宝塚歌劇宙組 ドラマシティ公演「シャングリラ ~水之城~」。



やっと遠征から帰ってまいりました。
速報も書きましたが、なんというか、荒唐無稽な話でした(^ ^)。
無茶苦茶、ともいう……かもしれない(^ ^;


でも、楽しいです(はぁと)。
下級生までちゃんと役がついていて、みんながすごく頑張っているんだもん。
本当に楽しそうにやっているから、観ていても本当にたのしいです。




ただし。
理屈を考えてはいけません。


観劇後の印象でいうと、ちょっと「BUND NEON ~上海~」っぽいかも。
とことんキャラ萌えで、理屈を説明しようとしてはいけないところが。

でも、「BUND NEON」よりは、ストーリーのまとまりはあるかも。
……僅かな差ですが(^ ^;ゞ。





何から書いていいのか判らないので、キャストごとにコメントをしてみます。
基本的にネタバレは避けるつもりですが、ナウオンステージの最初の自己紹介でみっちゃんがバラしていたネタと、それに関連する(公演を観たら最初の10分でわかること)は書いちゃいますので、ご容赦くださいませ。
……そこをバラしてしまうと、隠しておくことなんてほとんど残らないんですけどねぇ(滝汗)。





■空(ソラ) 大空 祐飛

『近畿地方の砂漠』に倒れていて、ミウに拾われた青年。
蒼と白の混じった髪、空のような蒼い瞳。一目で「余所者(外国人)」とわかる外見。
ボロボロの上衣にくるまって、水も持たずに砂漠に倒れている。いったいどこから来たのか、どうやってココ(←砂漠の真ん中)まで来たのか……?

目を醒ました彼は、ミウに問われるまま「わからない…。覚えていないんだ。気がついたら、砂漠を彷徨っていた。それより前のことは、全く思い出せない」と答えます。
そして、「綺麗な空みたいな目の色だから、そして、記憶がなくて空っぽだから」という理由で『ソラ』という名前をつけてくれたミウのために、シャングリラへと旅立つ……。

闘いの訓練を受けた形跡があったり、いろいろと謎の多い男ですが、何か魅力があるらしく、あっという間に人々の信頼を得て、ミウの笑顔を取り戻したりします。「余所者」というよりは、むしろ幸運をもたらす「恵比寿神」みたいな扱いになっているのは、ソラ自身の持つ魅力と、そして、彼を拾ってくれた「蛇の目一座」が本質的に神楽を演じる神職の一座だから、なのでしょう。

とりあえず。
確かに、『今までに観たことのない大空祐飛』でした★なんたって、「今からでもやり直せる!」(@ @)って諭しちゃうんだよ!今まで言われてばっかりだったのに……(ホゲとか、ホゲとか、ホゲとか)

主役らしい主役をやっている祐飛さん、って、珍しいような気がするんですよね。
基本的な物語はソラの視点で動いていくし、ある意味ソラがすべての焦点となるのですが、なんというか……やっぱり敵役っておいしいんだな、なんて贅沢なことを思ったりはしました。


でも。
最後の場面がいいんだわ……(*^ ^*)。
ああいう場面を創ってもらえる、っていうのは、主演の醍醐味だなあとさえ思いました(^ ^)。




■美雨(ミウ) 野々 すみ花

旅芸人の一座「蛇の目座」の踊り子。
元は、関西のどこかにあった“水源”(←この時代は、雨が放射能に汚染されているので、飲めるのは湧き水だけ)を護る神官の娘で、水神に選ばれた巫女。

兄とも慕うランが一座を出て行ってから一年。以来、笑顔を見せることも減って仲間たちに心配されていたけれども、ソラと話していると、また笑顔を浮かべるようになった……らしい。
ソラが持っていた青玉の首飾り(元々は村に伝わっていた宝物で、神官である父親の形見。旅に出るランにミウが持たせたもの)を見て、『東京のどこかにある』という噂のある『シャングリラ』にいるランを探す旅に出る。

その旅に同行する一座の仲間たち、そして、ソラ。
ミウと一座の仲間たちは、ランを探すために。
そしてソラは、自分自身を探すために。



十年前。ミウたちが暮らしていた村は「王」に侵略され、神官(ミウの父親)は殺された。
ミウはそのとき、ランと共に父を殺す「王」を見たはずなのに、全く覚えていないらしい。ただ、恐怖と混乱だけが残っているんですよね。

ちなみに年齢設定は、ソラが20代半ばから後半、ミウがその5、6歳下ってところなんじゃないかと思います。根拠は微妙にネタバレなので省略しますが、これが正しいとすると、十年前にミウは十歳前後=小学校高学年ってことになりますよね。もうちょっと覚えていてもいいと思うんだけどなあ……。

……なんて、アレコレ考えちゃいけないんだってば!!


