士官たる者、紳士たれ
2010年12月15日 宝塚(星)星組東京宝塚劇場公演「愛と青春の旅だち」。
先日、先に新公の感想を書いたのですが、本公演ももちろん面白かったです♪
石田さん、がんばったなあ。…というか、石田さんはここのところ、地味にヒット続きじゃないか…?
私は原作映画を観ていないのですが、徴兵をやめたアメリカの軍隊プロパガンダ映画という印象がなんとなくあったようで(なぜだろう/汗)、あまり良い印象ではなかったんですよね。
でも、この舞台を観て、これは舞台が士官学校であるだけで、ごく普通の青春映画だったんだな、と思いました。
もちろん、この物語は舞台が士官学校であるからこそ成立する物語なんですが。
「士官たるものー」という慣用句をそのままタイトルにした原題は、想像以上に内容にぴったりでかっこいいな、と思いました。まあ、日本ではあまり馴染みのない言葉なので、そのまま邦題にはできなかったのもわかるんですが……それでも「愛と青春の旅だち」なんぞという陳腐なタイトルにしなくても良いのにねえ、なーんて思ってみたり。。
でも。
実際に観てみたら、あまりにも真っ直ぐな青春物語、典型的な「若者の成長物語」すぎて、思わず照れてしまいました。
思いのほか、タイトルも違和感無かったし。それは、この映画がそれだけ純粋な青春映画だからなんだろうな、と思いました。
いやー、若くてエネルギッシュな礼音くんが演じても尚こっ恥ずかしい、この「青臭い」パワーときたら!
なんとなく、実際に青春真っただ中にいる人は、「愛と青春のなんとか」なんて言葉、絶対に使わないんだろうな、と思いましたね。
そんな時代は遠い昔に過ぎ去ってしまった人が青春時代の真っただ中にいる人を見て、はじめて「愛と青春の○○」なんて言葉を思いつくの。
逆に言うと、彼らにとって、青春真っ只中の人がやることはすべて「愛と青春の○○」になるんだと思うんですよ。
何をしても、涙が出るほど懐かしいのよきっと。
そして、このタイトルがより似合うのは、本公演よりも新人公演だったな、と。
石田さんの脚本・演出も、演者たちの意識も、この物語をいかにして「青春映画」に仕上げるか、に集中していた感がありました。より若く、よりまっすぐに、よりエネルギッシュに、13週間という時間を駆け抜けることがすべて。
寄る辺もないまま、に。
映画を観ていないのであまり確信的なことは言えないのですが、ほぼ映画に忠実に展開しているっぽいストーリーの中で、一番の相違点はフォーリー軍曹のキャラクターだ、……という認識は、間違っているのでしょうか?
舞台を観てすごく思ったのは、この物語には大人が出てこないんだなー、ということでした。
大人といえるのは、校長先生(磯野千尋)くらいですよね?あとはポーラの母親(万里柚美)とシドの両親、くらいかな。
「物語」にきちんと絡む人はいないんですよね。
ザックの父親(英真なおき)は「責任能力のない若造」のまま生きてきた人だし、フォーリー軍曹(凰稀かなめ)はザックと精神的にはいくつも変わらないし。
とにかく、本来は大人であるはずのフォーリーがあまりにも若いのは、石田さんがあえて変更した点なんですよね?確かにフォーリーは準主役格の役なんでしょうけれども、よりによってテルくんにフォーリーをやらせる必要なんて無かったはずなのに。
テルくんのフォーリーも頑張っていたし、決して悪くはなかったんですけど、目の前に確実に当たり役になったであろうシド役が転がっているだけに、、、なんか残念な気がしてなりませんでした。
当たり前にテルくんにシドをやらせて、フォーリーは専科さんをお願いして……本来は、こういう役のために轟さんがいるんじゃないのか? あるいは、星原さんの卒業を飾るに絶好の役だったのでは?、、、とか(←星原さんのパブロに不満なわけではありませんので、誤解なきよう)
でも、石田さんはあえてフォーリーをテルくんに振りました。
ってことは、石田さんはフォーリーを「二番手」に置きたかったんですよね?
