日本青年館にて、雪組公演「オネーギン ―あるダンディの肖像―」を観劇いたしました。
っていうかその前に、千秋楽おめでとうございます!油断しているうちに青年館が終わってしまって焦っております(滝汗)。もう来週にはバウも始まるんですね。一週間が早い……。



先日もちょっと書きましたが、とても良くできた作品でした(^ ^)。
やっぱり植田景子さんのバウ作品に外れは無いわー♪

オペラ作品としても有名な作品ですが、残念ながら観たことはなくて、むかーしむかーしにプーシキンの全集みたいなのを読んだときに読んだはず………でも覚えてない(汗)、みたいな予備知識しかありませんでした。
なので、某さんは謎だったけど……でも、途中で読めたかな。もしかして、くらいには。

専科になられてからの轟さんの主演作の中では、1、2を争う佳作なんじゃないかと思います。これに匹敵するのは、珍作だったけど轟さんの使い方としては大正解だった「暁のローマ」、せっかくの名作だったのに出演者のバランスと演出がいまいちだった「キーン」、、、その二作くらいじゃないかなあ。
二幕の、若く情熱的な革命家たちを一歩下がって見守るオネーギンの醒めた存在感と浮き上がりっぷりが秀逸で、景子さん、お見事!と思いました。
美海ちゃんも、学年は若いけど持ち味や雰囲気が大人っぽいので、よく似合っていたと思います。
ただ、まあ、、、、景子さんが巧いこと改変して目立たなくしていたけど、「エフゲーニィ・オネーギン」って、本来は非常に深い恋愛譚なので、もうちょっと恋愛体質の人で観てみたかったような気がします。ラストの熱情がさっぱり出てこなかったのが残念だったので。

恋をしないカリスマ。いや、恋はしてもいいんだけど、女には惚れないカリスマ。……うーん、やっぱりシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」がぴったりな人だという気がします。あるいは、だよなあ。「暁のローマ」じゃなくて、「ジュリアス・シーザー」を改めて他の人で脚色して上演してほしいです。ブルータスは誰でもいいから(^ ^)。


それでは、キャスト別に。

■エフゲーニィ・オネーギン 轟悠
上でも書きましたが、もう少し恋愛体質な役者で観てみたかったなと思いました。もちろん、さすがなところも沢山あるんですけどね。
ただ、最近観た中では似合う役でしたね、間違いなく。
仲間たちからなんとなく一歩離れた感じとか。学年のせいなのかなあ?マミさんたち同期4人でトークしているのを観ても、結構そういう感じがするんですが。

作品を観ても「あるダンディの肖像」という副題がどこから出てきたのか良く判りませんでしたが、轟さんを見ていると「これがダンディなのか!」と納得する瞬間がありますね。
そういう意味でついた副題ならば、すごいな、と思いました。



■タチヤーナ・ラーリナ(ターニャ) 舞羽美海
美しい(^ ^)
ロシア風の首の詰まったドレスがとてもよく似合っていて、実に美しかった!毅然とした貴婦人ぶりで、課題の芝居もすごく良かったです。
思いこみの激しい、ちょっと内向的な女の子で、でも、思いつめたらああいう手紙を書いてしまうことに納得感がありました。ただ、華やかな人なので美しいドレスを着てパーティーにいるのに壁の花になっているとか、そういう設定がありえんなー、という感じでした。そこは、ミミちゃんがカバーするのはさすがに無理でしょうから、植田さんが少し手を入れてあげればよかったのにな。

歌も、ちょっと細いけど良く歌えていたし、なにより声質がすごく透明にきれいになって、娘役らしい声になりましたよね!ジュリエットに向けて特訓中なのかしら?(*^ ^*)
いやー、良かったです。久々のヒット!!このくらいできるなら、そのまま雪組トップ娘役として単独でジュリエットで良かったのでは?と思いました。みみちゃんジュリエットの日のチケット取れるといいなあ、と心から思ったくらい、素敵なターニャだったと思います(はぁと)
……轟マジックなのかもしれませんが。



■ウラジーミル・レンスキー 彩那音
オネーギンが田舎を離れるきっかけとなる幼馴染。
「ノバ・ボサ・ノバ」で初舞台を踏んだ85期が、轟さん主演の公演で二番手役をやるなんてね!……と思ったら、だいぶ前に「キーン」がありましたね(^ ^;ゞ 失礼しました。
ひろみちゃん、やっぱり芝居が巧いなあ。基本的に一幕にしか登場しない役ですが、最初の頃のほわほわした可愛らしい青年ぶりと、後半、ぶち切れてからの怖さが同居した感じが良かったです。
ただ、もう少し前半から思いこみの激しいところを見せておいても良かったかもね。……これはひろみちゃん個人の資質の問題ではなく、演出の問題ですが。



