二組の相棒 ~「相棒」と「BUND/NEON」
2010年1月16日 宝塚(花) コメント (2)花組日本青年館公演「相棒」と、花組バウホール公演「BUND/NEON 上海」を観劇してまいりました。
……1日でハシゴしたわけではありませんが(^ ^)、どちらも大変面白かったし、ネタバレ厳禁な気がしたので、簡単に見所などを書いておきたいと思います。
まずは、「相棒」。
ドラマを観ていない私ですが、キャラクターの面白さを別にしても、純粋に物語として案外面白かったので嬉しかったです。
「逆転裁判」を観たときのような気持ち。隣の席の方が、音楽がかかるだけで大喜びして、連れの方と手を取り合ってじたばたしていたり、誰かが出てくるたびにガッツポーズしていたりするのを見るのが嬉しいです。
とりあえず、見所はきらりん(華耀きらり)のミニスカポリス 、かな(*^ ^*)。
次に、バウ。
生田大和さん、演出家デビューおめでとうございます!
そして、まぁくん(朝夏まなと)、初主演おめでとうございます!!
過去、いくつかの新人公演を拝見しているうちに「期待したい演出家」として名前を覚えた生田大和さんの、初の独り立ち作品。しかもメンバーは、新人公演でヒットを出している花組下級生たち。
時期が時期(宙組東宝公演中)なのですごく迷ったのですが、これはもう観るしかないでしょう!ということで、日帰りで遠征して参りました。
悔い無し!
花組バウホール公演「BUND/NEON 上海」。
座組は、主演=まぁくん、ヒロイン=(白華)れみちゃん、二番手=だいもん(望海風斗)と発表されていましたが、実際に観劇してみての印象は、主役が三人、という感じでした。
まぁくんを主役にした物語(一年前に殺された恋人・シンシアの死の真相を探るサスペンス)と、
だいもんを主役にした物語(過去のトラウマから、虫も殺せぬ男になってしまった極道者の苦しみがテーマ)、そして
れみちゃんを主役にした物語(政略結婚で、愛情のもてない夫との生活に疲れた人妻の物語)。
この3つが平行して動いていて、それぞれのエピソードが次から次と出てくる怒涛の一幕。ビジュアルの造りこみ、キャラクターの立て方、なにもかももろ好みでした。
これで、もう少し3つの物語相互の関連性が緊密だったら、名作になりえたんじゃないかなあ、と思っています。
ただ。
………一幕が終わって時計を見た瞬間に、あ、これは駄目だな、と思いました(^ ^)。
一幕75分、休憩25分、二幕50分。
この、バウ公演としてはかなり異例の75分という時間を使った一幕の密度の濃さ。エピソードというか伏線の多さ。
と、いうことは。
これは絶対、通常のバウより短い、50分しかない二幕で拾いきることは出来ないだろうな、と。
そのことが非常に残念で、「せっかく面白いんだけどなあ……」と、思いっきり愉しかった一幕を思い返しながら、生田さんの本来の脚本での二幕の展開を、あれこれ想像してみたりしました。
でも。
脚本的な破綻(特に、カット位置の選定ミス)があったとしても、それだけで、その作品が駄作になるわけではありません。
役者が「やれる」モノを、作者がうまく引き出して、自分の「やりたい」モノに持ってくることができさえすれば、若手のバウなんて勢いでなんとかなるものなんだな、と感心しました。
ただ、3つのドラマがそれぞれ単独に動いてしまって、相互の関連が弱かったのが、一つの公演としては残念だったかな……。
まぁくんとれみちゃんの間に恋愛感情が全く無かったこと、そして、クリストファーと劉の間のエピソードがちょっと弱かったことが残念でした。そのあたりは、観客の頭の中で補完する必要がありますので、これからご覧になることは頭をやわらか~くしてご覧くださいませ(^ ^)。
