昨日千秋楽を迎えた、宙組全国ツアー公演「銀ちゃんの恋」。
公演は終わってしまったので、積み残しはなるべく手短にまとめたいと思います(^ ^)。



「銀ちゃん」って、祐飛さんにとっては二度目の役なんですよね。
こういう、以前に主演した作品をトップスターになってもう一度演じる、というのは、珍しいけど過去にもいくつか例があります。絵麻緒ゆうさんの「殉情」とか、真矢みきさんの「RYOMA」とか。

……と、ここまで書いて気が付きました(@ @)。
例に出ている作品って、3作品全て石田作品じゃないか!もしかして、これも石田マジックなのか?予定に無かった東上が翌年以降に実現する、という植田景子さんのマジックと同様に!?(←意味がだいぶ違いますが…)


っと、閑話休題。


今回の公演は、お稽古期間がだいぶ短かったせいか(←二年前は、お盆明けに「愛と死のアラビア」の千秋楽があって、ドラマシティの初日が10月頭。今回とはお稽古期間が半月以上も違う)、梅田の時点では「なんとか通せた!やった!」状態。私が観たのは初日ではなく二日目だったので、段取りレベルでの問題はありませんでしたが、芝居としては「……ま、これからこれから」という感じでした。

まあ、二年前も初日近辺はまだ人間関係も薄くて、そんなに深いところまで嵌っている感じではなかったので、そういうものなのかもしれません。ドラマシティ公演の中盤くらいだったと思うんですよね、ガラッと雰囲気が変ったのは。そこから一気に人間関係が深く濃くなって、そのまま青年館の楽まで進化しながら突っ走った……という印象でした。

だから、一週間を経た中京で、キーパーソンの一人である橘のみーちゃん(春風)が化けたことに驚きつつ、それだけではない、一人ひとりの芝居の方向性が揃いつつあったことが、すごく嬉しかったんですよね。



そうやって、日本を半周して迎えた最終公演地、相模大野。
祐飛さんの銀ちゃんは、見惚れるほど我儘な子供になっていました。

か、か、かわいい!!

『子供っぽい』んじゃないんです。
精神的にはおっさんのまま、ものすごくピュアで純粋な、『子供』になっていた。
子供ってのは嘘を吐くいきものです。自分を守るために、相手を煙に巻くために、のべつまくなしに嘘を吐く。まるで、息をするように。
もう、めちゃめちゃ可愛くて、なんていうのか、本当に眼を疑いました。
上演中もずーっと心の中で「かわいーかわいーかわいー!」と唱えていたくらい(*^ ^*)。



しかも。
相模大野の祐飛さんは、有無を言わさぬ「主役」でした。
「この俺のちっちぇえ肩に」と言っても、誰も笑わないくらいに。
(←宙組では、祐飛さんの肩なんて本当に小さいモン!という突っ込みは無しでお願いします)


本来、「蒲田行進曲」の主役は、銀ちゃんじゃないんですよ。
銀ちゃんはあくまでも「テーマ」というか、主題であって。主役はやっぱり、小夏とヤス。銀ちゃんのことを語る二人が、脚本的には主役になるんです。
銀ちゃんはね、本当にひどい人だったの。
でも、おれは銀ちゃんが本当に好きだった。
しみじみと、銀ちゃんのことを語り始めたら止まらない、そんな二人。

でも。
今回に限っては、銀ちゃんが主役でした。
「主役は俺だぁっ!!」
と嘯く銀ちゃんの眩しいオーラに、久々に驚きました。
花組のときは、ここで嘯く言葉さえ嘘なのか!?ということに衝撃を受けていたのですが、今回は本当に「主役」でした。むしろ、銀ちゃんがヤスと小夏のことを教えてくれてる、、、みたいな、そんな感じ。

自分の気持ちについては嘘しか言わない銀ちゃんが、それでも、ぽつりぽつりと二人のことを語る。どこまでが嘘でどこまでが真実かまったくわからない、芝居じみた二人の日常、すれ違いながらぶつかり合う、二人の愛、を。


花組版での小夏とヤスは、語り手だから絶対に嘘を言えない存在だったのに、
銀ちゃんが語る小夏とヤスは、嘘が吐けるのかもしれません。
銀ちゃんが嘘吐きだから。
銀ちゃんは、嘘しか言わないのがデフォルトだから。


