ハプスブルクの魂の光
2010年3月1日 宝塚(星) コメント (4)東京宝塚劇場にて、星組公演「ハプスブルクの宝剣/BOLERO」を観劇してまいりました。
でも、またもや余談。
教は月組の「スカーレット・ピンパーネル」の集合日でした。
なのに!配役が出ない!!新人公演主演さえも出ないなんて~~~っ(嘆)
いったい何があるとゆーんだ、配役。ショーヴランの役替りだけでもうお腹一杯だとゆーのに(T T)。
東宝劇場公演千秋楽付けでの卒業が発表された紗蘭えりかさん、鼓英夏さん、愛那結梨ちゃん。
あああ、88期も二人(紗蘭・鼓)抜けて、残り五人か……寂しくなります。ふんわりとした存在感が魅力だった紗蘭さん、下級生の頃から小芝居の女王だった鼓さん。そして、研5での卒業となる愛那さん。……(安里)舞生ちゃんと同期だけど、四月をまたいで研5になるから、大階段はちゃんと降りられるのかな。本当に、あんまり下級生で卒業するのは本当に勘弁してほしいですよね、応援している方々の立場にしてみれば……。
みんなと素敵な思い出をたくさん作って、悔いなく卒業できますように。
さて、それでは、本題の星組公演。
お芝居は、作・演出植田景子。藤本ひとみさんの小説を原作とする、グランドロマン的なスケールの大きなミュージカル。
シルヴェスター・リーヴァイ氏作曲のオリジナル主題歌「魂に宿る光」が、さすがの素晴らしさでした♪
私は原作は未読なので、純粋に舞台だけを観ての感想になりますが……。
フランクフルトでユダヤ社会の裏切り者となったエリヤーフー(柚希礼音)が、ウィーン宮廷で孤独をかこっていたロレーヌ公フランツ・シュテファン(後の神聖ローマ皇帝フランツ一世)に救われ、ハプスブルクを救う影の功労者・エドゥアルトになる……というストーリーは、藤本氏らしい無茶な物語ですが、ネタが壮大で面白かったです。
原作はきっと全然違う展開なんだろうな、、と予想しつつ、ちょっと興味が湧いております(^ ^;ゞ
マリア・テレジアとフランツは、当時としては珍しい恋愛結婚。実際には色々と(ウィーン宮廷の因習とか、国際関係とか)あったにせよ、フランツの、国政には関わらずに名ばかりの皇帝として愛する女性をサポートし、子供たちを可愛がる有能で優しい夫というイメージは、マリア・テレジアの宮廷の信頼を高めるのに効果的でしたし、実際、30年足らずの結婚生活で16人の子供を儲けた二人は本当にラブラブだったんだろうな、と思います。
ハプスブルク家の出身らしく癇癪もちのマリア・テレジアとは、喧嘩をしたことだってあったでしょう。そもそも、国政に関わらなくなったのは、彼女との対立を避けようとしたためだし。
それでも、祖国ロレーヌを手放して(フランスに譲渡して)までもマリア・テレジアとの結婚を選んだ……いやむしろウィーンへ「嫁いで」きたフランツには、もう還るところはなかったのですから。
その「還るべき場所の喪失」で共鳴したフランツとエドゥアルト。二人の友情がとても切なく、そして美しい。
いやはや。
マリア・テレジアとその夫君には、元々興味があったのですが。
私の持っていたイメージに、テルくん(凰稀かなめ)のフランツ・シュテファンが見事に嵌っていたことに驚きました。なんといっても、「嫁いできた」感があるところが素晴らしい!さすが受身芝居の皇帝陛下。こんなにぴったりなキャストは無い!くらいに盛り上がってしまいました(^ ^;ゞ。
また優しいんだ、テルくんのフランツは。そういえば、クライド(「凍てついた明日」)も優しかったなあ……。あの後しばらく漂わせていた虚無感をやっと振り払って、今回のテルくんはすごく綺麗です。綺麗で優しくて、オンナノコが夢見る王子様そのもの。存在感を主張しすぎず、ただ綺麗なだけのお人形でいるために、大変な努力を払っている人だと思う。
それに対する礼音くんのエリヤーフー/エドゥアルトは、なかなか難しい役でした。
