東京宝塚劇場にて、月組公演「ラストプレイ/Heat On Beat」を観劇してまいりました。
麻子さん、あひちゃん、おときち、あいあい、りこちゃん、しずく、しおりちゃん、もえちゃん。彼女たちがまだ宝塚に居てくれる、さいごのクリスマス。
クリスマスツリーが美しく光るロビーを通って、見送ってまいりました。
お芝居の感想は、新人公演感想の中でもちょいちょい書いたので、もういいかな、と思っているんですが。
ただ。
正塚さんには、次の作品に取り組む前に、胸に手をあててよーーーーく考えてみてほしいな、と思います。
自分は何を語りたいのか、を、もう一度。
彼は、本質的に『自分が語りたいことを語る』タイプの作家だと思うので、そのスタンスは別にいいと思うんです。
ただ。自分が語りたいと思ったことを語る作家、ってことは、語りたいことが見つからないときはクリエイティブできないってことだと思うんですよね。
それでも、座付きだから指名されれば何かを出さなくてはならない、というプレッシャーの中で搾り出された「薔薇に降る雨」、そして「ラスト・プレイ」。
どちらも、脚本的には「外伝・ベルサイユのばら」を呼ぶような意味での「駄作」ではないと思うんですよ。少なくとも「薔薇…」は、ね。(「ラスト・プレイ」はちょっと微妙)
でも。
「駄作じゃなければいい」ってもんじゃないと思うんです。正塚作品の問題は、「駄作じゃない」程度のレベルの作品だと、役が少なすぎて大劇場の空間を埋められないことだと思うんですよね。組子の役が少なくても、組子の出番が少なくても、それだけでイコール駄作とは思いません。だけど、役が少ないなら、組子の出番が少ないなら、ある程度のレベルの作品でないと間がもたない。正塚作品クラスの役・出番なら、「マリポーサの花」クラスでないと絶対に無理、ってことだと思うのです。
そういう作品を創れる自信がなかったら、たとえ指名があっても断る勇気を持ってほしい。
そして、「大劇場作品じゃなくて、若手を育てるためのバウ作品やドラマシティ作品に取り組みたい」と言ってほしい!
もう、随分長いこと中小劇場で新作を出してないですよね…?再演はちょこちょこあるけれども。また「CrossRoad」みたいな、宛書の名作を創ってほしい、と心から願っています。
あ、いかん。書かないといいながら結構語ってしまった(汗)。
今回はショーの方も、出番のない人は本当に出てないので、結構凹んでいます。劇団も、演目決めるときに『芝居が正塚さんだったら、三木さんはまずいかなあ』って気づこうよ(涙目)。
まあ、トップスターのサヨナラ公演なんだから、一番多いトップスターのファンさえ満足すれば、それが正解なんでしょうけれども……(T T)。
なんてことをつらつらと思いつつ、卒業生一人一人のの“見せ場”について。
麻子さん
さすがトップスター様。すべてが“見せ場”なので、特にどこってことは無いのですが……
個人的には、なんだかんだ言ってもフィナーレのパレードで白い総スパンの衣装に羽を背負って降りてこられる姿にじーんときます。ああ、翔びたってしまうんだなあ、と実感する瞬間です(; ;)。
あひちゃん
やっぱりしずくちゃんとの銀橋かなあ。包容力があって空気が優しいんですよね。
歌は……なコンビですが、なかなかお似合いで素敵だなあ♪と思いながら観てます。
おときち
ここはやはり、せっかく三木さんが用意してくれた花道、ということでエトワールでしょうか。
おときちは、歌は巧いんだけどどうもソロはなかなか成功しない……みたいなイメージがあったんですが、今回は普通に良かったのでホッとしました。最後に美声を堪能できて幸せです。
ありがとう三木さん。
あいあい
椅子の場面のイリュジオンの、憂いに満ちた横顔。
フィナーレのヴィオレットの、幸せそうな笑顔。
「Apassionado!!」に続き、男役の美脚祭りな月組ショーの中でも、燦然と輝くあいちゃんの美脚。ど、どこまで脚なの!?と毎回驚くんですよね、飽きもせず(^ ^;ゞ
だけど、今回はやっぱり、事実上のヒロインだったエスメラルダが、とても良かったです。
「もうイヤなのよ!あの人を待つのも、信じるのも」という血を吐くような叫びが印象的で。
甘やかで可愛らしい声と、落ち着いた大人っぽい、翳りのある貌とのギャップが魅力的でもあり、使いにくくもあったであろう女優。宝塚の娘役、というよりも、もっとはっきり「女優」であったあいちゃん。宝塚という枠を離れて、これからの活躍が楽しみです。……舞台、出てね!
