愛と奇跡のトラファルガー【2】
2010年5月25日 宝塚(宙) コメント (2)宙組大劇場公演「トラファルガー」。
とりあえず、キャストごとに。
■ホレーシオ・ネルソン大空祐飛
なんだか最近、ビジュアルが神憑ってきてませんか?……と思うのは、私がファンだからなんでしょうか……(^ ^)
ブロンドのロングに軍服。オスカルとはまた全然違う雰囲気ですが、びっくりするほど目を惹きました。はい。すみません、ファンで。
ただ個人的には、お芝居が始まってからの登場時にしている眼帯を、すぐ取ってしまうのが残念ではありました。……やっぱり眼帯していると戦士としては駄目ということになってしまうのかもしれませんね。現実のネルソンは、普段から眼帯をしていたわけではないのでしょうか。残されている肖像画にも、トラファルガー広場の銅像にも、そういものは無いようですが)
芝居は、前半が颯爽たるヒーロー、ただし、意外と生真面目でおカタイ軍人さん、という感じでした。恐妻家で、女といるより仲間と居た方が楽しそうなタイプ(^ ^)。新鮮なキャラだったなー。
本格的に物語が始まるのは「ナイルの海戦」(1798年)で大勝利を得て凱旋したところからなので、その時点ではまだ「なんちゃって英雄」なんですよね。板についていない感があるの。それが巧いなーと思いました。
その後、ナポリ革命(1799年)を経てトラファルガー海戦(1805年)まで、約7年。1798年には板についていなかった『英雄』の仮面が、いつのまにかよく似合うようになって、すっかりふてぶてしくなったホレーシオでした。その、時間の経過による立場の変化、みたいなものをちゃんと描いているのは流石だな、と思いました。
1805年10月21日に亡くなられたとき、享年47歳。半世紀弱の生涯の中の7年間が、果たして「半生」なのか?という疑問はありますが。でも、やっぱり、ナイルの海戦に勝利して「英雄」となり、貴族に叙され、恋に落ちた7年間は、彼の人生にとっても大きな7年間だったんでしょうねぇ……。
ちなみに。
スカーレット・ピンパーネルの舞台となったのが1793年、ソルフェリーノの戦いが1859年。ゾロも、大きく括ればこの時代(18世紀末~19世紀前半)の物語なんじゃないのかな?ドラマティックな、凄い時代ですね、本当に。
ちなみに日本では、松平定信による寛政の改革が1787年~1793年。……もうちょっと面白いネタは無いものかしらん(^ ^;ゞ
■エミリィ・ハミルトン(エマ) 野々すみ花
コケティッシュでちょっと掴みどころのない、ファンタスティックで魅力的な女、という印象でした。すみ花ちゃんは可愛いタイプなので、「絶世の美女」みたいに噂される存在として舞台に立つのはちょっと厳しい気もしましたが(←「美女ありき」のヴィヴィアン・リーは、まさに「絶世の美女」なので)、、、頭の良さがはっきりとわかる、人を惹きつける魅力のある存在感はさすがでした。
この時代の、上半身がぴったりと身体に沿っていて腰回り(とくにお尻の上)が大きくふくらんだドレスがとても良く似合って、着こなしもキレイでした。ただ、鬘はもう少し顔周りに髪を残してもいいような??微妙に老けてみえる角度があったりして、せっかく可愛いのに勿体無い!と思う瞬間があったりしました。でも、ネルソンとの並びはお気に入りです~♪
■ナポレオン・ボナパルト 蘭寿とむ
かーーーっこいいーーーーっっっ!!!!!
ネルソンが「黄金のハヤブサ」(←どっかで聞いた?)で、ナポレオンが造る時代が「獅子の時代」。なかなか的確な比喩だな、と思いました。
海に生きるしかない島国イギリスの海軍と、豊かな大地を守らなくてはならない農業国フランスの陸軍。海の上を身軽く飛び回る小型のハヤブサと、陸を駆ける百獣の王、獅子。戦い方の差も表現できているし、斎藤さん、やるじゃん♪
……「ブロンドの髪ひるがえし…」とか言われた瞬間に、思いっきり吹き出してしまいましたけど、ね。
ちなみに。プロローグの銀橋がツーロン包囲戦(1793年)のナポレオン陣営の話なのですが、この攻防戦にネルソンが従軍したのは史実なのでしょうか?
えなちゃん(月映樹茉)とりくくん(蒼羽りく)が一生懸命説明している戦闘の状況(フランス艦の死角から裏に回りこまれて……みたいな話)を聴いていると、ネルソンの勝利として有名なサン・ビセンテ岬沖の海戦の様子に似ている、と思ったのですが……。
まあ、そんな細かいことはおいといて、蘭トムさんは本当に格好よかったです!
