愛と奇跡のトラファルガー【4】
2010年6月3日 宝塚(宙) コメント (2)あああ、5月が終わってしまった……。
仕事が非常に忙しくなってしまって、私としては本当にびっくりするほど観劇が少なかったひと月でした。星組さんの激情も観たかったのに駄目になっちゃったし、「ムサシ」「裏切りの街」「バイ・バイ・ブラックバード(キャラメルボックス)」「DIAMOND☆DOGS」「ドリームガールズ」……嘉月絵理さんが出演されていた「マクベス」もすごく行きたかったのにどうしても都合がつかなかったし、沢木順さんの「ロートレック」も行きたかったなあ……(T T)。
しょんぼり。
6月は少し落ち着くはずなんですが、「スカーレット・ピンパーネル」が始まってしまうからなあ(^ ^; 今月も観たいものはいっぱいあるんですが、やっぱり新生月組が優先になってしまう、かも(^ ^)。
と言いつつ、「トラファルガー」の続きを。
だいぶ間があいてしまってすみません(汗)。
≪ナポレオン陣営≫
■ジョセフィーヌ 五峰亜季
最初の「VICTORY」の場面では、「波S」という役名で流れるように踊っていたまゆみさん。
ジョセフィーヌとしての出番は第四場まであくし、その後も短い出番なのですが、さすがに強烈な印象を残す存在でした。ナポレオンの妹たち(大海亜呼、愛花ちさき)に嫌味を言われても、意に介さずに平然と控えているあたりも、穏和だけれどもとても巨きな存在感があって。
さまざまな伝説に彩られた皇妃の、語られないエピソードをあれこれと想像させる空気は、さすがでした。
先日観た「絹の靴下」で、樹里ちゃん扮するハリウッド女優が、映画を無理やりナポレオンの話に変えて、ジョセフィーヌ役をやろうとしていたなあ……と、タイムリーさにとても受けてしまいました。樹里ちゃんとまゆみさんが同じ役に挑戦するとか、面白すぎる(^ ^)。
あまりジョセフィーヌがらみのエピソードは出てこないので、まゆみさんの持ち腐れという気もしましたが、大して台詞もないのに、表情と立ち姿ひとつであの存在感が出せるのはまゆみさんならではだな、と納得しました。
……この役を新公で演じる琴羽桜子ちゃん、大変な役があたったね……がんばれー!
しかーし、ナポレオンと結ばれる前はバラス(鳳樹いち)の愛人だった、な~んてトリビアを聞くと、なんだか感動しますわ(^ ^)。
■リュシアン・ボナパルト 春風弥里
ナポレオンの弟。1799年のクーデターの立役者として兄に協力し、フランス政府の中枢に入った人。史実では、この後すぐに兄と不仲になって国外に出るのですが、この作品の中では1805年のトラファルガー海戦まで兄と共にあったことになっていますね。
冷静かつ冷徹な雰囲気が、「ジュ・シャント」のナチス親衛隊員とはまた違う怖さがあって、とっても格好良かったです(*^ ^*)。
■ポーリーヌ 大海亜呼
■カロリーヌ 愛花ちさき
ナポレオンの妹達。
ポーリーヌは、ナポレオンが可愛がった妹として有名。恋多き女性で、いろんな浮名を流しますが、終生、兄には忠誠を尽くしたひとでした。
カロリーヌは、のちにフェルディナンド4世(天羽珠紀)の跡を襲ってナポリ王となるジョアシャン・ミュラーの妻。
ナポレオンの妹には、もう一人、のちにトスカーナ女大公になるマリア・アンナがいますが、この作品には出てきません。
妹たちが、兄に対して不実なジョセフィーヌと不仲だったことは事実のようですが、あんなに聞えよがしに嫌味を言ったりしたんでしょうかねぇ(^ ^;。
