雪組公演「ソルフェリーノの夜明け/カルネヴァーレ~睡夢~」より、ショーの感想。


いよいよ最後の週末に突入した雪組公演。
ハマコさん、ユミコさん、じんじん、さゆちゃん、どうぞ、一日のさいごまで舞台を愉しんでくださいね。



さて。
リオとベネツィア、三大カーニバルのうち、2つをやった水さんの雪組。
で、誰もが思う(かもしれない)疑問。「三大カーニバル」の残る一つは、何?

ネットで調べてみたんですが、思いのほかいろんな説があるみたいでした(^ ^)
サイトによって違っていて、リオやヴェネツィアが入っていないところもたくさんあったんですよね……とくに、「カーニバル」と「サンバ・フェスティバル」をごっちゃにしたサイトが複数あったのには笑ってしまった。そりゃヴェネツィアは入らんわ(^ ^)。

でもまぁ、一般的にヴェネツィアとリオの二つは決まりでいいですよね?
というわけで、「もう一つ」さがし。
Wikipediaでは、トリニダード&トバゴの項目に『世界三大カーニバルの一つ』と書いてありました。なので、Wikipedia的にはヴェネツィア、リオ、トリニダード&トバゴ、ってことになるらしい。
あと有名どころでは、ニース(フランス)と、ニューオーリンズ(アメリカ)のマルティグラなど、諸説あるようです。旅行会社で、ニースとヴェネツィアを回る「世界三大カーニバルのうち二つを満喫!」というツアーを設定しているところが複数あったので、その業界ではそういうことになっているのかも?

ってなわけで。
雪組さんの次のショーが、マルティグラじゃないのがとても残念です(^ ^)。



……ま、そんな余談はおいといて。

カーニバル(謝肉祭)は、CSできゃびぃとそらちゃんが教えてくれた(ステージサイドウォッチ)とおり、元はといえば春のお祭り。ヨーロッパは緯度が高く、冬が長いので春の喜びはひとしおだったんでしょうね。
さらに昔は冬至祭だったようで、クリスマスと同じ起源を持つらしい。要するに、冬将軍を追い払って春の女神を迎えるお祭りだってことなんでしょうね。
で、仮装に象徴される『非日常』感が重要視され、時代や地域によっては一定期間の『無礼講』、暴飲暴食から乱暴狼藉まで含む『痴愚王』祭りだったこともあるようです。一時的に秩序を破壊するカーニバルを通過することによって全ての罪を曝け出し、その罪を誰か(人形や『痴愚王』に選ばれた人物など)に着せて、それを破壊することで祭りを終了し、罪を贖うと共に秩序を回復する。
そうやって新しい春を迎える、と。そういう祭りだったのでしょう。



稲葉さんは、そういう暴力的な祭りではなく、現代ヴェネツィアのカーニバル、世界中からものすごい数の観光客が訪れる洗練されたお祭りを舞台にあげたんだな、と思いました。


一番最初に登場するのは、コンメディア・デッラルテの面々。
ザンニ(飛鳥裕)は召使キャラ、パンタローネ(奏乃はると)は髭を生やした色悪な商人、ラ・ルフィアーナ(花帆杏奈)は噂好きな貴婦人。イル・カピターノ(緒月遠麻)は軍人で、インナモラート(沙央くらま)とインナモラータ(大月さゆ)は若い恋人、アルレッキーノ(早霧せいな)とコロンビーナ(舞羽美海)は道化師とその恋人。個性豊かなメンバーが口々に語りながら観客を世界に誘い、夜明けを待つ。

夜が明けると、ゴンドラを漕ぐゴンドリエレ(彩吹真央)が明るい声で歌いだす。
色とりどりの衣装を着た組子たちが、ひろみちゃん(彩那音)たちを先頭に上手奥から下手花道へ抜けていく。

サン・マルコ広場に朝が来る。



プロローグの華やかさがとても好きです。お芝居が重たいので、ここでパッと心が軽やかになって、空間が拡がる気がするのがとても良い。
ユミコさんの癒し系の声が優しく響くのも、お祭りの始まり、って感じがしてとても好きです。
華やかな総踊りは、若手の皆さんが何処にいるのかさっぱり見つけられなかったけど(^ ^)(あ、でもあずりんだけは滅茶苦茶目に入ってきたな今回)、元気を貰った気がしました♪


「仮面屋の男」という役名で、場面のつなぎつなぎを歌で綴るハマコさん(未来優希)。
あの声を聴くたびに、ああ、この声が次からは聴けないのか……と切ないです。朗々と歌い上げる一曲も好きだけど、こういうつなぎの音楽でのハマコさんの力量は、なかなか他に人材が居ないんですよね……。
外部でのご活躍も心の底から楽しみにしているんですが(ぜひぜひゾフィーを!!)、でもやっぱり、宝塚がハマコさんを喪うのは、いかにも惜しいよなあ……。