ちょっと、今この時に頭の大部分を占めているのが名作「カサブランカ」なので、作品の評価という点では割を食った、かも(^ ^)
生田さん、今回の作品は今回の作品で、役者たちの実力と華に支えられて十分にチケット代の分は愉しませていただきましたので、次の作品では、ぜひ原作ものに取り組んでいただきたいな、と思います。
作家としての方向性に、齋藤さんと同じ匂いを感じるので、できれば文芸大作……シェークスピアとか、ヘミングウェイとか、太宰治とか、そのあたりはいかがでしょうか?(^ ^)。
(生田ファンなので、次が観たくてしょうがないらしい)
そういえば、齋藤さんの「血と砂」も、バウの初日はたしか20分以上(?)も時間オーバーして、二日目からあっさりカットされた場面が数知れず……だったっけなー、なんてことを懐かしく思い返したりして。
生田さんの「BUND NEON」は、カットされたわけではないみたいなので、舞台稽古で時間調整したのでしょうか。まー、大事なキーが何一つ解決されないラストでしたが、あれはあれで、私は好きなんで(きっぱり)。
見所は、まあくんの真っ白な王子様オーラと、黒髪だいもんの眉間の皺と、れみちゃんのしっとりした人妻の色気と、ウェディングドレスで振り向いてくれた姫花ちゃんと、鞭を持ったじゅりあと、、、、そして、いろんな意味で、出てくるたびに場をさらってくれた真瀬くんのコミカルな可愛らしさ、でしょうか。
あ、「ワル」オーラ前回のふみかと、髭をつけてれみちゃんの相手役を務めていたよっちも、とても素敵でした♪しゅん様は、芝居としては大した出番はありませんでしたが、珍しく歌ってくれたのが嬉しかったなあ。
ストーリーに踏み込むと、ネタバレしないのが難しいので、キャストについて簡単に。
■まぁくん主役の物語の登場人物
・主役:クリストファー・ブレナン(朝夏まなと)
スコットランドヤードの俊英。
清やかな真っ白い存在感と、バウホールからはみ出そうな華やかさに圧倒されました!
いつの間にか、歌も巧くなりましたよねー!もう、この人は真ん中に置いておくしかないんだな、と、今回の主演に納得して、白いスーツの似合いようにうっとりしてみました(*^ ^*)。
・準ヒロイン:ミシェル・トラヴァース8白華れみ)
ミシェル自身が主役となる物語が同時進行で動いていはいるのですが、まぁくん主役の物語では準ヒロインって感じかなあ。この二人の間には恋愛感情がまったく無いから、主演とヒロインという感じがしないのです(T T)。
個人的には、ミシェルとクリストファーの過去に恋愛感情があったことにしてしまえば、いろんな問題が一気に片付いて、まぁくん主役の物語は完結できそうなんだけどなあ……。
ミシェルは政略結婚のために恋人と引き離されてトラヴァース家に嫁ぎ、残されたクリストファーは、慰めてくれた優しいシンシアと恋をする……でもミシェルのことは忘れられなかった……みたいな流れでしょうか?(^ ^)
背中から腰にかけてのラインが抜群の美しさで、登場時の黒いマーメイドドレスや他の場面の衣装もどれもよく似合っていました。人妻らしい落ち着きと色気、そして華やかのある美女。
芝居はいつもより少し“大人びた”感を重視したらしく、少し年齢が上めに見えてしまいましたが、まぁくんと並んで違和感があるほどではなくて、すごく良かったです。ああいう、落ち着いた大人の女を演っているれみちゃんを初めてみたのですが、魅力的でした(*^ ^*)。
・ヒロイン:シンシア・フレミング(月野姫花)
ミシェルの妹。クリストファーの恋人。彼女の死の真相を解明するために、クリストファーは上海にやってくる。
一年前に鬼籍に入っているので、出てくるのは回想場面のみ。しかも、台詞らしい台詞は、ほんの二言・三言。
なんて正解なんだ生田大和!かつて、月野姫花をこんなに正しく扱った演出家がいただろうか。いや、いない!!