りこちゃん
三木さんには気に入られているのか(?)、ほとんど全場面に出ているりこちゃん。
一番印象的だったのは、フィナーレの黒燕尾でしょうか。一瞬誰だかわからなかったほど、大人びた顔で落ち着いて踊っていましたね。以前はついニコニコ笑ってしまっていたのになあ……
しずく
新公のときも書きましたが、今回公演でのしずくの美しさは群を抜いているんですよね。
なにかの箍が外れたかのような美しさ。
ビーティングガール、ラ・ニュイ、ラティーナ、北風、夜会の女、そして、フィナーレの淑女とパレードの歌手。どれも息を呑む美しさで、目が離せませんでした。
一番好きなのは「エル・ビエント」のビエント・ノルテ。毎回涙が出て困っています。観たいのにー!!まるで生粋の月娘みたいな男前っぷりが気持ち良い です。
あの突き抜けた力強さ、カッコよさ。もっと早く月組に来ていたら、あんなに萎縮することもなく伸び伸びとやっていられたのかなあ、と………その美しさを惜しみながら。
羽桜しずくというタカラジェンヌと逢えて、良かった。
7年前、「王家に捧ぐ歌」のコーラス段の下手側天辺で兵士の衣装を着て歌っていたしずく。「龍星」で初めて役らしい役がついて、とても嬉しかったっけ…。一度でいいから声を聴いてみたい、と思いつづけて、初めてまともに声を聴いたのは「シークレット・ハンター」の新人公演。想像していたのとはだいぶ違う声に、ちょっと落ち込んで帰ったのも今では懐かしい思い出です。
キラキラとは光らないけど、ふと見るとそこだけほんのりと明るい、そんな存在感のある人でした。月組に来てくれて、サリーと浮舟とエミーリア姫とシシィに逢わせてくれて、本当にありがとう。しずくちゃん自身は大変だったんだろうけど、私はとても幸せでした。
ずっと見守っていられると思っていた花が予想外の早さで散ってしまう……あまりにも残念でどうしても泣けてしまうのですが。
でも。
………しあわせを、いのっています。
しおりちゃん
今回、東京だけの発表ということもあって、あまり目立つ場面もなかったしおりちゃん。お芝居もショーも、いつもどおりに手堅くしっかりと役割を果たしていた印象です。
一番好きだったのは、お芝居のクラブのダンサーかなあ。色っぽくて綺麗でした。
「Hollywood Lover」でのちょっとしたお芝居が印象的で、いい役者になりそうだな、と楽しみにしていたのになあ……(惜)。
もえちゃん
若人たちの「監獄ロック」でギラギラと踊っているもえちゃん。
一番得意のポアントで、脚をあげまくるもえちゃん。ロック音楽の場面なのに、もえちゃんだけクラシックのリズムなのがなんともいえず微妙でしたが、仕方ないんでしょうね。
「ファンシー・ダンス」以来の好敵手(?)蘭ちゃんと相変わらずダンスバトルしているのが面白い趣向だな、と思いました。
「ホフマン物語」の影法師みたいなダンスをもう一度見てみたかったのに…と残念な気持ちもありますが、卒業後はきっとダンスを専門に勉強されるつもりなんだろう!と信じて、次の活躍を楽しみに待ちたいと思います(*^ ^*)。
なんだか、作品については何も書いていませんが。
クリスマスだし。まあ、いいかなあ。
月組っ子が、みんな幸せでありますように。
イエス様のお誕生日に。
Merry Christmas★
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麻子さん、あひちゃん、おときち、あいあい、りこちゃん、しずく、しおりちゃん、もえちゃん。彼女たちがまだ宝塚に居てくれる、さいごのクリスマス。
クリスマスツリーが美しく光るロビーを通って、見送ってまいりました。
お芝居の感想は、新人公演感想の中でもちょいちょい書いたので、もういいかな、と思っているんですが。
ただ。
正塚さんには、次の作品に取り組む前に、胸に手をあててよーーーーく考えてみてほしいな、と思います。