前半は、ユダヤ人として理想を抱き、教えを広めるためにその根幹を成すトーラー(律法あるいはモーゼ五書)をドイツ語に訳そうとする、優秀な青年エリヤーフー。
中世は、キリスト教もラテン語聖書しか無かったんですよね。訳すためには、神の詞を訳者が解釈しなくてはいけないのに、その解釈が正しいか否かの判定が非常に難しいから、書物は書物で持ちつつ、口頭で解釈を伝える師が力を持つわけですが。
……この時代のユダヤ人社会って、いったいどんな社会だったのでしょう。ユダヤ人社会、といえば「屋根の上のバイオリン弾き」が浮かぶけど、あれは時代も場所も全く違うし。
ただ、宗教的に「行動」を重視し、さまざまな「しきたり」(いずれもトーラーに由来がある)の色濃く残るユダヤ集団が、非常に保守的で閉じられた社会であったことは間違いないでしょうね。
そんな中で、新しいことに挑戦することは、非常に危険なことなのかもしれません。
結局彼は、アデルハイド(夢咲ねねの二役)との逢引を彼女のフィアンセ(壱城あずさ)に見つかり、決闘となって殺してしまうことで、完全にユダヤ社会からは排斥される訳ですが。
実際にはそれより前に、トーラーのドイツ語訳そのものが家族によって否定されているんですよね。自分の『魂の光』を否定された彼が、社会に順応できるはずもなく、彼の出奔はそのときに定められた運命だという気がしました。
…ただ。そう考えると、アデルハイドとの恋が展開的に意味がないというか、モーリッツが無駄死にというか、、、(^ ^;ゞ。
ちなみに。私は、しーらんは傷ついただけで生きていると思っていたのですが、脇に運ばれた後で亡くなる芝居をしているそうですね。……これは、あとでラストシーンで重要になるので、ちゃんと観ておけばよかったと思いました(T T)。
そのままエリヤーフーは逃亡してフランツに救われ、“エドゥアルト”という生き方を選ぶ。
ここって物語的に重要なところだと思うのですが、二人の出会いとか、改宗にいたるきっかけとか、そういうものが描かれていない(説明のみ)のがとても残念でした。礼音くんの芝居からもそのあたりの事情は伺えなくて、もどかしい感じ。
原作にはそのあたり、丁寧に描かれていたりするのでしょうか?
(っていうか、改宗した事実はプログラムを見て初めて知りました……そんなコト言ってた?)
ねねちゃんは、女王マリア・テレジアと、フランクフルトの裕福な家(?)の娘アデルハイドの二役。
芝居はしっかり別人として造り込んでいて良かったのですが、髪形が同じようなイメージだったのがちょっと残念。女王と平民なんだから、もう少し違いを出したほうがよかったんじゃないか、と思いました。
それにしても。
ねねちゃんと礼音くんの並びも華やかでよく似合うコンビだと思うですが、ねねちゃんとテルくんとの並びも素敵ですよね!! 今回、100分間のお芝居のほとんどの時間、ねねちゃんはフランツの妻マリア・テレジアとして過ごすので、ずーっとフランツと並んでてくれてうっとりしちゃいました。
それにしても、エリヤーフーとアデルハイドは普通にトップコンビらしい恋人同士ですが、エドゥアルトとマリア・テレジアはすごく微妙で、宝塚では珍しい関係だな、と思いました。
涼さんはフランツの側近・ジャカン。私は最初、深読みしすぎて彼は悪役なんだと思ってました(汗)。「紫子」の外記みたいな感じかな、と。実際には定嗣系の役でしたね。……フランツを愛していたかどうかは知りませんが(^ ^;ゞ。あ、でも、マリア・テレジアと良い雰囲気になるエドゥアルトを邪魔するために、エドゥアルトにとっては致命的な暴露(ユダヤ人であること)をするのはフランツのためだと思うので、やっぱり愛しているのかしら。
宮廷服が良く似合う王子様なのは基本なので特にコメントすることもないのですが、相変わらず素敵でした(*^ ^*)。
