宝塚大劇場月組新人公演「スカーレットピンパーネル」。


もうあまり速報でもなくなってしまいましたが、記憶にあるうちにキャストごとのレポートを。
とりあえず、場面ごとに(^ ^)。



第一場A PARIS 1794
■ドゥ・トゥルネー伯爵(篁祐希/一色瑠加)
■デュハースト(鳳月杏/青樹泉)
まずは、新人公演・演出の変更点その1。
最初の、「すべての貴族を断頭台に!」と叫ぶ市民たちは舞台上に登場せず、声のみとなり、舞台上には紅いライトに照らされたマダム・ギロチンが屹立するばかり。
上手下手の花道のセリから、伯爵とデュハーストがそれぞれセリ上がり、銀橋をはさんで会話を交わす……。

荷車を曳いて銀橋を渡るパーシーたちとピボー軍曹たちの場面がカットされて、場面として非常に短い場面になったとはいえ、民衆たちを出しても別に良かったと思うんですけどね。まあ、なにか演出上の都合があったのでしょうか。

篁くんは、髭がとてもよく似合って、素敵なおじさまでした♪ 口調も落ち着いて、なかなかの貫録だったと思います。
デュハーストの杏ちゃんは、えらい二枚目で“切れ者”感がありました。こんなに声が良い人だっけ(*^ ^*)。民衆の姿のない広い広い空間を、銀橋を隔てて遠く向かい合う篁くんと二人で埋めるって大変なことだと思うのですが、よくやっていました。「スカーレットピンパーネルの右腕」らしい凄みがあって、やっぱりこの人は良い芝居するなあと思いました♪



第一場B ひとかけらの勇気
■パーシー(珠城りょう/霧矢大夢)
伯爵とデュハーストの会話が途切れたところで、本舞台のセンターセリでセリ上がってくる珠城くん。振り向いてライトが当たった瞬間の「これぞスター!」という輝きは凄かったです。ファンじゃなくてもつい拍手してしまった(^ ^)。
速報でも書きましたが、「ひとかけらの勇気」最初のワンコーラスはちょっと緊張がほの見えたかな。それでも、学年を考えれば十分な出来だったんですけど、それよりも、短い芝居を挟んで銀橋で歌い上げた後半が素晴らしかったことに感心しました。技術的にはまだ向上の余地があるけど、素直でのびやかな、本当にいい声だと思う。良いタイミングでいい役に巡り合えて、本当に良かったね、と思いました(*^ ^*)。

それから、演出の変更点その2。
コメディ・フランセーズが丸ごとカットになり、銀橋で歌われる「ひとかけらの勇気」の合間の本舞台での芝居が、コメディ・フランセーズの楽屋で、マルグリットがショーヴランにサン・シール侯爵の居場所を教える手紙を渡す場面になっていました。

この、物語冒頭の一連のカットのために、あとあといくつかの矛盾(庭園でフォークスがシュザンヌに「パリで君に…」と言う場面[←君はパリに行ってないだろう]とか、マルグリットがパーシーにショーヴランを紹介して「覚えていらっしゃるかしら?」[←初対面ですが]とか)が出てしまうんですが……生田さん、「太王四神記」のときは、そのレベルまできれいに辻褄をあわせていたのが印象的だったのになー(^ ^)。

そんなことは置いておいても、「ひとかけらの勇気」の真ん中にこの場面が入っているのは違和感がありました。あまりにも唐突すぎて。本公演とは違う内容にしなくてはなりませんが、なんらかの形でショーヴランとメルシエたちの会話か、あるいはショーヴランがピボー軍曹を叱りつけるような場面があった方が、ショーヴランの立場とか判りやすくて良かっただろうに、と思いました。