ウェディングドレスを着た姫花は、最強。あればっかりは、誰も勝てないと思う。人形のような美貌、透明感のある輝き、軽やかな存在感。宝塚のヒロインとして、今の現役では誰も持っていないモノを有り余るほど持っているんだよなあ、彼女は。
彼女が2行以上もあるような台詞を喋れるようになる日が来ることを、心の底から祈っています。
・敵役:劉衛強(望海風斗)
生田さんは、この物語を、W主演のつもりで構成を考えたんじゃないか、と思いました。
「光」と「闇」が対等に相手に影響を与え合い、惹かれあう……そんな物語を。
濡れたような黒い髪にチャイナ服のだいもんが、眉間に皺をよせて苦しそうに誰かを視るたびに、ギリギリと胸が締め付けられるような気持ちになりました。役に入り込むときの集中度が半端ない人なので、こういう、内面のトラウマを凝っと見つづけているような役柄の大役を演じさせて、プライベートは大丈夫なんだろうか……などと、いらぬ心配をしてしまいました。
まぁくんは大人なので、そういう心配はしなくてすんでいいなあ……。
生田さんの「やりたい」ものが、だいもんと姫花に集中しすぎて、他、というか、まぁくん主演の物語の方の辻褄が、全部吹っ飛んでしまったような気がするんです。
W主演だったら、逆に、あそこまでだいもんに集中できなかったと思うんだけど(^ ^;ゞ
・二番手(W):森下和雄(鳳真由)と胡烔華(真瀬はるか)
いや、この二人、マジで二番手役だったんですってば。まぁくんの物語では。
だいもんの扱いがちょっと異例なので、こういうことになてしまうんですが…。
真由ちゃんは、日本の特務機関(?)に属する日本人。難しい役なんですが、なかなかいい芝居をしていました。
真瀬くんは、上海共同租界の下っ端警官で、クリストファーの案内係(?)。まぁくんの行くところにはどこにでもついてきて、あれこれ世話を焼いてくれます♪
皆様、どうか、バウホールに真瀬くんを観に行ってあげてください!スカイステージの映像では、まぁくんやだいもんは映っても、真瀬くんは映らないんじゃないか、と不安でならない。もう、とんでもなく可愛くて目が離せない人なので、ぜひ。
トラヴァース家のパーティーに、ぶかぶかの燕尾服を着てあらわれた真瀬くん、ホントに、黙ってはいられないほど素晴らしい(真顔)です♪。
■だいもん主役の物語の登場人物
・敵役:杜月笙(紫峰七海)
生き生きと敵役を演じるふみかが、とても幸せそうでした。ふみかが幸せそうだったので、もうそれでいいです。チャイナ服があんなに素敵だとわ(惚)。
だいもんを「俺のもの」だと認識していて、いろんな人、、、しまいには、浮気した自分の妻(愛純もえり)にさえ、「俺のもの(=だいもん)に手を出す奴は許さない」と宣言して罰を与えたりするし!!…ね、ふみか。もえりちゃんの浮気をとがめるんじゃないのね?だいもんに手を出したことを怒ったのね……?(惚)
・ヒロイン:孫香雪(華月由舞)
もう、これは文句なしでヒロイン由舞ちゃんでした。同期でコンビで、超お似合い!!この二人で新公観たかったなあ(T T)。
由舞ちゃんは、ふみかが経営するダンスホール(?)「大世界」のダンサー。だいもんと同じ田舎の貧しい家に生まれ、幼い頃に青幇に売られてきた、幼馴染という設定だったと思います。
だいもんは、香雪のために「何があっても生きる」ことを選択して、心の傷に眼を瞑って悪事に手を染めてきた。多分ふみかは、そうやって心に傷を負い、心を闇に沈めていくだいもんを視ているのが愉しかったんだと思う。その愉楽に浸り、時々背中を押してやる、その快感に嵌っていたんだと思います。
新人公演で散々観ていて、どちらかといえば明るいヒーロータイプと認識していただいもん。彼女があんなに被虐的で昏い道が似合うタイプだとは思っていませんでした。……生田さん、ありがとう★
・準ヒロイン:シンシア・フレミング(月野姫花)
シンシアは劉の物語でも準ヒロイン格の重要な存在です。