コホン。
今回のすみ花ちゃんは、『神に選ばれた踊り子』という設定で、久しぶりにダンサーとしての本領を発揮してくれています。オープニングから続いているダンスシーンでの、まさに『神に選ばれた』魅力的なダンスは必見!すごく可愛いし、目を惹きつける。
本当に神事で踊る場面とか、客の前で踊る場面があったらよかったのに……と思いました♪




■嵐(ラン) 蘭寿 とむ

ミウの属する蛇の目一座の座長(十輝いりす)の息子だけど、一年前に一座を抜け、レジスタンスに加わるために東へ向かったらしい。

リーダーシップのある、頭の良い人なんですよね。ただ、「連れて行って!」と言うミウに「お前が抜けたら一座が困る」と諭しているところを見ると、彼自身は特別に人に見せるような芸を持っているわけではない……の、かな?


ミウとは恋人未満、というか、まあ仲の良い兄妹くらいの関係。レアティーズとオフィーリアほどもベタベタしていなくて、もっと普通な感じです。ん~っと、「ブラッディ・マンデイ」(ドラマは視ていないので、原作漫画のイメージですが)の高木藤丸・遥兄妹くらいな感じかな。って、誰にもわからないか(^ ^;ゞ。
「蛇の目一座」は元々『神官の一族』だという設定があるので、おそらくミウとランも又従兄妹とか、そのくらいの血のつながりはあるんじゃないかと思います。

まあ、ランの方はあくまでも「可愛い(ちょっと心配な)妹」くらいな感じですが、ミウはめちゃくちゃブラコンだった…という設定ではあるようです。
当初のあらすじには「恋人」と書いてあったし、「昔なじみの女」などと言われるくらいだから、構想段階ではちゃんと恋人設定だったんでしょうね。
すみ花ちゃんの歌う
 ♪言えなかったあの言葉 (←「好き」という言葉のこと)
 ♪伝えるため旅に出る
という歌がとても素晴らしいので、どうしてその設定をやめてしまったのか不思議な気もします(^ ^)。まあ、エピソードが多すぎるので整理していくうちに削られてしまったのかな、という気もしますが。でも勿体無い…。


でもって。
とりあえず、オープニングの蘭トムさんのダンス、滅茶苦茶格好良いです!!!必見。(←あの~、隣で踊ってる蒼い髪の人はどーなんですか…?)(沈黙)




■風(フォン) 十輝 いりす
■雲(ユン) 鈴奈 沙也

「蛇の目一座」の座長とその奥方で、ランの両親。

「お人よしのフォン」と呼ばれるだけあって、「蛇の目一座の名がすたる!」と言っては面倒ごと(行き倒れを拾ったり、長い旅に出たり)を引き受けて生きてきたらしい。そんな旦那を笑顔で赦すユンも、とても素敵(はぁと)。
ずいぶんな学年差のあるカップルですが、まさこちゃんの包容力もあって、案外お似合いの良いコンビでした。


基本的にはトボケたキャラのフォンですが、何か決意をしたとき(ソラを一座に加わるよう誘うときとか)に帽子を被りなおす癖(?)があって、そこはすごく格好よいです。
特に、二幕の半ばあたりだったかな。「傘を貸してくれ」と言う場面があるんですけど、そこが滅茶苦茶格好良かった!(*^ ^*)めっちゃツボです★

ちなみに衣装は、他の座員も含めて「一張羅なんだ」という台詞があるとおり、着替えは無しでした。
まさこちゃんはお髭に紅い帽子とベスト、紅いチェックのズボン。鈴奈さんは派手な着物にハイヒール&網タイツという、なかなか刺激的な服装。どちらも良くお似合い(^ ^)でした♪




■涙(ルイ) 七海 ひろき
■蒼(ソウ) 蒼羽 りく
■紅(コウ) 愛月 ひかる

「蛇の目一座」の座員たち。
今ひとつ関係がよくわかりませんが、ソウとコウは兄弟っぽかったかな?
3人で踊る場面が何度かあって、結構手に汗握りつつ楽しんでいます。3人とも可愛い♪そして、カイちゃん、がんばれ!