ハンガリートリオの彩海早矢・夢乃聖夏・紅ゆずるは、皆衣装が良く似合ってて素敵でした♪
良い場面だったし、この3人でちゃんと持たせられるんだなあ、と感心しました。
ただ、エドゥアルトがハプスブルクを救う唯一のエピソードなのに、彼の偉大さでハンガリー人たちも従ったぞ!すげーーっ!!とかではなく、単に旧知の仲だったというオチが……と思ったのは事実ですが。
原作だと、もしかしたらその「昔の戦争」が話も出てきたりするのでしょうか…?そこで英雄的な働きをしていて、だから無理な願いも訊いてもらえる、とか。何か、そういうエピソードが欲しくなる感じだった、かも。
イロイロ飛ばして、おそらく初見で一番印象に残る人物の一人であろう、少女オルガ(稀鳥まりや)。
私はキトリちゃんが大好きなので、彼女が登場するだけで結構幸せなんですが。
真直ぐな笑顔がとても可愛らしい人なので、ああいう役はぴったりだなあ、と思いました。暗さのない、ふんわりとした明るい可愛らしさがありますよね。人の気持ちを引き立てて、暗闇から救ってくれるような明るさ。
いや、ああみえても「エル・アルコン」の女海賊ギルダが似合ったりする人なんですけどね。七色のオーラを持っていて、声の強さと身体能力の高さが役の幅を広げていると思うのですが。
それにしても、可愛かった~~~!!(←結局それ?)
ただ。あのエピソード自体には、無理矢理感があったなぁ、と。
故郷を追われたユダヤ人たち(家族)に出会って、自分の行く末を見失ったまま、ホヘンフリーデベルクの闘いに敗れて傷ついた彼を助けてくれた少女オルガが、トーラーのドイツ語訳を持っていた。ディアスポラ(離散)の時代、ラビの訓戒も思うように得られないときに、『読める聖書』がどれだけ重要なものであるか。「これがあるから、あたしたちは大丈夫」と軽やかに微笑む少女によって、彼の中のエリヤーフーの部分が救われるのは、展開として正しい。
でも、エドゥアルトの部分まで同時に救われてしまうのが、とても不思議 でした。
だってエドゥアルトは、信頼篤い旧友のハンガリー人たちを全滅させてしまったわけですよね…?ホヘンフリードベルクの戦いは、オーストリアの惨敗。ハンガリー軍は壊滅し、彼自身も生死の境をさまよってオルガに救われる状況。
なのに、どうして?
もう『エドゥアルト』では居られない彼が、新しい名前を得ようとするのではなく、『エリヤーフー』に戻る決心をするのは理解できるような気もしますが、なんとなく釈然としない……展開に無理があるというか、礼音くんが最初からエリヤーフーすぎるというか。
ちょっと微妙な気がしました(^ ^;ゞ。
フランツの弟カール大公の真風涼帆さん、マリア・テレジアの妹マリア・アンナの音波みのりちゃん。まさに宮廷を彩る花、華やかな美男美女にうっとりしました(はぁと)。
いや~、美しいことは良いことだ♪ 新公では、真風くんがフランツ、みのりちゃんがエリヤーフーの姉ドロテーア(本役琴まりえ)。真風くんはもちろん、みのりちゃんも良いところに来てますね♪ 今後が楽しみです♪
エリヤーフーの学友たちに好きな子が集まっているので、あまりの出番の少なさにちょっと凹みました。でも、皆格好良かった!やっぱり天寿光希くんは好みらしい。髪が長くていつもと頬のラインが違うのでしばらく誰だかわからなかったのに、「なんか好みの美形がいる♪」と思っていた自分に笑いました。……どうなのよ、その偏った識別能力は。
偏った識別力といえば、バイエルン王カール・アルブレヒトの本城くれはさんをキッチリ発見した自分を誉めてあげたい。あまりにも美形すぎて、くらくらしました。あんな一瞬の出番なんて勿体無さ過ぎる~~っ!!(強く主張)
老臣たちが良い味を出していて、さすが上級生の層が厚い組は違うな、と思いました。
彼らが出てくるだけで癒されます(^ ^)。
お芝居はそんなところでしょうか。
ショーについては、また後日。
.
