東京宝塚劇場 宙組新人公演「カサブランカ」より。


久しぶりに、本公演を観てまいりました。
……中日を過ぎて、新公も終わって、、、、また随分と演出が変わったような気がします。
「キャバレー」が一段落ついて小池さんがあいたのか、新公を観てみなさんの意識が多少変わったのか?いろいろ面白かったです。特に変わっていたのは、すみ花ちゃんのイルザでしょうか?いろいろ記憶と違っていて、あれ?と思いながらの観劇になりました。



さて。では、昨日の続きを。


・安里舞生(エミール/蓮水ゆうや)
どの組を見ても、芸達者ぞろいの92期。宙組も例外ではなく、サムで私の心を掴んだえなちゃん(月映樹茉)をはじめ、多士済々いるとゆーのに、声を聞いたこともない舞生ちゃんがどうしてこんなに気になるのやら……。
どう考えても168cmもあるとは思えない小柄な男役さんですが、スタイルが良いので一人で立っていると大きく見えるときもあります(^ ^)。……よりによって宙組に配属されたのに、それでも男役を選んだのは……よっぽど男役をやりたかったんでしょうねぇ(T T)。たしかに、あのサイズでも舞台の上では全く女の子っぽく見えないのは評価してあげたいなぁ、とは思います。
……せっかく美人なのになー。


と、前置きはそのくらいにして、新公エミール役について。

裁判所前広場が丸ごとカットされていたので、レジスタンスのアルバイトは無し。ついでに、シュトラッサー少佐は空港から街まで歩いて行かれるらしく、運転手のアルバイトもなし(^ ^)。
第4場のリックの店のカジノで、初登場です。

小さな頭が、髪をオールバックにすると余計に小さい(^ ^;ゞ。本役のちーちゃん(蓮水ゆうや)より相当に小柄なので、ルーレット台がずいぶん大きく見えました。っていうか、私は割と前方席だったので、周りのお客さんたちの陰に隠れて、すぐ見えなくなってしまうのが切なかった…(T T)。
客の一人一人に声をかけつつ、ごくなめらかにルーレットを回し、チップを集める。場をコントロールするための目配りとか、ひとつひとつの仕草に注目するのはさすがに無理でしたが、動きに無駄がなくて良かったと思います。やるべきことの多い役ですし、ここでバタバタしてしまうと、プロっぽく見えないので……。

カフェの外で話しているリックとルノーのところに、2万フランを貰いに来る場面。
ちーちゃんはプロとしての自尊心に傷がついて落ち込んでいる感じでしたが、舞生ちゃんはちょっとだけ、「ちくしょう負けるもんか!」みたいな負けん気があったような気がしました。
リックの“肩に手をやってぽんぽん”が、落ち込んでいるエミールを引揚げるだけではなく、逸るエミールを抑えるような空気もあったのが面白かったです。

まともに舞生ちゃんの台詞を聞いたのはこれが初めてだと思うのですが、とくに違和感なく、すっと入ってくる声でした。姿のイメージからもっと可愛らしい声を想像していたのですが、思ったより男役向きの声だったと思います。

ウガーテ逮捕の一幕は、さりげなく近くの女客をかばったりして、ちょっと男前でした。野次馬よろしくカフェの方まで出てきて、お客さんたちに責められているエミール。ちーちゃんもナウオンで「大変」と話していましたが、舞生ちゃんが責められていると、本気で可哀相になってきます(汗)。


地下水道での集会は、腕を一杯に伸ばして一生懸命踊っていて、ちょっと涙が出そうになりました。ダンスの技術の良し悪しはわかりませんが、伸び伸びと嬉しそうに踊る人だな、とフィナーレのダンスシーンでいつも思っていたので、また違うダンスを観ることができて嬉しかったです。
と言いながら。実は私、エミールさんがその場面に出ているのはもちろん知っているのですが(っていうか、いつもちーちゃんばっかり観てる)、なんとなく舞生ちゃんに思いが到らず(汗)、前に出てきたときに、ついつい「あれっ」と思ってしまいました……ごめんなさいっ。


「ボスのモットー」のナンバーがカットされていたので、舞生ちゃんのソロ歌を聴く機会は無しで終了いたしました……しょぼん。小柳さんのいじわるー。


カジノの場面は、リックとのアイコンタクトはもう少しさりげない方が……と思ったくらい、ちょっとがっつりヤリスギていたような気がしますが、良い感じに負けん気があって、「絶対に22を出す!!」という気合を感じました。
無事、二回連続で「22」を出したあとのさりげない笑顔と、他の客たちに「どうぞ」という様子でルーレットを確認させているときの「ふふん♪」という顔が、とても可愛かったです(^ ^)。



最後のご挨拶は、上手側の真ん中らへんにいたのかな?あれ?上下はどっちだったかな。……とにかく、清々しい笑顔でした。
ちょっとぼーっとして見えたのは、感無量だったのでしょうか…?