ザックと相対し、彼を成長させる、そういう存在を、「二番手」に置く。結構な冒険だったな、と思います。
たしかにフォーリーは良い役です。でも、キャラを選ぶよね云々の話の前に、物語の中で「準主役格」の役ではあっても、本来的には宝塚における「二番手」役ではないと思うんですよ。
それは、そもそも「宝塚」において、「二番手」はトップスターより格下なのが当たり前だから、です。
たとえば、真飛さんトップ前半の花組だったら、祐飛さんという上級生が二番手にいましたから、二番手の方が格上になるこういう作品も似合ったでしょうし、
今の雪組だったら、未涼亜希というトップ同期がいますから、キムちゃんのザック+まっつのフォーリー+チギちゃんのシド、、、男役は結構嵌るんですよね。
どちらも宝塚においては「異例」な体勢をとっている(た)ところですが、フォーリーみたいな役を二番手格で使おうとすると、こういう組の方が体制的には合うことになる。
テルくんが悪い、という話ではなくて、もったいなかったよね、という話なんですけどね。
実際、テルくんのフォーリー、私は決して嫌いじゃないんです。
最後、私闘の後で脚を引きずりながら肩を落として奥のドアに向かう後ろ姿とか、自然と拍手をしてしまうだけのナニカがあったと思うし、
ザックが投げた帽子を拾い上げてぱたぱたしてから、すっと差し出すまでの動きとか、「メイヨー少尉殿」「わたくしの上官であります」という柔らかな声とか、すごく好きだし。
ただ、テルくんが演じると、最後の最後で、ザックとフォーリーの間に友情が芽生えてしまうんですよね(^ ^;ゞ
ザック(士官)とフォーリー(下士官)の間にはかなり越えられない溝があるのに、良いのかなー?と思ってしまいました。
なぜか、芹香さんのザックと真風くんのフォーリーだと、あまり対等な感じがしなくて、普通に流して観られたんだけどなー。
話は若干違いますが。
この作品は、小林氏が「ぜひ上演を」と願ってものが実現した、という話がありますが。
それってもしかして……教育問題、なんでしょうか?
この士官学校で使われている戦略(?)は、一般的な教育手法としては良いことではなさそうですが、希望者に対して専門的な技術などを伝授するような団体ではよく聞く話のような気がします。
[1]一定期間外部との接触を断った閉鎖空間に押し込み、自分一人では立ち向かえないような強大で理不尽な「仮想敵」を設置することによって、同期全体の「仲間」意識を醸成し、協力し合ってことに当たることのメリットと、協力の仕方を学ぶ。
[2]全員で協力しあい、ボトムアップして全員が目標を達成することを目指しつつ、必要とされるレベルに達しない者は容赦なく切り捨てる。
って感じですよね。
たとえば、宝塚音楽学校なんて、この「仮想敵」が先生ではなく上級生(本科生)であるくらいで、ほぼ発想は同じ。
……音楽学校の体質についていろいろ言われているこの時代に、この作品の上演を希望されたということは、そういった教育思想の原点みたいなものを求めていたのかもね、と思ったりもしました。
そういうのも想像すると、面白いです。
それでは、キャスト順に一言ずつ。
■ザック(柚希礼音)
格好良かったです(はぁと)。もう少し焦燥感というか、「何者でもない自分」に対する苛立ちみたいなものを見せると良いのではないかと思いますが、そういう作品でもないのかなあ。
■ポーラ(夢咲ねね)
真っ直ぐで率直で意志が強くて、頑是ない少女みたいなところが凄く似合っていたと思います。あと一歩、「包容力」みたいなものが表に出てくるといいと思うんだけどなあ。
■フォーリー軍曹(凰稀かなめ)
上でいろいろ書いてしまいましたが、基本的にテルくんはお気に入りですし、すごく本人が頑張っていたのはわかるので、軍曹も嫌いじゃないんです。
でもまあ、100%ではなかったし、この役をテルくんが演じる意味って?みたいな想いがあったりしました(T T)。ええ。ご本人は楽しそうでしたけどね!
