宝塚大劇場にて、月組新人公演「スカーレット・ピンパーネル」を観てまいりました。



本公演の話もまだちゃんと書いてないのに……という気もするのですが、せっかく観たので、とりあえず速報させてください。



まずは。
歌劇団さん、ありがとう!!(^ ^)。
彩星りおんの「忘れましょう(I’ll Forget You)」を、そして「ひとかけらの勇気」を聴くことができて、幸せでした。
素晴らしかった!!歌姫の面目躍如、でしたね。

ドレスも似合ってて、ちゃんと美しかったです。ただ、この人の本領はあくまでも『女役』であって『娘役』ではないんだなあ、というか……(T T)、スカーレットピンパーネル団の恋人たちが全員あまりにも若くて可愛いなかで、マルグリットだけ若干、その、雰囲気的に浮いていたのは……ファンな私でも否定はできない、かも(泣)。

これで、パーシーがもっと渋いタイプだったらまた違ったのかもしれませんが、珠城くんは学年的に若いだけじゃなくて、持ち味がとにかく純朴で明るくて優しい、陽性のヒーロータイプなんですよね。いや、月組に限らず、今若手で“大人っぽくて渋いタイプ”ってあまりいないような……(溜息)。

ああ、でも、もうなんでもいいんです。化粧が濃すぎたり芝居が強すぎたり、りおんも色々と欠点はありましたが、そのあたりは東京までに見直してくださることを期待しています♪
歌はとにかく、最高!でした。音域が広くて、上から下までやわらかい声で出せるうえに、デュエットでちゃんと相手の音を聴いてあわせてくれる。「あなたこそ我が家」のハーモニーの美しさは絶品でした♪下級生の珠城くんにとっては、なによりの相手役だったと思います(^ ^)。
東京でまた、あのナンバーの数々をりおんの美声で聴くことができると思うと、本当にそれだけで幸せになれます(*^ ^*)。



順番が前後してしまいましたが(すみません)、パーシーの珠城りょうくん。
いやー、良かったです。華やかなヒーロー誕生に立ち会えた気がしました(*^ ^*)。

最初の荷車を曳いての銀橋わたりがカットされて、いきなり、センターの大セリからの登場。
一番最初に下手花道にデュハーストの鳳月杏ちゃん、上手花道にドゥ・トゥルネー伯爵の篁祐希くんがセリあがって会話をした後、本舞台の大セリからパーシーがせり上がり、という演出で、たぶん緊張したんでしょうね……。セリ上がってすぐに歌いだす「ひとかけらの勇気」は、腹筋に力が入ってないっぽい感じでしたが、ワンコーラス歌って本舞台での(ショーヴランとマルグリットの)芝居をはさみ、もう一度戻ってきたときの歌は、のびやかな声で凄く良かったです。
明るくてまっすぐで、伸びのある良い声ですよね。中音域の発声がすごくなめらか。ちょっと軽くて色気が足りないけど(^ ^;、聴いていたくなる声だなと思います。
ポジションをちょっと低めにとる癖があるみたいなので、それだけ気をつければ歌手にカウントできるんじゃないかな、と思う。あとは、この大作を二時間歌いっぱなしで最後までもったんだから(「目の前の君」はギリギリな感じではありましたが…)、喉の強さは折り紙つき、ってことで大丈夫、ですかね?(^ ^)

しかし、本当に華やかな人だなあ。「ラスト・プレイ」のムーアは、偶然うまく嵌っただけかもしれない、と思っていたのですが、これは本物かも。レアティーズみたいな役より、こういう純然たるヒーロー役の方が似合うのは宝塚的主役の証ですね★
舞台度胸もすごい、と思います。演出的にコントっぽくしていたところもちゃんとこなしていたし、まだ研3になったばかりなのに、なんだか凄いなあ(@ @)。スタイルはもう少し磨く余地もありそうですが、問題っていう程じゃないし、もともとの顔立ちがシャープなので、男役化粧も違和感ない。どこかで必ず頭は打つと思うんですが、今のところ隙が見つからないって感じですね(^ ^)。せいぜい、グラパンに変装しているときの声色が使えない(声や口調にバリエーションがない)ことくらい、かな?……末恐ろしいわ~(汗)。



ショーヴランの紫門ゆりやくん。
みりおくんのショーヴランを観ていないのですが、基本的にはまさお(龍真咲)の役作りを踏襲していた印象。でも、出てきたものは全然違ってましたね。このあたり、ちゃんと「紫門ゆりや」という個性をもっている役者だな、と思います。
見た目も芝居もしっかり作りこんで、よくやってました。うん、本当に。思いのほかとクールな雰囲気で、黒塗り化粧も似合ってて、シャープな二枚目でした。
今まで、柔らかくて優しい感じの役しか観たことがなかったので、こういう役もできるんだ、とちょっと驚きました(@ @)。

しかし、声が(涙)。
……致命的なほど、低音が出ない(T T)。
難役:フランツが何とかなったので、歌についてはあまり心配していなかったのですが、そっか、ショーヴランってフランツよりさらに低いのかな……?音域的には同じくらいでも、フランツの低音は囁くようにでも声さえ出ればある程度誤魔化せるけど、ショーヴランは低いところで強く響かせないといけないから、より難しいんでしょうか。これを歌いきった星組の麻尋くんは、すごかったんだな。