でも、またもや余談。
教は月組の「スカーレット・ピンパーネル」の集合日でした。
なのに!配役が出ない!!新人公演主演さえも出ないなんて~~~っ(嘆)
いったい何があるとゆーんだ、配役。ショーヴランの役替りだけでもうお腹一杯だとゆーのに(T T)。
東宝劇場公演千秋楽付けでの卒業が発表された紗蘭えりかさん、鼓英夏さん、愛那結梨ちゃん。
あああ、88期も二人(紗蘭・鼓)抜けて、残り五人か……寂しくなります。ふんわりとした存在感が魅力だった紗蘭さん、下級生の頃から小芝居の女王だった鼓さん。そして、研5での卒業となる愛那さん。……(安里)舞生ちゃんと同期だけど、四月をまたいで研5になるから、大階段はちゃんと降りられるのかな。本当に、あんまり下級生で卒業するのは本当に勘弁してほしいですよね、応援している方々の立場にしてみれば……。
みんなと素敵な思い出をたくさん作って、悔いなく卒業できますように。
さて、それでは、本題の星組公演。
お芝居は、作・演出植田景子。藤本ひとみさんの小説を原作とする、グランドロマン的なスケールの大きなミュージカル。
シルヴェスター・リーヴァイ氏作曲のオリジナル主題歌「魂に宿る光」が、さすがの素晴らしさでした♪
私は原作は未読なので、純粋に舞台だけを観ての感想になりますが……。
フランクフルトでユダヤ社会の裏切り者となったエリヤーフー(柚希礼音)が、ウィーン宮廷で孤独をかこっていたロレーヌ公フランツ・シュテファン(後の神聖ローマ皇帝フランツ一世)に救われ、ハプスブルクを救う影の功労者・エドゥアルトになる……というストーリーは、藤本氏らしい無茶な物語ですが、ネタが壮大で面白かったです。
原作はきっと全然違う展開なんだろうな、、と予想しつつ、ちょっと興味が湧いております(^ ^;ゞ
マリア・テレジアとフランツは、当時としては珍しい恋愛結婚。実際には色々と(ウィーン宮廷の因習とか、国際関係とか)あったにせよ、フランツの、国政には関わらずに名ばかりの皇帝として愛する女性をサポートし、子供たちを可愛がる有能で優しい夫というイメージは、マリア・テレジアの宮廷の信頼を高めるのに効果的でしたし、実際、30年足らずの結婚生活で16人の子供を儲けた二人は本当にラブラブだったんだろうな、と思います。
ハプスブルク家の出身らしく癇癪もちのマリア・テレジアとは、喧嘩をしたことだってあったでしょう。そもそも、国政に関わらなくなったのは、彼女との対立を避けようとしたためだし。
それでも、祖国ロレーヌを手放して(フランスに譲渡して)までもマリア・テレジアとの結婚を選んだ……いやむしろウィーンへ「嫁いで」きたフランツには、もう還るところはなかったのですから。
その「還るべき場所の喪失」で共鳴したフランツとエドゥアルト。二人の友情がとても切なく、そして美しい。
いやはや。
マリア・テレジアとその夫君には、元々興味があったのですが。
私の持っていたイメージに、テルくん(凰稀かなめ)のフランツ・シュテファンが見事に嵌っていたことに驚きました。なんといっても、「嫁いできた」感があるところが素晴らしい!さすが受身芝居の皇帝陛下。こんなにぴったりなキャストは無い!くらいに盛り上がってしまいました(^ ^;ゞ。
また優しいんだ、テルくんのフランツは。そういえば、クライド(「凍てついた明日」)も優しかったなあ……。あの後しばらく漂わせていた虚無感をやっと振り払って、今回のテルくんはすごく綺麗です。綺麗で優しくて、オンナノコが夢見る王子様そのもの。存在感を主張しすぎず、ただ綺麗なだけのお人形でいるために、大変な努力を払っている人だと思う。
それに対する礼音くんのエリヤーフー/エドゥアルトは、なかなか難しい役でした。
前半は、ユダヤ人として理想を抱き、教えを広めるためにその根幹を成すトーラー(律法あるいはモーゼ五書)をドイツ語に訳そうとする、優秀な青年エリヤーフー。
中世は、キリスト教もラテン語聖書しか無かったんですよね。訳すためには、神の詞を訳者が解釈しなくてはいけないのに、その解釈が正しいか否かの判定が非常に難しいから、書物は書物で持ちつつ、口頭で解釈を伝える師が力を持つわけですが。
……この時代のユダヤ人社会って、いったいどんな社会だったのでしょう。ユダヤ人社会、といえば「屋根の上のバイオリン弾き」が浮かぶけど、あれは時代も場所も全く違うし。