お二人のあからさまな怖さも大したものでしたが、その悪意を空気のようにあっさりと無視してのけるまゆみさんの怖さは、また格別でした。
うん。この二人の役は、独立した役というよりは、ジョセフィーヌ(とナポレオン)を重層的に見せるために存在していたような気がします。えっちゃんもタラちゃんも、どちらも、滑舌といい声といい目線といい、嫌味たっぷりで素晴らしかったです♪
■ジュゼッピーナ 純矢ちとせ
ミラノ・スカラ座のプリマ・ドンナ。素晴らしい声は健在で、良かったです。
ナポレオンの愛人であり、スパイとしてイギリスに潜入するエージェントでもある、という面白い役でしたが、オペラの場面以外にはとくに見せ場もなくて残念(T T)。イギリスでもう一エピソードあると良かったのになあ。ネルソン本人は無理にしても、ハーディ(悠未ひろ)あたりを誘惑する場面とか、そういう感じの。
……今でさえ詰め込みすぎ気味のエピソードを、これ以上増やしてどうするんだ>自分。
■テレーザ 舞姫あゆみ
スカラ座のプリンシパルダンサー。しっかりとソロで踊る場面があって嬉しいよー。新公を卒業したばかりの89期なのに、卒業公演でこれだけちゃんとした見せ場を与えられるダンサーも珍しいんじゃないかと思います。斎藤さん、ありがとう♪♪
■オーレリー・バイロン 蓮水ゆうや
これは、ネルソン軍のトム・アレンと並ぶ謎の人物……なのかなあ?
青池保子氏の「トラファルガー」を読んだ方なら、なんとなくこの役の出自はわかると思うのですが、突然「兄の敵を!」とか叫ばれても、どうしたらいいのか……という感じが若干ありますよね(^ ^;ゞ
青池さんの「トラファルガー」は、ネルソン艦隊の一員としてトラファルガー海戦にのぞむ一艦長、ユージン・ラドリックと、その幼馴染で、農民革命のさなかのフランスで生き別れたマルソー・ニジェールの邂逅が主筋になっています。
ネルソンは名前だけの出演という感じで、実際にはほとんど出てきません。
フランスに置き捨てられたマルソーは、暴徒の真ん中でただ一人、銃の腕一本でなんとか生き残り、狙撃兵(マスケティア)としてネルソンの命を狙っていた。
それを知ったユージンは、海戦のさなかにマルソーを求め、マストの上からネルソンを狙う幼馴染に銃を向ける……
いかにも青池さんらしい、この上もない『男たちの物語』。
だから。
「トラファルガー」のマルソーは、個人的な恨みがあってネルソンを狙ったわけではなく、ただの『装填された一丁の銃』(from クロスファイア by 宮部みゆき)として、誰かにその能力を使ってもらうために、そして、生きのいい美しい獲物を撃つ瞬間のために生きている……という設定なのですが。
「TRAFALGAR」のオーレリーは、ナポレオン軍の狙撃兵であるという部分は共通であるものの、「兄の敵」という具体的な理由でネルソンという一個人を狙っている、というのが全く違うところなんですよね。
個人的には、突然「兄の敵!」と叫ばれるよりも、『装填された一丁の銃』でいてほしかったような気がします……が、それだとある程度エピソードを重ねないとそれこそ意味不明だし、「シャングリラ」の雹とキャラがかぶってしまうから避けたのでしょうか……↓
まあ、でも、ちーちゃんはさすがに上手で、壊れた役なりにちゃんとまとめていました。
さすがだわ~~!っていうか、カッコいい(*^ ^*)
叫び芝居が多いので、喉が心配ですが。楽までどうぞお大事に。
ナポレオン周辺は、とりあえずこのくらいですよね。
あとは、フランス政府と、ノーフォークのネルソン家、そしてナポリ王家&ハミルトン家、か。……まだ結構あるなぁ(^ ^;
.
