月組東宝新人公演「ジプシー男爵」。
今日は、バリンカイに忠誠を誓うメンバーを。


■ザッフィ(蒼乃夕妃)花陽みら
初ヒロイン、本当におめでとう!
「ホフマン物語」の機械人形オランピアでデビューした93期。歌も踊りも芝居もできる実力派で、大事に育てられてきたヒロイン候補。
今回は「ハムレット」でも兄妹で組んだ宇月くんとのコンビで、とても息があっていて良かったと思います。歌の相性はもちろんバッチリ!だし、デュエットダンスも見ごたえあって、とても良かったと思います。としちゃんがコケてびっくりしただろう、しっかりと踊りつづけてくれたしね(^ ^)。緊張しぃなとしちゃんをしっかりと支えてくれた舞台度胸に、とにかく感心!いたしました。
私はまりもちゃんが大好きなので、細かい芝居の解釈の違い(「でも嫌じゃありません!」とか)が気になった部分もあったのですが、「スカーレット・ピンパーネル」のマリーで見せてくれた幼い(不器用な?)包容力が、ザッフィにもとても良く合っていたと思います。としちゃんのシュテルクもすごく不器用な感じがして、本当にお似合いな二人だな、と(^ ^)。

一番最初のソロ歌で、舞台に出てくる前の“どこからともなく聴こえてくる”ソプラノの柔らかさと安定感は抜群で、思わずキョロキョロと左右を見回して、歌を求めて丘を駆け上がるシュテルクの気持ちがすごく素直に伝わってきました。
としちゃんの最初で最後の新公主演の相手役が、みくちゃんで良かった。可愛いザッフィ、ホントにありがとうございました(^ ^)。



■パリ(龍真咲)煌月爽矢
観る前に想像していたよりずっと良かったです。歌の声がまさおに良く似ていて、びっくりしました。元々の声はそんなに似ていないと思うので、意識してやっていたんでしょうね、きっと。
パリという役は、物語のすべての矛盾を一身に背負った役なので(^ ^)、まじめなゆうきくんは苦労したんじゃないかと思います。まさおは、ある意味天然というか(汗)、作品内における役割、みたいなものをすべて吹っ飛ばして存在することができる人なのですが、ゆうきくんはそういうタイプではないんじゃないかなー、と。
本公演と違って、新人公演はパリ役を無理やり二番手役に持ち上げた感じはしなかった(正直、演出として何が違っていたのか明解に指摘することはできないのですが)ので、あまり不自然な感じはせず、パリという『人物像』には本公演にはない一貫性というか、リアル感があったのですが、その分、役としては小さくまとまってしまったような気がしました。
……いや、あれはあれで、正解だと思うんですけどね。
それでも、「俺はジプシー男爵」後半の、シュテルクたちとジュパンたちの言い争いを段上で見守っているときの芝居は、その場に出ている意味をあまり感じなかった、かな……。台詞が無い時の存在感の出し方っていうのは、難しいですよね。

それにしても。新人公演を観てあらためて思ったんですが、あのパリの銀橋ソロって、物語として矛盾してないか?まさおの色っぽい声にはよく合ったメロディラインだとは思うんですけど、内容的にもう少し、「ハンガリー人がすべて悪いんじゃないことは判ってる。なのに、憎しみが止められなくて苦しい」みたいな歌だったら良かったのに、と思ったんですけどどうなんでしょう。



■ツィプラ(美鳳あや)琴音和葉
みっぽーの役を連続で演じてくれているちびあず。台詞の声がみっぽーに似ていて、男前で格好良くて、すっかり惚れ直しました(*^ ^*)。いやはや格好良かったよー(はぁと)。
物語を動かすキーとなる人物で、みっぽーが最後にこれだけの芝居をさせてもらって凄く嬉しかったのですが、ちびあずも最後の新公でこれだけの大役をやりきってくれて、すごく嬉しいです。
新公卒業して、しばらくはなかなか役がつかないかもしれませんが、どうぞ末永く、月組の芝居をよろしくお願いいたします。



■トボル(桐生園加)貴千碧
■フローリカ(憧花ゆりの)玲実くれあ
91期のまんちゃんと90期のくれよん。ダンサーな二人なのに、あまりダンスでの見せ場がないのが残念でした。いや、でも、「対決」で最初に踊りだすところとか、格好良かったんですけどね。
まんちゃんは、園加よりだいぶ寡黙で渋い感じにつくっていたと思います。くれよんも優しいけれども強い、佳い女っぷりで、シュテルクへのひたむきな忠誠心がすごく出ていました。
びっくりしたのは、本公演でとしちゃん(タラフ)がやっているシュテルクとの血の契りの場面をトボルがやっていたこと。いやー、やっぱりそうだよね、本来はそうあるべきだよね!と思いつつ、、、、まんちゃんのソロには思い切り手に汗を握っちゃいました(汗)。



■ヴィオルカ(愛希れいか)晴音アキ
んー、二作品連続で同期の愛希さんのところに入っているので、たぶん娘役としてはホープなんだと思うのですが。……男の子だった前回はある程度仕方ないかな、と思っていたんですけど、今回は、本来男役である愛希さんに、娘役として見た目も芝居も負けていたのが残念でした。せっかくのチャンスなんだから、もっともっとがんばってほしい!!と思います。



■ヨシュカ(光月るう)瑞羽奏都
事前にプログラムを見ていなかったので(というか、表紙のとしちゃんの写真に見惚れているうちに始まってしまった……莫迦すぎる自分)、誰が誰だかわからなかったんですが。本公演とはだいぶ立ち位置も違っていたし。
でも、とりあえず対決シーンのダンスが格好よくて、さすが!と思いました。みづきちゃん、これで卒業かあ。芝居ができないわけでもないのに(確かにもっと巧い人が多いのは否定しないが)、最後まで役がつかなかったなあ(T T)。「エリザベート」月組版(初演)で、研1でいきなり本公演黒天使で、鳥にも入っていたのが懐かしい。

■ディガ(綾月せり)千海華蘭
華蘭ちゃん、「スカーレット・ピンパーネル」くらいからキャラが変わってきたような気がするんですが、気のせいでしょうか。
芝居は前から巧かったけど、随分男臭くなってきたなあ、と。新公とは直接関係ないんですが、今回の公演、ショーの兵士のところ(月の輝く城)の邪悪な笑顔に毎回魅入られています(*^ ^*)。良い顔するようになったなあ~!