■リネット(白華れみ)
すごく良かったです!本当に、星組に来てからのれみちゃんのお芝居は、神駕かっているような。
「濃い化粧」のバランスも、褪せたブロンドをかきあげる仕草も、歩き方一つとってもそのときのリネットの計算が見えて、すごーく良かった!バウもがんばってくださいね♪
■ペリマン(涼紫央)
愛妻家の士官候補生。なかなか美味しい役どころで、ザックの「友情」面を一手に引き受けていた感がありました。
複雑な感情の行き違いをサラッと魅せる、こういうさりげなさを持っている人だったんだなあ、と感心しきりです。
■デラセラ(夢乃聖夏)
いやはや。これは当たり役でしょう!障害物競争の場面とか、長すぎる脚を持て余したかのようんな内股で、かつめっちゃ真面目(そう)に必死で走っている姿なんて、爆笑させていただきました(^ ^)。
■シド(紅ゆずる)
二回(+新公)観て、やっぱりシドは難役だなあ、、、と、しみじみと思いました。
ベニーのシドは、すごくベニーらしいシドだったし、みっきぃさんのシドは、すごくみっきぃさんらしいシドでした。どちらもそれぞれに魅力があって、イイなと思う場面があった、と思います。
■スーザン(妃咲せあら)
「激情」のミカエラは観られなかったのですが、あれよりもう少し“怖い”役ですよね(^ ^;
すごく可愛くて、自分の言っていることに何の疑問もない様子なのがかなり怖い、素敵なスーザンでした。
■少年ザック(稀鳥まりや)
キトリちゃんの子役芝居は、すでにベテランの域ですね。普通に歩く姿でさえ、ちゃんと「少年」に見えます。しかも超可愛い。あんな可愛い美少年を安酒場においといていいのか?と誰かに問いかけたいくらい、めっちゃ可愛いです。
そして、中盤のパーティーの場面、ねねちゃん・れみちゃんと舞台センターの段上で踊るキトリちゃんは、そのままお持ち帰りしてガラスケースに大事にしまっておきたいくらい(←褒めてるのか?)かわいかったです!!
■シーガー(音波みのり)
いやー、紅一点と言われるのに当たり前の納得感。可愛いし元気だし色白いし、大好きです!!
■カウボーイ(水輝涼)
石田さんのジェンヌへの愛が炸裂した場面でしたね。もっと歌が聴けたら幸せなんだけどなあ……(諦)
■ザックの父(英真なおき)
いつもながら達者な人だなあ、と思いました。最初と最後、どちらも印象的な存在ですが、やはり最後にザックに向かって敬礼する場面が好きです。
■ポーラの母(万里柚美)
柚美姐さんみたいなゴージャス美人が、ああいう零落した「もと美女」を演じると、非常に説得力がありますね……。
そういう意味でも、拍手したいくらいぴったり配役でした(^ ^)。
■シドの両親(にしき愛、毬乃ゆい)
スーザン同様、自分の言動に全くなんの疑問も持っていないところが怖い、「大人」の理屈で動いているお二人でした。
にしきさんの卒業がしみじみと寂しいです。組の重鎮として、まだまだ必要とされていたと思うんですが……千秋楽まで、悔いのないようにがんばってください。
そんなところでしょうか。
公演としては、「麗しのサブリナ」に引き続いての映画ネタでしたが、なかなかに面白かったです。
石田さん、来年もご活躍をお祈りしています!
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先日、先に新公の感想を書いたのですが、本公演ももちろん面白かったです♪
石田さん、がんばったなあ。…というか、石田さんはここのところ、地味にヒット続きじゃないか…?
私は原作映画を観ていないのですが、徴兵をやめたアメリカの軍隊プロパガンダ映画という印象がなんとなくあったようで(なぜだろう/汗)、あまり良い印象ではなかったんですよね。
でも、この舞台を観て、これは舞台が士官学校であるだけで、ごく普通の青春映画だったんだな、と思いました。
もちろん、この物語は舞台が士官学校であるからこそ成立する物語なんですが。
「士官たるものー」という慣用句をそのままタイトルにした原題は、想像以上に内容にぴったりでかっこいいな、と思いました。まあ、日本ではあまり馴染みのない言葉なので、そのまま邦題にはできなかったのもわかるんですが……それでも「愛と青春の旅だち」なんぞという陳腐なタイトルにしなくても良いのにねえ、なーんて思ってみたり。。
でも。
実際に観てみたら、あまりにも真っ直ぐな青春物語、典型的な「若者の成長物語」すぎて、思わず照れてしまいました。
思いのほか、タイトルも違和感無かったし。それは、この映画がそれだけ純粋な青春映画だからなんだろうな、と思いました。
いやー、若くてエネルギッシュな礼音くんが演じても尚こっ恥ずかしい、この「青臭い」パワーときたら!
なんとなく、実際に青春真っただ中にいる人は、「愛と青春のなんとか」なんて言葉、絶対に使わないんだろうな、と思いましたね。
そんな時代は遠い昔に過ぎ去ってしまった人が青春時代の真っただ中にいる人を見て、はじめて「愛と青春の○○」なんて言葉を思いつくの。
逆に言うと、彼らにとって、青春真っ只中の人がやることはすべて「愛と青春の○○」になるんだと思うんですよ。
何をしても、涙が出るほど懐かしいのよきっと。
そして、このタイトルがより似合うのは、本公演よりも新人公演だったな、と。
石田さんの脚本・演出も、演者たちの意識も、この物語をいかにして「青春映画」に仕上げるか、に集中していた感がありました。より若く、よりまっすぐに、よりエネルギッシュに、13週間という時間を駆け抜けることがすべて。
寄る辺もないまま、に。
映画を観ていないのであまり確信的なことは言えないのですが、ほぼ映画に忠実に展開しているっぽいストーリーの中で、一番の相違点はフォーリー軍曹のキャラクターだ、……という認識は、間違っているのでしょうか?