ただ、宗教的に「行動」を重視し、さまざまな「しきたり」(いずれもトーラーに由来がある)の色濃く残るユダヤ集団が、非常に保守的で閉じられた社会であったことは間違いないでしょうね。
そんな中で、新しいことに挑戦することは、非常に危険なことなのかもしれません。
結局彼は、アデルハイド(夢咲ねねの二役)との逢引を彼女のフィアンセ(壱城あずさ)に見つかり、決闘となって殺してしまうことで、完全にユダヤ社会からは排斥される訳ですが。
実際にはそれより前に、トーラーのドイツ語訳そのものが家族によって否定されているんですよね。自分の『魂の光』を否定された彼が、社会に順応できるはずもなく、彼の出奔はそのときに定められた運命だという気がしました。
…ただ。そう考えると、アデルハイドとの恋が展開的に意味がないというか、モーリッツが無駄死にというか、、、(^ ^;ゞ。
ちなみに。私は、しーらんは傷ついただけで生きていると思っていたのですが、脇に運ばれた後で亡くなる芝居をしているそうですね。……これは、あとでラストシーンで重要になるので、ちゃんと観ておけばよかったと思いました(T T)。
そのままエリヤーフーは逃亡してフランツに救われ、“エドゥアルト”という生き方を選ぶ。
ここって物語的に重要なところだと思うのですが、二人の出会いとか、改宗にいたるきっかけとか、そういうものが描かれていない(説明のみ)のがとても残念でした。礼音くんの芝居からもそのあたりの事情は伺えなくて、もどかしい感じ。
原作にはそのあたり、丁寧に描かれていたりするのでしょうか?
(っていうか、改宗した事実はプログラムを見て初めて知りました……そんなコト言ってた?)
ねねちゃんは、女王マリア・テレジアと、フランクフルトの裕福な家(?)の娘アデルハイドの二役。
芝居はしっかり別人として造り込んでいて良かったのですが、髪形が同じようなイメージだったのがちょっと残念。女王と平民なんだから、もう少し違いを出したほうがよかったんじゃないか、と思いました。
それにしても。
ねねちゃんと礼音くんの並びも華やかでよく似合うコンビだと思うですが、ねねちゃんとテルくんとの並びも素敵ですよね!! 今回、100分間のお芝居のほとんどの時間、ねねちゃんはフランツの妻マリア・テレジアとして過ごすので、ずーっとフランツと並んでてくれてうっとりしちゃいました。
それにしても、エリヤーフーとアデルハイドは普通にトップコンビらしい恋人同士ですが、エドゥアルトとマリア・テレジアはすごく微妙で、宝塚では珍しい関係だな、と思いました。
涼さんはフランツの側近・ジャカン。私は最初、深読みしすぎて彼は悪役なんだと思ってました(汗)。「紫子」の外記みたいな感じかな、と。実際には定嗣系の役でしたね。……フランツを愛していたかどうかは知りませんが(^ ^;ゞ。あ、でも、マリア・テレジアと良い雰囲気になるエドゥアルトを邪魔するために、エドゥアルトにとっては致命的な暴露(ユダヤ人であること)をするのはフランツのためだと思うので、やっぱり愛しているのかしら。
宮廷服が良く似合う王子様なのは基本なので特にコメントすることもないのですが、相変わらず素敵でした(*^ ^*)。
ハンガリートリオの彩海早矢・夢乃聖夏・紅ゆずるは、皆衣装が良く似合ってて素敵でした♪
良い場面だったし、この3人でちゃんと持たせられるんだなあ、と感心しました。
ただ、エドゥアルトがハプスブルクを救う唯一のエピソードなのに、彼の偉大さでハンガリー人たちも従ったぞ!すげーーっ!!とかではなく、単に旧知の仲だったというオチが……と思ったのは事実ですが。
原作だと、もしかしたらその「昔の戦争」が話も出てきたりするのでしょうか…?そこで英雄的な働きをしていて、だから無理な願いも訊いてもらえる、とか。何か、そういうエピソードが欲しくなる感じだった、かも。
イロイロ飛ばして、おそらく初見で一番印象に残る人物の一人であろう、少女オルガ(稀鳥まりや)。
私はキトリちゃんが大好きなので、彼女が登場するだけで結構幸せなんですが。
真直ぐな笑顔がとても可愛らしい人なので、ああいう役はぴったりだなあ、と思いました。暗さのない、ふんわりとした明るい可愛らしさがありますよね。人の気持ちを引き立てて、暗闇から救ってくれるような明るさ。
いや、ああみえても「エル・アルコン」の女海賊ギルダが似合ったりする人なんですけどね。七色のオーラを持っていて、声の強さと身体能力の高さが役の幅を広げていると思うのですが。
それにしても、可愛かった~~~!!(←結局それ?)