第三場 マダム・ギロチン
「ひとかけらの勇気」が終わると、前場の芝居の続き(マルグリットの手紙をメルシエに渡す)芝居があって、紗幕があがると、パリ。

■ロベスピエール(宇月颯/越乃リュウ)
すみません。速報でも暑苦しく語りましたが、本当に素敵でした(*^ ^*)。本当に良い声だよーーーーーっ!!
髭こそないものの、渋くて貫録のある素敵なオジサマでした(はぁと)。器が大きくて、ショーヴランより上の立場であることが一目でわかる、こういう存在感ってこの役には大事なことなんだなあ、と思いました。
個人的に、宇月くんにはショーヴランかロベスピエールかどっちかをやってほしい!!と思っていたので、予想以上の仕上がりがとても嬉しいです(はぁと)。

■サン・シール侯爵(輝月ゆうま/研ルイス)
こちらも速報で叫んだとおり(*^ ^*)いやー、将来有望な方がたくさんいらっしゃって嬉しいです♪

■貴族男(有瀬そう、天翔りいら)
■貴族女(琴音和葉、白雪さち花)
■貴族子供(夢羽美友)
有瀬くんが、おっとりとした貴族らしい雰囲気で、大きな身体で怯える様子なのが予想外に良かったです。天翔りいらさんは、貴族の若様らしい美形っぷりで、フリフリの衣装もよく似合ってる♪最初はちょっとだけ民衆に逆らう芝居をして、突き倒されるあたりがリアルでした。
誰よりも強い女になれるはずの琴音さん白雪さんが、一生懸命(?)怯えているのがなかなかにツボ。夢羽美友さんも可愛かったです。

人数の少ない新人公演で、群衆シーンにこれだけの迫力が出せるって凄いなあ!と思っていたのですが。あらためてプログラムを見て気がつきました……そうか、初舞台生が出ているから、かえって本公演より人数は多いくらいなのか……(納得)。

そして。……すみませんすみません、ロベスピエール様に食いつきすぎて、民衆たちは響くんくらいしか観られませんでした……(反省)。ちなみに響くんは、日頃の憂さ(革命政府側なので全然踊ってない)を晴らすかのように迫力満点で、すごく格好良かったです(^ ^)。



第四場 結婚式
珠城くんの声は、どこまでも明るくのびやかで、響きが優しい。典型的なヒーロー声だな、と感心しました。りおんの声は、芯があるのに響きが柔らかくて、ヴェルヴェットのような美声ってこういうのかしら、と思いました。ちゃんと二人で聴きあって、合わせているから、ハーモニーがとても気持ち良い。
本公演でも、ぜひショーなどで歌ってほしい二人です。

■アルマン(煌月爽矢/役替り)
私はまだ本公演はみりおくんのアルマンしか観ていないのですが、声が、というか、台詞の調子があまりにも本役に似ていてびっくりしました。目を閉じて聴いていると、みりおくんが喋ってるみたい(汗)。誠実な優しい声で、役にはぴったりなんですけどね。
コメディ・フランセーズが無いので、ここが最初の登場ですが、すぐにシュザンヌに場面を奪われてしまうので、印象的に出るのは難しいんだろうなあ…と思いました。がんばれ。

■ドゥ・トゥルネー伯爵夫人(玲美くれあ/花瀬みずか)
本公演でも、その艶やかな美しさに思わず驚いてしまう伯爵夫人。新人公演のくれあちゃんも凄くキレイで、落ち着いた素敵なママでした。

■シュザンヌ(咲希あかね/彩星りおん)
とにかく可愛い!!姿も声も可愛くて、ちょっとおきゃんな感じがすごく良いです。うん。伯爵令嬢とゆーには若干庶民的かもしれませんが、可愛いから良いの。スタイルが良いのでドレスもよく似合ってます♪
りおんとは学年で一つしか違わないのに、マルグリットに「同級生だったの」と言われて一瞬「えっ?」と二度見してしまうのは……りおん、君ががんばるしかないんだぞ!!