おっと。バウばっかり長くなってしまいました(汗)
すみません。「相棒」の詳細は、たぶんドラマファンの方が書かれた方が、面白くてわかりやすいだろうな、と思うんですよね。
警官はイケメンぞろいだし、婦警は美女だらけだし、、、現実では無いことはわかっていても、ちょっと、帰り道に交通整理をしている人の貌を視てしまいそうです(汗)。
それにしても。
花娘たちは、皆さん本当に、例外なく可愛いなあ(*^ ^*)
・
……1日でハシゴしたわけではありませんが(^ ^)、どちらも大変面白かったし、ネタバレ厳禁な気がしたので、簡単に見所などを書いておきたいと思います。
まずは、「相棒」。
ドラマを観ていない私ですが、キャラクターの面白さを別にしても、純粋に物語として案外面白かったので嬉しかったです。
「逆転裁判」を観たときのような気持ち。隣の席の方が、音楽がかかるだけで大喜びして、連れの方と手を取り合ってじたばたしていたり、誰かが出てくるたびにガッツポーズしていたりするのを見るのが嬉しいです。
とりあえず、見所はきらりん(華耀きらり)のミニスカポリス 、かな(*^ ^*)。
次に、バウ。
生田大和さん、演出家デビューおめでとうございます!
そして、まぁくん(朝夏まなと)、初主演おめでとうございます!!
過去、いくつかの新人公演を拝見しているうちに「期待したい演出家」として名前を覚えた生田大和さんの、初の独り立ち作品。しかもメンバーは、新人公演でヒットを出している花組下級生たち。
時期が時期(宙組東宝公演中)なのですごく迷ったのですが、これはもう観るしかないでしょう!ということで、日帰りで遠征して参りました。
悔い無し!
花組バウホール公演「BUND/NEON 上海」。
座組は、主演=まぁくん、ヒロイン=(白華)れみちゃん、二番手=だいもん(望海風斗)と発表されていましたが、実際に観劇してみての印象は、主役が三人、という感じでした。
まぁくんを主役にした物語(一年前に殺された恋人・シンシアの死の真相を探るサスペンス)と、
だいもんを主役にした物語(過去のトラウマから、虫も殺せぬ男になってしまった極道者の苦しみがテーマ)、そして
れみちゃんを主役にした物語(政略結婚で、愛情のもてない夫との生活に疲れた人妻の物語)。
この3つが平行して動いていて、それぞれのエピソードが次から次と出てくる怒涛の一幕。ビジュアルの造りこみ、キャラクターの立て方、なにもかももろ好みでした。
これで、もう少し3つの物語相互の関連性が緊密だったら、名作になりえたんじゃないかなあ、と思っています。
ただ。
………一幕が終わって時計を見た瞬間に、あ、これは駄目だな、と思いました(^ ^)。
一幕75分、休憩25分、二幕50分。
この、バウ公演としてはかなり異例の75分という時間を使った一幕の密度の濃さ。エピソードというか伏線の多さ。
と、いうことは。
これは絶対、通常のバウより短い、50分しかない二幕で拾いきることは出来ないだろうな、と。
そのことが非常に残念で、「せっかく面白いんだけどなあ……」と、思いっきり愉しかった一幕を思い返しながら、生田さんの本来の脚本での二幕の展開を、あれこれ想像してみたりしました。
でも。
脚本的な破綻(特に、カット位置の選定ミス)があったとしても、それだけで、その作品が駄作になるわけではありません。
役者が「やれる」モノを、作者がうまく引き出して、自分の「やりたい」モノに持ってくることができさえすれば、若手のバウなんて勢いでなんとかなるものなんだな、と感心しました。
ただ、3つのドラマがそれぞれ単独に動いてしまって、相互の関連が弱かったのが、一つの公演としては残念だったかな……。
まぁくんとれみちゃんの間に恋愛感情が全く無かったこと、そして、クリストファーと劉の間のエピソードがちょっと弱かったことが残念でした。そのあたりは、観客の頭の中で補完する必要がありますので、これからご覧になることは頭をやわらか~くしてご覧くださいませ(^ ^)。