結婚式。
新郎(音月桂)と新婦(舞羽美海)が並んで祝福をうけている……ところに、大勢の男女を連れて乱入してくるアルレッキーノ。……新郎新婦の扮装をした下級生が、皆さんなかなかに男前だったり美女だったりで、ゆっくり観る暇がないのが残念。
あわただしい場面ですが、迷宮を駆け回る様子が面白くて、かなり笑わせていただきました。ミミちゃんに逢えなくて、わたわたしているキムちゃんが超可愛い(はぁと)アルレッキーノに扮するチギちゃんの身の軽さにびっくり(@ @)。そして、キムちゃんを真剣に探しているミミちゃんの大人っぽい美しさにちょっと見惚れました。いや~、また綺麗になったなあ(はぁと)。



結婚式の騒ぎが一段落したサンマルコ広場で、一人の詩人(彩那音)が歌いだす。
ちょっと「ソロモンの指輪」の「美青年」役に似た雰囲気でしたが、この一年間で身についた、微かな甘い「毒」の匂いが良かったです。
歌は、他にソロを歌う人がほとんど全員凄い歌手ばっかりなので若干損をしていたかも(^ ^;ゞ。他にはチギちゃんくらいだもんなあ、“歌手”じゃないのは。

本舞台では、向かい合った二つのカフェの客引き合戦が始まっている。上手側のカフェの楽士たちは金管楽器がメインで、リーダーは水さん、下手側のカフェは木管がメインで、ユミコさんがリーダー。この楽士たちの対決がこの場面のメインなんですけど、私はその後ろであれこれ小芝居しているコンメディア・デッラルテの面々とか、観光客の愛加あゆちゃんとラブラブ喋っているひろみちゃんとかが気になって、頭がとっちらかってしまいました(汗)。店主のはずのパンタローネさん、店の女の子やら観光客やらに次々手をだしているように見えたんですが、どうなんでしょう。そして、ひろみちゃんとあゆちゃんにちょっかいを掛けまくりなキタロウと杏奈ちゃんも面白すぎるし。あああ、コンメディア・デッラルテ・ビジョンがあるDVDがあったら、即買いするわ~~~。
……じんじんとユミコさんのデュエット、もっとじっくり観るつもりだったのになぁ↓↓

場面の最後に降り出すにわか雨。
あっさりと去っていくあゆちゃんを見送って、あらためて歩き出す詩人。
「雨が降れば…」と歌っていた彼は、この後どうなったのか。なんとなく余韻を残す雰囲気が、ひろみちゃんさすがだなと思いました。




美術館。
さっき結婚式を挙げたばかりの(?)キムちゃんミミちゃんカップルが、雨を避けて駆け込んでくる。
追いかけてきたアルレッキーノがバトンで悪戯をすると、絵の中の女性たちが動き出す……。

歌は苦手、と思っていたみなこちゃんが、低音の歌なら意外と歌えることがわかったのは収穫でした♪いや~、しかしワッカのドレスが似合うなあ!首が長くてデコルテが綺麗(*^ ^*)。ちょっと顔が丸いけど(^ ^;ゞ
リサリサ(涼花リサ)とかおりちゃん(晴華みどり)のドレス姿もさすがです。重厚で華やかな、いかにも貴婦人らしいお二人♪


そのまま、場面は仮面舞踏会へ。
さゆちゃんとチギちゃん(女装)でユミコさんを取り合う(?)かなりコメディな場面でしたが、なかなか良く出来ていたと思います。さゆちゃん、やっぱ天性のコメディエンヌだなあ♪
わざわざチギちゃんを出さなくても、さゆちゃんで充分だったような気がするんですけどねぇ。





一息ついて、深夜のカナル・グランデでの、幻想的なデュエットダンス。

今回、フィナーレのトップコンビデュエットが殆ど無いので、ココが一番メインのデュエットになるのですが。
……いや~、水さんとみなこちゃんのダンス、ステキだなあ~~(*^ ^*)

それにしても、この場面は贅沢でした!
ハマコさんの「誰も寝てはならぬ」は文句なく素晴らしいし、
透水さらさちゃんの透明感のあるカゲソロもすごく良かったし、
キムちゃんゆめみさんの毒のあるデュエットも、雰囲気があってすごく好き。
そして、聖も過ぎれば毒となるのかもしれない、と思わせた、みなこちゃん。毒も過ぎれば聖になる、と信じさせてくれた水さん。みなさん本当に素晴らしい♪

最後、みなこちゃんを求めて水の底へ沈んでいく水さんが、とても好きです。不幸に酔わない、ただ、自分の幸せ(=女と共に生きる人生)を求める、その求道者の貌、が。



祭りの中で恋人に振られた男たち(沙央、早霧)の歌。
銀橋で嘆く彼らの許に、恋人たち(大月、舞羽)が戻ってくる。

今回のショー、基本構造としては、さゆちゃんはコマちゃんの恋人で、ミミちゃんはチギちゃんの恋人。だけど、場面によってさゆちゃんはユミコさんの相手役を勤めるし、ミミちゃんはキムちゃんの相手役を勤める。結婚式のカップルはキムちゃんとミミちゃんで、それにチギちゃんが嫉妬していろいろ邪魔をするコトで物語が進む。さゆちゃんはコマちゃんという恋人がいるけど、あちこちでユミコさんにコナをかけていて、コマちゃんはそれを暖かく見守っている、という感じ(?)
この気儘な女の子たちに振り回される男二人が、めっちゃ可愛いです。
戻ってきた女の子たちも、相変わらずでステキ♪