舞台を観てすごく思ったのは、この物語には大人が出てこないんだなー、ということでした。
大人といえるのは、校長先生(磯野千尋)くらいですよね?あとはポーラの母親(万里柚美)とシドの両親、くらいかな。
「物語」にきちんと絡む人はいないんですよね。
ザックの父親(英真なおき)は「責任能力のない若造」のまま生きてきた人だし、フォーリー軍曹(凰稀かなめ)はザックと精神的にはいくつも変わらないし。
とにかく、本来は大人であるはずのフォーリーがあまりにも若いのは、石田さんがあえて変更した点なんですよね?確かにフォーリーは準主役格の役なんでしょうけれども、よりによってテルくんにフォーリーをやらせる必要なんて無かったはずなのに。
テルくんのフォーリーも頑張っていたし、決して悪くはなかったんですけど、目の前に確実に当たり役になったであろうシド役が転がっているだけに、、、なんか残念な気がしてなりませんでした。
当たり前にテルくんにシドをやらせて、フォーリーは専科さんをお願いして……本来は、こういう役のために轟さんがいるんじゃないのか? あるいは、星原さんの卒業を飾るに絶好の役だったのでは?、、、とか(←星原さんのパブロに不満なわけではありませんので、誤解なきよう)
でも、石田さんはあえてフォーリーをテルくんに振りました。
ってことは、石田さんはフォーリーを「二番手」に置きたかったんですよね?
ザックと相対し、彼を成長させる、そういう存在を、「二番手」に置く。結構な冒険だったな、と思います。
たしかにフォーリーは良い役です。でも、キャラを選ぶよね云々の話の前に、物語の中で「準主役格」の役ではあっても、本来的には宝塚における「二番手」役ではないと思うんですよ。
それは、そもそも「宝塚」において、「二番手」はトップスターより格下なのが当たり前だから、です。
たとえば、真飛さんトップ前半の花組だったら、祐飛さんという上級生が二番手にいましたから、二番手の方が格上になるこういう作品も似合ったでしょうし、
今の雪組だったら、未涼亜希というトップ同期がいますから、キムちゃんのザック+まっつのフォーリー+チギちゃんのシド、、、男役は結構嵌るんですよね。
どちらも宝塚においては「異例」な体勢をとっている(た)ところですが、フォーリーみたいな役を二番手格で使おうとすると、こういう組の方が体制的には合うことになる。
テルくんが悪い、という話ではなくて、もったいなかったよね、という話なんですけどね。
実際、テルくんのフォーリー、私は決して嫌いじゃないんです。
最後、私闘の後で脚を引きずりながら肩を落として奥のドアに向かう後ろ姿とか、自然と拍手をしてしまうだけのナニカがあったと思うし、
ザックが投げた帽子を拾い上げてぱたぱたしてから、すっと差し出すまでの動きとか、「メイヨー少尉殿」「わたくしの上官であります」という柔らかな声とか、すごく好きだし。
ただ、テルくんが演じると、最後の最後で、ザックとフォーリーの間に友情が芽生えてしまうんですよね(^ ^;ゞ
ザック(士官)とフォーリー(下士官)の間にはかなり越えられない溝があるのに、良いのかなー?と思ってしまいました。
なぜか、芹香さんのザックと真風くんのフォーリーだと、あまり対等な感じがしなくて、普通に流して観られたんだけどなー。
話は若干違いますが。
この作品は、小林氏が「ぜひ上演を」と願ってものが実現した、という話がありますが。
それってもしかして……教育問題、なんでしょうか?