ちょっと、今この時に頭の大部分を占めているのが名作「カサブランカ」なので、作品の評価という点では割を食った、かも(^ ^)
生田さん、今回の作品は今回の作品で、役者たちの実力と華に支えられて十分にチケット代の分は愉しませていただきましたので、次の作品では、ぜひ原作ものに取り組んでいただきたいな、と思います。
作家としての方向性に、齋藤さんと同じ匂いを感じるので、できれば文芸大作……シェークスピアとか、ヘミングウェイとか、太宰治とか、そのあたりはいかがでしょうか?(^ ^)。
(生田ファンなので、次が観たくてしょうがないらしい)
そういえば、齋藤さんの「血と砂」も、バウの初日はたしか20分以上(?)も時間オーバーして、二日目からあっさりカットされた場面が数知れず……だったっけなー、なんてことを懐かしく思い返したりして。
生田さんの「BUND NEON」は、カットされたわけではないみたいなので、舞台稽古で時間調整したのでしょうか。まー、大事なキーが何一つ解決されないラストでしたが、あれはあれで、私は好きなんで(きっぱり)。
見所は、まあくんの真っ白な王子様オーラと、黒髪だいもんの眉間の皺と、れみちゃんのしっとりした人妻の色気と、ウェディングドレスで振り向いてくれた姫花ちゃんと、鞭を持ったじゅりあと、、、、そして、いろんな意味で、出てくるたびに場をさらってくれた真瀬くんのコミカルな可愛らしさ、でしょうか。
あ、「ワル」オーラ前回のふみかと、髭をつけてれみちゃんの相手役を務めていたよっちも、とても素敵でした♪しゅん様は、芝居としては大した出番はありませんでしたが、珍しく歌ってくれたのが嬉しかったなあ。
ストーリーに踏み込むと、ネタバレしないのが難しいので、キャストについて簡単に。
■まぁくん主役の物語の登場人物
・主役:クリストファー・ブレナン(朝夏まなと)
スコットランドヤードの俊英。
清やかな真っ白い存在感と、バウホールからはみ出そうな華やかさに圧倒されました!
いつの間にか、歌も巧くなりましたよねー!もう、この人は真ん中に置いておくしかないんだな、と、今回の主演に納得して、白いスーツの似合いようにうっとりしてみました(*^ ^*)。
・準ヒロイン:ミシェル・トラヴァース8白華れみ)
ミシェル自身が主役となる物語が同時進行で動いていはいるのですが、まぁくん主役の物語では準ヒロインって感じかなあ。この二人の間には恋愛感情がまったく無いから、主演とヒロインという感じがしないのです(T T)。
個人的には、ミシェルとクリストファーの過去に恋愛感情があったことにしてしまえば、いろんな問題が一気に片付いて、まぁくん主役の物語は完結できそうなんだけどなあ……。
ミシェルは政略結婚のために恋人と引き離されてトラヴァース家に嫁ぎ、残されたクリストファーは、慰めてくれた優しいシンシアと恋をする……でもミシェルのことは忘れられなかった……みたいな流れでしょうか?(^ ^)
背中から腰にかけてのラインが抜群の美しさで、登場時の黒いマーメイドドレスや他の場面の衣装もどれもよく似合っていました。人妻らしい落ち着きと色気、そして華やかのある美女。
芝居はいつもより少し“大人びた”感を重視したらしく、少し年齢が上めに見えてしまいましたが、まぁくんと並んで違和感があるほどではなくて、すごく良かったです。ああいう、落ち着いた大人の女を演っているれみちゃんを初めてみたのですが、魅力的でした(*^ ^*)。
・ヒロイン:シンシア・フレミング(月野姫花)
ミシェルの妹。クリストファーの恋人。彼女の死の真相を解明するために、クリストファーは上海にやってくる。
一年前に鬼籍に入っているので、出てくるのは回想場面のみ。しかも、台詞らしい台詞は、ほんの二言・三言。
なんて正解なんだ生田大和!かつて、月野姫花をこんなに正しく扱った演出家がいただろうか。いや、いない!!