■カイ(煌月爽矢)貴澄隼人
割と生真面目な台詞を青臭くに語る、ゆうきくん宛書きの(^ ^)役。同期の貴澄くんは、さりげなく穏やかに“壮大な夢”を語ってくれて、みんなが同時に同じ夢を視てるな、と思うことができました。これはカイ個人の問題ではなく、周りの反応の問題なんですが、東宝に来てから、この場面が本公演はちょっと流し気味になっているような気がするので、新公の間は良かったな、と思います。

■ビハリ(紫門ゆりや)星輝つばさ
こちらもとぼけた味が可愛い、ゆりやんに宛書きの役。あののんびりとした口調は、なかなか真似の出来るものじゃないんだな、と思いました。星輝くんは違った意味で落ち着いた感じで、それはそれで良かったです。

■タラフ(宇月颯)隼海惺
最大の見せ場である血の契り~ソロ歌をトボルに取られてしまいましたが、ダンスシーンはとしちゃんのところに入っていたと思います(たぶん)。宝石のワルツの場面は、どこから台詞を言っているのかわからなかった(汗)。ごめんなさい。としちゃんって一言台詞が苦手なタイプなので、よく声がひっくりかえっているんですが、落ち着いて喋れていたと思います。

■ヒスニ(珠城りょう)朝美絢
「宝石のワルツ」の場面で、本公演でとしちゃんがいる段上の穴倉の前にいたので、てっきり彼女がタラフなんだと思いこんでいたら、別のところから声が聞こえたんでびっくりしました(^ ^)。衣装もたまきちの衣装じゃなくて(たしか星輝くんが着ていたような?あれはやっぱり、長身な人専用なんですね)タラフたちと同じダンサーチームの衣装だったので、てっきり……(涙)。
同期の楓ゆきちゃんに突っ込む役なので、遠慮なくど突きあっていて、とても可愛かったです。
どうにもこうにも容姿が好みど真ん中なので、ついつい注目してしまうのですが、、、学年の割には使ってもらっている、のかな?(*^ ^*)最初のウィーン宮廷にも貴族で出ている(仲間たちほぼ全員)んですが、ちょこまかと動いてて可愛かったです♪

■ミレーラ(美夢ひまり)白雪さち花
仲間たちの苦難を語る重要な台詞を喋る役ですが、良い声でした!歌手なのはよく知っていたんですが、台詞も良いです。髪形も工夫して、綺麗でした。

■シムザ(羽咲まな)舞乃ゆか
いつも可愛いゆかちゃんですが、今回はちょっと男前な感じでした。黒塗りがシャープで似合ってる♪♪

■ツィンカ(琴音和葉)真凜カンナ
「ちっぽけなオトコだねぇ」という台詞の蓮っ葉な感じが、ちびあずとはまた全然違ってて面白かったです。
ファニーフェースだけど、表情豊かで可愛くて、、、良い子だなあ♪

■ナディア(萌花ゆりあ)紗那ゆずは
「俺はジプシー男爵」での
「生まれたときからこんな扱いですから、慣れていますよ」
という台詞は、割台詞のひとつにすぎないようで、すごく重要な台詞なんですよね。これを受けたシュテルクが、激高して「慣れるな!」と怒鳴るところから物語の最大の山場を迎えるんだし、それを聞いたパリが心を決める、大事なきっかけになる訳ですから。
それを引きだすためにも、ナディアの台詞はすごく重要だと思うんですが、、、
本役のゆりあちゃんがさりげなく、何の気負いもなく(当たり前のことのように)言う台詞を、ゆずはちゃんは吐き捨てるように言っていたのが印象的でした。それって、シュテルクの怒りの意味が違ってくるよね?と思って。
「当たり前のこと」として「事実」を言ったら、『怒られた』ので吃驚して、それから納得する…というのが本公演の流れなら、
「不愉快なことだけど事実だから仕方ない」ことを告げたら、『同じ怒りを共有してくれた』ので共感する……というのが新公の流れだったような気がします。一瞬のことなんですけど、全然違ってて面白いな、と思いました。
これまた、ゆずはちゃんが変えたのか、としちゃんが変えたのか、演出指示なのか……いずれにしても、興味深い変更だったと思います。(とか言いつつ、私の考えすぎのような気もしないでもない)(とりあえず、ゆずはちゃんが大好きだ!ってことです)(え?)

■ロミカ(花陽みら)楓ゆき
「スカーレット・ピンパーネル」でも恋人たちに入っていた可愛子ちゃん。本公演の凱旋行進で、最初に「帰ってきたわ!」と呼ばわるのも楓さんですよね。台詞も危なげなく、すごく興奮した感じで喋っていたのが可愛かったです。としちゃんがロミカの方をみて優しく頷いていたのが可愛かった♪



ジプシーさんたちは、常に(!)シュテルクと一緒に出てくるので、全然チェックできていません(泣)。台詞の無い方々についてのコメントは、いろいろ書きたいこともあるんですが、今回は遠慮させていただきます。ごめんなさい。
……どんだけとしちゃんファンなんだ、私(- -;ゞ



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