あんなもみあげをつけて、それでも自然に男役でいるなんて芸当ができるのは、蘭トムさんだけ!!
ぜひぜひ皆さま、お見逃しなく(^ ^)。
■ウィリアム・ハミルトン 北翔海莉
なかなか渋くて素敵なオジサマでした。
やっぱり、みっちゃんは笑わないほうが絶対に素敵だ!!
美形だし、髭もよく似合ってるし、すみ花ちゃんのエマに対して素直になれない屈折ぶりが可愛くて、これはファン増えるんじゃないかなあ~、と思いました(^ ^)。
最後のネルソンとの対決場面に、もうひとつ何か深みが出ると、すごく良いんだけどなー。ネルソンが良い芝居をしているだけに、投げられたものを受け取って返す、それだけのことでも違うんじゃないかなあ。まだ公演も始まったばかりなので、これからの変化に期待してます♪
■フランシス・ネルソン(ファニー) 花影アリス
最後の場面の、抑えた態度と義父への心遣いが優しくて、じんわりとしました。
衣装も良く似合っているし、やっぱり目立つなー、あの美貌は(^ ^)。
「大江山花伝」の胡蝶、「ジュ・シャント」のヒロイン、そして今回のファニー。最後の一年で立て続けに良い女を演じてくれて、「妹」とか「子供」系の役ばっかり続いていた頃を思うと、嘘のようです。
もっと早く、こういう役をふってあげていれば、運命も違っていたかもしれないのに……、美羽あさひちゃんと被ってしまったのは、アリスちゃんにとっても宙組にとっても本当に不運だったな、とあらためて思いました。
アリスちゃんとすみ花ちゃんの並びは、お互いに無いものを分け合っている感があって、私はとても好きです。「王道の宝塚娘役」の典型であるアリスちゃんを、最後までしっかり見届けたいと思います!(誓)
とりあえず主要5人はこんなところかな。
他のメンバーについては、また後日★
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とりあえず、キャストごとに。
■ホレーシオ・ネルソン大空祐飛
なんだか最近、ビジュアルが神憑ってきてませんか?……と思うのは、私がファンだからなんでしょうか……(^ ^)
ブロンドのロングに軍服。オスカルとはまた全然違う雰囲気ですが、びっくりするほど目を惹きました。はい。すみません、ファンで。
ただ個人的には、お芝居が始まってからの登場時にしている眼帯を、すぐ取ってしまうのが残念ではありました。……やっぱり眼帯していると戦士としては駄目ということになってしまうのかもしれませんね。現実のネルソンは、普段から眼帯をしていたわけではないのでしょうか。残されている肖像画にも、トラファルガー広場の銅像にも、そういものは無いようですが)
芝居は、前半が颯爽たるヒーロー、ただし、意外と生真面目でおカタイ軍人さん、という感じでした。恐妻家で、女といるより仲間と居た方が楽しそうなタイプ(^ ^)。新鮮なキャラだったなー。
本格的に物語が始まるのは「ナイルの海戦」(1798年)で大勝利を得て凱旋したところからなので、その時点ではまだ「なんちゃって英雄」なんですよね。板についていない感があるの。それが巧いなーと思いました。
その後、ナポリ革命(1799年)を経てトラファルガー海戦(1805年)まで、約7年。1798年には板についていなかった『英雄』の仮面が、いつのまにかよく似合うようになって、すっかりふてぶてしくなったホレーシオでした。その、時間の経過による立場の変化、みたいなものをちゃんと描いているのは流石だな、と思いました。
1805年10月21日に亡くなられたとき、享年47歳。半世紀弱の生涯の中の7年間が、果たして「半生」なのか?という疑問はありますが。でも、やっぱり、ナイルの海戦に勝利して「英雄」となり、貴族に叙され、恋に落ちた7年間は、彼の人生にとっても大きな7年間だったんでしょうねぇ……。
ちなみに。
スカーレット・ピンパーネルの舞台となったのが1793年、ソルフェリーノの戦いが1859年。ゾロも、大きく括ればこの時代(18世紀末~19世紀前半)の物語なんじゃないのかな?ドラマティックな、凄い時代ですね、本当に。
ちなみに日本では、松平定信による寛政の改革が1787年~1793年。……もうちょっと面白いネタは無いものかしらん(^ ^;ゞ
■エミリィ・ハミルトン(エマ) 野々すみ花
コケティッシュでちょっと掴みどころのない、ファンタスティックで魅力的な女、という印象でした。すみ花ちゃんは可愛いタイプなので、「絶世の美女」みたいに噂される存在として舞台に立つのはちょっと厳しい気もしましたが(←「美女ありき」のヴィヴィアン・リーは、まさに「絶世の美女」なので)、、、頭の良さがはっきりとわかる、人を惹きつける魅力のある存在感はさすがでした。
この時代の、上半身がぴったりと身体に沿っていて腰回り(とくにお尻の上)が大きくふくらんだドレスがとても良く似合って、着こなしもキレイでした。ただ、鬘はもう少し顔周りに髪を残してもいいような??微妙に老けてみえる角度があったりして、せっかく可愛いのに勿体無い!と思う瞬間があったりしました。でも、ネルソンとの並びはお気に入りです~♪
■ナポレオン・ボナパルト 蘭寿とむ
かーーーっこいいーーーーっっっ!!!!!