ウェディングドレスを着た姫花は、最強。あればっかりは、誰も勝てないと思う。人形のような美貌、透明感のある輝き、軽やかな存在感。宝塚のヒロインとして、今の現役では誰も持っていないモノを有り余るほど持っているんだよなあ、彼女は。
彼女が2行以上もあるような台詞を喋れるようになる日が来ることを、心の底から祈っています。
・敵役:劉衛強(望海風斗)
生田さんは、この物語を、W主演のつもりで構成を考えたんじゃないか、と思いました。
「光」と「闇」が対等に相手に影響を与え合い、惹かれあう……そんな物語を。
濡れたような黒い髪にチャイナ服のだいもんが、眉間に皺をよせて苦しそうに誰かを視るたびに、ギリギリと胸が締め付けられるような気持ちになりました。役に入り込むときの集中度が半端ない人なので、こういう、内面のトラウマを凝っと見つづけているような役柄の大役を演じさせて、プライベートは大丈夫なんだろうか……などと、いらぬ心配をしてしまいました。
まぁくんは大人なので、そういう心配はしなくてすんでいいなあ……。
生田さんの「やりたい」ものが、だいもんと姫花に集中しすぎて、他、というか、まぁくん主演の物語の方の辻褄が、全部吹っ飛んでしまったような気がするんです。
W主演だったら、逆に、あそこまでだいもんに集中できなかったと思うんだけど(^ ^;ゞ
・二番手(W):森下和雄(鳳真由)と胡烔華(真瀬はるか)
いや、この二人、マジで二番手役だったんですってば。まぁくんの物語では。
だいもんの扱いがちょっと異例なので、こういうことになてしまうんですが…。
真由ちゃんは、日本の特務機関(?)に属する日本人。難しい役なんですが、なかなかいい芝居をしていました。
真瀬くんは、上海共同租界の下っ端警官で、クリストファーの案内係(?)。まぁくんの行くところにはどこにでもついてきて、あれこれ世話を焼いてくれます♪
皆様、どうか、バウホールに真瀬くんを観に行ってあげてください!スカイステージの映像では、まぁくんやだいもんは映っても、真瀬くんは映らないんじゃないか、と不安でならない。もう、とんでもなく可愛くて目が離せない人なので、ぜひ。
トラヴァース家のパーティーに、ぶかぶかの燕尾服を着てあらわれた真瀬くん、ホントに、黙ってはいられないほど素晴らしい(真顔)です♪。
■だいもん主役の物語の登場人物
・敵役:杜月笙(紫峰七海)
生き生きと敵役を演じるふみかが、とても幸せそうでした。ふみかが幸せそうだったので、もうそれでいいです。チャイナ服があんなに素敵だとわ(惚)。
だいもんを「俺のもの」だと認識していて、いろんな人、、、しまいには、浮気した自分の妻(愛純もえり)にさえ、「俺のもの(=だいもん)に手を出す奴は許さない」と宣言して罰を与えたりするし!!…ね、ふみか。もえりちゃんの浮気をとがめるんじゃないのね?だいもんに手を出したことを怒ったのね……?(惚)
・ヒロイン:孫香雪(華月由舞)
もう、これは文句なしでヒロイン由舞ちゃんでした。同期でコンビで、超お似合い!!この二人で新公観たかったなあ(T T)。
由舞ちゃんは、ふみかが経営するダンスホール(?)「大世界」のダンサー。だいもんと同じ田舎の貧しい家に生まれ、幼い頃に青幇に売られてきた、幼馴染という設定だったと思います。