この士官学校で使われている戦略(?)は、一般的な教育手法としては良いことではなさそうですが、希望者に対して専門的な技術などを伝授するような団体ではよく聞く話のような気がします。
[1]一定期間外部との接触を断った閉鎖空間に押し込み、自分一人では立ち向かえないような強大で理不尽な「仮想敵」を設置することによって、同期全体の「仲間」意識を醸成し、協力し合ってことに当たることのメリットと、協力の仕方を学ぶ。
[2]全員で協力しあい、ボトムアップして全員が目標を達成することを目指しつつ、必要とされるレベルに達しない者は容赦なく切り捨てる。
って感じですよね。
たとえば、宝塚音楽学校なんて、この「仮想敵」が先生ではなく上級生(本科生)であるくらいで、ほぼ発想は同じ。
……音楽学校の体質についていろいろ言われているこの時代に、この作品の上演を希望されたということは、そういった教育思想の原点みたいなものを求めていたのかもね、と思ったりもしました。
そういうのも想像すると、面白いです。
それでは、キャスト順に一言ずつ。
■ザック(柚希礼音)
格好良かったです(はぁと)。もう少し焦燥感というか、「何者でもない自分」に対する苛立ちみたいなものを見せると良いのではないかと思いますが、そういう作品でもないのかなあ。
■ポーラ(夢咲ねね)
真っ直ぐで率直で意志が強くて、頑是ない少女みたいなところが凄く似合っていたと思います。あと一歩、「包容力」みたいなものが表に出てくるといいと思うんだけどなあ。
■フォーリー軍曹(凰稀かなめ)
上でいろいろ書いてしまいましたが、基本的にテルくんはお気に入りですし、すごく本人が頑張っていたのはわかるので、軍曹も嫌いじゃないんです。
でもまあ、100%ではなかったし、この役をテルくんが演じる意味って?みたいな想いがあったりしました(T T)。ええ。ご本人は楽しそうでしたけどね!
■リネット(白華れみ)
すごく良かったです!本当に、星組に来てからのれみちゃんのお芝居は、神駕かっているような。
「濃い化粧」のバランスも、褪せたブロンドをかきあげる仕草も、歩き方一つとってもそのときのリネットの計算が見えて、すごーく良かった!バウもがんばってくださいね♪
■ペリマン(涼紫央)
愛妻家の士官候補生。なかなか美味しい役どころで、ザックの「友情」面を一手に引き受けていた感がありました。
複雑な感情の行き違いをサラッと魅せる、こういうさりげなさを持っている人だったんだなあ、と感心しきりです。
■デラセラ(夢乃聖夏)
いやはや。これは当たり役でしょう!障害物競争の場面とか、長すぎる脚を持て余したかのようんな内股で、かつめっちゃ真面目(そう)に必死で走っている姿なんて、爆笑させていただきました(^ ^)。
■シド(紅ゆずる)
二回(+新公)観て、やっぱりシドは難役だなあ、、、と、しみじみと思いました。
ベニーのシドは、すごくベニーらしいシドだったし、みっきぃさんのシドは、すごくみっきぃさんらしいシドでした。どちらもそれぞれに魅力があって、イイなと思う場面があった、と思います。
■スーザン(妃咲せあら)
「激情」のミカエラは観られなかったのですが、あれよりもう少し“怖い”役ですよね(^ ^;
すごく可愛くて、自分の言っていることに何の疑問もない様子なのがかなり怖い、素敵なスーザンでした。
■少年ザック(稀鳥まりや)
キトリちゃんの子役芝居は、すでにベテランの域ですね。普通に歩く姿でさえ、ちゃんと「少年」に見えます。しかも超可愛い。あんな可愛い美少年を安酒場においといていいのか?と誰かに問いかけたいくらい、めっちゃ可愛いです。
そして、中盤のパーティーの場面、ねねちゃん・れみちゃんと舞台センターの段上で踊るキトリちゃんは、そのままお持ち帰りしてガラスケースに大事にしまっておきたいくらい(←褒めてるのか?)かわいかったです!!
■シーガー(音波みのり)
いやー、紅一点と言われるのに当たり前の納得感。可愛いし元気だし色白いし、大好きです!!
■カウボーイ(水輝涼)
石田さんのジェンヌへの愛が炸裂した場面でしたね。もっと歌が聴けたら幸せなんだけどなあ……(諦)
■ザックの父(英真なおき)
いつもながら達者な人だなあ、と思いました。最初と最後、どちらも印象的な存在ですが、やはり最後にザックに向かって敬礼する場面が好きです。
■ポーラの母(万里柚美)
柚美姐さんみたいなゴージャス美人が、ああいう零落した「もと美女」を演じると、非常に説得力がありますね……。
そういう意味でも、拍手したいくらいぴったり配役でした(^ ^)。
■シドの両親(にしき愛、毬乃ゆい)
スーザン同様、自分の言動に全くなんの疑問も持っていないところが怖い、「大人」の理屈で動いているお二人でした。
にしきさんの卒業がしみじみと寂しいです。組の重鎮として、まだまだ必要とされていたと思うんですが……千秋楽まで、悔いのないようにがんばってください。
そんなところでしょうか。
公演としては、「麗しのサブリナ」に引き続いての映画ネタでしたが、なかなかに面白かったです。
石田さん、来年もご活躍をお祈りしています!
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