さゆちゃんといえばユミコさんとの相性がよく言われるけど、私はコマちゃんとのコンビもとても好きで、今回のショーでも組んでる場面が多くて嬉しかったです。ただ、今回はユミコさんとも組むことを意識してか、衣装的にコマちゃんとは全然合ってなくて、それがちょっとだけ残念でした。チギ&ミミはお揃いなのになあ↓
……いえ、コマちゃんは爽やか系の色が似合っているし、さゆちゃんは紅がよく映えるので、単体で観る分にはいいんですけどね~、と拗ねてみたりする。





あれ?思いのほか長くなってきたような……。
ここからがこのショーの肝心な部分なんですが、いったんここで切らせてください。

明日はいよいよ、4月25日。
天気予報どおりの、春らしいお天気になりますように(祈)



コメント

nophoto
hanihani
2010年4月27日17:31

コンメディア・デッラルテの面々が、楽は小鳥を肩とかいろんなところにつけていましたよ♪
聞いたら、杏奈ちゃんが鳥かごで沢山育てたとか・・・(笑)
そして登場後の銀橋では、にわさんがさゆちゃんの手を取ってキスしたり
ながさんがハグしたりして、さゆちゃん大人気となってました。こまちゃんもニコニコしてたし。
「雪景色」でこまさゆがすごく似合うので、ちぎみみ、こまさゆでW主演にしたらよかったのにと思ったんですわ。こまちゃんは芝居が達者なので(声も色々種類たあるし)さゆちゃんもそれをしっかりと受ける力があるしで、惜しい!!
って感じ。かなめちゃんがいたことで、この相性の良いカップルが本公演で出会いがなかったのが勿体なかったなぁと思います。
人と人の相性とかバランスって不思議ですよね・・・

さゆちゃんの赤いドレスは途中のゆみこさんとは似合いましたから、こまちゃんとの場面では特にラストとか着替えさせても良かったんじゃない?と思ってました。

ちぎみみがお揃いだし、銀橋出てくるんだもん、ねぇぇぇぇ

この公演で、カフェから美術館、そして仮面舞踏会の流れがほんときれいで好きでした。
見慣れないと、カフェとかごちゃごちゃしていて、あちこちで色んな人があれこれ小芝居していて・・・と良く判らない、疲れるというご意見もありましたが
「違うよー!それが面白いんじゃないのぉ」とちょっとジタバタしました。
あ、24日午前の友の会貸切りでは「ジタバタ友の会にはいりませんか?」とゆみこさんが誘ってましたので、すぐに入ったんだ~

そうそう、カフェ対決のひめvsじんじん、美術館の絵から抜け出す貴婦人のリサリサとかおりちゃんというのも稲葉先生、判ってるね! と誉めてあげたいです(笑)

みつきねこ
2010年4月29日1:24

順番にレス中です♪

>コンメディア・デッラルテの面々が、楽は小鳥を肩とかいろんなところにつけていましたよ♪

そうなんですね~。映像を見直してみたけど、小さくてよくわからなかった(涙)。
杏奈ちゃんの鳥籠、すごいですよね(@ @)。あんなものが似合ってしまう杏奈ちゃんって凄い!!と思いました。

>「雪景色」でこまさゆがすごく似合うので、ちぎみみ、こまさゆでW主演にしたらよかったのにと思ったんですわ。

思いましたよね~~~!!
いやぁ、心の底から同感ですわ。私はチギちゃん主演バージョンしか観ていないので、余計にそう思ったのかもしれませんが、でも、絶対似合ってましたよね!二組カップルのコメディ芝居とか、そういうのを観てみたかった…。

>こまちゃんは芝居が達者なので(声も色々種類たあるし)さゆちゃんもそれをしっかりと受ける力があるしで、惜しい!!

ホントですよねーーーー!!

>ちぎみみがお揃いだし、銀橋出てくるんだもん、ねぇぇぇぇ

ねぇ。せめて銀橋だけでもおそろいにしてあげてほしかったのにぃ……。

>見慣れないと、カフェとかごちゃごちゃしていて、あちこちで色んな人があれこれ小芝居していて・・・と良く判らない、疲れるというご意見もありましたが

そ、それ、私かも(汗)。でも、まさしく『それが面白い!』んですけどね。
もっとゆっくり観たかったなあ(T T)

>そうそう、カフェ対決のひめvsじんじん、美術館の絵から抜け出す貴婦人のリサリサとかおりちゃんというのも稲葉先生、判ってるね! と誉めてあげたいです(笑)

わかってましたね♪最近の若い先生は、そーゆー大事なところがわかってるひとが多くてうれしいです♪