つかこうへい様

  心より、ご冥福をお祈り申し上げます。





いよいよ具合が良くないらしい、という噂も耳にしてはいましたが、心のどこかでまさか、と思っていたようで、衝撃が収まりません。

対馬海峡で散骨を、というご遺言も、いかにも故郷を離れて芸術に生きた人らしい気概を感じます。


昭和の演劇界を引っ張ってきた、巨匠たちの一人。
とはいえ、まだたったの62歳!!こんなにお若かったのか……と、驚きました。
戦後生まれなんですね。井上さんが75歳だったんだから、一回り以上も違うのか(@ @)。
言われてみれば、髪も黒々として、まだまだ現役!って感じですよね。「飛龍伝」のプログラムの写真だって同じ顔で写ってたはずなんですけど、見てないんだなあ、私って。




私が初めて観たつか作品は、「広島に原爆を落とす日」だった、と思います。
あの衝撃は結構大きくて。その後しばらく、つか作品が上演されれば必ず観る、という日々が続きましたね。

つか作品に共通のキーワードは、「痛み」。
心の傷をすべてさらけ出して、剥き出し心がぶつかりあって、余計に大きな傷を生む。
相手の心を知ろうともせず、ただ自分の心を、過去を、傷を、汚濁を、惜しみなくさらけ出して。

それでも、傷つけ合うことでしか関係性を確認できない、心弱き男たちと、女たち。



つか作品に関しては、「好き」とか「嫌い」とかを超えるものがあったような気がします。
楽しいからもっと観たい、じゃなくて、もう義務というか…(汗)、観たら絶対痛いし辛いに決まっているんだけど、でも観なくてはならない、という感じでした。

まあ、あの痛み、心をキリキリと突かれるようなあの痛みが、限りなく快感に近いものであったことは、否定しませんが(あっ言っちゃった)。







病床でも新作(「新・蒲田行進曲」)を執筆されていたようですが、その作品はいつか上演される日がくるのでしょうか。
今のところ、北区つかこうへい劇団は「今後の予定はすべて未定」とされていますが、、、脚本の完成度にもよるんでしょうけど、もしある程度の形ができているなら、いつか是非上演してほしい!と祈る思いです。

しかし、基本的に『口立て』で知られた方なのに、稽古場に行けるかどうかもわからない、俳優たちと対面できるかどうかさえ分からない状態での執筆、さぞもどかしかったことでしょう。
満足のいく作品になっていればいいのですが。




そういえば、直近でのつか作品の上演予定は、シアターコクーンの「広島に原爆を落とす日」……だけ、かな?これから追悼公演の企画もいろいろ立ち上がってくるでしょうけれども、現時点では他には無いですよね…?

あ、もちろん、「蒲田行進曲」を原作とした「銀ちゃんの恋」がありますけど(^ ^;ゞ




このタイミングで「銀ちゃんの恋」が再演されるのも運命、というか。
プレッシャーも大きいかと思いますが、祐飛さんもすみ花ちゃんも、石田さんも、つかさんの思いをしっかと受け止めて、前よりもさらに良い舞台にしてくれるだろう、と信じています。

宙から見守ってくださるであろう、つかさんの為にも。





そして、最後に。
みなこちゃん、、、(T T)。


あなたの悲しみを心から悼みつつ、
宝塚最後の日まで、どうぞ後悔のないように、と、

……祈っています。




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