東京宝塚劇場にて、月組公演「スカーレット・ピンパーネル」を観劇してまいりました。



大劇場のときは、新人公演にかまけてしまって本公演の感想はあまり書いていなかったので、印象が変わったかたも余り変わらなかったかたも、並列に書かせていただきたいと思います。


■パーシー・ブレイクニー(霧矢大夢)
いやー、大劇場でも最高にステキでしたが、東宝にきてますますパワーアップ!!してました(*^ ^*)。
きりやんのパーシーは、やんちゃで、元気で、まっすぐで、優しい。トウコさんのパーシーが、物凄く「イギリス貴族」だったのに比べると、びっくりするほど開放的でまっすぐで。
一幕のソロ「祈り」で見せる、マルグリットの裏切りに対する率直な悲しみと怒り、そして、二幕の「目の前の君」で見せるまっすぐで純粋な、歓喜。

すべてのナンバー、すべての場面のきりやんパーシーが大好きで大好きでたまらない猫ですが、なんと言っても一番好きなのは、ミクロンの浜辺で、すべてが片付いた後のマルグリットとのやりとり(はぁと)。若いっつーか、性急っつーか……マルグリットの話(=言い訳)を最後まで聞こうともせず、力づくで引き寄せて思いっきりキスしちゃうところとか、そういう思いも寄らない強引さにすごいツボりました。きゃーっ、きりやんステキ!!
なんだか、最近祐飛さんが後ろ向きな男ばっかりやっているせいか、ああいう一途で真っ直ぐで強引なオトコが新鮮に映るんですよ(*^ ^*)。

大劇場でもそこそこ性急な感じで熱いキスシーンでしたが、東宝にきて、ものすごく“待ちきれない”感を感じるようになりました。ショーヴランを追いやって、王太子殿下に礼を尽くして……で、マルグリットを振り向くまでの間が短すぎっ!!(^ ^)。びっくりしましたよー。
東宝も後半になって、さらに感情的な盛り上がりが増して、、、なんだかすごいことになってます(^ ^)。腕をつかむタイミングも、何もかも、早いこと早いこと(*^ ^*)。
来週も観るので、パーシーがどこまでイッてしまうのか、すごく楽しみ♪



■マルグリット(蒼乃夕妃)
可愛い~っ」!
大劇場公演の感想でも書きましたが、まりもちゃんのマルグリットのキーワードは、「少女性」だと思います。
見た目は大人っぽいし、大柄なせいもあって女優らしい貫録もあるんですけど、パーシーに冷たくされたりしたときの反応がすごく「少女」めいていると思う。
一途で真っ直ぐで情熱的な、『革命の女闘士』。政治的な意味など何も考えず、ただ神の声を聴いてそれに従ったジャンヌ・ダルクのような、「純粋」という名のパワー。

ショーヴランが魅かれ、パーシーが愛したその純粋さと、もともと持っていた無邪気な愛らしさ。愛情豊かで、自己犠牲をもいとわない情の深さ。彼女に愛された男は幸運だと思うし、その愛を喪ったことで壊れていくショーヴランの説得力も増していたような気がします。



■ショーヴラン(龍真咲/明日海りお)
ショーヴランという役が好きすぎるので、この役についてはあらためて別稿で語りたいと思っています。
でも、ひとつだけ。

東宝に来て、やっとみりおくんのショーヴランを観ました。
で、思ったこと。

みりおくんのショーヴランは、正統派だな、と。
正統派のヒーローでした(^ ^)。
まさおくんのショーヴランは、がんばってダーティーヒーローを演じようとしているなーと思ったのですが、みりおくんは、そのまんまヒーローだった(^ ^)。

今回同じナンバーを聴きくらべてしみじみと思ったんですが、みりおくんの声ってヒーロー声なんですね!響きが明朗で、滑舌が良くて、聞いていて軽やかな感じ。20年前のアニメヒーローみたいな声。
見た目の印象より声は低くて、男役らしい声なんですけど、裏のない声質なんですよね。

