東京宝塚劇場にて、雪組新人公演「ロジェ」を観劇してまいりました。


……新公が始まる前に、ブックマークを求めてキャトルレーヴへ行ってしまいました。発売は明日だっつーの(T T)。
土曜日に行く予定ですが、私の欲しいのが売り切れてませんように。ってゆーか、白華れみちゃんのは出そうよ >劇団




というわけで、「ロジェ」。
新公演出は田渕大輔氏。えーっと、宙組「薔薇に降る雨」以来、かな?そう思うと、田渕さんって正塚さんについてる感じなんですね。
あのときは本公演とはかなり印象が違う役者たちを巧く使っていてとても良かったんですが、今回は割と無難な演出だったような気がしました。
一回しか観ていないので違いがよくわからなかったんですが、それは宙組もそんなにかわら


実はオペラグラスを忘れてしまったので、あまり細かいところが見えませんでした。
「ラストソングの男」のまなはるくん(真那春人)とかも全然見つけられなくて、最後カーテンコールで並んだときに、すみからすみまで探しちゃいました(T T)。もう、そんな下級生じゃないっつーのに。

そもそも役が少ないので、あまり新しい発見がなかったのが残念。
その中で印象に残ったのは、娘役ではモニークの花瑛ちほ、男役ではクラウスの彩凪翔、ヴィンセントの煌羽レオ、そして、シュミットの凛城きら。
とりあず、正月の「ロミオとジュリエット」の大公役は、凛城さんでお願いします(結論)。




もとい。


彩風咲奈(ロジェ/水夏希)
「ソルフェリーノ」の新公を観られなかったので、彼女の主演を観るのは初めてでしたが、予想以上に落ち着いて、センターポジションが良く似合っていました。
一年前に比べて身体もずいぶん絞ったし、声も落ち着いてきましたね。
「ソルフェリーノ」「ロジェ」と水さんにしては精神的に若々しい役が続いているので、彩風さんの若さがよく生きたんじゃないかと思います。

ただ、根本的にものすごく華やかな人なので、こういう抑えた芝居でテンションを保つのが大変そうでしたね。ラスト、シュミットとの対決から銃を降ろすまでの葛藤が、子供がヒステリーを起こしたみたいに見えてしまったのがちょっと残念でしたが、本人的にはすごく成長できたと思います。

元々歌える人ですが、感情を込めた歌での安定感はまだ発展途上かな、と思いました。水さんの作品を二作主演できて、すごく勉強になったと思う。これからの活躍を、とても楽しみにしています!



香稜しずる(リオン/音月桂)
いやー、興味深かった。なんていうか、リオンってこういう役になれるんだな、と思いました。包容力のある、優しい男でしたね。ロジェに興味津々で、いろいろ調べてみたりはするけれども、あまり深入りはしないタイプ。あまり熱い芝居はしていませんでしたが、ロジェを見送る背中の芝居がすごく良かったです。
それにしても格好良い!!冒頭のダンスシーン、ロジェの咲奈ちゃんと並んで踊る場面の男役度の高さにびっくりしました。咲奈ちゃんも十分ダンサーだと思うんですが、魅せ方のレベルが全然違う。さぞ勉強になっただろう……(感心)。

ただ、リオンが本公演より大人っぽいつくりだったので、手錠の場面がちょっと違和感ありましたね。なんていうか、激情にかられて意味のわからないことをする子供(ロジェ)にリオンが付き合ってあげている感があって。それはそれで、話としてはありだと思うんですが、がおりちゃんが一生懸命焦った芝居をしているのが逆に妙な感じでした(^ ^;

最後の挨拶は、長のがおりちゃんも主演の咲奈ちゃんもごく落ち着いていて、しっかりした良い挨拶でした。まあ、無難だったともいうかもですが(汗)。
声が良い人は台詞を喋っても挨拶してもいいものは良いですねー♪



夢華あみ(レア/愛原実花)
猫はミナコちゃんのファンなので、あまり公正に評価できていない……かな、と思うので、多くは語りません。
……っていうか。やっぱり「娘役」って一つの芸なんだなあ、と思っちゃいました。
最近の正塚さんの芝居は比較的リアルな芝居を求められるけど、それでもひとかけらのファンタジーがあってこその「娘役」であり、「ヒロイン」なのではないか、と。
いや、もちろん娘役がリアルでも良いんですよ。ただ、その場合は一緒に芝居をする男役にそれだけの大きさが必要になるんですよね。咲奈ちゃんはまだ若いので、ちょっと厳しかったと思います。もしかしたら、ロジェががおりちゃんだったもうちょっとなんとかなったのかも。

ただ、素直に「若いのに巧いな」と思ったのは事実なので、それは明記しておきます。声もいいし、歌も巧い(^ ^)。カミーラとか、クリスティーヌとか、そういう落ち着いた大人の女役を観てみたかったな、と思いました。
ただ、スタイルが磨かれるまでにだいぶ時間がかかりそうだったんですが、ジュリエットまであと半年もないのが不安だ……衣装、どうするんだろう(^ ^;ゞ



帆風成海(バシュレ/未沙のえる)
「ラスト・プレイ」の宇月くんのときも思いましたが、未沙さんの役ってやりにくいんでしょうか。宇月くんも帆風くんも芝居のできる人なんだけど、老け役という演じ方をしていないんですよね。作品の中での位置づけとしては、脚本が変らない以上、ある程度老け役としての芝居をすることが必要なのに。
二人とも、やろうと思えば老け役も出来そうなタイプだし、そういうのを「やりたくない」と思うようなタイプにも見えないんだけど……演出指示なんでしょうかねぇ。不思議。