自分は何を語りたいのか、を、もう一度。
彼は、本質的に『自分が語りたいことを語る』タイプの作家だと思うので、そのスタンスは別にいいと思うんです。
ただ。自分が語りたいと思ったことを語る作家、ってことは、語りたいことが見つからないときはクリエイティブできないってことだと思うんですよね。
それでも、座付きだから指名されれば何かを出さなくてはならない、というプレッシャーの中で搾り出された「薔薇に降る雨」、そして「ラスト・プレイ」。
どちらも、脚本的には「外伝・ベルサイユのばら」を呼ぶような意味での「駄作」ではないと思うんですよ。少なくとも「薔薇…」は、ね。(「ラスト・プレイ」はちょっと微妙)
でも。
「駄作じゃなければいい」ってもんじゃないと思うんです。正塚作品の問題は、「駄作じゃない」程度のレベルの作品だと、役が少なすぎて大劇場の空間を埋められないことだと思うんですよね。組子の役が少なくても、組子の出番が少なくても、それだけでイコール駄作とは思いません。だけど、役が少ないなら、組子の出番が少ないなら、ある程度のレベルの作品でないと間がもたない。正塚作品クラスの役・出番なら、「マリポーサの花」クラスでないと絶対に無理、ってことだと思うのです。
そういう作品を創れる自信がなかったら、たとえ指名があっても断る勇気を持ってほしい。
そして、「大劇場作品じゃなくて、若手を育てるためのバウ作品やドラマシティ作品に取り組みたい」と言ってほしい!
もう、随分長いこと中小劇場で新作を出してないですよね…?再演はちょこちょこあるけれども。また「CrossRoad」みたいな、宛書の名作を創ってほしい、と心から願っています。
あ、いかん。書かないといいながら結構語ってしまった(汗)。
今回はショーの方も、出番のない人は本当に出てないので、結構凹んでいます。劇団も、演目決めるときに『芝居が正塚さんだったら、三木さんはまずいかなあ』って気づこうよ(涙目)。
まあ、トップスターのサヨナラ公演なんだから、一番多いトップスターのファンさえ満足すれば、それが正解なんでしょうけれども……(T T)。
なんてことをつらつらと思いつつ、卒業生一人一人のの“見せ場”について。
麻子さん
さすがトップスター様。すべてが“見せ場”なので、特にどこってことは無いのですが……
個人的には、なんだかんだ言ってもフィナーレのパレードで白い総スパンの衣装に羽を背負って降りてこられる姿にじーんときます。ああ、翔びたってしまうんだなあ、と実感する瞬間です(; ;)。
あひちゃん
やっぱりしずくちゃんとの銀橋かなあ。包容力があって空気が優しいんですよね。
歌は……なコンビですが、なかなかお似合いで素敵だなあ♪と思いながら観てます。
おときち
ここはやはり、せっかく三木さんが用意してくれた花道、ということでエトワールでしょうか。
おときちは、歌は巧いんだけどどうもソロはなかなか成功しない……みたいなイメージがあったんですが、今回は普通に良かったのでホッとしました。最後に美声を堪能できて幸せです。
ありがとう三木さん。
あいあい
椅子の場面のイリュジオンの、憂いに満ちた横顔。
フィナーレのヴィオレットの、幸せそうな笑顔。
「Apassionado!!」に続き、男役の美脚祭りな月組ショーの中でも、燦然と輝くあいちゃんの美脚。ど、どこまで脚なの!?と毎回驚くんですよね、飽きもせず(^ ^;ゞ
だけど、今回はやっぱり、事実上のヒロインだったエスメラルダが、とても良かったです。
「もうイヤなのよ!あの人を待つのも、信じるのも」という血を吐くような叫びが印象的で。
甘やかで可愛らしい声と、落ち着いた大人っぽい、翳りのある貌とのギャップが魅力的でもあり、使いにくくもあったであろう女優。宝塚の娘役、というよりも、もっとはっきり「女優」であったあいちゃん。宝塚という枠を離れて、これからの活躍が楽しみです。……舞台、出てね!