ネルソンが「黄金のハヤブサ」(←どっかで聞いた?)で、ナポレオンが造る時代が「獅子の時代」。なかなか的確な比喩だな、と思いました。
海に生きるしかない島国イギリスの海軍と、豊かな大地を守らなくてはならない農業国フランスの陸軍。海の上を身軽く飛び回る小型のハヤブサと、陸を駆ける百獣の王、獅子。戦い方の差も表現できているし、斎藤さん、やるじゃん♪
……「ブロンドの髪ひるがえし…」とか言われた瞬間に、思いっきり吹き出してしまいましたけど、ね。
ちなみに。プロローグの銀橋がツーロン包囲戦(1793年)のナポレオン陣営の話なのですが、この攻防戦にネルソンが従軍したのは史実なのでしょうか?
えなちゃん(月映樹茉)とりくくん(蒼羽りく)が一生懸命説明している戦闘の状況(フランス艦の死角から裏に回りこまれて……みたいな話)を聴いていると、ネルソンの勝利として有名なサン・ビセンテ岬沖の海戦の様子に似ている、と思ったのですが……。
まあ、そんな細かいことはおいといて、蘭トムさんは本当に格好よかったです!
あんなもみあげをつけて、それでも自然に男役でいるなんて芸当ができるのは、蘭トムさんだけ!!
ぜひぜひ皆さま、お見逃しなく(^ ^)。
■ウィリアム・ハミルトン 北翔海莉
なかなか渋くて素敵なオジサマでした。
やっぱり、みっちゃんは笑わないほうが絶対に素敵だ!!
美形だし、髭もよく似合ってるし、すみ花ちゃんのエマに対して素直になれない屈折ぶりが可愛くて、これはファン増えるんじゃないかなあ~、と思いました(^ ^)。
最後のネルソンとの対決場面に、もうひとつ何か深みが出ると、すごく良いんだけどなー。ネルソンが良い芝居をしているだけに、投げられたものを受け取って返す、それだけのことでも違うんじゃないかなあ。まだ公演も始まったばかりなので、これからの変化に期待してます♪
■フランシス・ネルソン(ファニー) 花影アリス
最後の場面の、抑えた態度と義父への心遣いが優しくて、じんわりとしました。
衣装も良く似合っているし、やっぱり目立つなー、あの美貌は(^ ^)。
「大江山花伝」の胡蝶、「ジュ・シャント」のヒロイン、そして今回のファニー。最後の一年で立て続けに良い女を演じてくれて、「妹」とか「子供」系の役ばっかり続いていた頃を思うと、嘘のようです。
もっと早く、こういう役をふってあげていれば、運命も違っていたかもしれないのに……、美羽あさひちゃんと被ってしまったのは、アリスちゃんにとっても宙組にとっても本当に不運だったな、とあらためて思いました。
アリスちゃんとすみ花ちゃんの並びは、お互いに無いものを分け合っている感があって、私はとても好きです。「王道の宝塚娘役」の典型であるアリスちゃんを、最後までしっかり見届けたいと思います!(誓)
とりあえず主要5人はこんなところかな。
他のメンバーについては、また後日★
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コメント
ところで、昨日トークスペシャル東京 花組編 (まぁくん、あきら、姫花)
を観てきました。
面白かったですよ♪
そして意外にもひめかちゃんが一番立派にトークをこなしていました(笑)
> そして意外にもひめかちゃんが一番立派にトークをこなしていました
エエエエエ~~~ッ!!
ひ、ひめかちゃんなんだ……ナウオンとかのイメージだと、まぁくんもしっかり喋っているみたいなんだけどなー。舞台の姫花ちゃんと、イメージだけとはいえ、えらい違いですね(^ ^)