月組日本青年館公演「HAMLET!」。



昨日で中日公演が、そして、今日で「HAMLET!」が千秋楽を迎えました(^ ^)。
皆、「スカーレット・ピンパーネル」の集合日まで、少しは休めるのでしょうか。
そして。
蘭乃はなちゃん、花組に行ってもがんばってね!!
大好きな月組っ子、どこに行っても応援しています(^ ^)。

そして、花娘最強伝説は続く………ゞ。



それでは、「HAMLET!」のキャスト別メモ。


ハムレット(龍真咲)
先日の日記で、私は「この作品のハムレット役は、若手スターのファンなら誰でも贔屓にやってほしいと思う役」だと書きました。
(私が祐飛さんにやってほしいなーと思う役は、今も昔も変わらずクローディアスですが)


でも。やっぱり、この作品が生まれたのは、そこにまさおが居たからだ、とも思います。
藤井さんのインスピレーションが輝いたのは、まさおがそこにいたからなんだろうな、と。
まさおがいなかったら、この作品は生まれなかった、………たぶん。

ハムレットって、包容力が無い役者の方が似合う役なのではないでしょうか。
だって、彼は自分の悩み苦しみに目を奪われて、誰のことも最後まで赦さないんだもの。彼が否定するが故に、オフィーリアは水に落ち、学友たちは死に、レアティーズは愚かな振る舞いをし、ガートルードは盃を干す……。
ただクローディアス一人を殺せばすんだはずのものを、彼はそれさえ許さない。頑なに、他人には心を開かない人物像。だから、包容力のある大人の男が演じると、なんでこんな莫迦なことをしてしまうんだろう?と思っちゃうんですよね。
ひとかけらの包容力も持たない男役である龍真咲が演じたハムレットという人物に、非常にリアルな空気を感じました。

まさおのハムレットはひたすら前(復讐)を視ていて、振り向こうとしないから、そのスピードについていけない人が一人づつ脱落していく。そして、最後に立ちはだかるのは、結局は亡霊……。その全体構成に感心しました。
ハムレットが棄てていくものたちはたくさんありますが、それを「疾走感」で片付けたのが、藤井さんらしい秀逸なアイディアだな、と。そして、まさおのあのスピード感、キレの良さ、そして高すぎるテンション。ギリギリのいっぱいいっぱいで、観ていて疲れてしまうほどテンションを上げきっていても、ちゃんとあの膨大なシャウト有の歌を千秋楽まで歌いきり、膨大な台詞をこなして、場を持たせることができる人って、案外少ないんじゃないかと思いますし。


フォーティンブラスを得られないデンマークは、このあと、亡霊の支配する国になるのかもしれない……と、そんな予感さえ残して。
……ハムレットのあの髪型以外は、すごく良かったと思います。(←ごめんよまさお)(だってもっと似合う髪形があると思うんだよ……)



オフィーリア(蘭乃はな)
まさおのハムレットが良かったのは、もしかしたら藤井さんと組んだればこそだったのかもしれませんが。
蘭ちゃんのオフィーリアは、そのものがベストキャストだと思いました。

「二人の貴公子」でも、ほぼオフィーリアと似たようなキャラクターを演じていて、それも凄く可愛かったので、とっっっても期待していました(*^ ^*)。多分、あの出演者たちの中で一番、私の期待値が高かったと思う。なのに!!その期待値を遥かに上回る、素晴らしい芝居でした♪
全ての場面が良かったんですが、一番好きなのは、苦悩するハムレットの視た幻影として、白いドレスで階段上に現れたときの、柔らかな笑顔です♪ すべてのしがらみを脱ぎ捨てた、幻の天使。蘭ちゃんはリアル感がなさすぎて、『少女』である前に『天使』なんだな、と思いました。三木さんは正しい。
なのに、そんな天使な蘭ちゃんが、フィナーレのショーで踊りだすと途端にガツガツした月娘になって、足を挙げる高さを競い始めるところもとっっても好きです(*^ ^*)。

花組へ異動して、夏からのトップ娘役就任が発表されている蘭ちゃん。
どうぞ、花へ行っても、その輝きを忘れないでね。



クローディアス(越乃リュウ)
私の中では、「ハムレット」という戯曲の準主役は、当たり前にクローディアスであり、ガートルードです。
ちなみに、私の個人的な希望ですが、クローディアスはガートルードに惚れていてほしいし、兄王を殺したのは王座ではなくガートルードを得るためであってほしい、と思っていたり……する(^ ^;ゞのですが。

残念ながら藤井さんにとってソンナことが有り得るはずもなく、クローディアスはシンプルな悪役に徹していて、それはそれで、一世一代の名演技でした(*^ ^*)
いやー、ナホちゃんはホントに罪なオトコですね♪ 決闘するようレアティーズを唆すときの、ささやき声と抱き寄せる腕がいい!罪を孕んだ声、罪に染まった腕。全身、これ、罪、って感じ。