子供のように可愛くて、
子供のように嘘吐きで、
そして、
子供のように優しくて包容力のある、銀ちゃん。

「ちっちぇえ肩」に、組を背負って立つ、トップスター。
電飾スーツと羽を背負って、暗闇の中でもピカピカ光るしかないトップスター。



石田さんは魔法使いマサヤちゃんなのかもしれません。
棒を一振りしたら、銀ちゃんが自由な子供になっちゃった。そんな感じ。

そして、ついでに「子供と動物は強い」という格言を思い出したりする私。

いやはや。
銀ちゃんかっこいい!!(←誤魔化すな)




それにしても。
ちょっと話は飛びますが、銀ちゃんってホント嘘吐きですよね!
「煙草をやめたら米の飯が旨くなった」
発言の直後に
「まいんちホカ弁チンして食ってんだー」
と嘯いたりとか。
他にもいろいろ。

花組版のときは一度も考えたことなかったのですが、今回の相模大野の一幕ラストの銀ちゃんは、朋子さんにプロポーズして断られた直後のように見えて仕方ありませんでした。
朋子さんと小夏の指のサイズが同じなくらい、不思議でもないし。

そのくらい、本音の見えないひとになってた、って話なんですどね。

そして、二幕のヤスの見せ場で。
ヤスはいろんなことを言って小夏を罵りますが、彼が一番気にしているのは、その中のどれなんだろう、なんてことが気になりました。
もしかしたら、小夏の父親に「ミス・キャンパスですから、半端ななりはさせられません」って言われたコトなんじゃないかな、とか。
もしかしたら、あの怒りに銀ちゃんは関係ないんじゃないか、、、?なんて。

なんだか本当に、ヤスの本音が見えなくなっていて、ある意味すごく面白かったと思います。
人間関係って、本来はこういうものかもしれませんよね。相手の腹なんて絶対に見えなくて。
それでも、相手のことを知りたいと思ったらぶつかってみるしかないんだけど、あっさりかわされてしまったら、もう、あとはどうしたら、、、
大団円にはならなくて、辛いのが当たり前なのかもしれない、と。


……なのに、最後の最後にちゃーんと大団円にもっていく、祐飛さんの翼の強さといったら!
こういう人が一人いると、演出家も楽しいだろうなあ~(←贔屓目)(*^ ^*)。



だんだん何を言いたいのかわからなくなってきたので、このへんにしておきます。
とにかく、銀ちゃんが可愛かった!ってことで(^ ^)。





そして。
一昨日書くつもりだったのに、すっかり忘れていたネタがあるのですが、お蔵入りさせるのも勿体無いのでここで書かせていただきます。
二幕冒頭、結婚式での女性陣の服の色です。


愛花ちさき(秘書)薄水色のスーツ
妃宮さくら(玉美)緑のドレス
花露すみか  赤
舞花くるみ  紫(紺?)に細かい水玉で、白襟のワンピース
愛白もあ   黄色の小花柄のワンピース
瀬音リサ   青緑の模様のあるオーガンジー
結乃かなり  藤色で縁取りのあるワンピース
夢涼りあん  青緑のツーピース
桜音れい   花柄のピンク
彩花まり   オレンジ
涼華まや   濃い黄色のツーピース

ちなみに、やっぱりマコトの眼鏡は仮面の下でしたね。残念……。


マコトといえば、焼肉屋での子分達の悲しげな声が、どんどんカモメの鳴き声に聴こえてくる……。いつから浜辺になったんだあの焼肉屋。



フィナーレの黒燕尾には組長さん(寿)を出してほしかった!という話と、
デュエットダンスの衣装が好きだ、という話を先日書いたのですが、ちょっと誤字を発見して修正したときに間違えて消してしまいました(汗)。
まあ、たいした話ではないのでいいんですけど。
あの、葡萄をモチーフにした宙組カラ―の衣装、素敵でしたよね(*^ ^*)。祐飛さんは何でも似合うけど(←贔屓目)、すみ花ちゃんはああいう、ウェストで切りかえて腰で膨らませたドレスがとても良く似合うんですよ♪ 胴が短くて腰回りが豊かだから。
よーく見といてくださいね >木村さん(^ ^)。



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