラクターが違いましたが、沖田とのやりとりがとても素敵でした。しかし、奥さんと子供までいたことに吃驚(@ @) 「ヤマト2」を創らされたりしないよう、予防線ですか?(^ ^)


■真田志郎(稲葉敏郎)
アニメ版のシャープさは無かったけど、キャラクターとしてはほぼ原作どおりだったような気がします。格好良かった♪


■佐渡先生(高島礼子)
良かったです!観るまでは佐渡先生が女性だなんて……と居やがっていたのですが、観たら納得してしまいました。一升瓶の良く似合う素敵な女性で、沖田艦長に対する態度とかもすごく良かったです。
そして、ミーくんがとても可愛かった(惚)


■徳川彦左衛門(西田敏行)
びっくりするほどぴったりな配役でした。佐渡先生と二人で古代を牢(?)に訪ねてくる場面とか、素晴らしかった!!


■地球防衛軍司令長官・藤堂平八郎(橋爪功)
えっと、なんか違和感なかったです。すごい再現性だったんじゃないか?
っていうか、あの司令官は藤堂っていうのか。案外、ネーミングは遊んでいるんだなあこの作品。


■齋藤始(池内博之)
なんというか。ヤマトの齋藤というより、「銀河英雄伝説」のシェーンコップみたいな感じだったような。……ちょっと違うか?
粗削りな外観が役にぴったり!ガミラスでの白兵戦とか、とても格好良かったです♪


ナレーションはささきいさお。アニメ版の主題歌(さらば~地球よ~♪)こそ歌わないものの、声が聴けて嬉しいです。ちなみに、主題歌もBGMとしては結構使われていました。
アナライザーの声は原作通り緒方賢一さん。世界観のブレの無さは、こういう細かいところをちゃんと押さえていたせいもあるかもしれません。

デスラー総統とスターシャについては、観てのお楽しみということで内緒にしておきます(^ ^)。
ちなみに、イスカンダルとガミラスの設定はだいぶ違っていて、そこは原作ファン的に、「えーーーーっ」という感じでした(^ ^; 別に、もうちょっと原作よりに創れたと思うんだけどなあ。

ラストの展開もだいぶ違いましたね。っていうか、全然違ったと言うべきかな。
とりあえず、続編を創る気はない!という主張が明確で、気持ちいいくらいでした。
しかも。あんなに展開が全然違うのに、ちゃんと沖田艦長の名言は残したところに、スタッフ陣の原作ファンぶりをうかがえますな。


そんなところでしょうか。
人によって感想が違うのは当然だと思いますが、私はとても楽しめました(^ ^)。あとは、原作ファンじゃない方がご覧になってどう思うのかが気になるところです(^ ^;ゞ



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