その違和感以外は良い出来だったと思います、帆風くん。
あの役なら体型の難も目立たないし、さすが芝居上手は一味違うな、という出来でした♪


煌羽レオ(ヴィンセント/彩風咲奈)
シャープな美貌と、ちょっと甘えたような喋り方が役によく合っていたと思います。咲奈ちゃんとはかなり違う雰囲気でしたが、あれはあれでOK(はぁと)な感じ。帆風くんとの会話での、心配している空気感も良かった♪ 「けど、最近増えているんじゃないのか?」の言い方とか、すごく好きです。


透真かずき(マキシム/沙央くらま)
いやー、この役はコマちゃん宛書きだったんですね(汗)。透真さんもデキるひとなんですけど、あの何とも言えない間は………一回限りの新公では難しいのかもしれません。


天舞音さら(ドミニク/愛加まな)
可愛かったけど、台詞はまだ発展途上な感じでしたね。まあ、本役さんもかなり苦戦しているので、正塚さんの書くああいう役って難しいんでしょうね。
さりげなくウザい感じは役にあってた、かな?



梓晴輝(ヤコブ/彩那音)
あーずーりーんーーーーーっっっ(涙)。これが最後だなんて、あの響きの綺麗な声がもう聴けないなんて、なんて残念なんだっっ。
良い役をおいしく演じてくれてましたが、でもでも、アルバイトもほとんど無いなんて(T T)しょぼーん。


月城かなと(アイザック/大湖せしる)
噂に高い月城さん。今回は歌がなかったので判りませんが、良い声ですね。格好良いし、次が楽しみです。


舞羽美海(カミーラ/花帆杏奈)
うーん、声はずいぶん通るようになりましたよね。滑舌があまりよくないのと、興奮した芝居になると一本調子になるのは残念ですが、貫録のある地方検事さんで良かったと思います。大人っぽい美人だこと♪


悠月れな(ローラ/涼花リサ)
れなちゃんもこれで最後かー。芝居のできる人なのに、正塚作品で卒業してしまうのは非常に残念です。っていうか、こういう持ち味の人が新公学年で卒業してしまうなんてすごく悲しい(T T)。役がつくのはこれからなのにー!!


凰華れの(クロード/真波そら)
クロードってやっぱり美形枠なんだな、と納得した新人公演。
可愛い可愛いと思っていましたが、シャープな格好良さがでてきた気がします。芝居も最近ずいぶん良くなってきたなあ、と♪



真那春人(ゲルハルト/奏乃はると)
ああ、大好きな声でたくさん喋ってくれてとても幸せだ(←単純な真実)。
妻と娘を抱きしめて「必ず守る」と言い聞かせる場面の包容力とか、警察署でリオンと渡り合うときの堂々たる態度とか、さりげなく裏がみえつつも人間的な大きさがあってすごく良かったです(←贔屓目)。

ただ、いかんせん若いんだよなあ……。
24年前に党の幹部だったんだからもういい年の筈なのに、オールバックがまるでとってつけたみたいだし、スタイルの良い人なのにスーツのラインがいまいち合ってない気がする(T T)。
学年が違うとはいえ、にわにわはさすがだなあ、と感心。あの貫録がないと、役としてやっぱり物足りないよーーーー(涙)。


透水さらさ(クリスティーヌ/美穂圭子)
落ち着いた語り口が役にあっていて、今までで一番いい芝居をしてくれたような気がします。


花瑛ちほ(モニーク/早花まこ)
可愛いし、台詞も良かったー♪
声というか喋り方がちょっと叶千佳ちゃんに似ているような気がしたんですが、気のせい?歌は歌えるのかなあ。歌えるんだったら次が楽しみです。


凛城きら(シュミット/緒月遠麻)
いやーーーー、本当に良かったです。
深い声、過去と覚悟のある芝居。なんだか、エスコバルとかを演じて苦戦していた頃が不思議なくらいの落ち着きっぷりでした。
身体も少しは絞れたのかな?
出番が少ないぶん、芝居のキーマンたるべき存在感がしっかりとあったのはさすがでした(*^ ^*)。成長ぶりが気持ちいいです。



彩凪翔(クラウス/早霧せいな)
いやー、美形ですよね。びっくり!!
以前から綺麗な人だとは思っていたんですが、あらためて役がついてみると本当に格好良い。チギちゃんほど沸点の低い感じではなく、いかにも「暗殺者」という感じのシャープさでしたね。台詞は経験の少なさが出たかな、と思いましたが、予想していたよりもずっと良かったです♪♪



愛加あゆ(マリア/舞羽美海)
んー、可愛い。美海ちゃんとは全然違う雰囲気が、シュミットの性格の違いと組み合わせの妙になっていたような気がします。
何もかもを諦めた後ろ向きなキタロウのシュミットには、美海ちゃんの切ないマリアが合っていたし、
自分の罪と真正面から向き合いながら淡々と生きてきた凛城さんのシュミットには、ふんわりと柔らかいあゆちゃんのマリアが合っていたと思います。



千風カレン(ロサナ/麻樹ゆめみ)
此花いの莉(エルヴィラ/舞咲りん)
雛月乙葉(フィオナ/涼花リサ)
ベテラン三人の芝居は、さりげなく笑いをとっていきました(^ ^)。
本役ももちろんベテランなんですけど、余裕で対抗できそうな新公の三人もおみごとでした♪「ロミオとジュリエット」の両家の母は、この中から出るのかなー?



そんなところでしょうか。
それにしても、雪組は植田さんの「ソルフェリーノ」⇒正塚さんの「ロジェ」⇒舶来ミュージカル「ロミオとジュリエット」と、下級生、特に娘役には厳しい作品が続きますね(涙)。
ドラマシティの正塚さん(中劇場サイズなら問題ないはず)とバウの植田さん、良い子はたくさんいますので、どうぞよろしくお願いいたしまーす☆



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