ルイは「詩や曲も創る」と紹介されるとおり、一座の中の音楽面のクリエーターという位置づけのようです。
そして、彼自身は作家になりたいという夢があって、旅の記録をとっているらしい。この物語も、蛇の目一座の旅に関してはルイが語ってくれます。
ちなみに、ルイはミウに片思いしている、という設定もあって、いろんな意味でかなりおいしい役の筈なのですが、いまひとつハジケきれていない、というか、ハジケるべき場面を削られてしまったように見えました(T T)。
せっかくカイちゃんがいい味出してるのにな~。


個人的には、カイちゃんのカイ(←真顔)が観てみたかったです(^ ^;



■氷(アイス) 悠未 ひろ
■海(カイ) 北翔 海莉

シャングリラの支配者たち。
最初のうちは、よくわからない会話(「消息不明!?」とか)をしている二人(+ヒョウ・ミゾレ)ですが、物語が進むうちに徐々に判ってくるので、聞き流さずに一生懸命聴いておいてくださいね。。
みっちゃんもともちんも滑舌が良いので、意味不明な会話でも耳に残って、答えあわせしやすくてありがたいです♪


ちなみに、ナウオンの自己紹介で、みっちゃんがいきなり「ソラの弟の、カイです」と名乗ったのには吃驚しました……それって一番のネタバレだと思うんだけど、いいのか?(汗)
(ちなみに、実際観劇すれば十分でその関係はわかります)(←ネタバレっていうかなんていうか)

そして。
ソラの弟である以上、名前のバランスから言うと、弟は「ウミ」であって欲しかった……んですけどねぇ。
カイの髪は緑メッシュ、アイスの髪は白メッシュ。
そして、ヒョウとミゾレの髪は、白がベースでところどころに黒が入っている、という感じ。
蒼白メッシュのソラと合わせて、シャングリラのメンバーは全員が「余所者」。その設定を、ビジュアルからも象徴的に見せていくところはさすがだな、と思いました。




■雹(ヒョウ) 蓮水 ゆうや
■霙(ミゾレ) 藤咲 えり

シャングリラで、カイやアイスに仕える双子の兄妹。

稽古場レポートで、自分たちのことを「感情の起伏のない、アンドロイドのようなキャラクター」だと言っていましたが、実際にはそんなでもなかったです。部下として仕えてはいるけれども、心の底には情があって、それがすごく濃いのがちゃんと伝わりました。
もう少し、脚本的にそのへんを取り上げてもいいのに、と思うのですが、やっぱりエピソードが多すぎて手が回らないんだろうな……(凹)
ちーちゃんもエリちゃんも、台詞はなくても自力でフォローしているところが凄いです(*^ ^*)

ま、とりあえず、この二人はこの作品一番の萌えキャラですので、ご期待くださいませ。二人とも、本当に素敵ですから(はぁと)。
あ。一つだけアドバイス。一幕半ばの九龍客桟の場面でのエリちゃんのチャイナドレスは、見逃してはいけないポイントですが、そこだけに注目しすぎると、突然に戦闘が始まりますのでご注意を。
私は、三回目になってやっと展開がわかりました……(←どうよ)




余談。

本来、脚本的には一番の萌えキャラはカイであるべきだと思うのですが、みっちゃんはちょっと真面目なところが出てしまって、萌えキャラに必要な『すべてを捨てて何かを求める』(だからこそ闇に墜ちてしまう)ところが、ちょっと弱かったような気がします。
なんでもできるみっちゃんにも、初めてのことはある!ということで、青年館にむけて、これからのカイの変化を楽しみにしています(はぁと)



まだまだ続く…予定、です☆



コメント

nophoto
hanihani
2010年3月17日15:36

お友達ブログをみていたら、”そんなこんなは「宙組ビジュアル軍団のプロモーション・ステージ」だと思えば”と書いてあって、観劇方向を教わったって感じで
ねこさまの感想を拝見してます。

お茶会も楽しかったようで4/1の観劇が楽しみだなぁ~
土日のチケットも廻ってきたのですが、土曜日は友人の舞台とキャラメル
日曜日は宝塚検定なるものに挑戦してこようと思ってるので行かれないのです。
31日とか観たいので、もしも周囲でキャンセルが出たら呼んでくださいませ。

ほんとこんな忙しいときに公演してくれて、目が廻りそうですよね。
(あ、雪組初日が26日だったし)

みつきねこ
2010年3月18日4:31

>宙組ビジュアル軍団のプロモーション・ステージ
まさにそんな感じです(^ ^;ゞ。
突っ込むのが楽しい、と思って視るべき作品ですね。脚本的な完成度の高い作品は「カサブランカ」で堪能したので、今回がこういう作品なのも悪いことじゃないような気がします。

31日ですね。見つけたらご連絡します♪……私も観たいけど、上司の送別会が入ってしまった……(しょぼん)



宝塚検定、こんな時期でなければちょっとくらいは考えたんだけど。ぜひぜひ、がんばってくださいね。
もうすぐ雪組も始まりますね。大劇場では観られなかったので、すごく楽しみです♪