一幕ラスト、「ゴンザーゴ殺し」の芝居を観ながら、どんどん表情が変わっていくところはさすがでした。そして、最後に立ち上がるときの勢いも。いやーーー、あの場面は観るところが多くて疲れました……。



ガートルード(五峰亜季)
ガートルードはを『弱い女』として描いた脚本と、まゆみさんのお芝居が今ひとつかみあっていなくて、非常に残念な気がしました。まゆみさんにわざわざご出演いただくなら、ガートルードは最初から知っていた(邪魔な夫をクローディアスと二人で片付けた)的な解釈でいいと思うんですよね。
まゆみさんは芝居の人ではなく、存在感の人なので、もうちょっとあのキャラクターが生きそうな解釈の役だったらもっと良かったのになあ。「母」を前面に出すか、「女」を前面に出すか、だったら、「女」を前面に出したほうがやりやすかったろうに。

あの解釈なら、ほたるとかこころとかほたるとかすずなとかで充分やれたような気がします。
その方が、ちゃんと「弱き者」だったんじゃないか、と、思う……。



ホレーシオ(宇月颯)、シーリア(花陽みら)
すみません。前からお気に入りの宇月くんに、ますます落ちてしまいました。
髪型も化粧もものすごく良く似合っていたし、まさおとの並びも◎!一歩控えた、親友だけど部下(従者)っていう関係がこんなに似合う人も滅多にいない、と思います(*^ ^*)。「ホフマン物語」でみりおと組んだときも素敵だったけど、まさおとの相性もいいんだなあ~~♪
幕開きのソロから始まって、まさおの次くらいに歌っているんじゃないか…?凄いなあ。
そして、さりげなく普通の衣装に着替えてコロスの中に入ったときの格好良さがまた半端ない。もしかして凄い人なんじゃないだろうか……(←なんでそんなに弱気なんだ)

ホレーシオの妹・シーリアちゃんは、原作には居ない役ですが、基本的にシーリアとしての出番は最初と最後だけで、なかなかいいバランスでした。藤井さんGJ。っていうか、みらちゃんの歌はやっぱり素晴らしい!!オランピアも良かったけど、今回は本当に感心しました。
宇月くんとみらちゃんのデュエットは、一聞の価値はありますよ!!



レアティーズ(珠城りょう)
「ラストプレイ」新公でいきなり出てきた印象の強い研2。姿に恵まれて「ラストプレイ」はおじさん役を好演していましたが、今回はちょっと苦戦?普通なら、ムーアよりレアティーズの方が若い分、下級生にはやりやすいだろうと思っていたのに、むしろ逆でしたね。
若い役から声もそのままでいけるし…と思ったんですが、“そのまま”の声は予想以上に高くて甘かった(^ ^)。逆に、お手本さんに細かく指導してもらいながら、完璧に作りこんだムーアはすごく良かったってことは、今後順調に技術が身につけば鬼に金棒!ってことですけどね。才能だけである程度できちゃう人っていうのは、意外とそれ以上には伸びなかったりするので。

芝居は良かったと思います。この作品の中では一番の包容力を見せる役ですが、仮にも上級生の蘭はなをあれだけ可愛い『妹』として遇せるのもすごい!!と思いました(*^ ^*)。

「スカーレットピンパーネル」の新公配役がまだ発表になりませんが、どうなるんでしょうねえ。気になる……。



先王の亡霊(研ルイス)
この公演全体を通して、研ちゃんが一番印象的だったのは、フィナーレの群舞場面に、扮装を解いて、亡霊化粧のまま踊っていたこと。
いやはや、インパクトありましたわ。

演出的にも研ちゃんの声色的にもよく工夫されていて、とても良かったと思います。
一幕ラストで、クローディアスやガートルードが退出したあと、さりげなくクローディアスの席に座っているハムレット王の冷たい瞳が印象的でした。このひとは、自分の息子を復讐の刃として使うことで、自分の妻、王子の母に復讐しているんだな、と思って。
可哀想なハムレット。……ハムレット本人は、そんなことに気づきもしないんだろうけど。



ポローニアス(綾月せり)
オフィーリアの父。クローディアスの側近。
せりちゃん、なんだかんだ言いつつも良い役者になってきましたねぇ。
ロングソバージュにお髭が良く似合って、「スカーレット・ピンパーネル」での扮装がかなり楽しみになりました。美中年で素敵♪
オフィーリアへの愛情がダダ漏れしているところがとても好きです。せりちゃんの芝居は、優しいですよね。ちょっと情けないような役がつづいていますが、バウには欠かせない役者になってきていると思うので、これからも頑張ってほしいです!








ちょっと体力の限界なので、ローゼンクランツから先は、また後日m(_ _)m。


.

コメント