だいもんは、香雪のために「何があっても生きる」ことを選択して、心の傷に眼を瞑って悪事に手を染めてきた。多分ふみかは、そうやって心に傷を負い、心を闇に沈めていくだいもんを視ているのが愉しかったんだと思う。その愉楽に浸り、時々背中を押してやる、その快感に嵌っていたんだと思います。
新人公演で散々観ていて、どちらかといえば明るいヒーロータイプと認識していただいもん。彼女があんなに被虐的で昏い道が似合うタイプだとは思っていませんでした。……生田さん、ありがとう★
・準ヒロイン:シンシア・フレミング(月野姫花)
シンシアは劉の物語でも準ヒロイン格の重要な存在です。
おっと。バウばっかり長くなってしまいました(汗)
すみません。「相棒」の詳細は、たぶんドラマファンの方が書かれた方が、面白くてわかりやすいだろうな、と思うんですよね。
警官はイケメンぞろいだし、婦警は美女だらけだし、、、現実では無いことはわかっていても、ちょっと、帰り道に交通整理をしている人の貌を視てしまいそうです(汗)。
それにしても。
花娘たちは、皆さん本当に、例外なく可愛いなあ(*^ ^*)
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コメント
面白かったですよねぇ~ これも青年館にきたらきっと何回も見ちゃうだろうなぁという危なく面白い作品だったと思いました。
ミシェルとクリストファーはシンシアと付き合っているときに全く別のところで出会って恋に落ちてしまい、でも妹の婚約者と判って・・・みたいな話を背景に欲しかったですよね~
もうこの作品3時間公演にならないとだめだわ。
ほんと楽しい公演だったなぁ~
だいもんは代表作と言えちゃうよね。
そうそう、彩音ちゃんのミューサロの共演がまっつとだいもんで
なんて実力者を揃えてきたのかと、彩音ちゃんのセンスに驚きました(笑)
88同期があんなにいるのに選ばないってのもすごいですが!
『相棒』はドラマファンなので、もう再現率の高さだけでニヤニヤしてしまい
楽しめました。
でも、あれでは事件が起きたとは言えなくてちょっと不満が残りました~
> 恋に落ちてしまい、でも妹の婚約者と判って・・・みたいな話を背景に欲しかったですよね~
そういう設定も美味しいですね(*^ ^*)。とにかく、ミシェルとクリストファーの間にどんな形でもいいから恋愛感情があれば、一気に緊迫感が増すのになあ……惜しい。
> もうこの作品3時間公演にならないとだめだわ。
新公の潤色ぶり(というかぶった切りぶり)はセンスがあって素晴らしかったのになあ(T T)。
自分の作品だと、全体のバランスをとるってことが難しいものなのでしょうか。
> だいもんは代表作と言えちゃうよね。
現時点で、あれだけの代表作を持っているジェンヌの方が少ないですね(^ ^)。
>そうそう、彩音ちゃんのミューサロの共演がまっつとだいもんで
……あのキャスト、凄いですよね(; ;)。忙しいんだけどなあ、あの時期は……。
>88同期があんなにいるのに選ばないってのもすごいですが!
となみちゃんも同期だったし、花組88期全員でのミュージックサロンをちょっとだけ期待していたんですけどね。聴き応え見ごたえのある楽しいショーになると思ったんだけど。
……まさかあんな最終兵器を二人も出してくるとは(T T)。
> でも、あれでは事件が起きたとは言えなくてちょっと不満が残りました~
そうなんですかー。ドラマを知らないので、ああいうものかと思っていました(汗)。