それに比べて、まさおくんの声はヒロイン系 男役としてはちょっと高めだと思っていたんですが、意外とヴァリエーションがあるんだな、と。
大劇場では喉を痛めていて高音が出なかったまさおくんですが、逆に、今まで不得意分野だった低音部を磨いてきた印象があって、東宝で喉が完全になったらどんな歌を聴かせてくれるか、すごく楽しみにしていたんですよ。実際には、まだ新しい発声が完全にはものになっていないのか(?)、本来のカーンと響く高音部と、息を混ぜて深く発声すようになった色っぽい低音部で音質が変わってしまうので、逆に中音部のチェンジボイスで苦労していた印象でした。
でも、台詞の声はずいぶん低いところでもはっきり喋れるようになって、色っぽくなったなあ、と。

みりおくんが、二年後にはああいう色っぽい声を手にいれているのか、それとも、あのヒーロー声をさらに磨いていくのか……どちらに進むのか判りませんが、声って面白いなあと思いました(^ ^)。



ちなみに。私の思う「ヒーロー声」の筆頭は、きりやんと水さんです!!
どちらもあまり滑舌の良くない人たちですが、少年声だと思うんですよね。

……その二人を同じくくりにしている時点で、説得力がないという気がしますけど(^ ^;ゞ



■アルマン(龍真咲/明日海りお)
すいません。いっこだけ叫んでいいですか。
まさおくんのアルマン、かわいすぎるっっっ!!

す、す、すみません。あの、みりおくんのアルマンは、なんていうか、想像の範囲内だったんですよ。
星組さんの和アルマンのイメージもあったし、みりおくんのアルマンならこんな感じかな?という想像の範疇でした。

しかし!!まさおのアルマン、あれは何なんだ!?(驚愕)
ぶりぶりな巻き毛に縦ロール、大きなリボンにフリフリのブラウス、ピンクのチークにピンクのグロス。いや、大きなリボンやらフリフリのブラウスやらは衣装であってまさおが選んだわけじゃないけど、それ以外は本人が決めたんですよね?なんでそんな美少年になっちゃうの!?
アルマンって、マルグリットもそうなんですけど、設定的に貴族の御曹司じゃないわけですよ。ショーヴランみたいに「裏町の溝を見て育った」わけではないにしても、そんなフリフリで毎日を過ごしていた深窓の令息ではないはずなの。現にマルグリットは女優として稼いでいたんだし、恋人のマリーも、この時代には珍しい職業婦人だったわけで。

みりおくんのアルマンは、そのあたりは絶妙なバランスで、あまり違和感無かったんですよね。平民とはいえ、労働者階級ではなくブルジョワ階級ではあったんだろうな、くらいな感じで。マリーと違って仕事はしていないみたいだけど、学生なのかな?くらいのイメージで観ていました。

なのに!
どうしてまさおは、あんな美少年になってしまうんだ?(汗)どこのギムナジウム 高校生ですか、みたいな。マルグリットといくつ年齢違うんだ。実は息子なんじゃないのか。そりゃー、マルグリットがあんなに必死になってアルマンを助けようとするのもわか…(黙)

いや、その。
最初にコメディ・フランセーズに登場したときは、そんなに思わなかったのですが。結婚式の後に登場したときは目を疑いましたよー。誰あんたっ!?って感じ。それこそ、ファーレイ(紫門ゆりや)とかと張り合えそうなくらい可愛い。君は遊び人の貴族だったのか!?いや、そんな筈はないのに!!

そういった意味でも、みりおくんのアルマンは正統派なんだな、と強く思いました。

……まさおくん、予測のつかないあなたのこと、私はとっても好きなんだけど、やっぱり宝塚では『正統派』って大事なことだと思うんだよね……。
美貌も、技術も、正統派でやろうと思えばやれると思うのに。
そういう意味でも、みりおくんとまさおくんが同じ組っていうのは、豪華だけど、ちょっともったいないような気がします。ただ、宝塚の男役として『正統派』をはるには、まさおくんは「愛されキャラ」すぎて……「愛する」芝居ができないとゆーか、包容力の全くない人だからなー、難しいなあ……。



