宙組日本青年館公演「シャングリラ」。

子役の実羚淳くん、今日は出演していたようですね。良かった良かった。
公演もあと三日。ラストスパートがかかったところですよね、きっと。
みんな、がんばれ♪



今日も、昨日の続きで、思いつくままに書いてまいります。
ネタバレ、というより、観ていないと判らない(もしかしたら観ていても判り難いかも……すみません/汗)話になると思いますが、ご容赦くださいませ(^ ^)。




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「水は誰のものでもない」と語る、アイス(悠未ひろ)とラン(蘭寿とむ)。
「水はみんなのもの」と語るソラ(大空祐飛)。
「国はみんなのもの、と兄さんなら言うだろう」と教える、カイ(北翔海莉)。

『戦争前』の水は「誰のものでもなかった」……2010年の日本の水も、「誰のものでもない」んだと思うんですよね。
基本的には無限にあるものだから、それが可能になる。欲しいと思う人には行き渡るだけの量があるから。

でも。『核戦争後』の水は、「みんなのもの」になった。
昨日の日記で書いたとおり、水が限りある地下資源になったから。
欲しがる人に欲しがるだけの量を取らせるわけにはいかない状況だから、誰かが分配を管理しなくてはならない。それは、「誰か」のものでなくてはならない。もし独占されて困るのであれば、「みんなのもの」と規定する以外に、ない。




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ミウ(野々すみ花)を「足手まといだ」というラン。
「一緒に来てくれるか」と問うソラ。

ランにとって、ミウは「守るべき妹」であり、
ソラにとってのミウは、「一人前の女」で「恩人」である、という関係性が如実に出た会話だな、と思いました。
小柳さんは、『世界の構築』みたいな面では相当にぶっ飛んだタイプのクリエーターですが、こういう細かい台詞の端々のセンスは、結構好きです。
もしかしたら、木村さんとかと組んだら案外うまくいくのかもしれない、と思ったりもするのですが、どうでしょうね(^ ^;ゞ。


このミウとランの関係っていうのは、ネットとかで感想を読むといろんなご意見があるんだなーと思ったので、ここで猫なりの解釈を語っておきたいと思います。

最初にあらすじが発表された時は「ミウの恋人」だったはずのラン。
実際に舞台の幕が上がってみると「ミウの想い人」になっていたのにはちょっとウケたのですが、じっさい、ランはミウのことを「妹」として大切にしていて、ちょっとシスコンのケがある優しいお兄ちゃん、という感じなんですよね。
特定の恋人がいない場合、大事なパスワードに妹の名前を使いかねない兄妹には何人か心当たりがあるし(^ ^)、まあ、その程度のことかな、と。


でも。ミウの側は、「言えなかったあの言葉 伝えるため旅に出る」と歌うくらいには、ランに対してソレナリに本気だったんだろうと思えるのに、ランと再会した時点ではそういう気持ちが無くなっているのが判りにくいのかな、と思いました。

私が観劇していて“ここがポイントかな?”と思ったのは、九龍客桟の撃ち合いに続く場面。
自身の正体に怯えて「いっそ記憶だけでなく感情もなくしてしまえばよかったんだ!」と叫ぶソラを慰めるミウ。
ミウが、『守ってあげたい』と思った、初めての男。

今まで「巫女姫」として守られるばかりだったミウが、初めて「守ってあげたい」「救ってあげたい」と思った。それが、ミウの本当の意味での「初恋」だったのかな、と。
……そんなふうに思っていたので、私はミウの気持ちの変化はすごく滑らかにかんじられたのでした……。



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とりあえず(っていうか、いつもどおり?)年表を作ってみました。

・①アイスが軍隊を脱走する
・②アイスがヒョウとミゾレを拾う
・③カイが水源の村で眼を斬られる
・④ソラとカイの母親が亡くなる
・⑤ソラたちがアイスたちと出会う
・⑥(10年前)水源の村が国王軍に侵略される
・⑦(1年前) ランが蛇の目一座を抜けて東京へ向かう
・⑧(開幕) ミウが砂漠でソラを拾う
・⑨(1年後) ミウが蛇の目一座から姿を消す
・⑩(?)  ミウがソラを見つける