■フォークス(貴千碧/星条海斗)
金髪の巻き毛が思ったよりよく似合ってますね。あけっぴろげな笑顔が魅力的で、シュザンヌが登場した瞬間の嬉しそうな笑顔や、シュザンヌに話しかけたときの緊張した感じがなんとも言えず良かったです。本役のマギーとはまた全然違う役作りで、デュハーストよりオジーとコンビな感じで動いていたような気がします。そのへんの違いも面白いかった。

■オジー(千海華蘭/光月るう)
るうちゃんのオジーは、星組の彩海さんに比べてちょっとおとなしめ(真面目)だなと思っていたのですが、からんちゃんはもう!!ぶっ飛んでました(^ ^;;;。
いやー、、、可愛い顔して、本当に面白い芝居する人だなあ。マルグリットにダンスを申し込んで振られるところとか、もう、たまらないです。あんなに可愛いのに、なんであんなに面白いんだ!?

■ファーレイ(星輝つばさ/紫門ゆりや)
この場面ではありませんが、翌朝の図書室(第五場)で、パーシーがファーレイに
「君はどんな男だと思われている?」
と尋いて、
「遊び人の貴族、だろ!?」
と混ぜっ返される会話の場面。
本役のゆりやんは、いかにも軽い感じの役作りで、頭に花が咲いたような雰囲気も何もかも「その通り!!」って感じなのですが、新公の星輝くんは、逆にものすごく生真面目……というか、むしろ朴訥とした役作りで、この場面も「ぼ、ぼくがそんな訳ないじゃないか!!」みたいに演じていたのが新鮮でした。とりあえず、まったく違う役作りに取り組んだ意欲は買いたいです。
……ただ、この場面だけならそれでも良いんですが、あんまり生真面目で引っ込み思案なキャラクター設定にしてしまうと、物語の全体をみたときにちょっと違和感があるので、そのあたりは生田さんともよく相談しながら東宝にむけてがんばってほしい、と思いました。

■エルトン(隼海惺/宇月颯)
最初にマルグリットにダンスを申し込む勇気ある若者(^ ^)。
実は初めて認識したのですが(ごめんなさい)、すっきりとキレイな二枚目で、芝居も自然で良かったです。

■ベン(愛希れいか/煌月爽矢)
本公演ではルイ・シャルル役に大抜擢の愛希さん。そのまま地毛に付け毛で貴族のぼんぼんを演じていましたが、あの美しさにはちょっとクラッときました。男役としての芝居も学年を考えたら十分な出来だし、将来が楽しみです。

■ハル(朝美絢/珠城りょう)
スカーレットピンパーネル団の中でも、一番年下設定のハル。末っ子っぽい感じが出ていて可愛かったです。きれいな人だけど、ちょっと化粧が女の子っぽいかな。でも芝居は良かったです。
まだ研2になったばかりなのにねぇ、凄いなあ~~(感心)。

■ジェサップ(海桐望/彩央寿音)
本公演のきっしーが素敵過ぎて嵌っているのですが、海桐くんも落ち着いた感じで良かったです。きっしーよりもちょっとオカタイ、慇懃な執事、って感じでした。きっしーはパーシーがやっていることを良く知っていていろいろフォローしていそうな感じでしたが、海桐さんはあんまりそういう感じではなかったかな。せっかくのきれいなお顔が髭で隠されていたのがちょっと残念。

■客の男・客の女
うう、立ち位置チェックしたはずなのに覚えてない(↓)。有瀬くんと天翔さんは上手、篁くんと翔我さんは下手、、、だったかな。違うかも。
本公演で、鳳月杏ちゃん&紗那ゆずはちゃんがいる位置(最初のダンスシーンで、センター奥の下手側)で踊っていたのはどなたでしょうか?いや、人数が半減しているので、完全に同じ位置ではないのですが。……ゆかりちゃん(綺華れい)似の美貌は、もしかして麗奈ゆうさん?たしか真愛涼歌ちゃんと組んでいたと思うのですが(違っていたらすみません)、娘役さんに向けてにこっと笑ったときのくしゃっとした感じが、宙組の月映さんにちょっと似ていて、ドキッとしました。

■召使い
召使いさんたちは、本公演も新人公演も全員が研1…ですよね?みんなあまりにも女の子で、ちょっと笑ってしまいました(^ ^;。男役さんたち、がんばってね。



まずは、そんなところでしょうか。
……長くなりそうだな(^ ^;ゞ


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