■マリー(憧花ゆりの)
大劇場のときより段違いに可愛くなっていて、びっくりしました。
明らかに違うな、と思ったのは、喋り方。すごくゆっくりと喋るようになりましたよね。あと、声のトーンも若干落としてる。おっとりとした優しい雰囲気を出していて、まとう空気が全く違っていました!
化粧も少し変えたのかな。年上感を完全に払拭できたわけではないけれども、少なくとも、マルグリットよりはだいぶ下に見えるようになったし、大劇場とは全然違うのはさすがでした♪

声が個性的で、ブレイクニー邸の居間での娘役たちのナンバーでちょっと目立ってしまうのはどうかなーと思っていたのですが、東宝にきて娘役さんたちの個性がそれぞれに際立つようになったので、すずなの濃さも少し薄れた感じ。良いバランスになってきました♪



■ロベスピエール(越乃リュウ)
相変わらず胡散臭いなーーーー!!(そこがステキ^ ^)
なんだか、新公を観てから本公演を観ると、ロベスピエールのあまりのキャラの違いに吃驚するんですよね(^ ^;
いやー、素敵です。その胡散臭さ、ぜひ下級生にも伝えてあげてください。

元々そんなに声が響くタイプではありませんが、今日はいつもよりさらに掠れた感じだったのがちょっとだけ気になりました。大丈夫かなあ。結構カギになる歌を歌うひとなので、休演日をゆっくり休んで、あと一週間がんばっていただきたいです♪



■シモン(華央あみり)とジャンヌ(美鳳あや)
みっぽーの芝居がずいぶん変わっていて驚きました。怖くない!!(^ ^)。
大劇場では、ジャンヌ自身が悪人っぽい感じで、夫に対する態度とかもすごく酷い(ごめんねみっぽー。でも、そんなSな貴女が好きです)という感じだったんですが、東宝では、なんていうか、すごく疲れた女、という感じ。
ロベスピエールを崇拝する気持ちは変わらないけど、生活が苦しいのも変わらない。いろんなことに疲れちゃった……という空気があって、こうやって少しずつ、ロベスピエールの支持は減っていったんだろうな、と納得しました。

あちょうさんはやっぱり格好良い!!小さなみっぽーと大きなあちょうさんのカップルぶりがとてもツボです。怒りんぼなジャンヌを、オロオロしながら、それでも包み込む大きさは、こういうのって学年じゃないんだなー、と感心します。
マダム・ギロチンでもガツガツ踊っていて、めっちゃ男前です。最初のナンバーのラストに旗を振りながら「革命、万歳!」って言うところがとても好き。
ちなみに、最初の「ギロチンにかけちまえー!」という台詞はあちょうさんでしょうか…?



■ピポー軍曹(綾月せり)
休演からの復帰、おめでとうございます!!
私は代役公演は観られなかったのですが、ふぁーびーが元気に喋っているのを見て、とてもホッとしました。相変わらず間が良くて、巧いなーと感心♪
輝城みつるくんも、千海華蘭ちゃんも、代役お疲れさまでした!!




コメント

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リノン
2010年6月29日9:00

私、もともとあちょう贔屓だったんですけど、今回あまりの男前っぷりに、
もりえちゃんが出てない場面ではあちょう君にくぎ付けでした。
(また、いい具合にほとんど出番が被ってない!)
あの「革命万歳!」はオーディションで選ばれたそうですよ。
小池先生って、いつもあちょう君をいい位置で使ってくれてる気がします。

それにしても、みつきねこさんはいくつ目をお持ちなんでしょう。
文章を読んでいると、細かいところまで目に浮かんでくるようです^^。
ありがとうございます。

みつきねこ
2010年6月29日21:54

リノンさま♪コメントありがとうございますー♪
あちょうさん素敵ですよね♪ 「革命万歳!」はオーディションだったんですか(@ @)
さすが、声がいい人はそういうときに強いですね!

もりえちゃんもステキでしたよー!
個人的には、結婚式の翌朝、パーシーをからかうオジーたちを窘めるデュハーストさんがお気に入りです♪