順序として、③⇒④⇒⑤なのは間違いありませんが、①・②と③・④の時間関係が不明。
ただ、水源の村での事件のあと、母親がそう長生きしたとも思えないし、他人が持っている水を容赦なく奪う人々が当たり前にいる世界で、子供二人がそう長く生き延びられたとも思えないので、③⇒⑤の期間はほんの一ヶ月とか、そんな程度なんじゃないかと思います。
そう思うと、①・②の方が先でいいのかな、と。

アイスとヒョウ・ミゾレとの関係については、もしかしたらご本人たちにはしっかりとした設定があるのかもしれませんが、ナウオンとかでは何も語られなかったので、ちょっとドラマティックなネタを二通り考えてみました。

(案1)アイスは両親が生きているころからヒョウとミゾレを知っていて、両親が殺されたときに引き取った。赤ん坊二人を育てるために軍隊に入り、辛い訓練にも耐えたが、リンチにあって脱走。施設(?)に預けていた二人を連れて逃亡中

(案2)赤ん坊の頃に親を殺されたヒョウとミゾレは、この時代の幼児収容所みたいなところで保護されたが、物心ついたころには追い出されて、物乞いみたいな生活を送っていた。軍隊を脱走したアイスに拾われ、一緒に逃亡中。……たぶん、アイスには幼い頃に死んだ妹か弟がいたものと思われる(^ ^;。

実際には、みなさんどういう設定で役作りしていらっしゃるんでしょうねぇ?
猫的には、最初から二人を知っていた案1の方がドラマティックかなと思うのですが、この後ソラやカイも拾うことを考えると、あんまりヒョウやミゾレとの関係が濃くなるのは違うかな、とも思うし……うーむ。



まあ、ここで問題にしたいのは、その順番よりも彼らの年齢なんですが。
『金髪の孺子』ではあるまいし、軍隊の指揮官として戦闘に参加した⑥の時点(10年前)で、ソラがローティーンということは考え難い。ということは、それから10年が過ぎて、砂漠でミウに拾われたときは、どんなに若くても25歳は超えているはず。
誰も年齢を言わないので確証はありませんが、まあ、27~8かな?という印象。

しかーし、③④⑤のソラは、言動から推測するに、どんなに幼くても10歳以下には見えない。
となると、⑥までの経過時間は、最大でも8年。……一介の脱走兵がまがりなりにも軍隊を持つまで、と思うと、ちょっと短いかな?でも、それ以上時間をかけるとなると、物語が始まった時点でのソラを37歳(←それはリック)とか、そういう設定にしなくてはならなくなるんだよな………。


アイスは、プログラムの回想シーンで「青年」と表記されているくらいなので、ソラやカイと出逢った時点で10代後半か、もしかしたら20代かも?
となると、物語の「現在」では30代後半か40以上、ってことですか。……髭がなくても若いとは限らない、と(T T)。


ソラとカイの年齢差は、子供時代を見た限りではせいぜい 2、3歳という感じ。
大人になってからのカイは、皆に守られてお蚕ぐるみで生活しているせいか、精神的に幼いままなのかな?という印象ですが。

精神的な成長が遅いからこそ、「守られるべき子供」でいられるんですよね、カイは。
あるいは、わざとそうして何もわからないフリをしているのかもしれない。家族の安定のために。

ソラは、そうはいかなかった。アイスと共に闘って、自分たちの生きられる場所を確保し、生きるための食料や水を確保する。最終的には軍隊を得てカイの仇を討つ。ソラには目標があり、目の前の課題があった。それを一つづつ解決していくうちに、彼はアイス以上に“大人”にならなくてはならかった……。


守られるべき“家の中の子供”になれたカイ。
“子供”を守るためにしか生きられなかった、アイス。

彼らを見守って、黙って立ち去る“かみさま”にしかなれなかった、ソラ。



誰が可哀相、というわけでもなく。
ただ、ずれてしまった歯車が、切ない……。




ヒョウとミゾレは、ソラよりも歳上の可能性も歳下の可能性も、どちらもあると思います。
……が、気持ちとしては二人はカイと同い年か少し下くらいなのかな、と思っています。アイスがシャングリラを支配するにあたって、基本的にはソラと図ってコトを進めたことが明らかなので。
まあ、ソラが非常に優秀だから、というのもアリかとは思うのですが。



蛇の目一座の年齢設定は、良く判らない……。
ランについては「あんたを見てるとランを思い出す」というフォン(十輝いりす)の台詞が、あのぶっ飛んだ衣装だけの話でないのならば、ソラとランは同世代、という解釈でいいとして。
ルイ(七海ひろき)がミウと同じくらい、ソウ(蒼羽りく)とコウ(愛月ひかる)が少し下。……まあ、そんなところでしょうか。
で、ミウは。最初の出会いのときにはちゃんと物心がついているけど、ソラよりはだいぶ幼い感じがするので、5,6歳くらい…かな?それだと、“今”は20歳前後。まあ、そんなところかな。薄着だけど。(まだ言うか)




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「レジスタンス」と「反乱軍」。

「反乱軍に身を投じた」と説明されたランが、実際にやっていたのは、いったい何なんだったのでしょう?