ただ。あのエピソード自体には、無理矢理感があったなぁ、と。
故郷を追われたユダヤ人たち(家族)に出会って、自分の行く末を見失ったまま、ホヘンフリーデベルクの闘いに敗れて傷ついた彼を助けてくれた少女オルガが、トーラーのドイツ語訳を持っていた。ディアスポラ(離散)の時代、ラビの訓戒も思うように得られないときに、『読める聖書』がどれだけ重要なものであるか。「これがあるから、あたしたちは大丈夫」と軽やかに微笑む少女によって、彼の中のエリヤーフーの部分が救われるのは、展開として正しい。
でも、エドゥアルトの部分まで同時に救われてしまうのが、とても不思議 でした。
だってエドゥアルトは、信頼篤い旧友のハンガリー人たちを全滅させてしまったわけですよね…?ホヘンフリードベルクの戦いは、オーストリアの惨敗。ハンガリー軍は壊滅し、彼自身も生死の境をさまよってオルガに救われる状況。
なのに、どうして?
もう『エドゥアルト』では居られない彼が、新しい名前を得ようとするのではなく、『エリヤーフー』に戻る決心をするのは理解できるような気もしますが、なんとなく釈然としない……展開に無理があるというか、礼音くんが最初からエリヤーフーすぎるというか。
ちょっと微妙な気がしました(^ ^;ゞ。
フランツの弟カール大公の真風涼帆さん、マリア・テレジアの妹マリア・アンナの音波みのりちゃん。まさに宮廷を彩る花、華やかな美男美女にうっとりしました(はぁと)。
いや~、美しいことは良いことだ♪ 新公では、真風くんがフランツ、みのりちゃんがエリヤーフーの姉ドロテーア(本役琴まりえ)。真風くんはもちろん、みのりちゃんも良いところに来てますね♪ 今後が楽しみです♪
エリヤーフーの学友たちに好きな子が集まっているので、あまりの出番の少なさにちょっと凹みました。でも、皆格好良かった!やっぱり天寿光希くんは好みらしい。髪が長くていつもと頬のラインが違うのでしばらく誰だかわからなかったのに、「なんか好みの美形がいる♪」と思っていた自分に笑いました。……どうなのよ、その偏った識別能力は。
偏った識別力といえば、バイエルン王カール・アルブレヒトの本城くれはさんをキッチリ発見した自分を誉めてあげたい。あまりにも美形すぎて、くらくらしました。あんな一瞬の出番なんて勿体無さ過ぎる~~っ!!(強く主張)
老臣たちが良い味を出していて、さすが上級生の層が厚い組は違うな、と思いました。
彼らが出てくるだけで癒されます(^ ^)。
お芝居はそんなところでしょうか。
ショーについては、また後日。
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コメント
ところで、ねこさま、アーデルハイトはユダヤ人ではないと思います…
エリヤーフーの改宗は「キリスト教徒として生きる道を与えてくれた」の一言で流されて、当然あったはずの葛藤は描かれていませんよね。その辺りを知りたかったら原作を読むしかないのかなあ。でも、全然別物らしいので、まだ手が出せずにいます。
新公のみやるりのエリヤーフーは、ちえちゃんとはまた違った感じで新鮮でした。
いつも質問ばかりですみません。新公で天寿光希くんの声に惚れまして、本公演でもチェックしたいのですが、学友が全く分かりません(><;)もし衣装や台詞などの特徴があったら教えていただけますか?
