新年明けまして、おめでとうございます。

とりあえず、すいているうちに、と思って、夜明け前にお参りにいってきました(^ ^)
寒かったーーーーっ!!


いつのまにか「安産の神社」になってしまっていたので、病魔退散のお札はもらえませんでしたが、かなり真剣に「誰も休演しませんように」と祈ってきました。
たくさんの人からお祈りされて、かみさまもお忙しいかと思いますが、どうぞ、このお願いだけは聞き届けてね(強制)。




去年も大概激動でしたが。
今年もきっと、いろんなことがあることでしょうね。

それでも、なお。
           思い出深い、素敵な一年になりますように。















さて。
猫の今年の観劇計画は、1月3日の「カサブランカ」初日に始まります。

大劇場で観劇しても、いろんなことがあって“きちんと”は書けていないなと思うので。東宝初日にむけて、今日からさっそく書き始めたいと思います(^ ^)。
どこまで進むかわかりませんが、どうぞお付き合いくださいませ。





■プロローグ ~1940年11月~
カサブランカへやってきた男、リック(大空祐飛)。
裏の顔役でもあるイタリア人のフェラーリに紹介されて、カサブランカの立派な屋敷を一つ買い取る。
新しいカフェを経営するために。


銀橋を渡りながら歌う歌が、思ったより良くてホッとしました(^ ^;ゞ
初見のときは『トップマイク』というものの偉大さに目を瞠ったりもしたんですけど……、まあ、あの、びょうびょうたる風のような歌声は、歌の内容にもぴったり合っているのかなあ、と。

♪パリに残したはずの苦い愛を棄てきれずに地中海を渡った
♪目の前に広がる大西洋(アトランティック)
♪二度と還れぬアメリカに繋がる
♪行方を失くしたこの俺の最後の港か カサブランカ

リックが還りたいのはアメリカなのか、パリなのか。
そのあたりを曖昧にしたまま、リックは銀橋を渡り、砂と海に囲まれた白い舘に辿りつく……。

この場面で使われる映像は、本当に映画のタイトルバックみたいで印象的です。
カサブランカを見下ろす鳥瞰景から、街の中へ舞い降りていく感じがすごくいい。1941年のカサブランカ、という謎の街へ入っていく導入部として、これ以上のものはないのでは、と思ったくらいでした。



■第1場 裁判所前広場 ~1941年12月1日昼間~
背景の映像と共に街の中へと分け入っていくと、両袖から人々が登場してきて、裁判所広場へ。
ヴィザを求める亡命者たちの大ナンバー、「ヴィザを!ヴィザを!」。

まー、とにかくこの場面では、宙組のコーラスの凄さに度肝を抜かれてください(^ ^)。
10年前の組発足当初から凄かった宙組のコーラスが、これだけ人が入れ替わった今になっても未だ健在なのが、なにか嬉しい♪ ここ数年、この武器を思う存分発揮できるような演目が回ってきていなかったので、良かったねーと思います(^ ^)



様々な立場の人々が交錯する広場。
ヴィザを求める亡命者たち。
兵士に呼ばれて一列に並んだ彼らの中で、一人(七海ひろき)だけがヴィザを手にして出てくる。
連れの女(綾音らいら)と抱き合って喜ぶ二人。その手から、ヴィザを奪い取ろうと(?)する男(光海舞人)。万感の思いを籠めて、手の中の紙を、神の啓示を凝っと見つめて。
その手から全ての希望を奪い返し、女と二人、自由へ向かって駆け出していく、かいちゃんの光。


でも。
そんな程度のドラマなら、日常茶飯事。
あらゆることが時を選ばずに起こる、それがカサブランカ。


警官たちに追われるレジスタンス(蓮水ゆうや)。
彼らの銃声に驚き、怯えるアメリカからの観光客(カーティス夫妻/美風&十輝)。
観光客の(=観客の)暢気な疑問に一つ一つ答えつつ、懐の隙を狙うスリ(ジャン/珠洲春希)。
彼の語る「昨日、ドイツの外交官が殺されて……」という話を聞きながら、そっと胸(懐の書類)を押さえつつ、逃げるように上手にハケていくウガーテ(天羽珠紀)。
何も知らない観光客、という存在をうまいことつかって、さりげなく時代背景や状況を説明してしまう流れはさすがだな、と思います。