「反乱軍」というからには、「軍隊」と呼べるだけの組織があって、しかも局地的にであっても戦争状態になっているはず……ですよね?

たとえば、幕末の京都に潜伏する討幕派たちを「反乱軍」と言う人はいません。街中で出会いがしらの戦闘になることはあっても、それは『戦争』状態ではない。彼らは単なる「不穏分子」、せいぜい「レジスタンス(抵抗組織)」であって、「反乱軍」とはいえない。
ランたちだって、集まって何をしたかといえば、シャングリラの秘密を暴く(水源が枯れていないことを確認し、それを公表して世論を動かそうとする)くらいで、とてもとても戦争をしているという気概は感じられません。


まあ、そもそも、蛇の目一座を抜けてたった一年のランがリーダーになるレジスタンスが考え難い。
同じ放浪生活をしていたはずのランとルイでそう知識レベルが違うとも思えないから、ランだって一年前には「デンキって!?」とかしつこく訊いて、ブンジャク(鳳翔大)に嫌がられていたはずなのに(^ ^)。

それとも、「10年前」にそれなりの年齢だったランは、村の年寄り(?)の教えを受けて“戦前”の知識があったとか?だから、ルイとは勿論、ブンジャクと比べても知識量は上だった、とか……その可能性はあるのか。ランだけがモールス信号を知っていたくらいだもんな(納得)。



でもまあ、ランがリーダーとしてやったことは、たぶん、「レジスタンス」が精々の活動ですよね。

なのに、ところどころに「反乱軍」という言葉が出てくる。
たとえば、一幕冒頭で、近畿の砂漠をパトロール(?)していた兵士(風羽玲亜)が言う。
「貴様、反乱軍か?」と。
「国王軍に逆らうのか?」と。


そう。反乱軍があるためには、国王軍が存在しなくてはなりません。
戦争は、一人ではできないんですから。

でも。
……「国王軍」の一員であるはずのさっつんが、王(ソラ)の顔を全く知らないという状況は、どうなんでしょうか。
「ん?お前の顔、見たことがある……?」的なアクションさえなく、いきなり銃を向ける兵士。それは……国王軍の兵士ってそういうものなの?最高司令官の顔を知らない兵士だなんて。直属の上官しか知らない(知る必要のない)傭兵隊とかならわかるけど。



なんだか、いろいろと疑問を残しつつ。
とりあえず、今日はこのへんで。あと三日間、よろしくお願いいたします!



コメント

nophoto
さくら貝
2010年4月12日0:34

「サイド・ショウ」、すごく好評ですよね。
かしげさんとじゅりさん、じゅりさんの方が大柄な印象があるけど
スタイルが似てらっしゃるんですね。ちょっと意外。

そして、またもやすごく遡ってのレスで申し訳ございません。
どうしてもこれはお伝えしておきたくて。

> ランだって一年前には「デンキって!?」とかしつこく訊いて、
> ブンジャク(鳳翔大)に嫌がられていたはずなのに(^ ^)。
お目々キラキラな涙くんも、「お前うるさい!」の文雀さんも
可愛くて可愛くて仕方がなかったのですが、
この嵐様を想像すると悶え死にそうになります…

みつきねこ
2010年4月13日2:12

さくら貝さま☆

「サイド・ショウ」は、本当に面白かったです!お勧め~~~。
お二人のスタイルが似てるのは意外でした。かしちゃんって、イメージより背が高いんですよね。
物凄く細いけど、樹里ちゃんも細い(*^ ^*)。

で、本題(?)

>この嵐様を想像すると悶え死にそうになります…

でしょう~~~!!!
これ、誰も突っ込まないのが不思議で不思議でしょうがなかったのでした♪
蘭トムさん、本当にステキですよね(はぁと)