花組大劇場公演「虞美人」と、宙組バウホール公演「ジュ・シャント」を、二本まとめて観劇してまいりました。


「シャングリラ」ドラマシティ公演を無事終えたまさこちゃん以下のメンバーと一緒にバウを観て、水さん以下の雪組のみなさんと一緒に大劇場を観て、なんだか幸せに浸りきった一日でした(^ ^)



「虞美人」は、木村さんの作品が苦手な猫が観劇前に予想していたより、ずーーーっと面白かったです♪

まとぶんの項羽は格好良かったし、壮ちゃんの劉邦が華やかでとても良かった♪
ただ、(白華)れみちゃんの役(戚夫人)が予想外にやりようのない役で、それがかなり残念でした。なんだろう。彼女自身のドラマが描かれてないのは仕方ないと思うのですが(←木村さんだから)、せめて劉邦の心を救う天使としての存在意義を与えてあげてほしかったと思いました。そのためには、劉邦の苦しみ(「私は誰のことも愛したことが無い…」)を唐突なナンバーひとつで説明しようと無理なことをしないで、もっと前から伏線をはっておくとか、もう少し場面を与えて、その苦しみに説得力をもたせるべきだと思うんですよね。
人の心を惹きつける華やかな覇者らしさ、「豪放磊落」を劉邦のキャラクターを説明するキーワードにするならば、「誰のことも愛したことが無い」はありえんだろうに。

せっかく、れみちゃんの戚夫人を観に行ったのになー(涙)。
ラストの下手花道だって、出てることにも気づかない方が多そう…(涙)。とても良い表情でお腹を撫でているので、観てあげてくださいね。(←上手花道から戚夫人を睨んでいる呂后/花野じゅりあも素敵です♪)(しかし、あの場面が冒頭のプロローグに繋がっているというのは、初見ではちょっと判り難いのでは(T T)。



まあ、でも、項羽と交わした“義兄弟の契り”の証が残る手を凝っと視ながら全てを呑みこむ漢の高祖(劉邦)はとても良かったし、「二人を偲び、紅い花をこう名付けよう…」と詔しながら歌う「虞美人草」にはかなりぐっときました。

大陸の広い空間を舞台に繰り広げられる複雑な大河ドラマを、よくまとめて一本の芝居に仕上げたな、と思います。
白井さんの脚本がどうだったのか全く知らないので比較できないのがとても残念です。どなたか初演をご存知の方、変更点をまとめてくださらないかしら……。




っていうか。
この話って、ぶっちゃけ主役は張良(未涼亜希)と范増(夏美よう)ですよね?
なんというか、「三国志」を題材に「劉備と曹操」みたいなタイトルで脚本を書いたけど、いざイタに乗せてみたら、主役は諸葛孔明だった……みたいな感じ。

で。
観劇してから、新人公演のキャストを思い出して、ちょっと奮えました。
だって、新人公演って、張良=アーサー(煌雅あさひ)、范増=真瀬(はるか)ですよっっ!!
楽しみすぎる……。


と、ちょっと話がよれてますが、速報はこんなところで。
続きはまた後日。





次に、宙組バウホール公演「ジュ・シャント」。

私。実はこの作品、タイトルを勘違いしておりまして(^ ^;。
正しくは「ジュ・シャント」。「ジュ・テーム」の「ジュ」=「私は」、「シャンソン」の「シャン」(っていうか、カンツォーネの「カント」のフランス語読み?)=「歌う」で、「私は歌う」というタイトルなんですね。あははは。この日記は一応修正しましたので、間違いに気づいていらした方、忘れてください(滝汗)


いやぁ、カチャ(凪七瑠海)と(花影)アリスのお似合いっぷりが凄かったです!(*^ ^*)。
似合うだろうなあと思っていたし、「カサブランカ」でも似合っていたし、稽古場映像でもすごく良かったけど、その予想をさらに大幅に超えるお似合いっぷりでした!!
お人形みたいでかーわーいーいー!



カチャは、一幕のポジティヴで明るい、天才肌のアーティストっぷりがよく似合っていました。溌剌とした若さと少年性、ピーターパン的な存在感が、役としてうまく生きていたと思います。
一幕でコンビを組むジョニー(鳳樹いち)との並びもよくて、とにかく「生きることが楽しい!」というパワーがありました。

二幕も、シャルルは永遠のピーターパンみたいな人なので、カチャのキャラには合っていたと思います。ただ、物語がどんどんシリアスな方向に行くと、ちょっと浮いてしまうというか、そのシリアスな世界を泳ぎきろうという気概はあまり感じられなかったなあ……本当にピーターパンなんじゃないか、と思いましたわ(^ ^;ゞ
あと、ちょっと「シャルル・トレネ」の役を演じるには、歌が若干厳しかったかなあ……。
原田さんも、初主演でいろいろ大変なんだから、もう少し音域を考えてあげればいいのに、と思いました。(カチャは低音が非常に弱いので…)



いちくんのジョニーは、一幕はシャルルの相方として大活躍。出番も多いしナンバーも多いし、しかもその全てをきっちりこなしていて、物凄く格好良かったです♪
そのぶん、二幕はあまり出番が無いのですが(←現実にも、シャルルが兵役に赴くのと前後してコンビは解散し、復帰したシャルルは別の人と組んで活動を続けた)、レビューシーンのダンサーとして踊ったり、出番は少なくてもめちゃくちゃ素敵でした(*^ ^*)。



みーちゃん(春風弥里)は、ジョニーとは逆に一幕はほとんど出番無く(←最後の3分くらいかな?)、でも、その分を取り返すかのように二幕はいい芝居をみせてくれました。
さすがに上級生の貫禄があって、とても魅力的でした。
新人公演なんかでは専科さんの役でさんざん主役を食ってきた人ですが、今回はちょっと脚本的に穴のある役なので苦戦していたかな。でも、そこを自力でカバーできるようになったら鬼に金棒だな、と思いました★
ぜひぜひ、次に繋げるためにも、がんばってほしいと思います!