こんにちは、いつもコメントありがとうございます★
カサブランカが終わって、もうすぐ一ヶ月ですよー。そして「シャングリラ」初日まであと5日
。ドキドキ。
「デュ・シャント」初日まではまだもう少しありますね♪みーちゃん、ドイツ人っぽいけど、どんな役柄なんでしょうね?
アーデルハイドの件、ご指摘ありがとうございました。確かに……!!なんだか最近本当にミスが多くて、お恥ずかしい限りです。さっそく訂正させていただきましたm(_ _)m。
> エリヤーフーの改宗は「キリスト教徒として生きる道を与えてくれた」の一言で流されて、
あ!その台詞はありましたね!!おお、そうか、その一言がそうだったのか……。
納得しました。
新公ご覧になったんですね。よろしければ、仕事で諦めた猫のために、感想を書いていただけませんか?(祈)天寿くんとか、天寿くんとか、天寿くんとかーーーーー。
お願いします!!!
> 新公で天寿光希くんの声に惚れまして、
素晴らしい!!(^ ^)。仲間発見!!(^ ^)
学友の天寿さんは、たしか金髪のストレートっぽいロングで、顔まわりに少し残して後ろでまとめて、帽子を被っていた……と思います。っていうか、帽子は全員被っていたのかな。衣装はベージュ系で茶色のベスト……だったような気がするんですけど、あれ?服はあまり自信ありません。(役立たず)
青年館待ちなので、まだまだ先みたいな気がしていたのですが、もう初日が目の前ですね。
ねこ様はDCにも行かれるのですよね、きっと☆
私は月末には初めてのバウ観劇。楽しみです。
学友・アブラハムくんの説明、ありがとうございました!
もしかしてあの子かなぁ…。あの子だったらいいなぁ…。
> よろしければ、仕事で諦めた猫のために、感想を書いていただけませんか?(祈)
> 天寿くんとか、天寿くんとか、天寿くんとかーーーーー。
ブログに載せてありますのでどうぞ♪と書こうとして、読み返して唖然。
…みやるりのことしか書いてない(汗)(しかもまだ続きを書く気でいる)
…それも、「みやるりがどれほど可愛いか」しか書いてない(滝汗)
そんな感想ですが、よろしかったら「宝塚」カテゴリで遡ってみてくださいませ。
歌い継ぎのラビ・フレンケルのパートで、天寿さんの歌声におおっ、となりました。
あの曲のラビのパートは聴かせどころだと思うので、天寿さんの起用はぴったりだったと思います。
どのくらい素敵だったかというと。
新公メンバーは、あずるりと蓮くん・真風くんしか知らなかった私が、観劇後は、
天寿くんの名前だけはしっかりインプットして帰ってきたくらいのインパクトでした(^^)
> ねこ様はDCにも行かれるのですよね、きっと☆
はい、行って参ります(^ ^)
> 私は月末には初めてのバウ観劇。楽しみです。
楽しんできてくださいねー♪
> もしかしてあの子かなぁ…。あの子だったらいいなぁ…。
だといいなあ♪ご覧になったら、またブログに書いてくださいね♪
ブログ拝見しましたー♪すみません、ちょっと間があいてる間に書いてくださってたんですね!
ありがとうございます!
> 歌い継ぎのラビ・フレンケルのパートで、天寿さんの歌声におおっ、となりました。
> あの曲のラビのパートは聴かせどころだと思うので、天寿さんの起用はぴったりだったと思います。
そうなんですよねー。本公演を観て、あれを天寿くんが歌うのかー、と思ったんですよ……
CSは、今Paradise Princeやってるってことは……1年半くらい後、なのかなあ。待ちきれない…。
みやるりもニュースで観ただけですが凄く良さげだったし、ああ、行きたかったなあ(T T)。