仕事が非常に忙しくなってしまって、私としては本当にびっくりするほど観劇が少なかったひと月でした。星組さんの激情も観たかったのに駄目になっちゃったし、「ムサシ」「裏切りの街」「バイ・バイ・ブラックバード(キャラメルボックス)」「DIAMOND☆DOGS」「ドリームガールズ」……嘉月絵理さんが出演されていた「マクベス」もすごく行きたかったのにどうしても都合がつかなかったし、沢木順さんの「ロートレック」も行きたかったなあ……(T T)。
しょんぼり。
6月は少し落ち着くはずなんですが、「スカーレット・ピンパーネル」が始まってしまうからなあ(^ ^; 今月も観たいものはいっぱいあるんですが、やっぱり新生月組が優先になってしまう、かも(^ ^)。
と言いつつ、「トラファルガー」の続きを。
だいぶ間があいてしまってすみません(汗)。
≪ナポレオン陣営≫
■ジョセフィーヌ 五峰亜季
最初の「VICTORY」の場面では、「波S」という役名で流れるように踊っていたまゆみさん。
ジョセフィーヌとしての出番は第四場まであくし、その後も短い出番なのですが、さすがに強烈な印象を残す存在でした。ナポレオンの妹たち(大海亜呼、愛花ちさき)に嫌味を言われても、意に介さずに平然と控えているあたりも、穏和だけれどもとても巨きな存在感があって。
さまざまな伝説に彩られた皇妃の、語られないエピソードをあれこれと想像させる空気は、さすがでした。
先日観た「絹の靴下」で、樹里ちゃん扮するハリウッド女優が、映画を無理やりナポレオンの話に変えて、ジョセフィーヌ役をやろうとしていたなあ……と、タイムリーさにとても受けてしまいました。樹里ちゃんとまゆみさんが同じ役に挑戦するとか、面白すぎる(^ ^)。
あまりジョセフィーヌがらみのエピソードは出てこないので、まゆみさんの持ち腐れという気もしましたが、大して台詞もないのに、表情と立ち姿ひとつであの存在感が出せるのはまゆみさんならではだな、と納得しました。
……この役を新公で演じる琴羽桜子ちゃん、大変な役があたったね……がんばれー!
しかーし、ナポレオンと結ばれる前はバラス(鳳樹いち)の愛人だった、な~んてトリビアを聞くと、なんだか感動しますわ(^ ^)。
■リュシアン・ボナパルト 春風弥里
ナポレオンの弟。1799年のクーデターの立役者として兄に協力し、フランス政府の中枢に入った人。史実では、この後すぐに兄と不仲になって国外に出るのですが、この作品の中では1805年のトラファルガー海戦まで兄と共にあったことになっていますね。
冷静かつ冷徹な雰囲気が、「ジュ・シャント」のナチス親衛隊員とはまた違う怖さがあって、とっても格好良かったです(*^ ^*)。
■ポーリーヌ 大海亜呼
■カロリーヌ 愛花ちさき
ナポレオンの妹達。
ポーリーヌは、ナポレオンが可愛がった妹として有名。恋多き女性で、いろんな浮名を流しますが、終生、兄には忠誠を尽くしたひとでした。
カロリーヌは、のちにフェルディナンド4世(天羽珠紀)の跡を襲ってナポリ王となるジョアシャン・ミュラーの妻。
ナポレオンの妹には、もう一人、のちにトスカーナ女大公になるマリア・アンナがいますが、この作品には出てきません。
妹たちが、兄に対して不実なジョセフィーヌと不仲だったことは事実のようですが、あんなに聞えよがしに嫌味を言ったりしたんでしょうかねぇ(^ ^;。
お二人のあからさまな怖さも大したものでしたが、その悪意を空気のようにあっさりと無視してのけるまゆみさんの怖さは、また格別でした。
うん。この二人の役は、独立した役というよりは、ジョセフィーヌ(とナポレオン)を重層的に見せるために存在していたような気がします。えっちゃんもタラちゃんも、どちらも、滑舌といい声といい目線といい、嫌味たっぷりで素晴らしかったです♪