親独政権の象徴・ヴィシー政権の立役者・ペタン元帥の肖像画を殴りつける亡命者(蒼羽りく)。
それを一生懸命宥めつつ引き剥していた、藤咲えりちゃん。


裁判所広場から空港は近いらしく、すぐ頭上を飛行機が翔んでいく。

「リスボンまで乗せてくれーーーーっ!!」
悲痛な声で叫ぶ亡命者(星吹彩翔)。
絶望に泣き崩れる女(花露すみか)。
彼女を慰める、ブルガリアからの亡命者の青年ヤン(凪七瑠海)。
「いつか貴女も、あの飛行機に乗れますよ」
そんな御伽噺をそっと囁く、少し鼻にかかった声。青臭くて一生懸命で、なかなか良いです。
そんな夫を見守る歳上の妻・アニーナ(花影アリス)の表情が切なげで。
現実の見えていない、御伽噺を信じている青年と、その青年の瞳の光を守りたいと思っている、女の対比。
実際の歳の差は僅かでも、女の方が現実を見ているんでしょうね。何があっても、あたしはこの男を見捨てはしない。あたしが必ず、この男の夢を叶えてみせる、、、と。



初見ではあまり何とも思わずに、コーラスの迫力に気圧されているばかり、だったのですが。
何度か観ていくうちに、アルバイト中の亡命者チェックが面白くなってきます。
「太王四神記」の人使いのあらっぽさも凄いなと思いましたが、小池さん、今回も相当です(^ ^;

まず、しょっぱなからリックの店のウェイター(?)ビゴー(かいちゃん)が目立つ役をやっているんだけど、いいのか?みたいな。ビゴーがここでヴィザを手に入れちゃって出国しちゃったら、リックも新しい黒服が見つかるまで困るだろうに、、、みたいな。
他にも、リックの店で亡命希望者を苛めている天玲美音・天輝トニカのお二人がいたり(^ ^)。

さらに不思議なのは、すぐ次の場面で兵士として出てくる皆様。ドイツ兵の雅桜歌・春瀬央季・実羚淳・朝央れん、カッセル中尉役の澄輝さやと、トネリ大尉の月映樹茉、イタリア兵の瑠美絢。物凄く忙しいと思うんですよね、このメンバーは。まあ、亡命者たちの二曲目(「銀色の翼」)がまるっとあるので、そんなに物凄い早替りではないんですが、、、でも、それなりに大変なんじゃないのかなあ。
何も彼らを出さなくても、組子が80人近くもいるんだから他にいるだろうに…と思ったんですけど、プログラムを見て納得。肌を黒くしちゃってる人は『亡命者』にはなれないし、それ以外の男役は最下まで全員出てる(^ ^)。アルバイトに頼るしかないわけだ。
さすがに88期は出さなかっただけ、小池さん的には配慮したうちに入るのでしょうか。「太王四神記」も娘役が兵士に入りまくって大変なことになってましたが、今回もやっぱり人海戦術なんだなあ(^ ^)。

アルバイトの人たちが抜けた後は娘役で埋めて、次の場面へ。ドイツ軍の飛行機に怯える亡命者たちは、女性が増えているだけに切迫感があります。小池さんって、そこまで計算して人を動かしているんだろうか……。



■第二場 裁判所前広場~空港
裁判所前広場の喧騒の中に、警視総監のルノー大尉(北翔海莉)が部下たちを引き連れて登場。
挨拶をして話しかけてくるジャンを軽くかわして、シュトラッサー少佐(悠未ひろ)の出迎えに空港へ向かう。

映像のプロペラ機の小さなドアから、身を屈めて出てくるのは、大きなともちん。
花組の「外伝・ベルばら」のフェルゼン様(真野すがた)登場と良く似たシチュエーションなのに、こっちはごくシリアスな場面として成立していたのは何故だろう……やはり、演出の勝利なのかしらん?
この場面にしても、ラストシーンも、映像の飛行機の扉のラインと実際の開口部の位置なんて全然合ってないのに、なんとなく納得してしまうんですよね。人間って不思議だなあ。