りこちゃん
三木さんには気に入られているのか(?)、ほとんど全場面に出ているりこちゃん。
一番印象的だったのは、フィナーレの黒燕尾でしょうか。一瞬誰だかわからなかったほど、大人びた顔で落ち着いて踊っていましたね。以前はついニコニコ笑ってしまっていたのになあ……
しずく
新公のときも書きましたが、今回公演でのしずくの美しさは群を抜いているんですよね。
なにかの箍が外れたかのような美しさ。
ビーティングガール、ラ・ニュイ、ラティーナ、北風、夜会の女、そして、フィナーレの淑女とパレードの歌手。どれも息を呑む美しさで、目が離せませんでした。
一番好きなのは「エル・ビエント」のビエント・ノルテ。毎回涙が出て困っています。観たいのにー!!まるで生粋の月娘みたいな男前っぷりが気持ち良い です。
あの突き抜けた力強さ、カッコよさ。もっと早く月組に来ていたら、あんなに萎縮することもなく伸び伸びとやっていられたのかなあ、と………その美しさを惜しみながら。
羽桜しずくというタカラジェンヌと逢えて、良かった。
7年前、「王家に捧ぐ歌」のコーラス段の下手側天辺で兵士の衣装を着て歌っていたしずく。「龍星」で初めて役らしい役がついて、とても嬉しかったっけ…。一度でいいから声を聴いてみたい、と思いつづけて、初めてまともに声を聴いたのは「シークレット・ハンター」の新人公演。想像していたのとはだいぶ違う声に、ちょっと落ち込んで帰ったのも今では懐かしい思い出です。
キラキラとは光らないけど、ふと見るとそこだけほんのりと明るい、そんな存在感のある人でした。月組に来てくれて、サリーと浮舟とエミーリア姫とシシィに逢わせてくれて、本当にありがとう。しずくちゃん自身は大変だったんだろうけど、私はとても幸せでした。
ずっと見守っていられると思っていた花が予想外の早さで散ってしまう……あまりにも残念でどうしても泣けてしまうのですが。
でも。
………しあわせを、いのっています。
しおりちゃん
今回、東京だけの発表ということもあって、あまり目立つ場面もなかったしおりちゃん。お芝居もショーも、いつもどおりに手堅くしっかりと役割を果たしていた印象です。
一番好きだったのは、お芝居のクラブのダンサーかなあ。色っぽくて綺麗でした。
「Hollywood Lover」でのちょっとしたお芝居が印象的で、いい役者になりそうだな、と楽しみにしていたのになあ……(惜)。
もえちゃん
若人たちの「監獄ロック」でギラギラと踊っているもえちゃん。
一番得意のポアントで、脚をあげまくるもえちゃん。ロック音楽の場面なのに、もえちゃんだけクラシックのリズムなのがなんともいえず微妙でしたが、仕方ないんでしょうね。
「ファンシー・ダンス」以来の好敵手(?)蘭ちゃんと相変わらずダンスバトルしているのが面白い趣向だな、と思いました。
「ホフマン物語」の影法師みたいなダンスをもう一度見てみたかったのに…と残念な気持ちもありますが、卒業後はきっとダンスを専門に勉強されるつもりなんだろう!と信じて、次の活躍を楽しみに待ちたいと思います(*^ ^*)。
なんだか、作品については何も書いていませんが。
クリスマスだし。まあ、いいかなあ。
月組っ子が、みんな幸せでありますように。
イエス様のお誕生日に。
Merry Christmas★
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