■ジュゼッピーナ 純矢ちとせ
ミラノ・スカラ座のプリマ・ドンナ。素晴らしい声は健在で、良かったです。
ナポレオンの愛人であり、スパイとしてイギリスに潜入するエージェントでもある、という面白い役でしたが、オペラの場面以外にはとくに見せ場もなくて残念(T T)。イギリスでもう一エピソードあると良かったのになあ。ネルソン本人は無理にしても、ハーディ(悠未ひろ)あたりを誘惑する場面とか、そういう感じの。
……今でさえ詰め込みすぎ気味のエピソードを、これ以上増やしてどうするんだ>自分。
■テレーザ 舞姫あゆみ
スカラ座のプリンシパルダンサー。しっかりとソロで踊る場面があって嬉しいよー。新公を卒業したばかりの89期なのに、卒業公演でこれだけちゃんとした見せ場を与えられるダンサーも珍しいんじゃないかと思います。斎藤さん、ありがとう♪♪
■オーレリー・バイロン 蓮水ゆうや
これは、ネルソン軍のトム・アレンと並ぶ謎の人物……なのかなあ?
青池保子氏の「トラファルガー」を読んだ方なら、なんとなくこの役の出自はわかると思うのですが、突然「兄の敵を!」とか叫ばれても、どうしたらいいのか……という感じが若干ありますよね(^ ^;ゞ
青池さんの「トラファルガー」は、ネルソン艦隊の一員としてトラファルガー海戦にのぞむ一艦長、ユージン・ラドリックと、その幼馴染で、農民革命のさなかのフランスで生き別れたマルソー・ニジェールの邂逅が主筋になっています。
ネルソンは名前だけの出演という感じで、実際にはほとんど出てきません。
フランスに置き捨てられたマルソーは、暴徒の真ん中でただ一人、銃の腕一本でなんとか生き残り、狙撃兵(マスケティア)としてネルソンの命を狙っていた。
それを知ったユージンは、海戦のさなかにマルソーを求め、マストの上からネルソンを狙う幼馴染に銃を向ける……
いかにも青池さんらしい、この上もない『男たちの物語』。
だから。
「トラファルガー」のマルソーは、個人的な恨みがあってネルソンを狙ったわけではなく、ただの『装填された一丁の銃』(from クロスファイア by 宮部みゆき)として、誰かにその能力を使ってもらうために、そして、生きのいい美しい獲物を撃つ瞬間のために生きている……という設定なのですが。
「TRAFALGAR」のオーレリーは、ナポレオン軍の狙撃兵であるという部分は共通であるものの、「兄の敵」という具体的な理由でネルソンという一個人を狙っている、というのが全く違うところなんですよね。
個人的には、突然「兄の敵!」と叫ばれるよりも、『装填された一丁の銃』でいてほしかったような気がします……が、それだとある程度エピソードを重ねないとそれこそ意味不明だし、「シャングリラ」の雹とキャラがかぶってしまうから避けたのでしょうか……↓
まあ、でも、ちーちゃんはさすがに上手で、壊れた役なりにちゃんとまとめていました。
さすがだわ~~!っていうか、カッコいい(*^ ^*)
叫び芝居が多いので、喉が心配ですが。楽までどうぞお大事に。
ナポレオン周辺は、とりあえずこのくらいですよね。
あとは、フランス政府と、ノーフォークのネルソン家、そしてナポリ王家&ハミルトン家、か。……まだ結構あるなぁ(^ ^;
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コメント
こちらでばっちり予習をしたので、色々と楽しめそうです。
劇場で会えますかね?
>劇場で会えますかね?
はい!!土曜日から行ってます♪♪
よろしくお願いいたしますー!と、私信ですみません(^ ^)。