■ある革命思想家 緒月遠麻
いやー、なかなか面白い役でしたね!やりがいがあったのではないでしょうか。謎の男でありながら、謎を感じさせない「ちぢれっ毛のおともだち」。
良い味だしてました(*^ ^*)



■ニーナ・グリュシンスカヤ 涼花リサ
ペテルブルグの女優。華やかで美しく、でも、ほんのすこし「とうが立った」感を感じさせる、「熟れきった女」。
リサちゃんのこういう役は、本当に魅力的です。轟さんとも随分と学年が違うのに、対等にやりあっていて見事、と思いました。
同期のキタロウとの並びの馴染みっぷりも素晴らしい♪ホント、リサちゃんって佳いオンナですよねっ(はぁと)

……と、一幕の冒頭からずーーっと見惚れっぱなしだったんですが。
歌、がんばってくださいませ(切望)

上級生女役って、やっぱりある程度歌えないと結構厳しいのかなあ……。あんなに良い芝居をする美女なのになあ(T T)



■カテリーナ・ブノワ侯爵夫人 花帆杏奈
フランスから亡命してきた貴婦人。彼女のサロンでは、夜毎革命談義が行われている。
こちらも実に華やかな美しさと貫録で、とても良かったです。杏奈ちゃん、チャキチャキした役(「ロジェ」のときみたいな)は苦手だけど、こういうおっとりと喋る役は良いですよね♪不思議な響きのある個性的な声なので、芝居は役を選ぶんですけど、今回は正解♪キタロウとのべたべたしない恋愛感情とか、オネーギンに話しかけるときの雰囲気とか、結構繊細な感情を丁寧に表現しようとしてくれる人なんですよね。
ふと気がつけば、女役としては副組長(84期の麻樹ゆめみ)、ヒメ(舞咲りん)ときて、杏奈ちゃんが三番目なんですね、もう。早いなあ(@ @)らぎちゃん(柊巴)が卒業されたときは、まだまだ上にたくさんいたのに、あれからパタパタっと皆卒業してしまったんだもんねえ……。

「星影の人」の役も素敵だったし、これからのご活躍を祈っています!



■14歳のエフゲーニィ 彩凪翔
颯爽と登場した美少年に度肝を抜かれました。っていうか、まずパンフレットに役の写真があったことにびっくり(@ @)そこは普通、杏奈ちゃんじゃないのか?
……違うんだねぇ……(溜め息)

美形だなあとは「ソロモンの指環」の小人数口で踊っていたころから思っていましたが、、、芝居でこんな大役が来ると思わなくて、かなり真顔で驚きました。ま、「ソルフェリーノの夜明け」の新公もチギちゃん(早霧せいな)の役だったんですよね。その前は全然役らしい役がついていなかったのであまり認識していなかったのですが、「ロジェ」の新公もがんばってましたもんね。
ただ、あのクラウス程度の役ならなんとか誤魔化せる台詞も、今回のように大役で台詞も多いとちょっと厳しい……かな(T T)。92期だから、そんなに下級生ってわけでもないですしね。ただ、ビジュアルは文句ないし、これから経験を積んで巧くなっていくはず、と期待しています。がんばってね!


そして。
植田さん、子役を選ぶときはサイズを考えましょう。
どう見ても轟さんより彩凪さんの方が長身だよね?単独で出てくるだけなら「あれっ?」くらいですむけど、あんなに何度も並んで歌ったり芝居したりしたらバレバレじゃん。
なんとなく、彩凪さんが猫背になって誤魔化そうとしているようにうも見えたのですが……姿勢が悪いとそれだけで格好良さが半減するから、もうちょっと違う工夫をお願いします。






コメント

るなこ
2010年10月22日15:04

ねこさま、お久しぶりでございます☆
「オネーギン」、私も昨日観てきました。よかったです〜。
一日経った今でもちょっとまだ感動にひたっているワタクシですが、子役ちゃんとオネーギンの
ありえない身長差!ああ、そうだ、見ながらちょっと涙ぐんで感動しながら「これは…?!あり得ない
事にっ」と思って、でもまた涙ぐんでいた自分を思い出して、今ちょっと可笑しくなっちゃいました(笑)。
何かそのせいもあってか、翔くん座ってる場面も多かった様な気もします。

みつきねこ
2010年10月23日1:30

るなこさま、お久しぶりです~(はぁと)
良かったですよね、「オネーギン」。みんな素敵だった!
そして、やっぱり彩凪くんと轟さんの身長差はちょっと面白かったですよね(^ ^)。そういえば、たしかに座ってる場面多かったな……そのせいだったのか!