で。

この作品の主演は、どう考えてもミスタンゲットの美穂圭子、だったと思います(真顔)。
凄かった!!美穂さん、専科に行って弾けたなあ……。ここ数作、やる役やる役どれも全部アタリ役じゃないですか?
素晴らしいです、本当に。また宙組に出演してくださいね~っ!!




磯野さん・すっしーさんのベテランコンビ(←この二人は“親友”だったらしい)も良かったし、
その二人に伍して渡り合う演出家役のえなちゃん(月映樹茉)も、とても良かったです(*^ ^*)。えなちゃん、まだ研4なのに、どうしてそんなに巧いんだ(汗)。で、二幕のフランス兵とかの小芝居はいったい(^ ^;ゞ。やっぱり92期は侮れないわ……。



モンチ(星吹彩翔)は、一幕でシャルルと一緒に撮影所の小道具係をしていて、ちょこまかと小芝居していたのがめっちゃ可愛かったです♪撮影所をクビになるシャルルを心配そうにみつめているところとか、あの大きな目がうるうるしていてとても印象的。
あとは、レビューシーンでいちくんと対で踊っていましたね。さすがにキレイなダンスだなあ、と。
今までモンチは(蒼羽)りくくんと対になってることが多かったのに、今回は珍しくピンで、しかも良い役で嬉しかったです(いや、ドラマシティ組の二人も凄く良かったんだけど)。
みんな、次の公演が楽しみだなあ★



あっきー(澄輝さやと)は、二幕はみーちゃんの部下のドイツ将校。だいぶ台詞も良くなってきたなあと感心しました。こういうのは、諦めずに台詞を与えて強制的に芝居をさせるっていうのも大事な育て方なんだな、と納得しましたね。
一幕は撮影所スタッフのアルバイトを(?)。今回の座組は、宙組にしては小柄な人をバウにそろえているので(←みーちゃん以外)、その中では、その長身と抜群のスタイルがめっちゃ目立ってました。さすがビジュアル派、カッコいい(*^ ^*)。




女役陣では、とりあえず美風舞良さんがミスタンゲットのマネージャー(?)みたいな役で、いつもの弾けっぷりとは違い、きっちり抑えるところを抑えていたのはさすがでした。個人的にははじけた美風さんが大好きなので、ちょっと残念でしたけど(^ ^)。
えっちゃん(大海亜呼)は、、、撮影所のメークさん、なのかな?すみません、撮影所のシーンは常時わらわらと人がいるのでそれぞれの仕事が今ひとつわからなかったのですが、ダイナミックなダンスをたくさん見せてくれて格好良かったです♪ あと、二幕のレビューシーンでは、舞姫さんと二人でダルマになっていて、すごい迫力でした(*^ ^*)。原田さん、やるなあ(^ ^)。





作品については、楽が終わってネタバレ解禁したら少しコメントしたいと思います。
が、とりあえず、原田さんGJ、かな♪

宙組っ子一同、みんな楽しくがんばっているようなので、ぜひぜひ皆さま観に行ってあげてくださいね★


ただ、時代も場所も宝塚で良く取り上げられるところ(←特に、「カサブランカ」直後の宙組ファンは良く知っている)だし、二幕の展開もありがちな展開なので、もしかしたら、長くファンされている方は既視感があるかもしれないな、と思いました。

ま、でも、脚本的には良く出来た佳品だったと思います。新人演出家のデビュー作品としては充分な出来なんじゃないでしょうか。
「BUND NEON~上海」とか、「シャングリラ」とかとは、基本的なストーリーの破綻レベルが違う、っていう感じ。
……だけど、「BUND NEON」や「シャングリラ」が「ジュ・シャント」に比べてつまらないか?と言うと、全くそんなことは無いんだから、不思議なものです(^ ^;ゞ。





ちなみに。この作品を観終わって最初に思ったことは、カチャでピーターパンが観たい!!でした。(←かいちゃんもグラフで書いてたな…)
アリスのウェンディもぴったりじゃないですか?あと、フック船長はみーちゃんで、タイガーリリーがえっちゃん、とか、どうです?(^ ^)

……ティンカーベルは、ぜひぜひ、藤咲えりちゃんで!!
(←はいはい)



コメント

nophoto
さくら貝
2010年3月31日2:12

お久しぶりです(^^)週末に、やっとバウに行ってきました。
観劇まで、宙組関連のサイトは極力見ない!という苦行に挑んでいたので
こちらにもお邪魔できませんでしたが、やっと読めました~
シュタイネル少佐に感情移入しまくって、しばらく腑抜けておりました。カッコよかった…。
美穂さん、素敵でしたねぇ…(うっとり)
日記(DiaryNoteの)に、ねこ様へのメッセージを置いておきましたのでご確認ください。

みつきねこ
2010年4月1日0:14

さくら貝さま(はぁと)
コメントありがとうございますーーー!!
行ってらしたんですね☆やっぱり。なかなかの佳作でしたよね、「ジュ・シャント」。
みーちゃん格好よくて、本当に素敵でした。最近、役の幅が拡がっていて嬉しいですね。
次ではどんな役で魅せてくれるのでしょうか……。

そして、素敵なメッセージをありがとうございます♪
さっそく読ませていただきました♪♪貴重なモノ、ありがとうございましたm(_ _)m。