この新公の出来が今後につながるわけではないひとなので、舞生ちゃん自身が自分なりに納得できたのなら、それだけで十分だと思います。
私?私は、最後の新公に間に合って、舞生ちゃんの最後の新公を観ることができて、幸せでした。



彼女の人生は彼女のもの。それは、よく判っているのですが。……研4で卒業は、寂しいです……(T T)。

千秋楽まであと二週間弱。どうぞ最後まで、悔いのないようにがんばってください。(←こんな処に書いてないで、お手紙でも出せばいーのに……)



■94期(研2)
94期と95期は、役がついていてわかる方方のみ、とさせていただきます。すみません。

・美月悠(カッセル中尉/澄輝さやと)
声が良くて、下級生とは思えない台詞回しの達者な人。博多座でも感心しましたが、カッセルも非常に感心しました。
軍服の着こなしもよくがんばっていて、綺麗に出られていたと思います。もう少し表情に、「無表情」とか「普通の顔」とかいうバリエーションが増えると役柄が広がると思います。今はちょっと、癖が強すぎるような気がするので、勿体無いような。
あ、本公演ロケットの笑顔は、輝きすぎてますが、大好きです★


・風馬翔(ジャン/珠洲春希)
同じく博多座組のかけるくん。ジャンは文句なく良かったです。髭が超お似合い!!
カジノやカフェでの、周りの客たちとは一線を画した空気、「こいつは違う」という空気感があったのがさすがでした。本役の珠洲さんとは、体格も経験も何もかも違いましたが、一癖も二癖もある男役になりそうで、将来が楽しみです。
ただ、スリの腕はまだまだ訓練が必要、かな……?(^ ^)


・星月梨旺(トネリ大尉/月映樹茉)
カフェの場面で、ついついトネリの白い軍服を追いかける癖がついていることに、新公で気がつきました。ふと気がつくと目が追っている(汗)ファンなんだなあ、私(最近自覚しました)。

細かい動きや仕草まで、えなちゃんの芝居を良くトレースしていたような気がします。空港でシュトラッサーとカッセルの間に割って入るところのタイミングとか、コリーナに突っ込んで行って軽く躱されるところとか。独特の歩き方から、腕の振り方まで。……がんばったね、お疲れさまでした(^ ^)。


・春瀬央季(アンリ/愛月ひかる)
台詞はそんなに無いけど、意外とやることが多い役。本公演ではドイツ兵さんなので、切り替えが難しいんじゃないか、などと余計な心配をしていたのですが、全然問題なかったです。(←それを言うなら、アンリの本役は新公ではシュトラッサーーだよ/汗)
下級生なのにスーツの着こなしも綺麗で、ビジュアルばっちり!でした。
「アンリ」って言うからには、この人はフランス系なんですよね…?さりげなくお洒落な感じがしたのも良かった、かも(^ ^)。





■95期(研1)
・桜木みなと(ヤン/凪七瑠海)
カチャよりも、ちょっと気が強いというか、直情的な青年につくっていたような気がします。興奮すると周りが見えなくなる、っていう性格付けをしているのかな?と。
二幕のカジノで負けが込んできたとき、止めようとするアニーナをかなり思いっきり突き飛ばしていたのが怖かった。本公演は可愛いばかりなので意外でした。

ただ、最初のカフェの場面で、宝石商(七瀬)に腕輪を差し出したとき、あえなく断られて泣き崩れるアニーナを慰めるところではちゃんと包容力を見せたり、本性は優しいんだろうな、という雰囲気もちゃんと出ていたし、そのあたり(の普段のヤンとの落差)が、状況の切迫感を盛り上げていたと思います。
ご本人がそこまで考えてそういう風に役を作ったのか、小柳さんの指導なのか、興味は尽きませんが(^ ^)。


・実羚淳(カジノの客/光海舞人)
たった一言の台詞なんですが、カジノにパンしてきて最初の台詞だし、案外難しいと思うんですよね。でも、実羚さんはなかなかさりげなく、違和感なく返していて。その後の、カジノでの居方もすごく自然で、良かったと思います。次はもっとちゃんとキャラクターのある役が来るといいですね!


・七生眞希(ドアマン/風馬翔)
一番最初に、「リックの店」のドアが見えてきたときに、ドアをあけて欠伸をする青年。
本役のかけるくんも非常に笑顔がかわいい人ですが、七生さんも非常に可愛らしいですね♪
黒塗りでせっかくの美貌がちょっと隠れ気味でしたが、動きも違和感無く、がんばっていたと思います。


・朝央れん(空港の兵士/月映樹茉)
滑舌もよく、声もしっかりしていて、とても研1とは思えない出来でした。
長身ぞろいの宙組の中でも、かなり大きなほうの朝央さん。あのスタイルで、ちゃんと喋れるのは強みですね♪




最後の方はちょっと駆け足でしたが、以上です。
本公演が作品としての完成度が高すぎて、「新人公演という別の芝居」と言えるほどの出来ではありませんでしたが、本公演でがんがん使われて伸び盛りの下級生が皆、持てる力を出し切っていて、幸せな舞台になっていました。
あと二週間、「カサブランカ」でいろんな経験をして、次のバウ/ドラマシティに、そして更に次の「トラファルガー」に生かしてほしいな、と思います。

宙組下級生たちの、更なる成長を祈りつつ。



.

コメント