ナチス軍服を隙なく着込んだともちんの格好良さは、群を抜いています。いやー、本当に格好良い!!ナウオンなどで素で喋っている姿はめちゃめちゃ乙女なのに(^ ^)。ともちんに軍服(ロングコート付!!)を着せた時点で、小池さんの勝利は目前、って感じです。

まずシュトラッサーは、前日に起こった外交官殺害事件について質問する。
ルノーは彼に「犯人のめぼしはついている。彼は必ず、リックの店に現れるだろう」と報告し、車で去る彼を見送って幕前で呟く。

♪晴れの日もあれば、雨の日もある
♪人生にも波があり、国にも浮き沈みがある

嫌なことは見過ごして、陽が射すのを黙って待っているのさ、と嘯く彼は、もしかしたら誰よりも祖国を愛しているのかもしれない、と思います。
のんびり生きていてもなんとかなる、それはフランスが豊かな農業国だから言えること。
気候の厳しいドイツでは、人々はもっとガツガツしています。だって、頑張らなくちゃ食べていけない国なんですから。そんな連中に、豊かな祖国を食い荒らされるのが悔しくてしょうがない。
だけど、国力の差と兵力の差は比例しません。今闘いを挑んでも、勝てるはずが無い。いつか、無理を続けているドイツも疲れるときが来る、その時まで……

♪微笑みで苦さ隠して 見過ごして 生き残る

まずは時が来るまで生き残らなくては、どうすることもできないのだから。



とりあえず、この場面の見所は、シュトラッサーに挨拶しようとしてカッセル中尉に止められるイタリアのトネリ大尉(月映)。
いやー、所属する国が違うとはいえ、大尉であるトネリにカッセルは随分乱暴な物言い(手を掴んだりとか、行為としてもカナリ乱暴)だな、と思ったりもするんですけど、そんなものなのでしょうか。当時のフランスとイタリアは決して仲良くないはずなのですが、ヴィシー政権下だからイタリアとは同盟国ってことになるのかな?(←無知)

あと、シュトラッサーを迎えに現れるナチス車の運転手(蓮水ゆうや)のクールな横顔がとても素敵♪ 大劇場公演前半の休演騒ぎの最中に観たときは、カーティス(夫)を演じたあと、そのまま髭を取る暇もなく出てきたちーちゃんの、髭+ナチス軍服というクールな姿に完全に撃ち抜かれた猫だったのですが……あああ、素敵だったなあちーちゃん………(*^ ^*)。
まさこちゃんが復帰してからは、運転手さんは髭無しです。しょぼん。……いや、もちろん、髭はなくてもちーちゃんは素敵です(^ ^;ゞ。



■第3場 リックの店 ~1941年12月1日夜~
ルノー大尉の「会いたい人がいるなら、リックの店に行くといい」という、どこのポスターのコピーかと思うような宣伝文句と同時に、流れてくる陽気な音楽。

リックの店の専属ピアニスト・サム(萬あきら)の軽快なピアノと、歌声。
幕が上がると、リックのカフェ・アメリカンの見事なセットが登場。人々の笑い声が溢れた、陽気なカフェ。


最初に見えるのは、店の玄関。ちょうど開店時間なのか、ちょっとあくびをしながら出てくるムーア人の少年(風馬翔)が可愛いです。ドアを開いて、お客様を出迎える。

上手から回り続ける盆は、店の中に入っていく。この作品がすごく映画的だ、と思うのはこんなときです。セットが盆に載って水平に動いていく様子が、滑らかにパンしていくカメラみたいで、視点の流れがすごく新鮮。
こう見てほしい、という演出家の意思がはっきりと伝わる演出だと思うんですよね。特に一階席だとその印象が顕著。二階席だと、演出家の意思に反したところ(セットの裏とか)がすごく面白くて目が離せないんですけど(^ ^)。


そうして、店の中でカメラ(盆)が止まる。

中央にピアノとサム。下手側のドアからは次々に客が現れ、上手側のカジノに流れていく人もいる(出てくる人も居る)。上手側手前にバーカウンターが出てきて、陽気なバーテンのサッシャ(春風美里)が鼻歌を歌いながらグラスを磨いている……。




……ここから先は長いので、いったん切らせていただきます。
年始早々、進みが遅くってすみません(^ ^;ゞ



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