フィギュアスケートの未来
2010年2月28日 スポーツバンクーバーオリンピックも、明日で終わりですね。
最後に女子の団体追い抜きでも銀を獲得し、日本のメダルは銀3つ、銅2つ。最後に登場する成瀬選手も、がんばってくださいね。他の選手団のみなさま、お疲れさまでした!
で。楽しみにしていたフィギュアスケートのエキシビションを観ました。
いや〜、皆さん伸び伸びと踊ってて、素敵だなあ♪♪と思いつつ、あらためて思ったことがあります。
1992年のアルベールビルオリンピック。このとき、銀メダルを獲得した伊藤みどり選手は、トリプルアクセルを五輪で初めて成功させ、大きな話題になりました。
……あれから18年が過ぎて。
2010年のバンクーバーで、トリプルアクセルに挑戦した選手は、浅田真央選手ただ一人。それどころか、五輪でトリプルアクセルを成功させた女子選手は、この18年間に一人もいなかったんですね。
何年か前に、安藤美姫選手が女子で初の4回転を競技会で成功し、大きな話題になったのに、その後はそういう話を聞きません。
あのときも、クワドラプル自体はアルベールビルの前後にスルヤ・ボナリーが成功させたことがあって(競技会では未成功)、そこまで大騒ぎしなくても……と思った記憶があります。
4回転でさえ、過去に飛んだ女子が複数居る。しかも一人は現役。
なのに、大会の大一番で大技に挑戦する人が一人しかいない現実が、元フィギュアファンとして非常に寂しい。女子も男子も、シングルの技のレベルは、20年近くも昔のあの頃と、何も変わっていないような気がしてしまいます。
でもそれは、今の選手に勇気がないとか、挑戦した選手は偉大だとか、そういう話ではないんですよね。フィギュアスケートがスポーツである以上、ルールに基づいて戦略を立てるのが当たり前。技の精度や美しさを求めて、大技の加点を抑えた現在のルール(点数体系)のもとでは、成功率の低さや体力消耗といったリスクを伴う大技に挑戦することは非常に困難だということなのです。
プログラム全体の技の精度を一つ一つ高め、全体を底上げすることに賭けたライザチェックと、キム選手。
大技に賭けたプルシェンコと、浅田真央選手。
今回の五輪の結果は、前者に軍配が上がりました。次のシーズンからは、おそらく技の精度を高める方針が主流になっていくことでしょう。それがいけないとは思いません。それを目指して磨き上げたキム選手のスケーティングの美しさには、本当に目を奪われました。現行ルール上、彼女の金メダルは当然だったと思います。まあ、得点はちょっと出すぎだと思いますが、フリーの順位に不満はありません。
ただ。
現在のルールは、もはや技の向上は望めなくなった時代のルールだと思うのです。女子の3回転半や4回転、男子の4回転や4回転半、そして5回転……それはもはや、人類という種の限界を超えた挑戦であり、不必要な危険である、と、競技団体自身が言っているようなもの。
それは真実なのかしら。現に成功している人が居るのに、と……そう、思うキモチは止められない。
まずはトライする人が居て、それが皆に広まって、次に精度を高める競争になる。そのうちに精度競争に飽きて次の奇跡にトライする人が出てくる。……それが、フィギュアスケートの醍醐味だったはずなのに。
美しさは必要です。だからこそ、「芸術点」と言われるものが存在する。ただジャンプを跳べばいいというものでは、ありません。
でも。それだけでもツマラナイ!!(←わがまま?)
もう少し、リスクを覚悟して奇跡に挑まんとする人の意欲を削がないようなルールを、検討してほしい、と強く思います。
技と美のバランスの取れたルールを、フィギュアスケートの未来のために。
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最後に女子の団体追い抜きでも銀を獲得し、日本のメダルは銀3つ、銅2つ。最後に登場する成瀬選手も、がんばってくださいね。他の選手団のみなさま、お疲れさまでした!
で。楽しみにしていたフィギュアスケートのエキシビションを観ました。
いや〜、皆さん伸び伸びと踊ってて、素敵だなあ♪♪と思いつつ、あらためて思ったことがあります。
1992年のアルベールビルオリンピック。このとき、銀メダルを獲得した伊藤みどり選手は、トリプルアクセルを五輪で初めて成功させ、大きな話題になりました。
……あれから18年が過ぎて。
2010年のバンクーバーで、トリプルアクセルに挑戦した選手は、浅田真央選手ただ一人。それどころか、五輪でトリプルアクセルを成功させた女子選手は、この18年間に一人もいなかったんですね。
何年か前に、安藤美姫選手が女子で初の4回転を競技会で成功し、大きな話題になったのに、その後はそういう話を聞きません。
あのときも、クワドラプル自体はアルベールビルの前後にスルヤ・ボナリーが成功させたことがあって(競技会では未成功)、そこまで大騒ぎしなくても……と思った記憶があります。
4回転でさえ、過去に飛んだ女子が複数居る。しかも一人は現役。
なのに、大会の大一番で大技に挑戦する人が一人しかいない現実が、元フィギュアファンとして非常に寂しい。女子も男子も、シングルの技のレベルは、20年近くも昔のあの頃と、何も変わっていないような気がしてしまいます。
でもそれは、今の選手に勇気がないとか、挑戦した選手は偉大だとか、そういう話ではないんですよね。フィギュアスケートがスポーツである以上、ルールに基づいて戦略を立てるのが当たり前。技の精度や美しさを求めて、大技の加点を抑えた現在のルール(点数体系)のもとでは、成功率の低さや体力消耗といったリスクを伴う大技に挑戦することは非常に困難だということなのです。
プログラム全体の技の精度を一つ一つ高め、全体を底上げすることに賭けたライザチェックと、キム選手。
大技に賭けたプルシェンコと、浅田真央選手。
今回の五輪の結果は、前者に軍配が上がりました。次のシーズンからは、おそらく技の精度を高める方針が主流になっていくことでしょう。それがいけないとは思いません。それを目指して磨き上げたキム選手のスケーティングの美しさには、本当に目を奪われました。現行ルール上、彼女の金メダルは当然だったと思います。まあ、得点はちょっと出すぎだと思いますが、フリーの順位に不満はありません。
ただ。
現在のルールは、もはや技の向上は望めなくなった時代のルールだと思うのです。女子の3回転半や4回転、男子の4回転や4回転半、そして5回転……それはもはや、人類という種の限界を超えた挑戦であり、不必要な危険である、と、競技団体自身が言っているようなもの。
それは真実なのかしら。現に成功している人が居るのに、と……そう、思うキモチは止められない。
まずはトライする人が居て、それが皆に広まって、次に精度を高める競争になる。そのうちに精度競争に飽きて次の奇跡にトライする人が出てくる。……それが、フィギュアスケートの醍醐味だったはずなのに。
美しさは必要です。だからこそ、「芸術点」と言われるものが存在する。ただジャンプを跳べばいいというものでは、ありません。
でも。それだけでもツマラナイ!!(←わがまま?)
もう少し、リスクを覚悟して奇跡に挑まんとする人の意欲を削がないようなルールを、検討してほしい、と強く思います。
技と美のバランスの取れたルールを、フィギュアスケートの未来のために。
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