もともとゆりやんは、歌えるけど声が軽くて柔らかいタイプで、ショーヴランに求められるような強くて太い声は不得意な声質なんですよね。元々得意な音域については、以前よりずいぶん太い声が出てきたなと思ったので、もしかしたら、この数か月で発声を根本から見直していたのかも(?)。まだ途中段階で新公本番を迎えてしまったのだとしたら残念ですが、なんとか東京では結果が出せますように、祈っています。



ロベスピエールの宇月くんは、凄く良かった(*^ ^*)。「マダム・ギロチン」のロベスピエールソロフレーズ、後半のロングトーンに鳥肌がたちました(真顔)。
カーンと通る、強くて響きの深い声。本当ならショーヴランのナンバーを聴いてみたいくらいの歌いあげっぷりで、短いフレーズなのがすごく残念でした。
たぶん宇月くんの方が、ゆりやんより低音部の音域が広いと思うので、ロベスピエールとショーヴランのハーモニーは、上下逆にしてあげても良かったかも……。

芝居も過不足なく、さすがに最上級生の貫録がありました。本公演のようなシンプルな「敵キャラ」ではなく、革命のリーダーくずれっぽく作ってきたのはさすがですね。
まあ、ロベスピエールをあんまり二枚目につくると、あっさりグラパンに騙されてしまうのがおかしな感じになるので、バランスが難しいんですけどね。そのあたりも含めて、宇月くんの匙加減は、絶妙だったと思います♪



プリンス・オヴ・ウェールズの響れおなちゃん。
可愛かった!!
役作りは、園加をもう一段可愛くしたような感じ、でしょうか。いやー、あの笑顔は本当に可愛いです♪
そうかとおもえば、民衆で踊っているときのシャープな怖さも素晴らしいし(*^ ^*)。本公演はショーヴランの部下なので、民衆に全く入ってないんですよね。もったいないことしてるなーと思いました。
最後の挨拶も、温かみがあってよかったです!新公の長、お疲れさまでした♪



サン・シール侯爵の輝月ゆうまくん。
こ、この人は95期ですか!?(@ @)びっくりの巧さ。
私、実は、プログラム観たときに「輝」って字だけみて輝城みつるくんだと思い込んでおりまして(汗)、輝城くんがピポー軍曹で出てきたときに「あれっ?」と驚いたんですが(汗)、輝月くんも素晴らしい声でした!(*^ ^*)。いやー、次から次と新人がでてきて、びっくりだなあ。というか、94期95期の人材豊富ぶりには驚くほかはありません……。



その、ピポー軍曹の輝城みつるくん。達者な人はこういう役をやっても達者なんだなあ…と感心しました。歌がなくてとても残念ですが、笑いを取るべきところでしっかり取っていたのがさすがです♪




他にも書かなくてはいけない人はたくさんいるのですが、とりあえず速報はこのへんで。


あ、でも、これだけはどうしても!!
スカーレットピンパーネル団の恋人たちが、めっちゃ可愛いーーーーーーーっ!!
一人残らず可愛くて、歌も芝居も十分にうまくて、学年的にもそんな下級生ってわけじゃないのに、どうして本公演がこのメンバーでは駄目なのか全然わかりません(嘆)。
あああああ、可愛いよー可愛いよー可愛いよー♪

回りが可愛すぎて、マルグリット一人年上な感じで浮いてるのは否めませんが……化粧や髪型をがんばれ>りおん。
……歌姫だから良いんだもん!




新公演出は生田大和。
生田さんにしては随分と乱暴なカットぶりでしたが、演技指導は丁寧につけてくれていたと思います。
たとえば。結婚のお披露目パーティーの後のパーシーとマルグリットのやり取り。
珠城くんのパーシーは、本公演よりずっと若くてまっすぐで、あんまり余裕がない(T T)ので。マルグリットの裏切りを知って、ものすごく絶望するんですよね。きりやんのパーシーは、苦悩しつつもマルグリットの前ではそれを出さないんですが、珠城くんのパーシーは、そういうところも真っ直ぐで(^ ^;ゞ、そんなパーシーの様子に気づかないマルグリットもどうよ!?という気がする……のですが!
そのぶん、マルグリットは幸せに酔って舞い上がっている、という芝居をしているんですよ、ちゃんと。すごい。こうやって辻褄をあわせているのか……生田さん細かいなあ。

ただ、フォークスが庭園でシュザンヌに云う「パリであなたを救った人に嫉妬している」という台詞を(パリでの救出シーンがカットされているのに)残したのは、生田さんにしては珍しいような気がします。こういう細かいところまで拾って修正するのが彼の面白いところだと思うのですが。忙しかったのかな。

あと、マルグリットがサン・シール侯爵の居場所を告げる手紙を渡す場面が、「ひとかけらの勇気」の曲中に入っていたのは、違和感がありました。手紙を受け取ったショーヴランが時をおかずに部下に渡して、そのまま「マダムギロチン」になだれ込んだ方が、展開としては自然だと思うのですが。
このあたり、せっかくなので東京ではご検討いただきたい、かも(^ ^;



今日のところは以上です。
詳しい感想(本公演含めて)は、またあらためて(^ ^)。


それから、「スカーレット・ピンパーネル」という作品については、星組さんのときにちょっと語った時とそんなに変わっていないので、とりあえずリンクさせていただきます♪

http://80646.diarynote.jp/200809070147030000/
(携帯:http://80646.diarynote.jp/m/200809070147030000/



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